2008.4.22
【宇治川太閤堤跡の国指定史跡・木津川市の恭仁京保存】渡海紀三朗文部科学大臣と議論
169-衆-決算行政監視委員会第二分科会-2号 平成20年4月22日
○横光主査 山井和則君。
○山井分科員 本日は、三十分間の質問時間をいただきまして、ありがとうございます。半分ぐらいを文部科学省所管、そして少し、厚生労働省の後期高齢者医療制度、そして肝炎問題についても質問をさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。
それでは、早速、私の地元の課題についてお願いを申し上げたいと思いますが、私の地元は京都南部、宇治でありまして、お茶どころ宇治、また、世界遺産の平等院もございます。
そこで、大臣、昨年、太閤堤というのが見つかりまして、これはこの写真を見ていただいたらわかるんですが、すぐ近所に有名な宇治橋がありまして、この川上の方には世界遺産の平等院や、あるいは風景が美しい塔の島もございますし、また、下流の方になりますと、豊臣秀吉の伏見桃山城もございます。そこに、ここの写真にございますような太閤堤というのが見つかったわけでございます。そして、地元のみならず全国の方が集まって、非常に具体的にだれがつくったかわかるという堤が見つかったということで、全国でもこれは一級品の史跡ではないかというふうに文化庁からも評価を受けているところでございます。
そこで、まず最初に御質問とお願いを申し上げたいのが、この太閤堤、これについての文化庁そして文部科学省としての評価と、これを今後、お茶のこととも絡めて、まちづくりの核に私たちの地元宇治市としてはやっていきたいと思いますが、それについての国の御支援を要望したいと思います。大臣、よろしくお願いいたします。
○渡海国務大臣 堤防跡というのは日本全国にいろいろあるわけでございますが、なかなか建造された年代や築造者というものが判明していないわけですね。ところが、今委員が御指摘の太閤堤というのは、安土桃山時代に豊臣秀吉が築造したということがはっきりしておりますし、非常に大規模な、立派な堤防でございます。そういった意味では、非常に歴史的な価値、また文化的な価値も高いというふうに判断をいたしております。
昨年度から宇治市が発掘調査をしておりまして、国としても五割の補助ということで支援をいたしておるところでございますが、仮に史跡に指定された場合は、指定されると思いますが、国として、その公有化に対しては八割の補助、保存整備に対して五割の補助という仕組みがあって、積極的にこの支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山井分科員 今大臣からも、恐らく指定されると思うけれどもということをおっしゃっていただきましたが、まさに、ぜひとも一日も早く指定をしていただいて、それを核に、まちづくりにつなげて、本当に全国の方々に、この宇治に観光そして昔のロマンを求めてお越しいただきたいと思っております。
それで、まさに今、国からの補助をいただきながら調査をしております。現在明らかになっているのがこの地域なんですが、これからもっと幅広く、八月ぐらいまでかけてこの史跡の全容を調査する予定になっております。
今後のスケジュールについてお伺いと御相談をさせてもらいたいと思いますが、地元宇治市の計画では、八月ぐらいまでに調査を終える、それで十二月ぐらいには史跡指定の申請をしたいということを予定としております。
もちろん、史跡の指定に関しましては、地元の地権者の了解ということが前提でございまして、これは当然きっちりとやってまいりますが、その前提において、一般論で結構なんですが、お答えいただきたいんです。この十二月に申請をすると、その後、審議会とか答申とか決定、どのようなスケジュール化になっていくかということをお教えいただければと思います。
○渡海国務大臣 一般論で申し上げれば、遺跡の内容、範囲、価値について学術的な発掘調査が今行われておりまして、八月に終了するということでございますが、十分な価値が評価される、これは多分評価される、予測でございます、個人的な私見でございますが、審議会の先生方の意見を聞かなきゃいけませんが、その上で、指定について地権者や関係者の同意を得た上で、地元市町村教育委員会から文部科学大臣に意見具申、その後、文部科学大臣から文化審議会に諮問した後で、文化審議会で調査審議がされて、国指定史跡としての価値があると判断された場合に、文部科学大臣に答申をされ、その後、官報の告示、所有者への通知、こういう順序が必要でございます。
今のところ、手順を申し上げるという段階ではございませんが、十二月に宇治市から意見具申があった場合は、来年度中には手順が行われることになろうというふうに考えております。
