2003.2.28
【茶業の振興】大島農水大臣と議論
156-衆-予算委員会第六分科会-2号 平成15年2月28日
○萩山主査 次に、山井和則君。
○山井分科員 民主党の山井和則です。茶業の振興を中心に、三十分間質問をさせていただきます。
私は京都府の宇治市に住んでおりますが、宇治を中心とするこの山城地方というのは、気候もお茶の生産に適しており、八百年以上の伝統の中で歴史的に高品質なせん茶、玉露、碾茶をずっとつくってまいりました。また、その加工、流通の集散地としても有名でありまして、宇治茶ブランドも定着しております。そういう意味では、八百年以上本当に誇りを持ってこういうお茶どころを守ってきたわけであります。日本せん茶の創始者である永谷宗円も現在の京都南部、宇治田原町の在住であったわけでありまして、せん茶、玉露は京都南部で生まれたわけであります。
そんな中で、去る二月十三日には、百十の市町村が集まって、宇治市で全国茶サミット京都大会も行われました。お米、御飯に最も合う飲み物としてお茶は日本人にずっと親しまれてきたわけでありまして、和みの茶と言われますように、お茶を飲むとほっとする、そういう面もあるわけであります。
私も松下政経塾というところで政治を学んでおりましたが、当時の松下幸之助塾長も、日本人の心を理解することが国際人になる一歩であるということで、そのためには茶道を学べという指導を受けて、私も茶道を学ばせていただきました。そういう意味では、このお茶というのは日本の伝統文化であり、日本人の心であるというふうに思っております。
そして、このような緑茶に関して、健康飲料、あるいはその効用というものが最近非常にさまざまな面で言われております。この点について、まずどのような健康効果、効用があるのかということをお伺いしたいと思います。
○須賀田政府参考人 鎌倉時代以降長い歴史を誇りまして、先生まさに言われたように、茶道等、日本人の精神面を支えてきたという飲料でございます。
私ども承知しておりますのは、この緑茶、一つはミネラル等を豊富に含むということで、健康面の維持増進に資する。それから、最近では、食中毒を予防するような殺菌効果がある。さらには、血中のコレステロールを低下、カテキン効果というようなことで呼ばれておるようでございます。さらには、ビタミンCということで美容にもいい、このようなことが言われておりまして、最近、そういう面でさまざまな効用を持っている注目される飲料というふうに承知をしております。
○山井分科員 聞けば聞くほど、本当にお茶というのはすばらしい飲み物だということを思うんですけれども、そういうことをもっと国としてもPRをしていただいて、この消費拡大というものを目指していただきたいと思います。例えばこの委員会室でも、私たちは水を飲んでいるわけですけれども、お茶を飲めばもっと和やかな審議になるのではないかということを思ったりもいたしております。
それで、今の御答弁なんですが、厚生労働省さんは、二十一世紀、やはりこれは病気の予防を中心にしないと医療費がどれだけかかるかわからないということで、健康21という健康づくりプランを進めておられます。私、前々から思っているんですが、やはりこういう健康づくりプランの中で、今御説明がありましたような健康飲料でありますお茶をもっと飲もうとか、そういうことを入れていくべきではないかというふうなことを考えておるわけですけれども、このようなお茶の効能に関しまして、厚生労働省からもお伺いしたいと思います。
○遠藤政府参考人 厚生労働大臣が審査を行い、保健機能の表示の許可をする特定保健用食品の制度におきまして、これまで茶の成分を利用した食品として、茶ポリフェノールを利用した虫歯の原因になりにくい菓子、血圧に作用する杜仲葉配糖体に着目した杜仲葉茶、糖の吸収を穏やかにするグアバ葉ポリフェノールに着目したグアバ葉茶が許可を受けております。
また、茶とがん予防に関する最近の研究成果として、平成十二年度厚生科学研究、緑茶による老年病予防に関する研究におきまして、バイオ細胞及びマウスを用いた試験で、緑茶ががん予防薬の効果を相乗的、相加的に増強するとの結果が得られたこと、独立行政法人国立健康・栄養研究所において、バイオ細胞を用いた試験により、緑茶ポリフェノールの一種が過酸化水素等の活性酸素により誘発される染色体損傷を抑制する作用を有するとの結果が得られております。
そのほか、先ほどもお話がありましたように、ビタミンC、カフェインなど有効成分が含まれていることは広く知られているところでございます。
○山井分科員 本当に歴史的に、ずっと日本人というのはお茶を飲んで健康に暮らしてきたわけでありますから、今のような研究をぜひとも続けていただいて、さらに、やはり将来的には健康21プランの中にぜひともこのお茶のことを入れていただきたいというふうに思っております。
