2015.9.11
天下の悪法「労働者派遣法」に断固反対
衆議院本会議に登壇。
閣法「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律案」の参議院回付案に対する反対討論を行いました。
日本の未来は、若者にかかっています。その若者が幸せな人生を送れる大前提が安定雇用です。にもかわらず、一番不安定な派遣労働を、どんどん増やす政府は許せますん。若者の人生をどう考えているのか?再び政権を奪取して、若者が派遣ではなく、望めば安定雇用に就けるように、今回の派遣法改悪を白紙に戻したいです。
反対討論の全文は、以下のとおりです。
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まず、今回の大雨で被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。また犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。政府に対しては、被災地支援と人命救助に全力を尽くすようお願いするとともに、わが党としても、対策本部を立ち上げ、しっかりと対応していくということを申し上げます。さらに被災地支援や人命救助に懸命に現地で取り組んでおられる方々に心から敬意を表すると共に、地球の温暖化や気候変動が進む中、大災害のリスクは年々高まっており、政治がしっかりと災害対策、被災地支援に今まで以上に取り組む決意を申し上げます。
私は民主党・無所属クラブを代表して、天下の悪法である労働者派遣法改正案の回付案に対して、断固反対の討論を行います。
本法案は6月19日に衆議院本会議で強行採決され、施行日を9月1日から30日に修正するなどして、参議院から回付されました。今日は9月11日、政省令を整備したら周知期間は数日しかありません。前回の派遣法改正では周知期間は6ヶ月でした。周知期間も数日で、大改正を強行するのは滅茶苦茶です。
施行日以外にも修正が若干されていますが、全く不十分である理由を、以下、今回の改正が若者の敵であり、かつ、女性の敵であるという二つの問題点に絞って述べます。
まず、この改正案は、若者の敵です。若者が、正社員になりにくくなります。一生、派遣の若者が増えます。10年間、製造業派遣で働く30代の男性は私に、「結婚どころか恋愛すらできない。俺の人生を返して欲しい」と言っておられました。正社員などと比べると派遣労働者の結婚率は半分です。本来、政治とは、若者に安定雇用や夢と希望あふれる人生を提供するものではないでしょうか?
安倍総理は、「今回の改正で派遣労働者が正社員になる道を開く」と説明していますが、間違っています。今回の日本と同様の派遣法の規制緩和を2003年に行ったドイツでは、たった5年間で、2倍以上に派遣労働者が激増しました。日経新聞の8月の最新調査でも、派遣労働者の約7割が今回の改正に反対です。派遣労働者が正社員になりにくくする、「一生、派遣」の労働者を増やす、当事者の声を無視した改悪は許されません。
また、今回の改正は、女性の敵でもあります。派遣労働者の6割は女性ですが、派遣の女性が出産した際の育児休業の取得率はたったの4%で、正社員女性の育児休業取得率40%の10分の1に過ぎません。
さらに、今回の改正により、今までは期間の制限なく働けていた秘書やパソコン業務などのその多くが優秀な女性である専門26業務の派遣労働者、約40万人に新たに3年の期間制限が入り、雇い止め、解雇になる危険性が高まります。そのため日経新聞の調査でも、専門業務派遣の労働者の約8割が、法改正に反対です。
派遣労働者は、いつ契約が切られるかわからない、少し苦情を言えば最も弱い労働者です。政治から最も遠いところにいる弱い人々を守り、応援するのが政治ではないでしょうか?しかし、安倍総理の政治は真逆で弱い者いじめであります。
よって参議院で行った修正では全く不十分であり、断固反対、廃案しかありません。さらに、修正により実効性がなくなった同一労働同一賃金法にも反対です。
安倍総理は、正社員の道を開くと言いながら正社員を減らす派遣法改悪を行い、賃上げと言いながら、賃金の低い派遣を増やす、平和安全法制と言いながら戦争に加担する、女性活躍推進と言いながら派遣の女性を苦しめ、加えて、自民党総裁選挙で女性候補の立候補を阻止しました。女性の活躍推進どころが、女性の活躍妨害ではないでしょうか。安倍総理は、言っていることとやっていることが真逆です。安倍政権は言行不一致政権です。安倍政権は、若者の敵です、女性の敵です、平和の敵です。何よりも国民の敵です。
施行日が19日後に迫った労働者派遣法を、今日、強行に採決し、来週、安保法案を強行採決するのは、国会の歴史を汚す暴挙です。
最後に、そんな会期末の大事な時期に、安倍総理は、国会審議の要請を無視し、国会をさぼって出張し、テレビ出演するなど、総理大臣失格です。以上、反対討論を終わります。