ちなみに、文化審議会への諮問、これは四月、十月に予定されておりますし、また文化審議会の答申というものも五月、十一月、これは通例でございますが、官報の告示が七月、二月。これが一つの値ごろ感といいますか、スケジュールでございます。
ですから、十二月に出していただいたら、早ければ七月に官報告示ができるということになると思います。
○山井分科員 地元としては首を長くして待っておりまして、まさにその指定を前提にまちづくりにつなげていきたいと思います。
そうしたら、確認ですが、要は、今のお話を私なりにまとめさせていただきますと、十二月に申請をすれば、その審議会の四月と十月にあるうちの四月にかかって、それで、早ければ七月ぐらいに決定が出る、そういうことでよろしいですか。
○渡海国務大臣 結構でございます。
○山井分科員 それでは、続きまして、もう一つ、私の地元の木津川市の恭仁京の保存についてお伺いしたいと思います。
平城京から現在の木津川市に移された、かつては幻の都と言われたこの恭仁京は、昭和三十二年に史跡指定以来、発掘が進み、平成十九年二月には恭仁宮と名称を変更されて、範囲も追加指定されております。それで、今は文化庁から補助金で民家の買い取りなども進められておりますが、私たちの要望としたら、二〇一〇年にお隣の平城遷都千三百年というのがございますが、地元では、この機会に史跡公園として、ぜひとも国の管理を望む声が多いわけでございます。
写真を見せさせていただきますと、こういうふうなすばらしい恭仁宮の史跡でございます。ここについて、国の評価というものをまずお伺いしたいと思います。
○渡海国務大臣 この遺跡は、奈良時代、天平十二年、聖武天皇が天平十六年に難波宮に移るまでの五年間、これは平城宮にかわる首都としての旧跡であり、我が国古代の政治権力及び宗教を知る上で大変重要な遺跡と、史跡に指定をされているというふうに承知をいたしております。国でも、従来から、京都府や木津川市が実施している発掘事業や土地公有化事業について国庫補助事業を行い、支援をいたしております。
発掘でございますから、非常に、先ほども昭和三十二年とおっしゃっておりましたから、十九年まで、非常に時間がかかっているわけでございますけれども、国としても、今後ともしっかりと支援をしていきたい。
また、こういう場合に私はいつも思いますが、やはり地域のかかわりというのは非常に大事でございますので、委員、御地元ということでございますから、しっかりと地域と連携をしていただいて、またこの促進にも御尽力をいただきたいというふうに思っております。
○山井分科員 そこで、具体的な要望をさせていただきたいと思いますが、この史跡公園の整備という中で三点、具体的なことで恐縮なんですが、トイレの整備、また史跡内容が観覧できる施設の整備、そしてもう一つが駐車場の整備、この三つが喫緊の課題になっているわけですが、それらの整備の支援について御見解をお伺いしたいと思います。
○高塩政府参考人 文化庁といたしましては、史跡につきましては、地方公共団体や所有者が行います整備に関する補助事業、これは原則二分の一の補助でございますけれども、その補助制度を設けておりまして、これまでに多くの史跡についての整備が図られておったところでございます。
今先生から具体的な御質問がございましたけれども、この史跡、恭仁京跡につきましては、史跡公園としての総合的な整備を行うに当たりまして、地方公共団体におきまして整備計画というものを策定する必要があるわけでございますけれども、まだその段階には至っていないということでございまして、その整備計画の中で今先生からおっしゃられたトイレですとか駐車場ですとかガイダンス施設がどういう形で位置づけられてくるかによりまして、それぞれ個々に判断をしていくことになるのではないかというふうに考えているところでございます。
○山井分科員 それでは、源氏物語千年紀事業について、また大臣に御要望させていただきたいと思いますが、宇治市では十五年前から、お茶とあわせて源氏物語のまちづくりということで古典文化の継承に努めております。源氏物語五十四帖のうち最後の十帖が宇治市に舞台が設置され、宇治十帖と呼ばれております。その中で、源氏物語ミュージアムというものも地元に設置しているわけでございます。
そして、ことしは源氏物語千年紀事業を行っているんですが、一年間の一過性のもので終わらせるのはもったいないということで、そこで要望しているのが、資料にもありますように、十一月一日を古典の日と制定していただいて、こういう記念の日ができれば、これから毎年、その日にちなんでさまざまな事業を、地元として、京都としてこれからも継続的にやっていける。やはり、千年紀で一年で終わりというのは余りにももったいないというふうに思っております。