次に、大島大臣に、このような健康面からも、また地場産業としても非常に重要な茶業のことについてお伺いします。
二十一世紀においても、農林水産業、特に茶業というのはますます重要性は増してくると思います。環境問題も出てきまして、やはり一つの雇用創出の手段としても、茶業というのは非常に重要であります。しかし、輸入茶の増加などによって日本の茶業も非常に厳しい局面に立たされていることも事実でありまして、自然環境に負荷をかけずにいかに高品質で安全、安心な茶を日本で提供していくかというのは重要なことであります。
そのあたりについて、大臣の茶業の振興に関するお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○大島国務大臣 お茶、茶業というのは、かなり地域的に偏在しているというんでしょうか、天候とか地域性というものが非常に大事、なるがゆえに、地域農業にとっては非常に大事な農業だと私は思います。そして、先ほどからお話ございましたように、鎌倉時代からという方もおれば、いや、実はその前からだという人もいますけれども、鎌倉時代から日本の生活の一つの柱、文化になっているわけでございます。
そして、先生の地元の宇治茶を初め、静岡茶だとか狭山茶と、先ほども申し上げましたように、地域の基幹作物、そういう観点から、私どもとしても、地域農業を支える、地域農業が発展していくということが今これから大事なことでございますから、まず第一に生産の省力化、栽培加工技術の高度化、高品質化、そういうふうなことの中で年間を通じた収穫の安定化、この三点に沿って努力をしてまいりたいと思います。
もう一つ、これは輸出ということも少し茶業の方々も含めて考えていく、攻めていく時代になったのではないか。お茶の文化というのは世界じゅうにあるわけでございまして、何も我々は紅茶やコーヒーをぼんぼん輸入されて飲むだけではなくて、こんなにすばらしい緑茶の、あるいは茶道の、そういうふうな意味での日本文化の輸出であり、そういう意味での輸出振興というものも真剣にともどもに考えていく時代になっているのではないか、こういうふうに考えております。
○山井分科員 今の大臣の答弁にも、お茶というのは日本の生活の柱であるという話がありましたが、本当にお茶なしでは日本人の生活というのは成り立たないわけであります。それで、例えばドイツなどでも、日本茶に対するブームがあって、非常に健康飲料として、またおいしいということで消費も拡大しております。
問題は、今大臣もおっしゃいましたように、逆に輸入が日本では今拡大していて、攻め込まれていて、国際競争力を保てるかということであります。昨日、一昨日と私も地元の茶生産農家の方々、また販売業者の方々にもお目にかかっておりましたけれども、その辺に関して非常な不安感も一方では持っておられます。
そこで、もう少し具体的に、どのような振興策を農林水産省としてとっておられるか、このことについてお伺いしたいと思います。
○須賀田政府参考人 お茶の振興策でございます。
基本的に考えますと、やはり、先ほど来お話がございました、一つは、気候風土とか土壌条件を生かした産地銘柄を形成する、あるいは既に形成されているその銘柄を維持していく、こういう目標と、お茶は、先生も御存じのようにやはり労働が大変でございます。労働集約的な作物でございますので、その負担をどのように軽減していくか、この二つを基本に据えて対策を講じているところでございます。
具体的に申し上げますと、一つは、高品質品種の導入のための改植というのを計画的に進めていきたい。それから、摘採機というのでしょうか、自動的にお茶の葉を摘む、あるいはアタッチメントをかえて農薬を散布する、こういう複合管理機、あるいは荒茶の加工施設を計画的に整備していく。それから、寒さに弱いものですから、防霜ファンというのでしょうか、防霜施設というものを計画的に整備していく。あるいは、先ほど来ありますように、新たな製品、その特徴に応じて、これは血圧降下作用がありますよというような新製品を開発していく。
こういうものを総合的に講じられるような予算も今組み込みまして提出をさせていただいているところでございますので、一刻も早い成立をお願いしたいというふうに思っております。
○山井分科員 今も御答弁いただきましたが、これからこの不況を脱却する、景気回復して雇用創出していく中で、工場を誘致するというようなことはある意味で逆に非常に難しいと思うんですね。そういう意味では、伝統的な地場産業であるこの茶業の振興というのは非常に重要なことだと思っております。
それで、国際競争に打ちかつということとともに、多少京都南部の事情を言わせていただきますと、やはり宇治茶というブランドの中で高品質の煎茶、玉露、碾茶をつくっておりまして、そういう意味では、大規模農園を支援すると同時に、小規模で高品質なものをつくっていく、そういうことも、ブランドを保つ上でぜひとも御支援をいただきたいと思っております。
