2005.4.25
【京都南部の関西学術研究都市・道路・雇用】滝実法務副大臣等と議論
162-衆-決算行政監視委員会第四分科会-1号 平成17年4月25日
○山井分科員 民主党の山井和則でございます。
これから三十分間、私、地元京都でありますので、京都へのサミットの誘致のこと、また京都南部の関西学術研究都市、あるいは京都南部の道路や雇用、あるいは情報通信インフラ整備について質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
さて、京都では、このたび京都迎賓館が完成をいたしまして、先週には、小泉総理や歴代の総理をお迎えしてオープニングも行いまして、私も出席してまいりました。京都御所の中にすばらしい施設が完成したわけであります。
そこで、今京都としましては、京都を挙げて、二〇〇八年に関西で予定されているサミットを何としても京都に誘致したいという思いが高まっております。御存じのように、今、幾つかの都市が誘致をしているわけですけれども、やはりここは、歴史と伝統の都市京都がサミットを行うに最もふさわしい都市でないかと私は思っております。
私も、幾つかの国にいろいろ調査など過去行ってまいりましたけれども、海外に行っても、日本でどの都市を知っているかというと、やはり東京、京都と。京都から来たと言うとそれだけで、海外の多くの方々も、自分も京都に一度は行きたい、そういう思いをおっしゃいます。そういう意味で、ぜひともサミットを二〇〇八年京都に誘致したいというふうに要望をさせていただきたいと思います。
この迎賓館は二百億円ものお金がかかりまして、やはりこういうものをつくった以上は、ぜひともそこを有効活用したいというふうに思っておりますし、また、その折には、京都南部には宇治茶もありますし、また世界歴史遺産の平等院もありますし、そういうところにも世界の首脳にぜひとも足を延ばしていただきたいと思っております。
そこで、京都サミット実現の要望への答弁とともに、サミットを京都に誘致する上で、その誘致に成功する条件、あるいはその決定までのスケジュールについて御答弁を願えればと思います。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
主要国首脳会議、G8サミットは、G8諸国間の持ち回りで実施され、委員御指摘のとおり、現時点では、我が国での次回開催は二〇〇八年が予定されております。
G8サミットの開催地選定については、必ずしも確立された手続というものはございません。現時点で具体的な検討、選定作業は行われておりませんが、ただ、御参考までに、前回我が国で実施されました九州・沖縄サミットについて申し上げたいと存じます。
九州・沖縄サミットの例では、開催希望を表明されていた自治体の現地調査を開催年の二年前の九月より実施し、開催年の一年前の四月に開催地が発表された経緯がございます。
お尋ねの条件も、以上のような次第でございますので、必ずしもかちっとしたものではございませんけれども、九州・沖縄サミットにおける開催地の選定に当たっての調査では、開催のための適切な会議場及び関連行事施設があること、各国代表団及び報道関係者の宿舎が質、量ともに十分であること、警備上問題が少ないこと、それから空港及び交通面でのいわゆるアクセスが容易であること等を総合的に勘案した経緯がございます。
○山井分科員 もちろん、それぞれの都市が、日本の都市はすばらしい都市でありますから、どこがどうとは言いづらいわけですけれども、やはり歴史的な価値というかそういうものを考えても、ぜひとも京都にお越しいただきたい、まさに国際的な歴史都市、観光都市として有名な京都でサミットを開いていただきたいと、改めて強く要望をさせていただきたいと思います。
次に、きょう資料も五枚お配りをさせていただきますが、関西学術研究都市の進捗状況について、質問と要望をさせていただきたいと思います。
関西学研都市は、昨年秋に町開き十年を迎え、現在も産学官の連携の中、セカンドステージが展開されておりますが、しかし問題は、研究施設の整備が遅々として進んでおらず、整備用敷地の五三%しか埋まっていないということであります。
私の自宅の近所にありますので、毎週末この学研都市のあたりに行っておりますが、やはり地元の自治体からもうずっと聞き続けておりますのは、学研都市が目指していたように順調に整備がいっていない。それどころか、これまで研究所を主体として都市形成を進めてきたわけですが、昨年はバイエルとキヤノンというまさに目玉であった研究施設が撤退を始めているわけなんですね。研究施設が集まらないだけじゃなくて、一たん進出した研究所が撤退をし始めている。
