第48号 2001.08/21 発行
メールマガジンの読者の皆さん、こんにちは。
ちまたでは、お盆休みも終わり、今週から仕事も再開ですね。
今回のメールマガジンは、痴呆性高齢者向けグループホームについ
ての私見です。
最近、私の知人からグループホームについて2つの声を聞きまし
た。まず、第一の声は次のようなものです。
■「山井さんは、『グループホームができれば、ぼけても住み慣れ
た地域で暮らし続けることができる』と言ってますが、私のグル
ープホームには、車で1時間くらいの遠くA市から入居している
お年寄りがいます。これは、そのお年寄りの近所にグループホー
ムがないからですか?」
◆この質問に私は、「そのお年寄りの住むA市にもグループホーム
はあるのですが、数少ないために2-3年待ち。ですから、遠い
グループホームに住まざるを得ないのです。グループホームがも
っと増えれば近所のグループホームに住めると思います」と。
●この質問は、本質的な質問です。
というのは、グループホームは、一歩間違えば、小規模な「姥捨
て山」になりかねないからです。
*「特別養護老人ホームが満員だから、グループホームに預ける。
遠くのグループホームでも構わない」ケースも増えています。
*また、グループホームの職員さんが、入居者のご家族に、
「ときどきグループホームを訪問して下さいね」と言っても、
お年寄りを入居させたら最後、ほとんど顔を見せないご家族も、
多いというのです。
*あるグループホームの職員さんも、
「痴呆性高齢者にとって家庭的で良いケアを提供したい、という
思いで、グループホームをスタートしたのに、預けっぱなしで、
ケアの質に関心を持たない家族が多い」と嘆いておられます。
*また、「どこでもいいから、痴呆症の親を預かって欲しい。たま
たまグループホームが空いていたので、預かってもらってホッと
した、という意識では、さびしい」と言っています。
●この話に象徴されるように、痴呆性高齢者の家族は疲れきり、
また、痴呆性高齢者本人も介護に注文をつけられません。
だからこそ、注文をつけられない痴呆性高齢者の気持ちをくみと
って家庭的なグループホームが必要だと私は思うのです。
■もう1つの声は、次のような問い合わせです。
「私の親が2年前によいグループホームに入居しました。家庭的
な場所で、一時は介護度も軽くなりましたが、今は重度化して、
他の入居者の動きとはズレが生じるようになって、人と一緒に何
かするのは困難。徘徊もひどくなってきました。
『自費でヘルパーを付けたい。せっかく馴染んだ場所なのでとど
まりたい』と提案したが断られ、退去を迫られています。
山井さん、首都圏で重度でも入居できるグループホームはありま
せんか?」というものです。
●これからこのようなケースが増えると思います。
私の意見は、重度化してもグループホームで介護すべきだと思い
ます。そうできるように、介護報酬をアップして、できる限り、
グループホームを「通過施設」でなく、「終(つい)の住みか」
にすべきだと思います。
入院が必要な医療行為が必要な場合は、別として、できる限り、
グループホームで暮らし続けるようにできないものでしょうか。
少なくとも、夜間に介護が必要になる(トイレ、徘徊など)痴呆
性高齢者すら、グループホームでは重度過ぎて面倒が看れないとな
れば、グループホームの存在意義はなくなります。
夜間の介護が必要でない痴呆性高齢者なら、家で看られるからです。
今の制度では、
「グループホームは夜勤を想定していないので、グループホームに
は夜間の介護が必要でない軽度の痴呆性高齢者のみが入居し、夜間
の介護が必要になれば、他に移ってもらう」となっているようです。
しかし、どこに移るのでしょうか?
特別養護老人ホームは1-2年待たねば入居できません。
老人保健施設に移っても、老人保健施設は「終の住みか」ではあり
ませんので、多くの場合、また他の施設に移らねばなりません。
事実上、「夜間の介護が必要になったから」と言っても、移る適
当な居場所はないのです。
さらに、グループホームよりも、特別養護老人ホームや老人保健施
設のほうが、夜間の介護を必要とする痴呆性高齢者に対して、より
良いケアができるとは必ずしも言えません。
このようなことを、このお盆の最中、私は考えていました。
また、読者のみなさんのご意見をお聞かせ下さい。
やまのい和則 拝
■<お詫びと訂正>
前回お知らせしたグループホーム運営研修の会場の漢字が間違っ
ていました。以下が正しいお知らせです。
全国GH協 グループホーム運営研修のお知らせ
研修日程
* 日時:平成13年9月22日(土曜日)
23日(日曜日) 24日(月曜日・祝日)
* 場所:天満研修センター
(大阪市北区錦町2-21 TEL06-6354-1927)
* 募集人数:各コース50名
(定員になり次第締め切りますのご了承ください)
* 研修費用:有料
その他、詳しくは、下記のページをご覧下さい。
http://www.yamanoi.net/grouphome/information/01/gh_0922_24.htm
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☆やまのい和則の「痴呆ケアの切り札・グループホーム!」☆
(2001年8月20日現在 登録数 1732)
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