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「自宅でない在宅ーー高齢者の生活空間論」

 第83号(2003/07/25)

  GHのメルマガの読者の皆さん、こんにちは。
  ご無沙汰してすみません。
  今日は素晴らしいバイブルの紹介です。

  私の尊敬する故・外山義先生(元京大大学院教授)の
  遺言との言える著書
  「自宅でない在宅ーー高齢者の生活空間論」
  が出版されました。

  個室、ユニットケア、グループホームの良さが
  きっちり述べられた素晴らしい本です。
  グループホームやユニットケアの関係者必読の本です。
  ぜひお買い求めください。詳しい説明は下記のとおりです。
  ページをめくるだけでも涙が出てきます。

  この本の冒頭で外山先生は
  「いったい何があったのか」と問いかけています。

  それは、自宅にいたお年寄りが何らかの事情で
  4人部屋の老人ホームに入った場合、
  数週間で生命力が急速になえてしまっているケースがある。

  なぜ、そうなるのか?

  「いったい何があったのか」
  という大規模施設、雑居部屋への疑問が、
  外山先生の研究の原点であったわけです。

  外山先生、どうか安らかにお眠りください。
                  山井和則 拝

  ■書名:自宅でない在宅--高齢者の生活空間論■
   著者:外山 義(とやま・ただし)
   定価:1800円 + 税
   発行:2003年7月15日
   出版社:医学書院

   個室化、ユニットケア、グループホームが
   具体的な政策課題になるにつれ、
   逆に「個室批判」の声も聞こえてきました。
   それに対して本書では、

  「多床室では互いに同室者に背を向け
   互いのテリトリーを守りあう。
   "個"の空間が保証されて
   はじめて他者への志向性が生まれる」ことを、

   緻密な実証研究によって明言しています。

   また外山氏は、従来この分野にありがちな
   「個室かホールか」
   「在宅か施設か」

   という二項対立的な硬直した議論に、
   「中間領域」という新しい発想を持ち込みました。

   個室そのものも重要ですが、
   個室の存在によって初めて成立する中間領域も
   さらに重要です。

   その論拠を全面展開したのが本書です。

   まさに個室、ユニットケア、グループホームの
   「根拠(エビデンス)」がこの1冊に集約されています。

  目次

  プロローグ

  1 地域と施設の生活の「落差」
   1 3つの苦難

   2 さまざまな落差
   2-1 「空間」の落差
   2-2 「時間」の落差
   2-3 「規則」の落差
   2-4 「言葉」の落差
   2-5 最大の落差-「役割」の喪失

  2 落差を埋めるための「思考」
   1 個人的領域の形成
   1-1 「身の置き所」という視点
   1-2 私物と個人的領域
   1-3 施設のなかで個人的領域をどうつくるか

   2 実証的「個室批判」批判
   2-1 「個室=引きこもり」か?
   2-2 「個室にすると仕事が増える」か?
   2-3 「多床室だと互いに助け合う」か?
   2-4 個室化という視点からケアを考え直す

   3 中間領域の重要性
   3-1 居室間の関係
   3-2 居室と共用空間の関係
   3-3 共用空間のあり方

  3 落差を埋めるための「実践」
   1 ユニットケア
   1-1 生活単位とは
   1-2 ユニットケアの多様なハード
   1-3 ユニットケアにおける生活
   1-4 職員の人数とケアの質
   1-5 ケアの質と量はどう変わる
   1-6 4つのチェックポイント

   2 グループホーム
   2-1 グループホーム登場の背景
   2-2 グループホームとは何か
   2-3 グループホームにふさわしい環境とは

   3 協働生活型高齢者居住
   3-1 三反田ケア付き仮設住宅の一日
   3-2 日常の会話量を比較してみる
   3-3 「食」をめぐる多彩な暮らし感

  エピローグ
  インタビュー 参考文献 写真提供者一覧

  追悼 あとがきに代えて(三浦研)

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  ☆やまのい和則の「痴呆ケアの切り札・グループホーム!」☆
     (2003年07月25日現在 登録数 2806)
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