きょう、少し写真も撮ってまいりましたが、七十五人の方が勤めておられたドイツ企業のバイエルの研究施設、これも今もう空き家になってしまいました。昨年四月に撤退。それともう一つ、この新聞報道にも出ておりますが、キヤノン・ショックと言われまして、昨年六月には百七人がお勤めになっておられましたキヤノンの研究所、これも撤退をしてしまったわけなんですね。関西復興の起爆剤、国家的プロジェクトと言われていた関西学研都市、本当にこれでいいのかという危機感、何とかしてほしい、そういう思いが地元からも高まっております。
そして、このキヤノンにしても、業績が悪くて研究所が撤退したわけではありませんで、撤退理由は、研究段階から生産への移行に伴い、研究施設を事業所のあるところに移転したわけであります。近年、研究施設と生産、本社機能との統合という経済界のニーズもあり、研究施設だけに頼ったまちづくりは曲がり角に来ました。地元京都府でも、学研都市にふさわしい生産施設を兼ねた企業進出に大きな期待を寄せているわけであります。
こちらにも、地元京都新聞の十年の節目を迎えた学研都市、こういう記事が出ておりますが、その中でも書かれておりますし、二枚目にも「研究から産業機能視野」へという見出しで書いてありまして、京都府の山田知事も、「企業は研究開発と試作を一体化させている。試作工場などの産業機能も認めるべきだ」というふうな号令も出しておられます。
このような現状を踏まえて、今後策定される学研都市のサードプランの方向性についてお考えをお聞きしたいと思います。
また加えて、同時にお伺いします。
学研都市けいはんなは複数の自治体にまたがって展開されておりますが、国立国会図書館関西館のある京都府側の精華町は人口三万五千人、お隣の木津町は三万八千人、比較的規模の大きい同志社大学のある京田辺市でも六万人として、自治体として規模はそれほど大きくなく、財政状況は非常に厳しいわけです。そのような中で、各自治体も精いっぱい学研都市にふさわしいまちづくりに取り組んでいるわけですが、財政的には厳しいのが現状で、今後、学研都市としてのまちづくりを進めていくには、さらなる国の財政支援が非常に重要になってまいりますが、この点についていかがでしょうか。
そして加えて、三点目として地元の声も紹介したいと思います。
けいはんな関西学研都市はよく東の筑波と比較をされますが、筑波は、御記憶にありますように、筑波博があったこともあり、知名度はかなり高いわけですね。しかし一方、学研都市けいはんなの知名度はまだまだ低いのが現状でありまして、今後、京都南部、さらには関西活性化の起爆剤として期待される学研都市の知名度をさらにアップさせる何か国家的なイベントのようなものが必要だと考えますが、いかがでしょうか。
三つの質問になりますが、どうかよろしくお願い申し上げます。
○蓮実副大臣 学研都市のこれからの展開につきましてでありますが、昨年の都市開き十周年を契機にいたしまして設置をした有識者による懇談会におきまして、学研都市の目指すべき方向について検討を重ね、学研都市全体の総合力の強化、新産業創出に向けた試作生産機能を有する研究開発型産業施設の立地促進などにつきまして、ことし三月に提言をいただいたところであります。
今後、国土交通省といたしましては、この提言を踏まえまして、今年度には、関係する自治体、立地機関、経済界等から成る協議会を設置いたしまして、今後十年間を対象とした具体的な整備方針としてサードステージプランを策定した上で、都市の整備をさらに進めていくことにいたしておる次第であります。
○山井分科員 ぜひともここは、せっかく国家的プロジェクトでここまで進めているわけですから、さらに力を入れていっていただきたいと思います。
先ほども言いましたように、本当に空き地がまだまだいっぱいあるわけですね。やはりこれは、関西復権の起爆剤でありまして、その大きなかぎを握っているわけであります。国家的なプロジェクト、もちろんこのことに関しては、筑波は国家プロジェクトでかなり公が力を入れる、関西のこの学研都市は国家的プロジェクトだから民間主導でいくということはあったかとは思いますが、当時からかなり経済情勢も厳しくなっておりまして、なかなか民間だけの力では限界があるわけですので、ぜひとも国からの御支援をよろしくお願い申し上げます。