そういう趣旨で、地元としては十一月一日を古典の日に制定していただきたいというふうに要望しておりますが、文科省の御見解はいかがでしょうか。
○渡海国務大臣 この御質問をいただいたときに、なるほどなと正直思いました。けさ、家を出るときに家内に、日本の古典といったら何を想像すると聞いたら、やはり源氏物語と出てきました。ところが、実は、ある人に別に聞いてみたら、私は枕草子だと言うんですね。そういういろいろなことを考えますと、なかなか、まだ議論の要るところだなというふうに正直思います。
そういった御提案も含めて、古典の日というものを制定すべきかどうか、また、するとしたら、それは何にちなんで何日にすべきかという議論は、やはりもう少し時間をいただかないとなかなか難しいかな。これは、委員の質問に対して率直に私の感想をお答えさせていただきたいというふうに思っております。
ただ、地域において今までもいろいろやってこられた。やはりそういう活動をしていただくことは非常に有意義でございますし、また、法律には、十一月三日、これは文化の日でございまして、この文化の日を中心に十一月一日から七日を教育・文化週間、これは三十四年九月の閣議了解で一応こういう位置づけがされております。そういった意味では、これは国民の教育とか文化とかいうものの理解を深めるための大事な週間でございますので、それぞれの地域に根差した地域、公共団体における催し物、そういうものによって文化、芸術が一層図られるということは大変好ましいことだと考えております。
その中の何らかのメニューを取り上げて、そういったものを適宜支援していくということは可能かもしれないなというのが率直な印象でございますが、今即座に十一月一日を源氏物語の日、古典の日とすることは、まだまだちょっと議論が要るかなというのが、今、私が感じている、精いっぱいできる御回答でございます。
○山井分科員 ぜひ前向きに御検討いただければと思います。
それでは、少し話題がかわって恐縮ですが、きょうは厚生労働省からもお越しをいただいております。まず、後期高齢者医療制度の人間ドックと脳ドックについてお伺いをしたいと思っております。
きょうの資料の一番最後にもありますように、京都府下二十六市町村の中で、私が聞いておりますのは、京丹後市、笠置町、与謝野町の三つを除いた二十三の市町村が、ことしの三月三十一日までは人間ドック、脳ドックを国保、国民健康保険の補助事業として行っていた。しかし、四月一日から七十五歳以上の高齢者は後期高齢者医療制度に移って、京都府の後期高齢者広域連合では、この補助事業は脳ドック、人間ドックにおいては行っておりませんので、二十六のうち二十三の市町村では、四月一日から七十五歳以上の高齢者が脳ドック、人間ドックの補助を受けられなくなったというふうに聞いております。
このことについて、事前通告で事実確認をお願いしましたが、厚生労働省、いかがでしょうか。
○木倉政府参考人 お答え申し上げます。
まず、市町村国保での被保険者の方への健診事業でございますが、基本健康診査を超えまして人間ドックという形でやっておる、これは各保険者の方の独自の御判断でやってこられておるものがあろうかと承知しております。全国の把握をできておりました時点がちょっと古いんですが、十七年度では千二百余りの市町村国保におきまして人間ドックという形での助成制度を持っておったということのようでございますが、これがこの四月から、七十五歳以上の方について継続できているのか打ち切られているのか、これはまだ把握ができておるところにございません。
それで、京都の方の状況でございますけれども、恐れ入ります、京都だけでもということで御指摘をいただきましたが、ちょっと時間が十分ございませんで、こちらの方も全部の市町村、二十六市町村ございますが、今確認を急いでおります。
今現在で、お配りいただきました表の中で、ずっと我々の方からも確認をしておるんですけれども、十四の市町は、これまでやっておったんだけれども、七十五歳以上の方は国保から抜けられたということで、今後は人間ドックという形のものは継続をしないということで判断をされておるというふうに伺っております。
なお実態把握に努めてまいりたいというふうに思っております。
○山井分科員 そうしましたら、重ねてのお願いなんですが、これは電話を一本すればわかる話ですので、残り十二の市町村についても、きょうの夕方ぐらいまでにお電話をして、また御回答いただけますか。
○木倉政府参考人 はい、急ぎ確認をするようにいたして、また御回答申し上げたいと思います。
○山井分科員 余り詰めて聞いても恐縮なんですが、きょうの夕方ぐらいまでに御回答いただけますか。
○木倉政府参考人 回答を得られる努力をいたします。
