活動報告

Activities

山井の活動

169-衆-厚生労働委員会-6号 平成20年04月11日

○山井委員 四十分間、質問の時間をいただきまして、まことにありがとうございます。

言うまでもなく、舛添厚生労働大臣も、介護問題をライフワークとされて政治家を志されたというふうにお聞きしております。まさに舛添大臣の一番の関心分野でありますので、ぜひとも前向きな答弁をお願いしたいと思っております。

また、かく言う私自身も、福祉に関心を持ったきっかけは、私の祖母が長年寝たきりでありまして、それがきっかけで、私は大学時代は酵母菌の研究をやっておったんですけれども、福祉の世界に入り、そして、思い起こせば、二十代のころ、老人病院や老人ホームで実習をさせてもらいました。

お正月の三が日、ある老人病院の痴呆病棟で実習をしておりましたら、そういうところはほとんど、残念ながら、お正月なのに御家族は来られないんですね。山奥の老人病院の痴呆病棟で、お年寄りがぽつんと暮らしている。そして、本当に、お見舞いが来るお年寄り、また、一年、二年お見舞いが来ないお年寄りがおられる。同室で、お孫さんたちが来るお年寄りをうらやましそうに見ているひとりぼっちの高齢者の方。

また、私は今でも忘れられませんが、ある個室に入っておられた認知症の九十歳ぐらいの女性の方でしたでしょうか、私がお昼御飯のお給仕に回っておりましたら、ふと、一人、ベッドの上で昼御飯を食べておられる部屋に入っていったら、話し声がするんですね。
このキュウリおいしいな、このお浸しおいしいな、こう話し声が聞こえるんですよ。私はびっくりして、個室で、一人部屋で何で話し声がするんだろうなということで、わかったのは、実は、ひとりぼっちで食事していてもおいしくないんですね。ですから、その御高齢の方は、ひとりぼっちなんだけれども、あたかもだれかと話をしながら、おいしいねとか、このちくわおいしいねとか言いながら食べることによって、自分の孤独を和らげておられるということに気づかせていただきました。

豊かと言われる日本で、そして、今の御高齢の方々は非常に厳しい戦争を経た、そういう世代の方々が、人生の最後、本当にこういう形でいいんだろうか。かといって、家族を責めるわけにもいかない。私の家でも、こういう家族に関しては、介護でやはり非常に大変だなという経験はございましたので、家族を責めるわけにもいかない。

そういう意味では、社会全体の親孝行、介護の社会化がやはり必要だということで、二〇〇〇年に介護保険がスタートしたわけです。
しかし、二〇〇五年の介護保険の改正などを境に、本当に介護現場が厳しい状況になっていって、今、三井議員の御指摘にもありましたように、本当にもう人が集まらない、そして志ある人も、残念ながら賃金が安過ぎるということでやめていく、また、介護現場を志す専門学校や大学の若者も、やはり実習で余りの賃金の低さを目の当たりにして、多くの人が介護現場に行かない。この現状でいいのかという気がするわけです。

きょう、多いですが、二十五枚の資料を配付させていただきました。この一ページ目にございますのは、ある市民団体の署名用紙でございます。「人間の介護を担って働く人々に人間らしい待遇を求めます」少し読ませていただきます。

長寿社会の人生の終わりには、介護が必要不可欠です。いま介護保険は担い手の側から崩壊の危機に瀕しています。初任給で二~三万円、平均賃金で十万円も安い賃金。夜勤・残業に法規はあまり守られていません。パート、登録など非正規で働く人々は、低賃金であるばかりでなく、安定した就労の保証がありません。離転職は激しさを増し、経験の集積が難しい状況です。

介護の仕事が誇りと希望ある職業として確立するよう、私たちは、今の平均月収に三万円上乗せする「三万円法」はじめ、介護に働く人々の待遇改善を求めます。
財源については介護保険枠内で工夫し、必要な緊急措置をとり、安易に介護保険料アップや利用者負担増加に直結させないよう望みます。
介護者が幸せでなければ、介護される人も幸せになれません。

