2015.11.19
過労死が若者に広がっている
~ブラック企業が大喜びするような労働基準法改悪は阻止せねばなりません~
過労死したのに、労災認定されないご遺族の方々の厚労省への要望に同席しました。
特に、若い息子さんや娘さんを過労死で亡くされたご遺族の訴えも多く、過労死が若者に広がっていることを恐ろしく感じました。
「息子は月100時間以上残業していたのに『長時間労働の証拠がない』と言って、労災認定されない」
「残業の記録となる夫のパソコン記録が消されてしまった」
「娘は、タイムカードを押してから、サービス残業を毎日強いられていた」など、荷重労働により、社員がうつ症状になっても休ませないブラック企業のお話をお聞きしました。
裁量労働制すべてを否定はしませんが、長時間労働になる傾向があり、ブラック企業が裁量労働制を悪用し、残業代を払わず、異常な長時間労働を強い、過労死に至る悲劇が後を絶ちません。
何より裁量労働制には、年収要件も年齢要件もないため、20歳台の若者も対象になり、ブラック企業を合法化させることになります。
残業代ゼロ法案は、不払い残業を強いるブラック企業が合法化される「ブラック企業支援法案」です。
多様な働き方、自由な働き方と言えば聞こえはよいですが、ブラック企業が大喜びするような労働基準法改悪は阻止せねばなりません。
労災認定、過労死認定されても、故人が生き返るわけではありませんが、大切な家族を過労死で失った上に、「長時間労働が証明できないから」という理由で労災認定さえされず、残されたご遺族は精神的にも経済的にもドン底に突き落とされます。
問題は、「長時間労働を証明する記録がない」と会社側が労災、過労死を認めないことです。
つまり、長時間労働や過労死を防ぐには、労働時間をきっちり把握することが大前提なのです。
労働時間が把握されない働き方は、長時間労働になるだけでなく、いざ病に倒れても労災認定されない、過労死認定もされないのです。
労働時間の正確な把握が、長時間労働の是正や過労死防止、ワークライフバランスに不可欠です。
にもかかわらず、いま政府が成立が強行しようとしている労働基準法改正法案(残業代ゼロ法案)は、ますます会社が労働時間を把握する義務がなくなり、長時間労働を助長する「過労死促進法案」です。
過労死が増える上に、過労死認定すら受けられなくなる残業代ゼロ法案は、危険すぎます。残業代ゼロ法案が万一、成立し、裁量労働制になった労働者が長時間労働を強いられ過労死したら、法律が人の命を奪ったことになります。
法律は国民の命を守るためにあります。
午後の過労死防止シンポジウムにも出席させて頂き、過労死を増やす方向に政府の政策が緩和されつつあることに強い危機感を感じました。
長時間労働と過労死を増やす残業代ゼロ法案は何としても阻止したい!