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外山義先生

 第76号(2002/11/15)

  グループホームのメールマガジンの読者の皆さん、
  お久しぶりです。こんにちは。

  グループホームについては、
  来年の四月から夜勤加算(ユニットごと)がつくことが
  決まっていますが、
  11月18日(月)の厚生労働省社会保障審議会介護給付費部会で
  介護保険施設とグループホームの介護報酬について
  議論が行われます。また、報告します。

  さて、今日はとても悲しい知らせです。
  日本でのグループホームの産みの親とも言える
  外山義先生(京都大学工学部大学院教授)が、
  11月9日(土)の朝、突然、お亡くなりになられました。

  過去10年以上、私は外山先生にご指導いただきながら、
  グループホームや個室・ユニット型老人ホームの
  普及の運動をしてきました。

  その師匠の訃報に接して、ショックの極みです。

 ◆今日、故・外山先生
  (京都大学教授、個室老人ホーム設計の第一人者)の
  知り合いにバッタリ廊下で会った。

  お互い顔を見るなり、泣きそうな顔になった。
  「外山先生が亡くなられた・・・」とお互いうつむいた。

  「戦死だよ」と、その知人は言う。
  「戦死?」「外山先生は体調が万全ではなく、
  みんなも心配してたんだよ。

  でも、本人は個室老人ホームを普及するために、
  無理を押して、講演に全国を走り回っていたんだよ」と。

  思わず、目頭が熱くなった。

  心身が弱った高齢者が住みよい環境で暮らせるようにと、
  全国を殺人的スケジュールで飛び回っておられた
  外山先生の姿を思い出した。

 ◆私の住む宇治にも5年前に、
  私が主催するグループホームのシンポジウムの
  基調講演に来て頂いた。500人を超える大盛況であった。

  宇治市長さんにもそのシンポジウムにパネラーとして
  参加して頂いた。
  宇治市にグループホームは当時ゼロであったが、
  今では5ヶ所に増えた。

  外山先生の講演のおかげです。
  外山先生のまかれた種
  (個室ユニット型老人ホームやグループホーム)が、
  全国各地で芽を出しているのです。

  聖書の言葉を思い出します。
  「一粒の麦、地に落ちて死なずば、一粒の麦のままである。
   しかし、死んだなら、豊かな実を結ぶであろう」。

  祖父が牧師さんという家庭に育ち、
  敬虔なクリスチャンであった外山先生は、
  まさにその聖書のそのものの生き方をされたのでしょう。

  老人ホームに入るお年寄りは、
  心身が弱っているだけでなく、
  家族とも離れ離れになった最も弱い立場の人々です。

  その最も愛を必要とするお年寄りに対して、
  「よい住まいを提供する」という形で、
  愛を注ぎ続けてこられたのだ外山先生です。

 ◆宇治市に講演に来て頂いたときのことが忘れられない。
  講演会場にお越しいただき、
  控え室に入られた外山先生に、
  「何かご要望はありますか?
   飲み物か何か持って来ましょうか」と尋ねると、

  「何もいりませんが、
   講演の前に10分だけ一人にしてください。
   最後に集中して、講演のストーリーを頭の中で
   組み立てますから」とおっしゃった。

  何百回も講演をされていた外山先生だが、
  このエピソードが象徴するように、
  一回一回の講演に心を込めて、
  情熱を込めて、
  愛を込めて行われた。

 ◆お亡くなりになられた11月9日(土)も
  京都で外山先生は個室ユニット型老人ホームの
  講演の予定であった。

  しかし、100人以上の聴衆が楽しみにしていた講演会に
  講師が現われることはなかった。
  その日の朝、すでに外山先生は天国に召されていたのだ。

  最後の最後まで、弱ったお年寄りのために、
  住み心地の良い施設やグループホームをつくりたいと、
  全国を飛び回っておられた。

  少しだけ国会を抜け出して行きたい。
  外山先生に最後のお別れとお礼を言わねばならないので。

  11月15日(金)午後2時から 東京都新宿区信濃町30 
  日本キリスト教団信濃町教会にて。
  喪主 外山真理様(奥様)

  「東京での告別式には行けないので、
   私の分までお別れを言ってきてほしい。
   私の分まで献花をしてきてほしい」というお便りを
  数多く頂きました。

  改めて、外山先生の偉大さを感じています。

  今日のメールマガジンはこれで終わります。合掌 
            やまのい和則  拝

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  ☆やまのい和則の「痴呆ケアの切り札・グループホーム!」☆
     (2002年11月15日現在 登録数 2541)
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