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グループホームの第三者評価について

 第74号(2002/10/05)

  グループホームのメールマガジンの読者の皆さん、
  こんにちは。今日はこの10月から始まった
  グループホームの第三者評価について説明します。

 ◆介護保険やグループホームの講演。

  その講演会場で受けた要望。
  「特別養護老人ホームの介護報酬を下げないでほしい。
   ただでさえ非常勤職員が増えているので、これ以上、
   非常勤職員を増やすと介護の質が下がる」

  「痴呆性高齢者向けグループホームで人生の終末まで
   介護できる体制にしてほしい」

  「ホームヘルパーの労働条件が悪すぎる。良くしてほしい」など。

  あるグループホームの施設長さんは、
  NPO法人で民家改造の6人規模のグループホームを運営。
  月16万円の入居費で、11人が待機中。

  「そんなに待機者が多いなら、もう1ヶ所グループホームを
  つくられないのですか」と尋ねると、

  「良いスタッフが見つかればやるが、
  そう簡単に良いスタッフは見つからない」とのこと。

  そして、講演の最後に受けた質問で私はショックを受けた。
  質問をした男性のお母さんが昨年グループホームに入居し、
  入浴中の事故で死亡したという。
  痴呆症のお母さんがグループホームで一人で入浴。
  しかも、熱湯を入れて大やけどで亡くなったのだ。

  「グループホームが増えるのはいいが、いい加減な、危険な
  グループホームが増えては困る」というその男性の発言には、

  あまりに痛ましい内容で私も返答に困った。

  ただ、第三者評価により劣悪ホームが減らせるといいのだが、
  という期待を述べた。

 ◆私はグループホームを増やすために過去10年活動をしてきた。
  いま2200ヶ所くらいにグループホームは増えている。
  今後どんどん増えそうだ。
  しかし、中には質の悪いグループホームも増えている。

  そこで、厚生労働省はこの10月から
  グループホーム(以下、GH)に第三者評価を義務付けた。

  次に<参考>として概要を書きます。

  グループホームに関心のある方は以下をお目通しください。


 <参考>
  痴呆性高齢者向けグループホームの第三者評価について

  2002年10月からGHへの第三者評価が義務づけられる
  (自己評価は昨年から)。

  評価は少なくとも年1回行う。
  (都道府県の実施状況に応じて平成16年度末までに1回)

 <評価の流れ>
 (1)各GHが評価機関に申し込む
 (2)各GHは自己評価等必要資料を提出
 (3)評価調査員が1日かけて訪問調査
 (4)評価調査員は訪問調査結果や自己評価結果などを踏まえて
    評価報告書を取りまとめ評価機関に提出
 (5)評価機関は内容を確認し、評価報告書をGHへ送付、
   意見を求める。
  (この段階で意見を述べたり、資料を提出することができる。
  GHと調査員の意見が食い違った場合、
  評価機関が調査報告書とGHの意見を踏まえて専門的な観点から
  審査を行う必要があると判断した場合は評価機関に
  設けられている評価審査委員会に諮る。)

 (6)評価結果の確定
 (7)評価結果の公開(入居[申込]者、その家族、
   インターネット上[WAMNET])

 <誰が評価するのか>
 介護経験があり呆け老人を抱える家族の会に所属している人や
 介護相談員などが考えられている。

 GHの運営者、勤務者、GH事業者団体の役職員などは
 適当ではないとされている。

 調査員は講義3日間、GH実習1日の研修を受ける(東京センター)
 費用は3ユニットまで6万円かかる
 (評価調査員数2名 東京センター)

 <何を評価するのか>
 国が71項目の参考例を示したが、
 それに沿って都道府県で作成する。

 「運営理念」4項目
 ・管理者が運営方針や目標等を具体化し、
  スタッフに日常的に話している。
 ・ホームの説明会、便り等で運営理念や役割が地域に理解される
  ように取り組む。 等

 「生活空間作り」10項目
 ・居室に使い慣れた家具や生活用品、装飾品等が持ち込まれ、
  安心して過ごせる場となっている。
 ・入居者の活動意欲を起こさせるような馴染みの物品を用意し、
  本人の経験や状況に応じて提供している。 等

 「ケアサービス」38項目
 ・介護計画を、入居者や家族と相談しながら作成している。
 ・職員は、常に入居者一人ひとりの人格を尊重し、誇りや
  プライバシーを損ねるような言葉がけや対応を行っていない。
 ・職員の言葉がけや態度はゆっくりしており、
  やさしい雰囲気で接している。
 ・身体拘束は行わないということを全ての職員が正しく認識し、
  ケアを実践している。
 ・入居者一人ひとりの希望にあわせ、
  くつろいだ入浴ができるように支援している。
 ・家族が気軽に訪問でき、訪問時は居心地よく過ごせるような
  雰囲気を作っている。
 ・他、鍵をかけない工夫や一人でできることへの配慮 等

 「運営体制」19項目
 ・法人代表者、管理者はケアサービスの質の向上に熱意を持ち、
  それぞれの権限や責任をふまえて、共に取り組んでいる。
 ・入居者の状態や生活の流れを支援するために、
  これに即した職員の勤務ローテーションを組んでいる。
 ・スタッフの業務上の悩みやストレスを解消する方策を
  採りいれている。 等

  これからもこの第三者評価については書きたいと思います。
  ご意見お聞かせください。
                  やまのい和則 拝


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  ☆やまのい和則の「痴呆ケアの切り札・グループホーム!」☆
     (2002年10月05日現在 登録数 2431)
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