活動報告

Activities

山井の活動


154-衆-厚生労働委員会-4号 平成14年3月20日


○山井委員 本日は、戦傷病者戦没者遺族等援護法の審議でありますが、冒頭に、今非常に問題になっております救急救命士の業務拡大について、坂口大臣の御決意をお伺いしたいと思います。また、石井消防庁長官にもお越しいただいております。ありがとうございます。
この問題につきましては、民主党の今井澄議員、山本孝史議員、そして大臣のおひざ元であります公明党の渡辺孝男議員や、また自由党の森ゆうこ議員、そして、自由民主党でも昨日この問題に対するワーキングチームが発足したというふうに聞いております。
そういう意味では、全党挙げた本当に緊急の課題ということになっているわけで、それに対して坂口大臣からも前向きな答弁が出ているわけですが、一日も早く制度の改正が必要な問題でありますので、そのことを、その時期のことについてお伺いしたいと思います。
まず最初に除細動についてなんですが、一分一秒を争う行為で、医師と救命士が連絡をとっている間にタイミングを逸して手おくれになって心停止状態になってしまった、そのような問題も起こっております。医師の指示なしでできるようにすれば救命率はアップするということがもう現場の一致した意見であります。実際、機械も進歩しまして、アメリカなどでは訓練した一般の人もやっておりますし、日本でも飛行機の客室乗務員ができるようになりました。また、きょうお配りしました資料三にありますように、平成十二年の報告でも、「必ずしも同時進行性の指示に限る必要はないと考えられる。」というふうな結論も出ているわけであります。
今井議員の質問に対して坂口大臣は結論を急ぐと答弁しておられますが、この急ぐということ、一日も早くこういうことは可能だと思いますが、告示改正の時期について坂口大臣にお伺いしたいと思います。また、消防庁の御見解もお伺い申し上げます。
○坂口国務大臣 救急救命士の問題につきましては、これはこの法律ができますときから、どうすべきかという懸案であったというふうに私も聞いているわけでございまして、結論を急がなければならないというふうに思っております。
この問題は、いろいろな立場があっていろいろなことをおっしゃいますけれども、しかし、救急救命を受けなければならない患者さんの立場を中心にして、ぜひひとつこれが必要かどうかということの判断をしなければならないというふうに思いますし、もしも必要でありますならば、それはどういうときに必要なのかといったことも決めなければならないというふうに思っております。
また、それをもしも行う人がふえるということになれば、その人たちに対する教育はどういうふうにあるべきかというようなことも考えなければならないというふうに思っておりまして、それらの点につきましては、今急いで、それこそ急いで検討をしていただいているところでございます。
いつまでにという、日を切ってもなかなか申し上げることができませんけれども、救急救命の問題でございますから、内容が内容でございますから、やはり急いで結論を出さなければいけないというふうに思っている次第でございます。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
今坂口厚生大臣からも御答弁ございましたように、指示なしで除細動を行うというようなことにつきましては救急救命士制度発足の当時からの懸案でございましたけれども、平成十二年三月にまとめられました私どもの救命効果検証委員会、これは委員長が当時の日本医科大学の理事長の大塚先生でございますが、この報告書におきましても、心肺停止の状況を発見してから除細動の実施までに要する時間が短いほど救命効果が高いということが実証されております。
また、お話に出ましたように、現在使用されております半自動式除細動器は、除細動器が心電図の波形を解析した上で除細動が必要であるという旨を表示しまして、救急救命士はこれを受けて除細動実施のボタンを押すという仕組みになっておりますので、医師の具体的な指示がなくても除細動を行うことができるんじゃないか、そのために特に新たな研修を追加する必要もないのではなかろうかと考えておりまして、私どもとしましては、今大臣からも御答弁ございましたが、できるだけ早期に実現していただくように今後とも要請してまいりたいと思っております。
○山井委員 大臣、救急救命のことなので急いで検討するということですけれども、私のきょうの資料にもありますように、これを見てください、平成二年の、今からもう十二年前から「早急に結論を得る必要がある。」ということで出ているわけですね。そして、もう十二年間もここにありますように検討会に検討会を重ねてやっているわけです。そして、はっきり言って、それがおくれたせいで失われた命もあるわけですよね。
もし大臣が時期を明示しないんだったら、だれがどこで決めるんですか。検討会に時期まで決めさせるんですか。大臣こそがリーダーシップをとって、いつまでにするということをやはりここは判断しないと、一番重要な命にかかわることを厚生労働省や検討会に任せるというのはおかしいのじゃないですか。大臣、政治決断をよろしくお願いいたします。
○坂口国務大臣 だから急いでいるというふうに言っているわけです。今までから結論を出さずにどういうふうにしたらいいかということを検討していただいてきたわけでありますが、今度は結論を出して実施するのにどうしたらいいかということで検討してもらっておるわけでありますから、同じ検討でも中身が違う、そういうふうに御理解をいただきたい。
