活動報告

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山井の活動


 

154-衆-決算行政監視委員会第二分科会-3号 平成14年7月22日


○山井分科員 民主党の山井和則です。きょうは三十分間、関西文化学術研究都市について質問をさせていただきます。よろしくお願いいたします。
まず、質問通告にないのですが、冒頭、塩川大臣にお伺いしたいと思います。
今、日本は戦後最悪の不況にあえいでいますが、その一つの大きな原因が、東京一極集中にあります。関西がもっと元気にならないと、日本の復興はあり得ません。しかし、実際には大阪の失業率は沖縄に次いで二番目に高く、さらに三位が京都、四位が兵庫と続き、失業率の上位二、三、四位が関西です。
私の地元であります京都府南部は、日産の工場の大幅な縮小、地元信用金庫の破綻などにより、京都府の中でも失業率が最も高く、経営難やリストラを苦にした自殺者も出ております。また、大阪のホームレスの人々も八千人を突破し、塩川大臣の地元である東大阪市も、日本有数の中小企業の集積地ですが、今中小企業も苦境に陥っております。
このような関西の地盤沈下を、大臣はどう思っておられますか。関西人の政治家として御意見をお聞かせください。
○塩川国務大臣 私は、関西地区の経済の推移を見てまいりますと、第一に指摘できることは、昭和四十五年、万博を千里丘で開催しました。あのとき、日本で一番経済の基盤のしっかりし、将来性のある地域として関西地区が指定されておりまして、関東は行政の中心として、学術の中心としてという方向づけでございました。
ところが、それ以降、世界の経済界が、要するに情報化、通信機器を中心としたそういう産業構造に大きく転換してまいりましたが、関西がその間、依然として重厚長大型産業に依存しておった、そこが一つ構造的な問題があると思っております。
それからもう一つ言えることは、関西に強力な行政的能力がなかったということでございまして、絶えず行政措置がおくれてきておったし、また、新しい方向性を見出さないまま今日までやってまいったというところが非常に残念なところであったと思っておりまして、これは私たちの、私も一住民でございますが、責任であったろうと思っております。
そういうこと等を踏まえまして、これからの関西のあり方につきましては、そこの住民あるいは経済界の方々がやはりみずからの発想を展開するということが大事だろうと思っておりまして、官とかあるいは政に依存する体質じゃなくして、関西が持っておりますところの自主独立の精神、それをこの際に発揮していただきたいということを念願しておるものでありまして、感想を申し上げましたらそういうことであります。
○山井分科員 まさに今塩川大臣の御答弁にもありましたように、重厚長大産業から情報通信やそういう新しい産業の方向に転換していかねばならない。そして、まさに大臣の地元であります東大阪市のような中小企業が関西で元気にならないと、関西の復権はあり得ないわけです。まさにそのような民間活力を生かした関西復権のかぎを握っているのが関西文化学術研究都市であります。
今から十五年前の昭和六十二年六月九日、法律第七十二号として公布された関西文化学術研究都市建設促進法の第一条では、次のように書かれております。「文化、学術及び研究の中心となるべき都市を建設し、もつて我が国及び世界の文化等の発展並びに国民経済の発達に資することを目的とする。」と記されています。
つまり、関西学研都市は、東の筑波研究学園都市と並び、日本の未来を担う崇高な理念を持った国家的プロジェクトであり、二十一世紀の関西復権の起爆剤であると同時に、産学官の協力のモデルケースです。今大臣がおっしゃいましたように、東の筑波が国立の研究施設が多いのに比べて、西の学研都市は民間活力を最大限に活用した二十一世紀のパイロットプロジェクトですが、しかし、長引く景気の低迷により、企業が設備投資や研究投資を控えているのが現状です。