そこで、少しペットボトルのお茶についてお伺いしたいと思いますが、最近ペットボトルのお茶も非常にふえております。その中で、これは日本のお茶なんだろうか、中国のお茶なんだろうかと緑茶に関しても疑問に思ったりするわけであります。そういう外国の緑茶の場合はやはり表示をすべきではないかというようなことを思いますが、そのあたり、いかがでしょうか。
○西藤政府参考人 私ども、食料品の表示問題につきましては、近年、逐次その充実を図ってきているところでございます。生鮮食料品の原産地表示等も実施をいたしております。
先生御指摘の加工品の原料原産地の表示ということにつきましては、加工品においても、やはり品質に関する情報として原産地を消費者に提供していくということは非常に重要だということで、ただ加工食品も非常に幅が広うございますので、そういう点で、どういう形でということで、私ども個別品目ごとに検討を進めてきている状況でございます。
そういう中で、まず、平成十三年の秋でございますが、漬物の中の梅干しとラッキョウの、まさに梅の原産地はどこだ、ラッキョウの原産地はどこだということで原産地表示を開始しまして、漬物全体に拡大する。あるいは、水産物のウナギのかば焼きについての原産地表示。あるいは、近年冷凍野菜が大変伸びてきておりますけれども、冷凍野菜についての、その野菜の原料原産地ということで、八品目まで現在拡充し、原料原産地をお願いしている状況にございます。
お茶については先生御案内のとおりですが、製茶につきましては、お茶そのものにつきましては、荒茶の生産地を原産地とするということで、例えば中国の荒茶を輸入して国内で製茶した場合もその原産地は中国という表示をしていただくということで、現在既にそういう取り組みがございます。
ただ、飲料については、先生御指摘のとおり近年非常に消費が伸びてきている状況でございますけれども、こういう加工食品全体にどういうふうに原料原産地をやっていくかというのは、これは国際ルールも正直言ってございません。そういう中で、統一的なルール、基準がわかりにくいという意見がございます。それで、私ども、現在厚生労働省と一緒になって、食品の表示に関する共同会議を設置させていただいております。その場において、原料原産地表示のあり方も御論議いただく。その中で、当然ペットボトル系飲料を含めて御論議をいただきたいと思っております。
いずれにせよ、私ども、表示そのものは、消費者にわかりやすく、かつ製造、加工段階できっちり実施できる、そういう状況でないとなかなかルールとして確立していかないというふうに思っておりますので、先ほど申しました共同会議での御論議を通じて、適切に対応していきたいと思っております。
○山井分科員 このような質問をします一つの理由も、昨年、厚生労働委員会で中国産のホウレンソウの残留農薬の問題を私たちも議論いたしました。そういう中で、やはり残留農薬の問題、消費者に非常に不安を与えているわけであります。
それで、そのことについてもう少しお伺いしたいんですが、中国産のお茶などの残留農薬とかそういうことに対する検査体制はどのようになっているか、お伺いしたいと思います。
○遠藤政府参考人 中国茶を初めといたします輸入食品の安全確保のため、厚生労働省では、全国三十一カ所の検疫所に二百六十八名の食品衛生監視員を配置し、食品衛生法に基づき輸入時の審査、検査などの監視、指導業務を行っているところでございます。輸入食品の残留農薬を初めとする輸入時検査につきましては、輸入重量、過去の違反率等を踏まえた年間計画に基づいて実施するモニタリング検査、食品衛生法違反が継続するなど違反の蓋然性が高いと判断される食品についてすべての届け出に対し実施する命令検査など、違反の蓋然性に応じた検査を実施しているところでございます。
平成十四年におきまして、中国茶の輸入届け出件数は約四千二百件ございまして、そのうちモニタリング計画に基づき百四十二件について三十五種類の残留農薬検査を実施いたしましたが、食品衛生法違反は確認されておりません。
今後とも、食品衛生法に基づく残留農薬の基準に適合しない食品が輸入されることのないよう、引き続き輸入時検査の実施に努めてまいりたいと考えております。
○山井分科員 茶業の振興に戻らせていただきますが、昨日も私、二十八歳で親の後を継いで新しく京都南部で茶の生産を始めたという若者と話をしておりました。このような新規就労、就農のことや後継者育成について、農林水産省としましては、茶業だけに限らないかもしれませんが、御支援をどのように考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○須賀田政府参考人 我が国の経済社会全体が高齢化、少子化を迎える中で、やはり後継者あるいは新規の就農者を確保して農業界全体の新陳代謝を図っていく、これは重要な課題というふうに私どもも認識をしております。
