2013.10.30
介護保険から要支援高齢者150万人をはずす問題
衆議院厚労委員会で、田村大臣に介護保険から要支援高齢者150万人をはずす問題を質問しました。富山からを初め、介護関係者が10数人、要支援の高齢者が2人、私の質問を傍聴に来てくださいました。 今回の厚生労働省の提案では、今後、年に5~6%増えると推計される要支援高齢者の介護費用を無理矢理3~4%に抑制。そのため市町村はボランティアによるサービスに切り替えたり、ホームヘルプやデイサービスの単価を下げたり、人員を減らしたりせざるを得なくなります。 このように市町村事業化されると、今後、要支援の介護予算の伸びを1%に抑制すると厚生労働省が決めて、その予算しか市町村に出さなければ、市町村は財源を持ち出さない以上、サービスを削らざるを得なくなります。 削りたくなければ、ボランティアを増やすしかない。つまり、ボランティアが増えない市町村では、要支援と認定されても、十分なサービスは受けられなくなります。 |
今回の改革は、介護の社会化に逆行しています。家族の介護負担を増やし、要支援の高齢者は必要なサービスが受けられず、要介護度が悪化するケースが続出・・・
私は介護保険を創設したメンバーの一人ですから、介護保険への思い入れは人1倍強いです。又、介護保険についての日本初の本も書き、スウェーデンにも2年留学し、20年以上前から介護を研究してきました。 介護保険の理念は全国どの市町村でも同じサービス、全国どの市町村でも同じ量と質のサービスを権利として利用できるのが、介護保険の意義でした。 しかし、今回の改正では、要支援の150万人について、国は責任を放棄し、市町村に丸投げ。財源は大幅にカット。自己負担アップ、サービス単価や人員基準の切り下げも市町村の自由。 ちなみに、利用者が喜ぶ自己負担の引き下げや、サービス単価や人員基準の引き下げは市町村の権限ではできないことになっています。まさに、介護保険から要支援を切り離し要支援の高齢者150万人を国は見捨てることになります。 このような思いで、田村厚生労働大臣と論戦しました。 |