実際、学研都市への研究施設の進出の伸びが鈍っております。大臣、ちょっと資料を見ていただきたいんですが、お手元に資料をお配りさせていただいております。このパネルでありますが、実際、一番肝心となります文化学術研究施設用地面積ということ、計画では九百一ヘクタールなんですが、ことしの四月現在の整備済みが二百八十七ヘクタールで三一・九%、これに整備中というのを含めても四六%余りなんですね。人口も、計画では十九万三千人だったのが、今はまだ六万六千人と約三割。整備済みの文化学術研究施設面積も三割、入居も約三割ということになっております。このような発展にブレーキのかかった状態に対しまして、地元では、学研都市は本当にこのままで大丈夫なのかという強い危機感が起こっております。
このように進捗状況がおくれていることの現状認識と、その原因はどこにあるのか、国土交通省にお伺いします。
○馬場政府参考人 お答え申し上げます。
関西文化学術研究都市の建設は、関西文化学術研究都市建設促進法に基づきまして、文化学術研究の中心となるべき都市を目指すものであり、新しい近畿の創成に貢献することはもとより、我が国及び世界の文化学術研究の発展並びに国民経済の発達に寄与する重要なプロジェクトであると認識しておりますが、このプロジェクトの進捗状況を本年の四月一日現在で申し上げますと、まず、人口につきましては、文化学術研究地区の計画人口約二十一万人に対し約六・七万人で、対計画比約三二%でございます。
次に、基盤整備につきまして、文化学術研究地区の計画面積約三千六百ヘクタールに対しまして、土地区画整理事業等が終了した概成面積は約一千六百三十二ヘクタール、事業中の面積約六百六十九ヘクタールとなっておりまして、概成したものと事業中のものを合わせまして約二千三百一ヘクタール、約六一%でございます。
そして、立地施設につきまして見てみますと、既に開設を見たものが七十四施設、建設が進められているものが五施設ございまして、合計七十九施設となっておりまして、着実に進展を見ているものと認識しております。また、地元の地方公共団体におかれましても、関西文化学術研究都市の建設は着実に進んでいるとの認識のもとに各方面へ要望活動をされておられるというふうなところでございます。
以上でございます。
○山井分科員 ここで一つ塩川大臣にお伺いしたいんですが、今答弁の中で、地元自治体も着実に建設が進んでいるという認識であるということなんですが、正直言って、地元の私にとりましては、ちょっとそこに認識の差があるんではないかと思うわけです。
大臣、改めて見ていただきたいんですが、一番肝心となる文化学術研究施設用地の整備済みが三割なんですね。このことについて、着実に進んでいると言えるかどうか。大臣、一言コメントをお願いいたします。
○塩川国務大臣 社会資本整備は、私は割と順調に進んでいるんではないかと思っております。先ほど国土交通省の方が言っておりますように、割と整備は進んでおるんですけれども、その比率を見ましたら非常におくれているように見えますけれども、それはいわゆるソフトの面がおくれているという、これが多い。
例えば、そこにあると思いますが、平城宮の整備なんというのはおくれておりますが、これは文化の開発でございますので、なかなか考古学の関係等うまくいっていない。それがために比率全体が、たあんと落ちてしまっておる。木津地域がそこにございますけれども、木津地域は住宅開発地としておるんですけれども、これはバブルの後遺症を受けまして地価が高過ぎて、個人住宅としては高級過ぎてしまってなかなかその売れ口が悪いというようなことで進んでおらない。
そういう意味においての整備計画の進みがおくれておりますけれども、社会資本の整備は、私はそこそこ追従してきておるように思うんです。問題はソフトの面でございまして、当初、この学術研究都市を構想いたしました昭和五十一、二年ごろのその理想的な形態が全く狂ってしまったような状態になって、現在、方向をどう定めるかというところに苦慮しておるように思うのでございまして、そこのコンセプトをしっかりしなければこの学研都市の将来に大きい影響を与えてくるんではないかと思っておりまして、関係者としてこの問題には非常な関心を持っておるというところであります。
○山井分科員 そのようなハードとソフトの総合的な整備、発展が必要なわけですけれども、まさにここが関西復権のかぎ、また、二十一世紀の日本の研究開発のかぎを握っているわけであります。
