2004.1.31
イラクへの自衛隊派遣の国会承認
いま、国会から青山宿舎に戻りました。
ご存知のように、今夜11時20分から衆議院本会議が行われ、イラクへの自衛隊派遣の国会承認が行われましたが、私たち民主党は、本会議を欠席しました。
明日(正確には今日)も5時起きで、地元に戻るので、そろそろ寝ますが、しかし、今日のイラクへの自衛隊派遣の承認は、どうしても許せないことですので、思いを書きます。
◇私たちが本会議に出席して反対するのではなく、そもそも本会議を欠席した理由は、イラク復興支援特別委員会などでの政府の答弁があまりにもいい加減であり、サマワの治安の調査も十分にされていないにもかかわらず、与党が委員会で強行採決をしたからです。
日本の歴史を大きく汚す転換の議論をたった二日の、いい加減な議論で済ますことは許されません。
「派遣の是非」以前の問題です。
「まず、結論ありき」。
自衛隊を派遣する、ブッシュの言うことは何でも聞く、という結論ありきです。
戦後日本の平和国家の誇りも全く感じられません。
◆本会議に欠席が決まり、若手議員4人で羽田孜元総理を囲んで話を聞きました。
羽田さんは、昔の自分の農林大臣、外務大臣、大蔵大臣の際の経験から、「アメリカにも言うべきことは言わねばならない。アメリカの『ポチ』であってはならない。戦争を知らない世代の政治家は強引過ぎる」とおっしゃっておられました。
その際に、今日あった後藤田正晴元官房長官の講演の話になりました。
後藤田さんは自民党のハト派で有名な議員でした。
後藤田さんの講演メモが、自衛隊派遣を批判する非常にわかりやすい内容なので、以下に転載します。
◆イラクへの自衛隊派遣について(後藤田講演メモから)◆
1、国際社会のルールを無視した単独主義的な先制攻撃であること。
2、作られた疑いの濃い情報によって、正当化された戦争であること。
3、イラクが持っていると疑われた、大量破壊兵器の国連による捜索の終結を待たずに行われた戦争であること。
4、政府の自衛隊派遣の目的は、イラクへの人道支援と復旧、国際協調というが、それらは口実であってブッシュへの過早な小泉の約束手形を落とすことが先であって、日米関係を円滑にすることが目的である。
5、国内の論識も、派遣先の自衛隊の安全の有無が、主題とされた傾きがあるが、武装部隊の海外派遣の大義の存否が問題であって、危険の有無は大事であっても、二次的論議であるべきだ。
6、アメリカの戦争に日本が何処へでも武装部隊を派遣するということは、国益上あり得ないことである。日米安保は日本と極東の安全に係わる事態に限られる。
7、北朝鮮の問題は、日米安保そのものの問題であって、憲法九条に反してまで遠いイラクへの武装部隊派遣の有無によって日米の信頼性が揺らぐ程度のものとは考えられない。
◆今回の派遣によって、今後もアメリカの言いなりになって、自衛隊を海外の危険な地域に送り続けることになるのは大問題です。
自民党でも古賀誠、加藤紘一、亀井静香各議員は、この自衛隊派遣の国会承認の採決に、棄権か欠席をしました。当然のことです。