この趣旨の署名が、もう十五万人分以上集まって、舛添大臣のお手元にも届いておりますし、これは党派を超えて、この署名は届いているわけであります。

さらに、この資料にもございますように、厚生労働省も審議会で調査を発表しまして、この十六ページにございますが、昨年の十二月十日、介護サービス事業の実態把握のためのワーキングチーム報告のポイントの中で、次のように書かれております。「事業は、現在の介護報酬水準では経営が苦しく、介護労働者に対する十分な処遇を確保することが難しいため、人材確保・育成が難しい。」というふうに、もう調査も出ているわけですね。このままではだめだということ。

そういう中で、舛添大臣がこのたび発言をされました。最後のページに、二十五ページに書いてございます。すべての新聞に出ております、「介護報酬引き上げ 〇九年度」「介護士の処遇が良くないので何とか介護報酬を上げたい」と。次の改定で上げたいということを発言されました。

重ねての質問になりますが、舛添大臣、来年度、介護報酬を引き上げられるということですか。

○舛添国務大臣 前提として、介護に携わる方々の処遇が平均的に見てもよろしくない、これはもう非常に、同じ問題意識を持っています。しかし、今のこの枠組みでは、介護保険料との見合いがございます。しかし、私は、全力を挙げてこの介護報酬を引き上げる、そのための努力をいたします。そのために、今、経営実態を調査したりしています。
ただ、何度も申し上げますように、介護保険料の上昇率との見合いということがあります。私は、介護保険料を、ぜひ国民の皆さん方に御理解いただいて、来年の報酬改定のときにはそれをもとに上げたい、そういう制度の仕組みができておりますので、そういうふうに思っております。

やはりサービスというのはただでは来ないので、私たちは、物を買うときにはわかるんですね、お金を払わないと物は買えないと。ところが、サービスが何かただで来るように思ってもらってもまた困るので、まさに天からお金が降ってくるわけではありませんから、保険料の形であれ、税の形であれ、何らかの手当てをしないといけない。私は、やはり国民のコンセンサスを得て、介護保険が入る前の、それは山井委員のいろいろな体験というのも、私もいつも本を読ませていただいて、まさに介護の仲間だと思っていますので、お互いに批判したり啓発しながら、よりよい介護保険制度を求めていきたいというふうに思っています。

そういう中で、今、立場は違い、野党と、私はたまたま厚生労働大臣になりましたけれども、しかし、私がやるべきことは、今の厳しいこの財政事情の中で、そして国民の皆さん方の御負担もなかなかお願いしにくい中で、やはりしかし、介護という大事な社会保障の制度、介護保険という仕組みを守り抜いていくためには、何とかこれは介護報酬を引き上げたい、そういう思いで全力を挙げたいと思います。

○山井委員 舛添大臣に確認いたしますが、厚生労働大臣というのは、当然、厚生労働省を代表する立場でございます。今の、来年度、介護報酬を上げるということは、個人ではなくて、厚生労働省の見解ということでよろしいですか。

○舛添国務大臣 今、経営実態の調査をしております。それに基づいて、そして厚生労働大臣として、国民に保険料の値上げということをお願いし、その上で報酬を来年度の改定において上げる、そういうことであります。

○山井委員 気になるのが、もちろん先のことはわかりませんが、恐らく山場は十二月ぐらいの議論になろうかと思いますが、そのときには舛添大臣が大臣でない可能性も当然高いわけでありまして、舛添大臣は言ったと、それで、大臣がかわって、ああ、前任者はそうおっしゃっていましたね、でも、あれは前任者が個人でおっしゃっておられました、厚生労働省は関係ありませんということになったら、これは本当に国会審議が成り立ちませんので、厚生労働省としての考えということでよろしいですか、改めて確認をいたします。

○舛添国務大臣 何度も申し上げておりますように、まず経営実態の調査をやり、そして国民に対して介護保険料の値上げということをお願いし、その上で、きちんと来年度改定において処遇が改善できるように省として努力をする、そういうことであります。