私は昨日も学研都市の現場に行きましたが、残念ながらもう撤退した研究施設が出てきております。空き家になっている建物もあります。大臣にもお伺いしたいんですが、例えば、一つ例を挙げますと、これは地元では学研都市の象徴と言われているピラミッド型の研究施設なんですね。残念ながらこれも事実上撤退が決まって、これから空き家になろうとしております。ぜひとも大臣も一度この学研都市の現場にもお越しいただきたいと思っておりますが、学研都市では、地元自治体が周辺整備、つまり下水道、道路、学校、駅などを、起債など膨大な借金をして既に先行投資を行っています。この学研関連の周辺整備のためにほかの事業が後回しになっているという批判が出るほど地元は頑張っているわけですね。学研都市は国家的プロジェクトなわけですから、地元がここまで頑張っている以上、国ももっと積極的に力を入れる必要があると思います。
そこで、お伺いしたいのですが、研究施設や企業を誘致するときに、かぎとなるのは税であります。現在、学研都市法に基づく税制の特例措置がありますが、今政府方針として租税特別措置の全体の見直しが検討されています。しかし、ただでさえ進出する研究施設が伸び悩み、逆に撤退する施設もふえている中で、地元自治体はこの特例措置が打ち切られるのではないかと強い危機感を持っています。
租税特別措置の全体の見直しについては、既に役割を終えた措置もあるので必要とは考えますが、日本の未来において研究開発は非常に重要であり、学研都市のような研究施設を地域集積することは時代の要請であるわけですから、法人税の優遇措置を残すことが必要だと私は考えます。塩川大臣の御見解をお伺いします。
○塩川国務大臣 山井さんが非常に熱心に言っていただくもので私も非常に心強く思っておりまして、その点感謝しております。
つきましては、租税特別措置を十分に講じてまいりましてその発展を期してきたのでございますけれども、平成七年、八年以降、その適用がだんだんと薄れてまいった、効能が薄れてまいりました。ということは、その適用を受けようとする研究所なり企業の進出が鈍ってきたということでございます。しかも、平成十年度以降になりましたら適用になる事業と活動が全然なくなってきたということでございまして、その点、もう適用期限が過ぎたから適用を受けないというのであるとするならばそれはまたそれでいいのでございますけれども、そうではなくして、そういう投資が行われなくなってきたというところに実は我々も非常な関心を持っておるのであります。
せっかく誘致を中心とした都市づくりをしております関係上、誘致が可能なようにできるだけそういう措置は残して、温存していきたいと思っておりますけれども、しかし、税の原則からいいまして、政策的効果がなくなった場合には廃止するというのが特別措置法の精神でございますので、つきましては、学研都市当局の関係者の方々と一度よく相談した上で、廃止するかあるいは温存していくかという方向を決めたいと思っておりまして、財務省独断で、せっかくこうして誘致してきたものを独断で判断するということはしないように十分協議して決めるということにいたしたいと思っております。
○山井分科員 大臣、まさにそのとおりでありまして、ぜひとも地元の自治体の方々と十分に議論をしていただきたいと思います。
例えるならば、この関西学研都市はまだ離陸する前でありまして、これからもっと研究施設に出てきてもらって、これから離陸しようとする飛行機のようなものなんですね。その状態で離陸しようとするときに、研究施設の誘致の大きなインセンティブになっているこの特例措置をなくすというとやはり大変なことになりますので、まさにこれは国家的プロジェクトなわけですから、国が間違ってもはしごを外すようなことはしないようにしてほしいと思います。
次に、総務省に同じく税のことでお伺いします。
学研都市への優遇措置については、地方税の特例措置及び不均一課税に伴う減収補てん措置も今後も継続すべきだと考えます。答弁をお願いします。
○瀧野政府参考人 地方税についてのお尋ねでございます。
ただいまも御指摘がございましたとおり、関西文化学術研究都市建設促進法は、近畿圏におきまして文化学術研究の中心となるべき都市の建設を目的といたしまして制定されたわけでございます。
現在、同法の趣旨にかんがみまして、地方税法におきましては、固定資産税等の特例措置を講じておるところでございます。また、地方公共団体が不動産取得税などの不均一課税をした場合、一定の要件を満たす場合には普通交付税の算定に当たりまして減収補てん措置というものを講じております。