そこで、それにも関連して、なぜ停滞したのかという理由の一つに、交通網の整備が急務ということが言われているわけです。この京都新聞の記事にも出ておりますし、次のページでも、動脈づくりの整備がおくれていると一体感を阻むということも書いてあります。これについては、電車と道路と両方言えると思います。
一つは、京都—学研間の道路網の整備がおくれているわけです。ことし三月に提言がまとめられた関西学研都市の明日を考える懇談会、通称明日懇でも、一定の整備は整ったものの、さらなる交通基盤整備の促進が望まれるという意見が出されております。学研都市線の複線化、松井山手から木津までの複線化、またJR奈良線の複線化、京阪奈新線の延伸などいろいろ重要で、ここで要望したいと思います。
それとともに、きょうは特に質問したいのが、道路網の整備であります。
例えば、学研都市の中心を走る京奈自動車道は、国道二十四号線のバイパスとして建設されましたが、ちょっとローカルな話になりますが、城陽から木津までわずか十二キロで六百円、往復で千二百円という料金は高過ぎるわけですね。私はよく利用しているわけですけれども、なかなか一般の方々にとっては往復千二百円払えないということで、割とがらがらなわけです。こういう写真を見せるのは非常に申しわけないんですが、先週の週末も、確かに朝夕のラッシュのときぐらいは多少は込んでいるんですけれども、一般的なときには割とがらがらになってしまっている。
私が申し上げたいのは、多大なお金をかけてこういうすばらしい道路を建設しても、結局がらがらであるということでは本当にもったいないという気がしますし、実際、高いという理由で今までどおり国道二十四号線を多くの方が利用されていて、そちらの渋滞緩和はまだまだなされていないということなわけですね。
そこで、三枚目の記事にもありますが、地元からも、何とかこの京奈自動車道の料金を引き下げられないか。割とがらがらなわけですからもったいない、かつ、その横の国道二十四号線は大渋滞をしていると。それで、引き下げるか、あるいは、この京都新聞の記事にも出ておりますように、今こういう社会的実験というのを国土交通省さんも行っておられるわけですね。料金を下げてみて、それによって交通量が増大したらプラス・マイナス・ゼロではないかということで、こういうことも私はやってみる価値はあるのではないかと。
やはりこれは、学研都市という国家的なプロジェクトなわけですから、先ほども言いましたように、そこから企業や研究所が撤退している。実際、撤退した企業の研究所の方から聞いてみても、やはり交通のアクセスが悪いという声が非常に強いわけなんですね。そういう意味で、この京奈自動車道について、料金引き下げ、あるいはそのための社会的実験を行っていただけないかということについて、御答弁をお願いします。
○谷口政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の京奈道路につきましては、償還主義のもと、借入金で道路を建設し、一定の料金徴収期間内の料金収入により当該道路の建設、管理等に要する費用を償還していくというような有料道路制度によってできておるものでございます。
昨今の経済情勢等を考えまして、有料道路の有効利用が、一般道路の渋滞対策、沿道環境対策も含めまして有効な施策だというようなことで、非常に要望が多いことがございます。したがって、そういうような観点から、多様で弾力的な料金施策に関する取り組みといったようなものを推進させていただいておるところでございます。
平成十六年度におきましては、地域における課題解決型社会実験というようなことで、施設整備と料金施策との間で有効性、効率性等の比較を行うため、全国で四十一件実施したところでございます。
地域によって非常に差が大きく異なるというようなことでございまして、地域の特性を踏まえて実験を行い、より効果的な料金割引について検討していくことが重要と考えておるところでございます。
今御指摘の京奈道路についての社会実験でございますが、並行する国道二十四号が渋滞が非常に多いというようなことでございますので、地元等からの要望がございましたら、適切に対応していきたいと思っております。いずれにしましても、社会実験の結果を踏まえて、今後の有料道路の弾力的な料金設定に生かしていければと考えておる次第でございます。