○山井委員 省としてという言葉が出ました。これは、与党とはこういう話はされておられますか。

○舛添国務大臣 与党の皆さん方は、それぞれ与党の部会があり、介護の委員会があり、そういうところできちんと議論をなさっていると思います。私は、厚生労働大臣として発言したのでありまして、与党と話し合いをした上で話したわけではございません。

○山井委員 このことに限ってではないんですが、舛添大臣の発言で少し気になるのが、今回の件も「介護報酬引き上げ」と新聞に出たので、これは一年先なのにすごいことをおっしゃったなということで、与党の議員に聞きましたら、いや、全く聞いていないし、議論もしていない、大臣が勝手に言っているんじゃないかと。厚生労働省の方に聞いても、省内でも全く議論をしていないということで、何か聞いてみると、大臣が個人的におっしゃったという、そんな感じなんですね。

もちろん私たちは、今回の法案で、介護保険料はアップさせない、自己負担もアップさせないという介護人材確保法を出しておりますから、見解は異なります。しかし、中には、こういう新聞報道を見て、介護職員の待遇をよくするために介護報酬を上げると、それこそ代表者である厚労大臣がおっしゃったということで期待をされている方、喜んでおられる方もいるわけで、これは、大臣がかわったら、後はもうなかった話ですよということでは、こういうのは当然済まないわけであります。

そのことだけもう一度、大臣がかわったら、もうこの話はなかったこととか、そういうことになるということはないんでしょうね。そのことだけはちょっと確認しておきたいと思います。

○舛添国務大臣 これは、もちろん与党ともきちんと議論をする、政府・与党一体となって取り組まないといけないというふうに思います。私は、公式に党の部会に出てそういう議論をしたことはありませんが、既に党の方でもそういう議論は進められておるというふうに伺っておりますので、与党と連携をとって、そして最終的には、来年初めに開く社会保障審議会の場においてきちんと決める。

しかし、そうすると、大臣が、こういうことをやりたい、こういうことをやりたいというようなことを何にも言ってはいけないのかということになりますよ。私は、反対する方もおられると思います。しかし、物事を進めていく一つのやり方として、問題提起をする。このままでいいんですか、介護に携わる方々の給料や待遇がこんなに悪くていいんですかと。

しかし、天からお金が降ってくるわけじゃないですから、この新聞記事にもちゃんと書いてあるように、介護保険料を引き上げないとそれに対する充当はできませんということをはっきり申し上げているので、国民の皆さん方に実は私は問題提起をして、もし介護保険が入っていないときのように全部自力でやって、山井委員も私も大変苦労しました。もう二度とああいう苦労はやりたくない。しかし、介護保険、問題はありますけれども、それが入ったおかげで随分よくなりました。

そのよくなったものをさらによくするためには、どこかでやはりだれかが負担しないといけません、税の形であれ、保険料の形であれ。それがなくて、やれサービスの水準を上げたいと。サービスの水準を上げるということは、介護で働いている人たちの処遇を上げないと、疲れ切っちゃって、さっきの三井委員のお話のように、もう夜勤ばかりして疲れ切ってしまう。それは、介護の質は下がりますよ。

だから、そういうものを上げるためには、やはりサービスを受益している私たちも応分の負担が必要だ、そのこともはっきり申し上げて、これは国民全体に対して問題提起をし、私はそういう決意であるということを申し上げた次第です。

○山井委員 私は、舛添大臣は思い切った発言をすべきでないと言っているのでは決してございません。ただ、非常に大臣の発言というのは重いわけですから、ぜひとも、言った以上は、厚生労働省としても、あるいは与党としても党を挙げて待遇改善のために取り組んでいただきたいということであります。