これらの措置はこの平成十四年度をもって期限を迎えるわけでございますが、地方税法上の特例措置につきましても不断の見直しというものは当然必要であるわけでありまして、これらの措置の延長につきましても、これらの措置が設けられました趣旨を十分踏まえますとともに、建設計画なり、あるいは地元の皆様方の御意見を十分お伺いして、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○山井分科員 次に、交通網の整備について、国土交通省にお伺いします。
研究施設や住宅がふえない大きな理由の一つが交通のアクセスが悪いからでありまして、これは国の責任が大きいと思っております。
以前、学研都市の地域は陸の孤島と言われておりました。JR学研都市線などの整備により多少アクセスはよくなりましたが、学研都市の発展にはさらなる交通網の整備が不可欠です。例えば、交通のアクセスの悪さのために、学研都市の研究施設に転勤が決まった研究者の方が転勤を嫌がって、転勤するんだったら交通の便が悪いから特別な手当が必要だと要求しているようなケースも現にあるほどです。
私たち民主党は、むだな公共事業の削減を訴えていますが、それは川辺川ダムや諫早湾の干拓のような不要不急の公共事業でありまして、効果の高い必要な公共事業は当然急ぐべきだと考えております。
特に、学研都市のような二十一世紀の日本の命運を握る、研究開発の核となる事業に関しては、税制の特例措置まで設けて誘致しているわけですから、全体が効率的に進むように交通網もきっちりセットしないと、逆にむだが起こると思います。
そこで、これは国土交通省とJR西日本の協議の話にもなるかと思いますが、JRの高速化、複線化について、まとめて二点お伺いしたいと思います。
まず一点目は、大阪からの重要な通勤路線であるJR学研都市線は、学研都市の中心部である精華町、木津町までの複線化がまだできていません。途中の松井山手駅でとまっております。早期実現が必要だと考えますが、JR木津駅までの高速化、複線化は今後どのような予定ですか。
次に、京都、奈良の中心部からのアクセスも悪うございます。このアクセスや木津川の右岸と左岸の一体的な発展のためには、JR奈良線の全線複線化が欠かせません。この整備予定は今後どうなりますか。
この二点について、国土交通省にお伺いします。
○梅田政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のJR学研都市線及びJR奈良線でございますが、この輸送事情につきましては、近年横ばいないし微増の状態でございます。
こういう状態の中でございますが、JR学研都市線につきましては、本年三月に、京田辺駅において折り返し設備の新設、あるいはJR三山木駅及び大住駅において行き違い設備の新設など、総事業費約七十八億円をかけて改善が行われました。この結果、朝の通勤時間帯におきましては、快速列車が六本増発されるとともに、京橋—京田辺駅間の快速列車の所要時分も、約四分でございますが短縮されたところでございます。
また、JR奈良線におきましては、昨年三月に、京都駅—JR藤森駅間及び宇治駅—新田駅間の複線化、それから宇治駅及び山城多賀駅における行き違い設備の整備等が、総事業費百六十三億円をかけて行われました。この結果、列車本数が六十三本増発されるとともに、朝夕の通勤時間帯における京都—奈良の間の所要時分は、快速列車の運行によりまして約二十分短縮されたところでございます。
御指摘の、JR学研都市線のさらなる高速化、複線化、あるいはJR奈良線の全面複線化につきましては、JR西日本におきまして、これらの設備整備に伴います需要の動向、あるいは沿線の開発状況、さらには事業採算性等を勘案して今後検討されるものと考えております。
私どもといたしましても、このような状況を踏まえて、適切に対処してまいりたいと思っております。
○山井分科員 地元としましても、利用促進のために精いっぱい努力をしておりますので、急いでいただきたいと思っております。
続いて、道路整備に関してお伺いします。
これに関しては、学研都市の周辺、さまざまな、多くの道路を整備推進しなければならない点がありますが、ここでは特に、大阪や滋賀とのアクセスに関して、国道百六十三号と三百七号についてお伺いします。