○山井分科員 今の件は、国土交通省さんと二年ほど前からも多少話はさせてもらっているんですけれども、局長さんからも御答弁ありましたように、とにかくせっかくつくったわけですから、やはり地域全体を考えて、有効利用ということをぜひとも考えていただきたいと思っております。
次に、この学研都市のことともやはり関連するんですが、すぐ横の第二名神のことについて御質問をさせていただきたいと思います。
これは二つに分けて質問しますが、まず最初の方は、八幡東から城陽間の早期着工を要望したいと思います。
この区間については、既に施行命令済みですが、いまだになかなか建設が進んでおりません。現在建設中の京都市南部を走る京都高速道路は平成十八年度末完成予定であり、この第二名神の八幡東から城陽間さえ開通すれば、先ほど質問しました京奈自動車道ともつながり、学研都市と京都市内が高速道路、有料道路でつながってくるわけであります。ここは、いわば学研都市の交通網のかぎであり、京都、奈良といった世界に誇る観光都市を結ぶ大動脈でもあり、当然地元でも大きな期待が寄せられております。この第二名神の八幡東—城陽間の早期着工について、今後の見通しはいかがでしょうか。
○谷口政府参考人 第二名神は、非常に大規模な延長になっております。したがって、選択と集中の精神で、区間を限って、必要度の高いところから事業を実施しているということでございます。
委員御指摘の、八幡ジャンクションから城陽ジャンクション間四キロメートルでございますが、用地買収に向けた地元設計協議を行うための準備として、現在、測量及び土質調査を実施させていただいておるところでございます。
また、ジャンクション付近では、京滋自動車道、第二京阪というようなこともございまして、一部用地買収も行っているところもございます。
当該区間につきましては、引き続き、地元の御理解をいただきながら、御協力をいただきながら、用地買収を含め事業の促進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○山井分科員 この区間は抜本的見直し区間にもなっていないわけでありまして、地元の自治体からは本当に悲鳴が上がっておりますので、ぜひとも急いでいただきたいと思っております。
京都南部の道路事情に関しては、谷口局長さんも以前近畿地方整備局長でいらっしゃったわけですから、まさによく御存じかと思いますが、問題になってくるのは、八幡—城陽間の両側が、御存じのように抜本的見直し区間というふうになっているわけであります。この四ページの資料に出ておりますように、大津—城陽間二十五キロ、そして八幡—高槻市間十キロ、この三十五キロが抜本的見直し区間となっておりまして、「構造・規格の大幅な見直しを行い、抜本的なコスト削減を図るとともに、整備手順についても検討する。」ということになっております。
これについてもやはり、地元の八幡市、京田辺市、城陽市、宇治田原町では、何とか急いでほしいという声が高まっております。要は、第二名神を前提とした都市計画づくり、まちづくりを行っているわけでありまして、抜本的見直し区間と決まってから一年半がたとうとし、地元の自治体は、工業団地の整備が進まないとか都市計画の先が見えないとか、またこの道路は学研都市にとっても重要な道路でありますし、また例えば地元の城陽市では、山砂利採取跡地の整備に関しても、第二名神の着工ということを前提に考えているわけであります。そういう中で、今、抜本的見直し区間という形で宙ぶらりんになっておりまして、地元の自治体や経済界からは、これもまた悲鳴が起こっているわけであります。
片や、地元の市民の方々からは、抜本的見直し区間ということは、要はコストを大幅に削減する、しかし、できてみたら、コストを大幅削減したから環境への配慮がおろそかになってしまうのではないかとかという点で、そういうまた違った面からの不安も出てきております。
地元からは、十月に民営化会社に移行するわけですから、新会社が整備する区間としてきっちりと位置づけられるようにという要望も、京都府を含め地元自治体からも強く出ているわけでありまして、抜本的見直しの現状と今後のめどについてお答えをいただければと思います。
○谷口政府参考人 お答えいたします。
