2024.9.16
労働時間規制の緩和
『労働時間規制の緩和撤回を』市民団体
総裁選で小泉進次郎氏主張(毎日新聞)
市民団体の意見に、全く、同感です。
人手不足だから、もっと長時間働いてほしい、という気持ちは、わからないではありません。
しかし、安易すぎます。
長時間労働により、体調を壊す方、精神疾患を患う方、過労死する方が続出した悲劇により、今の労働時間規制の法律があります。
今回の総裁選挙で、多くの候補者が、『労働時間規制の緩和』を、主張しておられます。
私は大反対です。
なぜなら、私は2014年に、議員立法『過労死防止法』を成立させた中心議員であり、法律を作成し、成立させるため、1年にわたり、のべ数十人の過労死のご遺族にお目にかかり、共に涙しながら、時には、共に食事をしながら、お話をお聞きしました。
過労死の話は、しらふで、お酒を飲まないでは、話せない、聞けない、という話も多く、ご遺族と一緒に、お酒を飲みながら、お話しをお聞きしたことも、数十回あります。
長時間労働で倒れたり、お亡くなりになられた当事者やご遺族の方々のお話を、総裁候補の方々は、聞いたことがあるのでしょうか?
そもそも、この2014年に成立した過労死防止法は、私も自民党と1年にわたり交渉を重ね、自民党も賛成し、成立した法律であり、この過労死防止法を一部、参考にし、その後、政府は、働き方改革法を成立させました。
このような、過去10年の長時間労働の是正、過労死防止、ワークライフバランスの取り組みを、根底からひっくり返す主張を多くの総裁候補がするとは、どういうことか?
厚労省にも確認しましたが、厚労省も現時点では、労働時間規制の緩和は、検討すらしていません。
厚労省が検討すらしていない問題を、総裁選挙で、突然、持ち出して、主張するのは、問題ではないでしょうか?
繰り返し、言いますが、人手不足だから、もっと長時間労働をしてほしい、という要望があることは、理解できます。
しかし、十分な検討や、被害者からのヒアリングもせず、法律改正、規制緩和を安易に主張するのは、拙速ではないでしょうか。
1人の議員としての見解ならわかりますが、総理大臣を目指す総裁選挙の公約に打ち出すのは、安易過ぎるのではないでしょうか?
その規制緩和により、失われる命があることを、総理大臣を目指す総裁候補なら、意識すべきではないでしょうか。
今年は、過労死防止法の成立10年です。
過労死防止法を成立させた中心議員として、危機感を書かせて頂きました。