そして、まさにそのことに関連して、私たち民主党の今回の介護人材確保法と違いますのは、私たちは、舛添大臣のおっしゃる気持ちもわからないではございません。確かに介護報酬を上げると自己負担がアップする、あるいは介護保険料がアップする、その痛みは必要なのではないかという意味ではないかと思いますが、わからないではありませんが、やはり今、自己負担がアップするんだったら、それはもうそのサービスを利用できない、あるいは介護保険料がこれ以上上がったら、本当に、今回の後期高齢者医療制度とまさに合算になるわけですから、払えないという声も強いわけですね。

ですから、抜本的な介護保険のあり方というのは、我が党も今、山田議員をトップにして議論はしておりますが、速急に九百億円の財源をつぎ込んで、七月一日から認定事業者は介護報酬を三%引き上げて、全額それを使えば二万円ぐらいの月給のアップになります、そういう法案を出しているわけであります。

年間九百億円、もう残念ながら四月一日を越えましたので、この法案、七月一日からスタートということにする予定ですが、そうしたら四分の三ですから六百七十五億円なんですね。確かに一般の公費を持ってくるのは大変ですが、見ていただきたいのが、今回の資料の中の十八ページ。まず、昨年度も一昨年度も、介護給付費というのは補正で減になっているわけですね。そして何と、昨年度、介護保険の国庫負担が、二十ページにありますように、八百九十一億円、ほぼ九百億円余ってしまったわけですよ。そして、これは補正予算ですから、これらのお金はねんきん特別便、後期高齢者医療の凍結という方にいわば流用をされてしまったわけなんですね。

ですから、私たちが申し上げたいのは、これほど介護職員の待遇が悪くて介護事業者も青息吐息のときに、介護保険の国費は余っている。それを余らせてほかのものに流用した。流用せずに、このお金は、やはりそもそも介護職員の賃上げに使うべきではなかったのかということを私たちは思っているわけであります。

そういう意味で、私たちは、二年連続、見込みと実態とのずれで多くの介護保険給付費の国庫負担が余っておりますから、そういう財源を活用する。あるいは、財務省からも指摘されておりますが、三千億円、随意契約がある。今、厚生労働省は財務省からも指摘されて問題になっております。そういうものを節約することによって、数百億円のお金の削減ができるかもしれない。これは財務省も指摘をしているところであります。そういうものを活用して、一刻の猶予もない介護職員の待遇改善をする必要があるというふうに思っているわけであります。

この法案についての大臣の見解をお伺いしたいと思います。

○舛添国務大臣 まず、予算の構造、予算の仕組みということから考えますと、今、二十ページにありますこのマイナス八百九十一億円、もともとは義務的経費として介護給付費の支給の費用を一定割合で国が認めるということになっておりますので、剰余金という形で先ほどどなたかおっしゃったと思いますけれども、そういうふうな形のお金ではなくて、今おっしゃったように、もしこれを仮に介護労働者の賃上げに使うとすると、義務的経費ではなくて、ちょっと専門的になりますが、政策的経費として国庫から新たに予算計上をしないといけない。先般成立しました平成二十年度の予算については、そういう政策的経費の予算的な歳出根拠がございません。

したがって、今の歳出歳入予算の仕組みからいうと、今のアイデアを実現するのは非常に困難であるということが一つ。

それからもう一つは、先ほど産科、小児科の例を出しましたが、私も、もともと介護の問題から国会議員になったわけですから、一番この問題を何とかしたいと思っているのは三井委員や山井委員と同じでありますけれども、例えば、産科、小児科の不足ということで全く同じ問題が起こっております。産科のお医者さん、小児科のお医者さん、何とかしてくださいよと。そうすると、例えば、そういう産科、小児科と比べて、介護の現場で働く方々、他職種との公平性、公正性をだれがどういう基準で判断するのかという難しい問題もございます。

ですから、そういう問題をクリアする必要があるだろうということと、先ほど来、午前中、与野党の間でいろいろないい議論がなされておりました、そこで出てきた問題については、やはり一つ一つ答えを出していかないといけないと思います。
ただ、そういう思いでこの法案を出されたということに対しては、その理想とするところは私は大変敬意を表して受けとめたいと思います。その上で、厚生労働大臣としては、今後とも、もちろん来年の改定ということは、先ほど来議論があるように、当然努力をしてまいりますけれども、何らかの努力ができないか、それは今後とも全力を挙げてあらゆる手段を模索してまいりたいと思います。

