やまのい和則の
      「痴呆ケアの切り札・グループホーム!」

             第36号(2001/03/30)

 メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。取り急ぎ、昨夜の
グループホームでの夜勤の視察と、厚生労働委員会での私の質問予
定についてご報告します。

☆      ☆      ☆      ☆      ☆

私は、雇用対策としての介護労働者の雇用創出と、グループホーム
の夜勤の制度化、介護報酬の引き上げについて質問します。

 そのため、急きょ、昨夜は、知り合いのグループホームに晩9時
半から翌朝8時過ぎまで滞在し、グループホームの夜勤について
少し調べました。

☆      ☆      ☆      ☆      ☆

 今日の質問のポイントは、
グループホームの介護報酬がアップするかどうか。グループホーム
は痴呆ケアの切り札といわれながらも、十分に増えていません。

その最大の理由が、
「介護報酬が低く、採算が成り立たない。
今の介護報酬では夜勤が組めず、宿直しか組めない。
しかし、実際には宿直では対応できず、夜勤が必要」です。

      ☆      ☆      ☆      

 昨年11月17日、既に私はこのグループホームの夜勤問題を取り
上げました。

当時の答弁は、
「グループホームに入居している痴呆性高齢者は、自立して共同生
活ができる人で、ひんぱんな夜間の介護は必要としないので、夜勤
の必要性は、現時点では乏しいのではないかと思われる」というも
のでした。(さすが玉虫色の微妙ないいまわし)

      ☆      ☆      ☆      

 私は、この答弁には納得できず、その11月17日以来4ヶ月にわ
たって厚生省とも議論を戦わせてきました。

私の主張はシンプルです。

「グループホームに入居している痴呆性高齢者も、トイレ誘導や
身守りなどで、夜間のひんぱんな介護が必要なケースが多く、その
場合は、夜勤が必要。

必要である以上、夜勤が組める介護報酬に引き上げるべき」です。

      ☆      ☆      ☆      

しかし、今のグループホームの介護報酬(要介護3で月25、4万円)
は、宿直を想定しており、夜勤を想定した数字ではありません。
夜勤が必要という実態と、夜勤を想定していない介護報酬が合致し
ていないのです。

      ☆      ☆      ☆      

 昨夜、グループホームに一泊しました。
突然のお願いの電話にもかかわらず、そのグループホームは、快く
私を受け入れてくださり、おまけに夜勤スタッフが、偶然にも私の
このメールマガジンの読者でした。

      ☆      ☆      ☆      

 ちなみに、横浜市には29の痴呆性高齢者向けグループホームが
ありますが、すべて夜勤体制です。

行政が、「夜勤がのぞましい」と指導しているからです。

かたや、私の知り合いの京都のグループホームでは宿直。

しかし、実際には、夜間は一睡もできず、そのまま翌朝から日勤に
入ったり、日勤から続きで宿直(実際にはほとんど寝ずに夜勤の仕
事をする)に入るので、20時間くらい働き通しになります。

明らかに労働基準法違反です。

      ☆      ☆      ☆      

 昨夜、一晩でトイレ誘導が20回くらい。
夜中起きてくる入居者もいます。
朝4時からは順番にお年寄りが起きてきます。

宿直で定義される「一晩に2回くらい10分ずつの業務」では全く
ありません。

      ☆      ☆      ☆      

 つまり、宿直でこのようなグループホームの晩の対応をすれば、
労働基準法違反です。

実際、長崎県では、労働基準監督所から、あるグループホームに
指導が入り、
「宿直でなく夜勤をおくように」となったケースがあります。

      ☆      ☆      ☆      

 痴呆症のお年寄りが、夜間トイレに行く時には、一人で行ける
人もいますが、
行きは行けてもトイレから自分の部屋に帰れない人、
トイレに行けても自分でパンツをおろせない人、
トイレに行けてもすでに間に合わず失禁してしまっている人など、
さまざまです。

また、夜中、寂しくてスタッフを呼ぶ人もいます。

      ☆      ☆      ☆      

 つまり、宿直としてゆっくり睡眠はとれません。

あるグループホームのスタッフは、
「夜中、寝ているようでは、よい痴呆ケアなんかできません」と言
います。

 どのような答弁が得られるかわかりませんが、頑張ります。
 また、報告します。
                 やまのい和則 拝
 ==================================================
     ( 2001/03/30現在 読者数 1240 )

前へ 目次へ 次へ