○山井分科員 それで、もう一つ確認させていただきますと、これは全国で、平成十七年度、千二百の市町村がやっていたということですね。それで、私も幾つかの広域連合に電話をしてみました。でも、広域連合でこの人間ドック、脳ドックの補助事業をやっているところは、私は今のところ聞いておりません。
木倉審議官にお伺いしますが、厚生労働省として、どこか広域連合で脳ドック、人間ドックの補助事業をやっているところは把握されておられますでしょうか。
○木倉政府参考人 四十七の都道府県の市町村単位で市町村の連合を組んでいただいています広域連合でございますけれども、この広域連合として人間ドックということでの助成をやるということがあるということは聞いておりません。
○山井分科員 ということは、平成十七年度現在で千二百市町村あった、もちろん最近はわかっておりませんが、もしこれぐらいの数であったとするならば、今回の後期高齢者医療制度への移行によって、千二百市町村ぐらいの居住の七十五歳以上の高齢者が、人間ドックと脳ドックを、全額自己負担になって、全額自己負担では恐らく受けられる人はごくわずかだと思いますが、受けられなくなった可能性が高いということでよろしいですか。
○木倉政府参考人 人間ドックという形、いろいろメニューはおありになるので、そこと契約をされておったとは思うのでございますけれども、七十五歳以上の方でありましても、健診を努力義務としてお願いをしておりますので、基本的な項目につきましては我々も補助するようにいたしておりますので、基本的な項目につきましては健康診断ということが引き続き受けられるものというふうに承知しておりますが、人間ドックという形での継続というものは、市町村ごとのそういう実態があるのかどうか、今後、我々も把握には努めてまいりたいというふうに思っております。
○山井分科員 後期高齢者医療制度で医療は抑制されないというようなことも政府・与党はおっしゃっておられますが、私の近所のお年寄りの方々は、やはり怒っておられるんですよね。昨年までは人間ドック、脳ドックが補助事業で受けられた、しかし、後期高齢者医療制度になったら人間ドックと脳ドックが受けられなくなった、何で人間ドックや脳ドックを受けさせてくれないんだ、早く死ねということかと。
こういう批判が出ておるわけなんですが、厚生労働省としては、このような批判に関して、いかが思われますか。
○木倉政府参考人 これは、人間ドック以前の基本的な健康診査についても同じような御指摘をいただいておるというふうに思っております。
七十五歳以前の方については、特定健診というような形で健診を受けていただき、保健指導もさせていただくということ。七十五歳以上の方について健診を努力義務にとどめておるということにつきましては、七十五歳以上の方は、慢性疾患をお持ちの方も多いという中で、お医者さんとのつながりの中で医学的な指導管理ということを受けていただくことが多いんではないかというふうにも考えております。
また、先ほど申し上げましたように、努力義務ではありましても、我々も全国でやっていただけるような補助事業は持っておりまして、基本的な健康診査についてはきちんと受けていただくことを我々も応援していきたいというふうに思っております。
○山井分科員 もちろん、努力義務で健診が受けられるというのはわかりますけれども、やはり御高齢の方々が望んでおられるのは、何で七十五歳以上になったばっかりに今まで受けられていた脳ドックと人間ドックを受けられなくなったのか、これはやはり差別じゃないかという怒りがあるわけです。
そこで、もう一つ要望を加えさせていただきますと、全国の後期高齢者医療制度の広域連合ですが、これは四十七お調べいただいて、この補助事業を継続しているところがあるかどうか、先ほど、把握はしていない、やっているところは聞いていないということですが、念のために四十七、確認をしていただけますか。
○木倉政府参考人 広域連合単位でやるというところは聞いておりませんけれども、京都のように各市町村単位で引き続きの例があるかどうか、これはまた把握の努力をしてまいります。
○山井分科員 そうしたら、四十七都道府県で、広域連合で人間ドックの補助事業をやっているところがあるかどうか、きょうじゅうに調べてお返事いただけますか。
○木倉政府参考人 恐れ入ります、少しお時間をいただければと。各市町村、一生懸命、大変説明が不十分であったということは反省しておりますけれども、まずは今、円滑な施行に努力しておりますので、各市町村についての実態把握は少しお時間をいただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
○山井分科員 大体いつぐらいまでにできますでしょうか。
○木倉政府参考人 各種広域連合、市町村の御協力を得られるように努力をして、なるべく速やかにと思っております。