○山井委員 政府はいつも、民主党の法案に対しては、何か議員立法を出すと、公平性が担保されないと。がん対策法のときも、なぜがんだけなのかということをおっしゃった。この場で一昨年、私が、肝炎患者への医療費助成をしたときも、なぜ肝炎だけなのか、ほかの難病の方に比べて不公平だということをおっしゃった。でも、結果的には、党派を超えてがん対策法も成立し、そしてまさにこの四月一日から肝炎の医療費助成もスタートしたじゃないですか。不公平だ、不公平だと、最初、ほかの病気との整合性をどうとるんだと、私、何回も当時の柳澤大臣から反論を受けましたよ。

でも、そこは、最終的にはまさに政治家の判断で、困っておられるところから一歩一歩、ほかをほったらかしにするんじゃなくて、できるところからやっていこうという、まさにそれは政治決断。官僚の考えだったら、確かに、こことこことここと公平性を考えたら永遠に何もできないという議論になってしまうかもしれませんが、そこをまさに民意を聞きながら優先順位をつけてやっていく、それが私は政治家の存在意義だと思います。

そして、まさに今回、十五万人分の署名が来ている。私の聞くところでは、まだこの署名は続いていて、もう山のような署名が全国から今上がってきているわけです。これは本当に、このままいけば、日本の老後というのは成り立っていかない、介護保険が崩壊してしまうと思います。

かつ、今、産科のこととかもおっしゃいました。だからこそ、私は言っているんですよ。ほかの予算を回す前に、介護保険の給付費が、本来介護に使うべき国費が、二年前は四百九十七億円、そして昨年は八百九十一億円も残っている。そして、その裏には、介護予防などの名のもとによって、あるいは包括払いという名のもとによ
って、使いたくても使えなくなった、抑制がかかった、そして介護職員の賃金も低く引き下げられているという現場の悲鳴が隠されているわけですよ。その現場の悲鳴があるにもかかわらず、これだけのお金が残っている。それを介護職員の賃上げに使うというのは私は当然だと思っております。

このことに関しては、一月二十二日、公明党の太田代表も、介護職員の待遇改善が必要だということで福田総理にも質問、要望をされておられましたから、まさに党派を超えた悲願であると思っております。

少しそのことに関連して、介護予防に話を移します。私は、舛添大臣にぜひお聞きしたいことがございます。きょうの資料、多いんですが、先ほど福島議員の質問にもございましたが、介護予防に効果があるのかどうか、筋トレというのはどれだけ効果があるのかどうかというのが、三年前、この厚生労働委員会で大議論になりました。そして、そのとき、最大のみんなの関心は、介護予防、新予防給付になって、介護予防という名前はいいけれども、まさかサービスがカットされるんじゃないんでしょうねと。それがこの厚生労働委員会の最大の関心だったんです。
この四ページ、五ページの議事録を見てください。そういう中で、私が尾辻大臣に、では、新予防給付、介護予防に移る典型的なお年寄りの家をぜひホームヘルパーさんと一緒に訪問してきてください、そして、その方が、介護保険改正になって新予防給付になったらどういうサービスが受けられるのかというのを教えてくださいということを申し上げましたら、当時の尾辻大臣が、品川区のお二人のおひとり暮らしの御高齢の方の家に行ってくださったわけですね。

そこで、私は尾辻大臣に聞きました。五ページ、ここに線が引いてございますが、この二人の方は、「介護保険改正になると新予防給付の対象になるわけですが、どういうサービスを受けられるようになりますか。」それに対する答弁、尾辻大臣は、「私も帰りに、現場にいろいろな人が行っておりましたから聞いたのですが、きょう受けておられるサービス、これが今度変化するのかと聞きましたら、一言で言うと、いや、変化はしません、だからこのサービスはこのまま受けていただけるはずであります、」と答弁をしております。そして、「私が見せていただいたというのは、極めて適切なサービスが行われている、それであれば今度の見直しで変える必要があるものではない、」と明確に答弁をされております。
私は信じられなかったので改めて聞きました、「今おっしゃったようにケアプランが適切に今までから立てられているというようなケースにおいては、新予防給付になってもサービスは基本的には変わらないということですか。」と。尾辻大臣はこう答えておられます。