まず一点、学研都市には大阪からのアクセスが最も重要ですが、国道百六十三号は交通渋滞が激しく、アクセスの大きなネックになっております。片側一車線の一般道で、学研都市と大阪を結ぶ道路がこれで本当に十分なのかという議論もあるわけであります。バイパス整備を含め、国道百六十三号の拡幅や整備の予定をお聞かせいただきたいと思います。
二点目は、城陽、宇治田原を通じて滋賀とのアクセス道路になっている国道三百七号についても、宇治田原に工業団地ができたり、また新しい住宅地ができたということもございまして交通量が増加して朝夕の慢性的な交通渋滞が続き、またカーブも多く、トラックのすれ違いもできない狭い箇所もあり、例えば城陽市の青谷地域では、渋滞時にトラックが抜け道の生活道路に入ってくる、それによって子供の交通事故がふえたというような深刻な事態ともなっております。バイパスの整備も含めて整備、拡幅の予定を、国土交通省、お聞かせください。
○佐藤政府参考人 先生御指摘の国道百六十三号と国道三百七号、大阪府の西部地域、京都府南部あるいは滋賀、奈良の北部を東西に連絡する幹線道路でありまして、関西文化学術研究都市へのアクセス道路としても重要な路線である、こういうふうに考えております。
国道百六十三号につきましては、京都府の木津町から大阪府の四條畷市に至る区間、大変交通渋滞が厳しいということで、国の直轄事業といたしまして、清滝生駒道路と精華拡幅の整備を進めております。
清滝生駒道路につきましては、延長が約十一キロ、合計の事業費が約一千億かかろうかという大きな事業でございますが、これまでに二・七キロを供用いたしまして、平成十四年度、新たに一キロを供用する、こういうことにしております。残ります七キロにつきましても整備の促進を図ってまいろう、こう考えております。
それから、国道三百七号でございますが、京都府城陽市から大阪府の枚方市の間で交差点を中心に大変これも渋滞している、こういう状況でございまして、現在、枚方市におきまして、平成十四年度供用を目標に、国道三百七号に並行する市道の枚方藤阪線の整備を進めておりますが、さらに、三百七号の幅員狭小区間の拡幅と歩道整備等の交通安全対策事業を四カ所で実施しているところであります。
できるだけ早く完成に持ち込みたい、こう思っておりますが、今後とも、厳しい予算状況の中で、これらの事業の早期完成と、第二京阪道路、京奈和自動車道などの関西文化学術研究都市に関連する幹線道路の骨組みのネットワークの整備を促進してまいりたい、こういうふうに考えております。
○山井分科員 今、答弁の中でまさに厳しい財政状況ということをおっしゃいました。ただ、私が申し上げたいのは、やはり学研都市という大きなプロジェクトをやっているわけで、税の特例措置まで設けて、あるいはさまざまなインセンティブを与えているわけですから、そこに交通網の整備がおくれて十分にうまくいかないということでは、結局は税金のむだ遣いにもなりかねないというふうに思っておりますので、ソフト、ハード、交通網の周辺の整備、ぜひとも一体化して進めていただきたいと思います。
次に、学研都市内の住宅地整備について国土交通省にお伺いします。
都市基盤整備公団による大規模な住宅整備が行われることを前提として、下水道、駅、学校、公園などの周辺整備に、地元の自治体は膨大な借金をしながら、既に先行投資をして町づくりを進めております。ぜひ地元の自治体の意見を十分に聞きながら、調整して事業を進めていただきたいと思います。
ここでは、一つ、京田辺市の南田辺地区の土地区画整理事業についてお伺いします。
この事業は、先日ようやく認可にこぎつけました。二千五百戸の住宅整備が計画されていますが、それを前提に、地元では駅を高架にしたり、膨大な費用をかけて住宅基盤整備をしてきたわけで、その先行投資をむだにしないためにも速やかに整備を進めるべきと考えます。
今後の整備予定をお聞かせください。
○中山政府参考人 今お話がありました南田辺地区は全体約三百三十八ヘクタールという規模でございますが、そのうちの京奈和自動車道より北の部分につきまして、大体六十五ヘクタールの部分が今おっしゃられました住宅系の土地区画整理事業を行う予定のところでございます。都市計画決定が平成八年にされまして、それ以降、地元といろいろお話をさせていただきながら、先般、七月十二日に都市基盤整備公団が事業を行うということで大臣認可を行ったものでございます。