第二名神高速道路は、名古屋市と神戸市を起終点とする全体延長約百七十四キロメートルの高速自動車国道でございます。このうち、現在供用しておりますのは、飛島インターチェンジ—四日市ジャンクション間約十九キロメートルが供用中ということでございます。集中的に工事をしておりますのは、亀山ジャンクションから大津間四十一キロメートルにつきまして、工事を全面展開中ということでございます。
その他の区間につきましては、今御指摘の抜本見直し区間も含めまして、区間によって進捗状況に差はございますが、いろいろな観点で、つながらないと意味がないということでございまして、鋭意事業を進めさせていただいているところでございます。
全体百七十四キロメートルということでございますが、第二東名高速自動車国道と一体となって三大都市圏をつなぐ、文字どおり二十一世紀の、新しい世紀の国土の基盤というような観点で、期待の大きい重要な路線と我々も認識をしておるところでございます。
また、災害時を考えても、現在の名神高速道路が通行どめとなった場合にも、代替路線として不可欠な路線というようなことで認識をしておるわけでございますし、また委員御指摘のとおり、京都南部のこれからのまちづくり、地域づくりというような形で骨格となる道路というようなことも十分認識をしておるところでございます。
御指摘の抜本見直し区間につきましては、現在、事業を一時中断し、構造、規格等の現行計画を文字どおり抜本的に見直すべく検討をさせていただいておるところでございます。
具体的には、抜本見直し区間の有無による交通量推計とその他の幹線道路との機能分担による必要性、また費用対効果の分析、整備手順の検討、道路構造、規格の見直し等について検討を進めさせていただいておるところでございます。
いずれにしましても、十月に民営化するということでございますので、できるだけ早期に取りまとめを行いたいというような考え方のもとに検討を鋭意進めておるところでございます。
○山井分科員 十月の民営化の前に早期に取りまとめということですが、ちょっと一つ、ここは重要なことなので確認をさせてもらいたいんですが、ということは、十月までに、抜本的見直しとしてこういうふうな案をつくったということで国土交通省が地元自治体等へ提示をする、大体そういうふうなめどでよろしいでしょうか。
○谷口政府参考人 検討状況にもよりますが、十月に民営化するというのは決まっておるスケジュールでございます。いろいろな手順がございますので、検討状況を踏まえて適切に対応させていただければと思っておる次第でございます。
○山井分科員 それでは次に、京都南部の雇用機会増大促進地域の指定の延長について質問したいと思います。
ちょっと時間が押してまいりましたので早口になるかもしれませんが、京都南部の宇治、城陽、久御山、宇治田原の四市町については、大規模工場の大幅縮小や地元信用金庫の破綻により、平成十三年十二月に地域雇用機会増大計画の地域に指定されたわけです。しかし、この指定が平成十八年三月に切れる予定であります。
しかし、私の地元の地域の雇用情勢は、少しはましになったという声もありますが、まだまだ本格的には回復しておらず、加えて、昨今のアジア情勢や原油高による企業活動への不安も相まって、地元からは、ぜひとも継続もしくは違う施策をやってほしいという声も高まっています。京都府にも同時にこの延長を要望しておりますが、これは地元の市町村や都道府県が計画を策定し、国が同意する方式になっているわけですけれども、ぜひともこの雇用機会増大促進地域の延長をお願いしたいというふうに思います。いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の京都の山城中部の地域雇用機会増大計画にかかわる御質問でございますが、先生から今お話ございましたとおり、これは地域雇用開発促進法に基づきまして、多数の求職者に比して相当程度雇用機会が不足している地域ということで、京都府が十三年の十二月にこの計画を策定しまして厚生労働大臣が同意をいたしたものでございまして、御指摘のとおり、十八年の三月がこの計画の終了時期となっておるわけでございます。
この更新の問題でございますが、基本的には、この仕組み、スキームにおきましては、都道府県がまず一義的に御判断をいただくべきものでございますが、京都府がこの地域の計画の更新を御希望するという場合につきましては、改めて計画を策定していただいて、厚生労働大臣あてに協議をいただくということになろうか、そういう手続を進めていただくことが必要であるわけでございます。