○茂木委員長 六ページですね。

○山井委員 はい、六ページです。「先ほど申し上げたような私が見せていただいたサービスというのはまさにそのとおりでありますから、何も変化するものではない、こういうことでございます。」と。しつこく私は聞いています。「国会審議の中で私が大臣にホームヘルプの現状を見てきてくれとお願いした以上は、今の日本の現状の象徴的あるいは代表的なところを当然見に行ってもらったというふうに私は理解をしておりますが、ということは、日本全国のそういう今適正に行われている部分は新予防給付で変わらないと理解してよろしいですね。」と。そうしたら、大臣は、「今まで適切なサービスが行われてきたものが変化するものではない、」と答弁されました。

次の七ページをお願いします。

ですから、この介護保険改正の審議の最後のときに、民主党は政府と確認答弁というのをしまして、新予防給付になっても家事援助は一律にカットされることはない、一部の不適正なサービスの適正化を目指すものである、こういう確認答弁までしたわけです。

にもかかわらず、舛添大臣、八ページを見てください、二年たって、私、聞いてびっくりしました。そのお二人の方のサービスはどうなったんですかと聞きましたら、八ページに書いたように、二人とも、訪問介護が二時間受けられていたのが一・五時間に減らされている。一人の方は介護用ベッドを取り上げられている。

舛添大臣、私が何を言いたいかというのは、国会で約束したことと違うことになっているということなんですよ。舛添大臣、国会でこういう議論をして、サービスは減らさない、そしてこの二人の方のサービスは変化させないと約束しておきながら、二年たったらサービスが減ってしまっていました。こんなことはやはりおかしいでしょう。大臣、こういう問題についていかが思われますか。
○舛添国務大臣 これは、その今のお二人のおばあちゃんというか御高齢の女性の実態をよく私は精査してからでないと答えられないと思うのは、単に、一回二時間が一・五時間になったんですか、そのときに、本当にその女性が必要なサービスをカットしたのならば問題です。しかし、例えば、私は、この要支援にしてもそうなんですけれども、やはり自分で自立してできることはやってもらう、それの方が本人にとっていいと思うんです。何もかも、例えば、手足が動くのに至れり尽くせりで何にもしないということではなくて、若干家事をする、体を動かす、そういうことは決して本人にとっても悪いことではありません。

ですから、そういう形で、今までは自分の体を動かさないでやっていた、しかし、ちょっと少しのお掃除ぐらい自分でできるでしょうというようなことでやって減ったのであれば、私は問題ないと思いますけれども、そこの細かい、なぜ、どういう理由で減ったのかというのを、単純に何時間減ったからサービスの低下ということは、それは言えませんよ。それは私は責任を持って言えない。その方が自立してやるということであって、その分だけ三十分減ったなら、これはむしろいいことですよ、至れり尽くせりでやられるより。

だからそれは、これは尾辻さんは行かれたかもしれない、私は、この方々は直接存じ上げていないし、御家庭の中に入って、そういう女性の高齢の方々がどういう生活をなさっているかというのをきちんと判断しないと、今の私の持っている材料では、残念ながらお答えすることは不可能です。

○山井委員 私が問題にしているのは、国会の審議、そして確認答弁というのは非常に重いものだということです。それはお年寄りの症状がどうだとか、それだったらわからないと答弁しておいたらいいんですよ。それを、変化しませんという答弁をしたわけですよね。確認答弁の中でも、ごく一部の不適切なケース以外変わらないということで。ですから、私が舛添大臣に申し上げたいのは、こういうことだと、本当にこれは国会審議というのが成り立たなくなりますよということなんですよ。