○山井分科員 そうしたら、一週間以内ぐらいに御回答いただけますか。
○木倉政府参考人 努力をいたします。
○山井分科員 せめて、広域連合そのものですね、市町村じゃなくて、広域連合がこの四月一日から後期高齢者医療制度で人間ドックの補助事業をやっているかどうか、それはきょうじゅうにわかると思うんですが、きょうじゅうに御回答いただけますか。
○木倉政府参考人 済みません、広域連合単位でやっておられるところはないと承知しております。
○山井分科員 わかりました。
それでは、平成十七年度ということですが、平成二十年、ことしの三月三十一日まで、どれだけの市町村が、要は人間ドック、脳ドックの国保の補助事業をやっていたか、そのことも、先ほど言いましたように一週間以内にお調べいただけますか。
○木倉政府参考人 各市町村、人間ドックに対する助成があったかどうか、直近のところで、なるべく把握するように努めます。
○山井分科員 厚生労働省も現場も大変今忙しい中で、本当に注文をいろいろして申しわけないんですが、しかし、残念ながら、この後期高齢者医療制度、一番大きな批判の一つが、よくわからないということがあるんですね。よくわからない中で、何か知らないけれども、市役所に行ったら人間ドックが受けられなくなった、脳ドックも受けられなくなった、一体どうなるんだという不安がやはりございますので、ここは正直に実態把握して御説明いただきたいと思います。
それでは、黒川審議官にもお伺いしたいと思います。
昨年来、薬害肝炎の問題が大きな問題になりまして、その中で、十一月の審議の中で、舛添大臣が、四一八リスト、薬害肝炎に感染されたと見られた四百十八人の感染者の方々に対して、リストが作成された二〇〇二年当時の病状を調査する、そして今と比較する、そういう実態調査をするということを答弁されまして、取りかかっておられると思います。
その答弁から五カ月たったわけでして、もう実態調査を始めていられるそうですが、そこで、四百十八人中、何人が特定されて、何人から実態調査の返答があって、この結果をいつ公表するのか、また、特定された人に本当に調査票が届いているのかということが確認できたのか、このことについて答弁をお願いします。
○黒川政府参考人 お答え申し上げます。
まず、四百十八人リストにおける患者御本人または御遺族へのお知らせの進捗状況についてお答え申し上げます。これにつきましては、毎週、田辺三菱製薬から報告を受けておりまして、逐次公表をしております。直近の数字になりますが、平成二十年の四月十八日現在、お知らせを行った人数は百九十七人でございます。
それから、調査票でございますが、これは、お知らせを行った方すべてにお渡しをすることとしておりまして、田辺三菱製薬から医療機関を通じまして御本人または御遺族にお渡しをしている、こういう状況でございます。
その調査票でございますが、患者様にお願いをして、御記入になられた後は国に直接御返送いただくことになっておりまして、平成二十年四月二十一日現在、八十三通の回答があったところでございます。
それから、調査票の集計ほかでございますけれども、今後、回収いたしました調査票を集計いたしまして、医学の専門家から成る検討会での議論を経て調査結果を取りまとめていくこととしております。
○山井分科員 これは、残念ながら、必ずしもすぐに全員から返ってくるという性格のものではないと思うんですよね、相手もあることですから。ということは、ある程度のときに期限を区切って、そこまでに御回答いただいた方々の結果を公表するということにする必要があると思うんです。舛添大臣が答弁してから五カ月、六カ月がたとうとしているわけですから、やはりある程度の年限を区切って、いつまでに中間報告なりをするかということを決めないと、言ったらなんですけれども、これは隠ぺい、放置していることになりかねないわけなんで、では、いつごろ中間報告なりを公表されますか。
○黒川政府参考人 お答え申し上げます。
先生まさに御指摘のとおり、種々事情がございまして、現在、いつ公表するかということについて決定的な予定を申し上げる段階ではない、それはちょっと難しい状況なのでございますが、現在、回収した調査票を集計中でございまして、この集計結果がまとまり次第検討会を開催して公表につなげてまいりたいと、懸命に努力をしている最中でございます。
○山井分科員 ということは、四月中とは言いませんが、五月末ぐらいまでにはその結果が公表される、その時点で公表されると理解してよろしいですか。
○黒川政府参考人 繰り返しの答弁になりまして恐縮でございますけれども、ただいま集計中でございまして、これを今懸命に進めております。何とぞ、いましばらく御猶予を。
○山井分科員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。