今後は事業に着手するわけでございますけれども、用地につきましては都市基盤整備公団とあと民間の会社がかなり広い面積を所有しておりますので、用地買収についてはかなり順調にいくのではないかというふうに考えております。
区画整理事業は非常に時間がかかるものでございますけれども、都市基盤整備公団、厳しい財政の中で頑張るということでございますので、国土交通省としてもできるだけの協力、指導をしてまいりたいと考えております。
○山井分科員 まだまだ質問したい点はたくさんあるわけですが、時間も迫ってまいりましたので、最後に塩川大臣にお伺いしたいと思います。
財政がこれだけ厳しい時代だからこそ、公共事業にもきっちりとめり張りをつけて進める必要があると思います。冒頭に大臣もおっしゃいましたように、やはり関西が力をつけていく、東京一極集中を是正し、関西が元気にならなければ日本の活性化はあり得ません。
そういう意味では、官僚の方々の答弁は立場上どうしても慎重にならざるを得ませんが、塩川大臣、冒頭にも申し上げましたように、関西人として、これからの世界の流れ、国際的な流れに乗っていくためには、中小企業が元気にならないとだめだ。実際、東大阪市の中小企業でも、この学研都市の研究施設と連携してさまざまなプロジェクトをやっておられるところもございます。
そういう意味では、この関西学研都市、関西の復権のかぎだけではなく、二十一世紀、日本が国際的に生き残っていくためには、研究施設の集積というのは日本のために必要不可欠なわけですから、この学研都市に対する大臣の御決意というものを語っていただきたいと思います。
○塩川国務大臣 非常に心強い御質問でございます。私も、それは実際に、これはどうしようかという非常に大きいテーマになってまいりました。
私は、願わくは、この際に、産学官協同と今やかましく言っておりますので、その一つの拠点として、このあり方、運用、そしてこれを地元の経済にどう結びつけていくかということを、関係者が一回真剣にやってもらいたいと思っておりまして、何か非常に管理が官僚的で、管理だけしておけばいいんだという空気がどうもございますし、また、大学側にとりまして、当初理想に燃えまして、筑波は実学的な研究だ、だから産学協同に向くようなスタイルにしよう、しかし、日本の学問の神髄をきわめる研究機関としての関西学研という理想を持っておりました。しかし、現実はそうなっていかないような状態でございますので、そうであるとするならば、関西学術都市をどのように活用していくか。せっかく優秀な研究機関もたくさん進出しておるのでございますから、そこら、産学協同の一つのプロジェクトを将来に向けて考えていくべきだ。その方向に向かって、やはりソフトの開発が一番大事だろうと思っております。
仰せのアクセスの問題等も残っておりまして、私もよく知っておりますけれども、これらにつきましては、まず土地の買収が非常に困難であるということが、それがこの学研の整備をおくらせてきた状態なんでございますが、それがバブル経済からまた崩壊へといろいろな過程がございまして、そういうものの推進についての地方自治体の協力も本当に真剣にどこまでやっていくのかという問題等あわせて、一回関係者が集まってもらいたい。
各国立大学がございますが、それぞれの国立大学が自分らの研究拠点を持とうとしておりますし、そうではなくして、やはり関西の国立、私立の大学が集まって、理想に燃えてつくったのでございますから、もう一度、初心を忘れることなくここに返ってもらいたいということが私の念願であります。
○山井分科員 まさに今おっしゃいましたように、日本の国家の命運を握る国家的なプロジェクトであるわけであります。
今、企業はリストラ、リストラで研究開発どころじゃないということになっておりますが、やはりここできっちりと、二十一世紀の初頭に研究開発の拠点を日本が関西でつくっていかないと、結局は日本に未来はないと思っております。
筑波は国立で、今おっしゃいましたように官が出過ぎた。出過ぎたというか、官中心になっている。しかし、関西学研都市の方は民間活力で、民が中心にやっていくんだというのが一つの関西人の誇りでもあると思うのですね。
しかし、その民間活力の導入をやっていく上でも、官がやはりその後押し、サポートをきっちりするということが重要だと思っております。そういう意味では、関西学研都市に投資するということは日本の未来に投資することであるということを切に訴えて、私の質問を終わります。
ありがとうございました。