ですから、正直言いまして、民主党としては、これはだまされたというふうに思っております。二人の方のサービスは変化しないと言われて、そして理由はいろいろあるでしょう、それはもう言いわけは結構です。変化しないと言ったのに、実際変化した。やはりこういうことに関しては、私たちは、公党に対する約束を厚労省は破ったんだなということで、これは本当に怒り心頭に達しております。
非常に残念です。

○舛添国務大臣 ケアマネの方がどういうケアマネジメント、プランを出したか、これを私は見てみたいと思います。

こういうケアマネジメントですよと言ったのにやらなければ、これはサービスの低下です。そうではなくて、これが適切なケアマネジメント、これは尾辻大臣がやるわけじゃないですから、ケアマネジャーがぴしっとこういうケアプランをつくった、それが合理的で適正であって、しかしそのケアマネさんがやったのを無視してカットする、これは問題です、それは違反というか、それは尾辻大臣がおっしゃったことに違反になると思いますけれども、適切なケアマネジメントがあった上でなら私は問題ないと思いますから、そういうところを精査しないと、私は今は答える材料を持っておりません。

○山井委員 二言目にはケアマネ、ケアマネとおっしゃるんですが、これはまさにそういう議論をするとわかりにくくなるから、二人の具体的なところを訪問されたわけですよ。当時も、ではすべてケアマネの責任になるのかという議論になるから、では具体的にということを言ったわけです。

そこで、大臣にお伺いしたいと思います。

これは、新予防給付になってサービスがカットされた、そして同居者がいるということで、非常に同居要件が厳しくなって、日中独居の方でもサービスがカットされた。あるいは私の知っている方で
も、新予防給付になってサービスがカットされて非常に怒り狂っておられたおじいさんが、それからしばらくしてお亡くなりになられたというケースもありました。サービスがカットされて、そして体調が悪化して、あるおばあさんが入院されたというケース。そして、サービスがカットされて、働いておられた息子さんがもう仕事をやめて介護に専念された。介護の社会化という理念に反することが、実際、介護予防という名において行われているわけです。

そこでお伺いしたいんですが、新予防給付に移行して、そのことによってサービスが減った人、変わっていない人、ふえた人というのは、それぞれ何人中何割か。調査結果をお教えください。

○舛添国務大臣 政府委員の指定がないので私が数字を読み上げますけれども、三月三十一日に開催されました介護予防継続的評価分析等検討会では、新予防給付導入前後で介護予防サービスを利用している二千七百四十一名について、このサービス利用回数に関する仮集計を行ったということであります。

今回は、制度改正前後において、状態が改善されている方、維持されている方、悪化している方について、介護予防通所介護、介護予防通所リハビリテーション、介護予防訪問介護のそれぞれの利用回数について集計を行った。

今のお尋ねの件につきましては、現在、集計を行っているところでありまして、今後、集計結果が取りまとまり次第公表する予定だということであります。

○山井委員 この介護予防によってどれだけのサービスがカットされたのか、そのことはぜひ把握をして教えていただきたいと思っております。そのときに、いつも厚労省は、ケアマネの判断だ、あるいは認定が軽くなったからだということをおっしゃっていますが、そういう言いわけは、現場の人たちに対してはそれは通用はしません。現場の方々はサービスがカットされて本当に苦しんでいます。その実情をぜひわかってほしいと思います。
その一つの大きなポイントが、同居者がいるということで生活援助がカットされた例というのが、ここ二年間続出して、大きな問題になっております。当初の介護の社会化という理念はどこにいったんだ、ひとり暮らしだったら支えてもらえるけれども同居人がいたらサービスが大幅に制限されるのはおかしい、介護保険というのは個人への給付じゃなかったのか、そういう批判が出ております。

ですから、舛添大臣に申し上げますが、やはりこれは余りにも厳しくし過ぎた、二〇〇五年以前の、改正前のような、そういう規定に、状態に戻すべきだと思っております。この同居において、やむを得ない場合だけ生活援助を利用できるんですが、それがここ二年間で非常に厳しくなってしまって、大変深刻な問題が起こっております。二〇〇五年以前の状況まで戻すべきだと思いますが、舛添大臣、いかがでしょうか。