○山井委員 ここにありますように、平成三年の覚書で早急に検討を行うということが出ているわけですね。
それで、今おっしゃるならば、例えば年内にこの除細動に関しては可能じゃないですか。早急早急と言いながら十年たっているわけですから。早急がまさか五年ということはないわけですよね。大臣、もう一回お答えください。除細動に関しては年内にいけるんじゃないですか。十年間も検討をやっているんですから。
○坂口国務大臣 年内というのは、この平成十四年の話を言っておみえになるんでしょうか。(山井委員「そうです」と呼ぶ)そういう意味ならば、年内に結論を出したいと思っております。
○山井委員 ありがとうございます。
とにかく、遅くとも年内ですから、一日も早くやっていただきたいと思います。一日一日、これは一分おくれたら救命率が二%から一〇%下がると言われているわけですね。
この除細動の問題と、もう一つ問題になっておりますのが、気管内挿管についてであります。気管内挿管についても、最も効果的な気道確保の方法として、選択肢の一つとして、もちろん研修や条件整備を前提として、救命士が行えるようにすべきだと考えます。気管内挿管によって救える命が確実にあるわけで、気管内挿管によってしか気道の確保ができないケースがあります。
また、この気管内挿管については、強心剤などの薬剤投与とセットで行うことで救命率向上の効果が高いことがわかっており、薬剤投与の権限拡大も急務だと考えます。
坂口大臣は、今井議員の質問に、改正を前提に早急に検討すると答弁をされています。そしてまた、この薬剤投与に関しては、気管内挿管とのセット、それについても非常に重要だと考えますが、この気管内挿管に関しても、早急に検討するという時期について御答弁をお願いしたいと思います。
また、消防庁についても、気管内挿管の問題と薬剤投与の問題について御見解をお伺いします。
〔委員長退席、鴨下委員長代理着席〕
○坂口国務大臣 さっき私がお答えしておりましたのは、気管内挿管のことだと思ってお答えをしていたわけでございますが、だから、それも含めてことしじゅうに結論を出しますということを申し上げているわけでありまして、除細動の問題につきましては、それはもっと早く結論を出せると思いますよ。だから、それを総体的に含めて、早く結論を出しますということを言っているわけでございます。
○石井政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども申し上げました私どもの救命効果検証委員会の報告書によりますと、病院到着前に心拍が再開した場合は救命効果が高い。また、薬剤投与や気管内挿管ができますドクターカーの方が一般の救急車よりも救命効果が高いということが実証されておりますので、今後、薬剤投与、気管内挿管につきまして、ぜひ救命救急士の処置範囲を拡大していただくことが必要ではないかと思っております。
ただいま坂口厚生大臣から大変前向きの御答弁もあったように受けとめておりますが、消防庁といたしましては、できるだけ早期に実現しますように、今後とも厚生労働省初め関係方面に御相談してまいりたい、かように思っております。
○山井委員 坂口大臣から、除細動、気管内挿管について、ことしじゅうに改正をするという本当に前向きな答弁をいただいて、現場の方々は本当に喜んでおられると思います。
ただ、もう一つお伺いしたいのが、今消防庁長官からもお話ありましたように、強心剤などの薬剤の投与というもの、気管内挿管の問題とは切っても切れない問題なわけですけれども、この三点セットと言われる薬剤投与の業務の拡大について、坂口大臣いかがでしょうか。
○坂口国務大臣 私は、その薬剤投与というのが一番難しいような気がする。難しいというのは、判断が難しいという意味、それをゆだねるかどうかが難しいということを言っているわけではなくて、それを使用した方がいいかどうかの判断をすることがなかなか難しいという気がいたします。
例えば、心臓ならば心臓が調子が悪いときに、どういう薬剤を用いたらいいかということは、表面から見ましたその患者の状態だけで判断がなかなかできにくいものもあるわけですね。薬を飲ませたら逆効果であったということも当然起こり得るわけでございますから、どういう薬を飲ますかということにつきましては、なかなか難しい面もあるなという気は率直に言ってするわけでございます。しかし、そのことも十分あわせて検討をしたいというふうに思っています。
○山井委員 ありがとうございます。
確認なんですけれども、気管内挿管と除細動だけにして、薬剤のことに関しては検討しないということではないですね。薬剤も検討していただけますね。確認をお願いします。
○坂口国務大臣 そう考えております。
○山井委員 ありがとうございます。
この問題は、ほかでもありませんが、命がかかっておりまして、十年以上放置されているという、本当にそういう切実な問題です。今回、また何だかんだ言って先送りになったら、また十年間ほったらかしになるのではないかというすごい危機感が現場にございますので、坂口大臣、どうかよろしくお願い申し上げます。
そして、それに続きまして、戦傷病者の関係の援護法についてなんですけれども、それに関連しては、ちょっと時間の関係もありますので、三つまとめて質問を申し上げたいと思います。狩野副大臣、よろしくお願いいたします。
今回の改正については、社会情勢的には、物価も下がって賃金も下がっているという、そんな中であえて引き上げということが、私もいま一つ納得ができません。その理由と金額の根拠についてお答えください。