私どもといたしましては、協議をいただいた段階で、地域雇用開発指針というものが既に定められ公表されておりますので、これに照らしまして、要件に該当するかどうかの判断、必要な検討を行わさせていただきたいと思っております。
○山井分科員 京都府からは恐らくこの計画が出てくるというふうに思っておりますので、その際にはぜひとも同意して、また今後も御支援をいただければと思っております。
最後、あと二問ありますが、一問にまとめて質問したいと思います。
二〇一一年デジタル放送への全面移行を控えて、現在電波実験が行われていますが、京都南部の山間部、具体的にいいますと南山城村、笠置町、和束町などが受信不可能となる可能性が高く、大きな不安となっております。
従来、この地域はアナログ放送も難視聴地域となっており、CATV、つまりケーブル放送にて解消を図っている地域であります。ところが、このケーブルはデジタル化によって使用不可能となり、今後施設の改修が迫られていますが、これらの三町村は、人口が二千人あるいは五千人であり、四億円から六億円かかる改修事業を自力でするだけの財源はありません。国策としてデジタル化を推進するわけですから、何としても国の支援をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、インターネットについても同様のことが言えます。
一部では、最近やっと自治体の予算でADSLが可能となったところでありますが、いまだにADSLさえ不可能な地域が多くあり、情報格差は否めません。
先日も地元の自治体の方々と話をしたら、企業誘致をしたいといっても、インターネットも不十分ということでは、本当に来る企業もほとんどないということを嘆いておられました。これらの地域は、農村教育に力を入れたり、温泉を使った観光に力を入れたり、さらには自然を生かした村おこし事業など、生き残りをかけた地域挙げての取り組みを行っております。
情報通信インフラ整備は、人口の離散や企業の立地の不利になり過疎化に拍車をかけることを防ぐために、非常に必要であります。情報通信は、もともと交通が不便なところ、過疎地域にこそ先に必要で、整備しなければならないのに、逆に、財政力が弱くて過疎化が進んでいるところが、ますます情報通信やデジタル化の波にも取り残されてしまうのでは、これはあってはならないことだと思います。
これらのことに関して国の支援を切に要望しますが、いかがでしょうか。
○小笠原政府参考人 まず、放送についてお答え申し上げますが、先生御心配のような、そうした難視聴地域がまず生じないようにということが大事でございますので、放送事業者において、今の放送局の出力の拡大あるいは中継局の設置というものをできる限り早期に進めていただきたいと思っております。
私ども、従来より税制あるいは政策金融措置をやっておりますが、今後、地域の状況に応じまして、必要な場合にはこうした施策のあり方についても検討を進めていきたい、かように考えておる次第でございます。
○鈴木政府参考人 続きまして、情報通信関係の御答弁を申し上げます。
我が国の情報通信インフラ整備は、e—Japan戦略その他によりまして、全体としては世界最先端のレベルにあるというのは御承知のとおりでございますが、今先生から御指摘ございましたように、一部の地域におきましてはブロードバンドサービスが提供されていないというのが事実でございまして、私どもにとりましても、デジタルデバイドといいますか、この是正は重要であり、かつまた迅速に対応しなきゃいけない問題だと考えております。
そこで、二つございまして、一つは、まずは民間事業者でインフラ整備が進みますように、超低利融資や税制優遇の支援を行うということ。それでもできない場合は、市町村その他によりますインフラ整備に対しまして、国庫補助金でございますとか、あるいは過疎債のような地方財政措置を通じて支援をさせていただいております。
今後、私どもといたしましては、ユビキタスネットワーク社会を実現して地理的な格差を克服するということが、先生御指摘のとおり、経済の活性化、安心、安全な社会ということの助けになるものでございますので、その実現に努力してまいりたいと思っております。
○山井分科員 もう時間が来ましたので終わりますが、とにかく、こういう国が進める情報通信施策がかえって過疎化を後押しすることがないように、ぜひともきっちりと国の支援をお願いしたいと思います。
どうもありがとうございました。