2015.5.28
派遣法改正にかかわった方 / 派遣元 / 労働相談窓口より
ー各々のお立場からご意見を拝聴 / 派遣法追及.5ー
派遣法改悪の直撃を受けるのは、パソコン、テレビ局IT、設計、デザインで働いておられる専門26業務の派遣労働者の方々。
専門26業務の派遣労働者の方々は、今まで期間制限がなく、何年でも同じ職場で働くことが可能でしたが、法改正が成立したら、上限が3年になるため3年後に解雇されることになります。
3年毎に次の派遣先への繰り返し。これはもう人生設計がたたなくなるのではないか。40代を過ぎたら、勤務先が変わるたびに基本的に給料は下がっていきます。
派遣法改正にかかわった方(経団連 高橋労働制作本部長)、派遣元の方(リクルートホールディングス 大久保専門役員)、労働問題の相談を受けている方(派遣ユニオン 関根書記長)に、今回の派遣法改正について話をうかがいました。
ー山井の問いー
今回の派遣法改正は、専門26業務で働いておられる40代・50代の過半数の方々にとって、より雇用の安定化になりますか?
ー派遣法改正にかかわった方(経団連 高橋労働制作本部長)のご意見ー
確かに、山井先生の御心配、ご指摘のところはあたっている部分も多いかと思いますけれども、今回の改正案では、派遣元にしっかりとしたキャリアプランを作成していただいて、40代・50代の方々についても自らの能力を磨いていただき、他の業界・企業に目を広げていただいて、新たな道の模索も含めて検討いただくきっかけになる法案の中身になっていると考えています。
ー派遣元の方(リクルートホールディングス 大久保専門役員)のご意見ー
専門26業務で3年以上超えている方々は、大変その職場にもなじんでいて、多分この職場で続けて働きたいと思っている方々が多いと思います。こういう方々にとって、今回の法改正はマイナスです。
直接雇用は、ケースとしてあり得ると思いますがそれほどたくさんあるとも思えません。
また無期雇用で派遣会社に直接雇われるという枠も、多分そう多くないと思います。
そうすると新しい派遣先を探すことになるわけですが、実際に新しい派遣先を紹介できない方も出てくる可能性は十分にあると思います。
ー労働問題の相談を受けている方(派遣ユニオン 関根書記長)のご意見ー
40代・50代の方が派遣先に直接雇用を依頼したとしても、実現される可能性は極めて低いですし、派遣元が期間の定めのない雇用に切り替えることもほとんどありえない。かわりの仕事を紹介するというのも年齢が高くなればなるほど難しくなってくる。そういった意味では、本当に年齢的にも高い、この専門26業務で働く人たちが一斉に失業するという事態が生まれるだろうと考えます。
(5月28日 衆議院厚生労働委員会 参考人質疑)