そして、続けてお伺いしますが、戦没者の方々のうち、いまだに百万を超す方々の遺骨が未収集となっております。まず遺骨収集をきちんと行うのが国の誠意というものではないでしょうか。今後の遺骨収集の予定についてもお答えください。
そして、遺骨は遺族へ返すのが原則だと思いますが、身元が判明しながら遺族に返せない遺骨も、きちんと故人がわかるように埋葬すべきではないでしょうか。
また、身元確認の手段として、DNA鑑定が非常に有用というふうに聞いております。そして、十四年度も調査検討の予算がついていますが、プライバシー等に配慮しながらも合理的な活用が必要だと思います。このDNA鑑定の状況についてお答えください。
まとめて御答弁、よろしくお願い申し上げます。
○狩野副大臣 今回の援護年金の引き上げの理由ということでございますけれども、御承知のように、援護年金は恩給の額の改善に準じて額を設定しているところであります。
恩給については、平成十四年度は、公務員給与が据え置かれたこと、消費者物価がマイナスであるにもかかわらず公的年金においては年金額を引き下げないことなどを総合的に勘案して、基本額は据え置かれるが、低額恩給の改善及び遺族加算額の引き上げを行うこととされております。したがって、援護法の遺族年金額についても、恩給の額の改善に準じてその引き上げを行うものであります。
それから、戦没者の遺骨の未収集のことでございますけれども、戦没者の遺骨収集については、昭和二十七年度から開始し、海外戦没者約二百四十万人のうち、これまで約百二十四万柱を本国に送還したところでございます。
未送還遺骨の中には、海没その他の自然条件により収集困難なものもありますけれども、中国、インドなど相手国側の事情により遺骨収集が認められていないもの、また、遺骨収集は認められているものの治安が悪化したために中止を余儀なくされているというところもございます。
それから、海外において収集した遺骨について、一日も早く遺族の手元に遺骨が返るべきだという、DNA鑑定の活用ということでございますけれども、海外戦没者の遺骨を収集し御遺族にお返しすることは国の責務であるということは考えております。
戦没者遺骨のDNA鑑定については、平成十一年度から、御遺族が自費で鑑定を受けられる場合に備えて、遺骨の一部を焼骨せずに持ち帰り、当時の埋葬図などから見て特定の戦没者であるということの確率が高いと判断された場合に、指定された鑑定機関へ検体を持ち込むなどの協力を行っております。
このようなDNA鑑定は、遺骨の身元特定に有力な方法の一つと考えていますが、これも国が行う一般的な方法として採用するには、遺骨からどのように有効なDNA情報を抽出するかという技術的な問題、そして、戦没者の尊厳やプライバシーをどのように保護していくかという倫理上の問題など、あらかじめ整理すべき問題がたくさんあると思います。
このため、現在、戦没者遺族を含む有識者による戦没者遺骨のDNA鑑定に関する検討会を設置し、鋭意専門的な検討をしていただいているところであります。その結論を待って必要な対応を検討していきたいと思っております。御理解いただきたいと思います。
〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
○山井委員 ちょっと、今お聞きして確認なんですが、DNA鑑定、今、自費で鑑定というふうにおっしゃったわけですか。といいますのは、こういう国の戦争で亡くなられた方の遺骨を適正に御遺族に返すというのは、当然国の責任であるわけですよね。それは自費なんですか、その鑑定は。やはり当然国の費用でやるべき性格のものなんじゃないですか。そこはいかがですか。
○狩野副大臣 御遺族からDNA鑑定を国費負担により行うべきという御要望があることは承知しておりますけれども、まずは、戦没者遺骨のDNA鑑定の技術的問題や倫理上の問題について検討会において整理を終えることが喫緊の課題であると考えております。費用負担のあり方については、その結論が得られ次第、検討してまいりたいと思っております。
そしてまた、一柱でも多くの遺骨を本国に送還することは関係遺族の強い願いであるとともに、遺骨収集団の派遣や外交ルートを通じての働きかけなど、今後とも鋭意取り組んでいきたいと思います。
○山井委員 ちょっと改めてなんですけれども、自費でお願いするという根拠は、どういう根拠になるわけですか。私は、当然にそれは国費でやるんだと思っていたわけですけれども。別にこれは個人の責任の問題ではないですよね。
○狩野副大臣 特別な場合にのみ今のところ自費でお願いをしているということでございまして、身元特定の一般的な方法としては、国でまだ採用するということには至っていないということでございます。
○山井委員 よろしくどうかそれはお願いします。
坂口大臣、最後に要望だけになりますが、本当に、今マスコミでも報道されていますように、特に気管内挿管の問題、今まで使っていたケースがあった、それで救われていた命が確実にあった、しかし年末の通達によってそれが使えなくなった。こういう問題は、やはり十年間ほったらかしておいた国の責任であると思います。そういう意味では、先ほど年内に改正ということをおっしゃいましたけれども、一日も早くその改正をしていただきますように、最後に改めてお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。