○舛添国務大臣 私も何度も言っていますように、介護の社会化というのは、家族の介護に頼っちゃいけないということですから、やはり介護はプロに任せましょう、家族は愛情を、こういうスローガンできちんとやっていこうということであります。個々のそういう例があるということを今委員がおっしゃっておりますが、これは実態の調査もしないといけないと思いますが、ただ単に同居家族がいるからということで一律的に、機械的に介護給付の中身を決めるということは、これはそういうことはやっちゃいけないということを、昨年十二月に、この生活援助の取り扱いについて全国に指示を出したところであります。

○山井委員 それももう昨年十二月では遅過ぎるわけですよ。二〇〇五年の改正の当初から大問題だと言って指摘して、それに対して全然きっちりできなかったわけですよ、厚生労働省が。それで、昨年の十二月にそういう要件を出したわけですけれども、現場も全然徹底されていません。だから、私は二〇〇五年以前の状況に戻すべきだということを言っているわけであります。

それで、今回、介護予防の実態調査、結果が出ましたが、ある現場の方は、噴飯物だ、現場でこれだけ介護予防がうまくいっていないのに、厚生労働省は効果ありという調査結果を出している、余りにも現場と違うということをおっしゃっていますし、私も全く同感であります。この調査、もう一回、現場の本当の実態に見合うものにやはり私はやり直すべきではないかというふうに思っております。

そして、この中で、うまくいっていない自治体が七自治体、そしてみずから立候補した自治体が七十六自治体ですが、この二つでサービスにどれだけの差があるのかという調査の分析もしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○舛添国務大臣 まず、実態を把握することが大切なので、きちんとこれはやっていきたいと思います。

それから、私はケアマネさんに対して不信を抱いてはおりません。
この方たちがきちんとプランを立ててくれることが介護保険の前提となっております。そして、そのケアマネジャーがきちんと立てるに当たっては、それは、かかりつけのお医者さんであるとか看護師さんであるとか、皆さんと協議をして決めるところがあるわけですから、少なくとも私は、ケアマネが悪いからこういうことになった、何もかもケアマネのせいだ、そういうことで申し上げたんじゃなくて、適切なケアマネジメントをそれぞれのケアマネジャーの方がやられているというふうに信じていますし、それはまた今後とも期待したいと思います。

○山井委員 時間が来たので終わらせていただきますが、いろいろサービスがカットされた事例で、ケアマネさんが悲鳴を上げて市町村に行く。そうしたら、都道府県に言ってくれと。都道府県は厚労省に聞いてくれと。私も厚労省に言ったら、ケアマネが悪いと。いつもケアマネ、ケアマネと言われて、サービスカットは全部ケアマネが悪いことをしたということになってしまうんです。そこが大問題なわけです。

最後になりますが、やはりこの介護職員の待遇改善は待ったなしです。先送りは許されません。ねじれ国会ではありますが、やはりこういう緊急性の高い法案については、与野党を超えてしっかりと成立させて、介護職員の待遇をよくしましょうよ。そうしないと、介護現場が崩壊してしまいます。

医師不足も、私たちは二年前から指摘をしましたが、強行採決で、医師不足ではないといって放置してここまで来ました。今回、この民主党の法案、可決しなかったら、また同じように手おくれになってしまいます。

最後のお願いになりますが、与党の皆さんにおかれましてはぜひ賛成をしていただきたいし、そして今何か、採決をしないというような、そんな声も出ておりますけれども、そうじゃなくて、きっちりと採決をして、年金保険料流用禁止法案もまだ採決をされておりませんけれども、自分たちが反対しづらい法案は採決もせずにうやむやに放置してつぶすなんていう、そういう失礼なことは絶対にしてほしくない、そういうことはされないと私は信じておりますので、ぜひとも採決をして、可決して、成立をさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。