。☆〃。★〃。☆〃。★〃。☆〃。★〃。☆〃。★ やまのい和則の 「痴呆ケアの切り札・グループホーム!」 - Yamanoi Kazunori Mail Magazine - 第24号(2000/11/20 No.3) 。★〃。☆〃。★〃。☆〃。★〃。☆〃。★〃。☆ グループホームのメールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。 今日(19日)、1時から5時まで、京都市内に9月にオープンした 最新式特別養護老人ホームを訪問。 ここは、全室個室でユニット型。21世紀のモデルと言える。 特別養護老人ホームでのグループホームケアとも言える。 「グループホームの集合体」とも言える施設なので、ご参考になれ ばと思い、少しご紹介します。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 駅前徒歩1分にある理想的な立地。 京都市の土地に社会福祉法人が建設。 104人入居。 1階はデイサービスとレストランと児童館。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. レストランは、地域の一人暮らしのお年寄りや、老夫婦世帯も食べ に来られる。児童館は異世代の交流のために併設された。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 2階と3階には、52人ずつが入居。 完全な個室がそれぞれ12人分。 そして、四人部屋の中を個室にしきってある部屋が10。 そして、12人から14人のユニットに分かれている。 施設長さん曰く、 「12人のユニットに4人の介護スタッフが担当し、この16人が家 族のように1つの食堂で食事をする。食器棚にはご自分の食器を持 ち込んでもらい、ユニット単位で家族のようにアットホームに過ご して欲しい」と。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. この個室風の四人部屋にはトイレがない。 部屋を出てすぐ横にトイレがある。 施設長さんも悩んだそうだが、その理由は、 「部屋の中にトイレをつくると、どうしてもトイレの音が、耳障り になるので」とのこと。 確かに、私も先日ショートステイに一泊させてもらったが、朝5時 に同室の人のトイレの音で目が醒めた。 早朝、静まり返った中でのトイレの音は部屋にひびく。 先日、訪問したユニット型全室個室の老人保健施設は、四人部屋 を個室風にわけ、トイレも四人部屋の中にあった。 それぞれ考え方の相違であろう。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. また、施設長さんは、 「完全な個室よりも障子一枚で区切られた、ここのような擬似個室 のほうが、多少、人の息遣いが感じられてよいと思う。 完全に自立しているときは、完全な個室のほうがよいかもしれない が、いずれ弱ってくれば、多少、隣に人の気配が感じられたほうが 温かみがあって、孤独でなくてよいのではないか」と言う。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 知人のお母さんが入居しておられるので訪問した。 「こんないいところに入居させてもらって幸せです」とのこと。 確かに、四人部屋でなく、個室風に仕切られていると、「自分の城」 という感じで、ホテルのような感じだ。 やはり、個室という、自分ひとりが落ち着ける空間を、保障される ことは大事だと思う。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 施設長さんに介護保険の影響を聞いた。 この施設長さんは、この特別養護老人ホームに来るまでも、長らく 他の特別養護老人ホームで施設長をしておられたが、 「サービスの質の介護保険ではあまり変わっていない」とのこと。 しかし、介護スタッフの主任クラスが、ケアマネージャ―になって しまい、デスクワークに忙殺されてしまった。ケアのリーダーシッ プが低下し、今までのように、アクティビティーを十分する余裕が なくなってしまったとのこと。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 一方、介護保険以降、利用者からの苦情が増え、これは権利意識 が高まったことなので、施設にとっては大変だが、利用者にとって はよいことかもしれないと言っておられた。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 個室でユニットケアのために、本来の介護保険の、特別養護老人 ホームでの介護スタッフの基準は、お年寄り3人に職員1人だが、 ここでは2.5:1に手厚くなっている。 だから、施設長さんは、「個室で、ユニットケアの特別養護老人 ホームには介護報酬を25%加算してほしい」と言う。 .:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:._.:*~*:. 話は変わるが、私の尊敬する岡本祐三先生と田中滋先生の共著で、 「福祉が変われば、経済が変わる −介護保険の正しい考え方」 (東洋経済新報社、1600円プラス税)が贈られてきた。 実は半年前に私の 「介護保険のすべて」(東洋経済新報社)を、出版して下さった 編集者の井坂さんの編集なのだ。 今読み始めたがいい本です。おすすめです。 やまのい和則 拝 |