先生言われるように茶に限ったことではないんですけれども、新しく農業を始める、後継者として新しく就農をする、こういう場合には、やはり三つの要素、一つは技術、それから資金、それから農地、この技術と資金と農地といったものをどのように確保していくかということが難しい課題ということでございます。
そこで、私どもは、後継者とか新規就農したい人の習熟度合いに応じまして、先進農家へ行ったりする技術研修というものを支援していくことによって技術を身につけていただく、そして資金の面では、就農支援資金というのを用意いたしまして総合的な融資を行う、そして農地につきましては、情報を集めまして、これを提供してあっせんをする、こういう三つの柱で総合的な取り組みをしているところでございます。
○山井分科員 これから新たに茶業にかかわりたいという方も徐々にふえてきておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、最初の質問と少し重なるかもしれませんが、改めてお伺いしたいんですが、お茶の中に含まれるカテキンやテアニンにはさまざまな健康にいい効果が発見をされております。血圧を下げたり動脈硬化を防いだりがん予防というものが言われているんですけれども、さらに最近もう一つ言われているのが痴呆の予防でありまして、例えばテアニンは脳の神経細胞の働きを健全に保つ働きがあるということもわかっておりますし、また、お茶のカテキンには動脈硬化を予防して脳血管性痴呆の予防につながる効果があるというふうなこともわかっているわけであります。このようなお茶の健康効果について、農林水産省さん、いかがでしょうか。
○須賀田政府参考人 私ども、その中身は正直言って難しくてよくわからないんですが、最近、緑茶の成分が人の神経細胞死を抑制する、いわゆる痴呆に効く、あるいはがんの予防に効く、脳卒中に効く、そういう研究成果があるということは承知をしております。
○山井分科員 もちろん、これは今ネズミでの調査とかそういうことですから、人間の中でどういう効果があるということを、本当に実証、解明するというのはなかなか時間がかかるかもしれないわけですけれども、私はそういう効果は非常に重要だと思っております。
なぜこういうふうなことを言うかといいますと、私の住んでおります宇治市でも、お茶の産地そして販売の拠点でありながら、同時に痴呆症に関して非常に取り組みをしておりまして、例えば痴呆性高齢者ケアの切り札と言われておりますグループホームも五カ所ございますし、また、特に過去二年間にわたって痴呆予防のモデル事業というのをやってまいりまして、来年度予算も四百三十万円という予算を組んでおります。
ここでちょっと厚生労働省さんに話が移って恐縮なんですけれども、痴呆初期の段階で、脳活性化教室などによって、場合によっては痴呆の進行をおくらせたり痴呆症状からカムバックできるというような報告も出ているわけです。そこで、まず、生活習慣と痴呆の発症との因果関係など痴呆予防のために解明すべき課題があると考えますが、厚生労働省さんの取り組みはいかがでしょうか。
○石井(信)政府参考人 高齢者の痴呆についての御指摘がございました。
私ども、高齢者の痴呆に関してのさまざまな要因の解明、こういった研究につきましては、先端的科学の研究を重点的に振興し、かつ予防と治療成績の向上を目的とするメディカル・フロンティア戦略、これを立ててございます。御指摘の痴呆に関する研究につきましても、その一環として現在取り組みを進めておる最中でございます。この一環の中で、引き続き専門家の先生方の研究を進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○山井分科員 現在、痴呆症の方は、百七十万人ということでどんどんふえております。そういう中で、医療費も非常にふえている。どういう意味で寝たきりを予防していくか、痴呆を予防していくかということがこれから非常に重要であります。寝たきり予防に関しましては厚生労働省さんの努力によってかなり効果が上がっているわけですけれども、次はやはりこの痴呆予防の問題だと思います。
もちろん、痴呆といいましてもアルツハイマー性痴呆から脳血管性痴呆もありまして、一〇〇%予防するということは非常に困難だとは思いますけれども、さまざまな取り組みで、痴呆症になりかかっていた方が元気になったとか、進行が遅くなったという事例が出てきております。
例えば、初期における痴呆予防を目的とする脳活性化教室というのが全国に今広まりつつありまして、これを宇治市でもやっているわけですけれども、痴呆を食いとめる効果が上がってきておりますし、さらに、それによって、そういう取り組みをしてきた地域では、介護保険の財源というか、高齢者福祉のお金が少し浮くというような論文も出てきております。
平成十一年度には、既に、痴呆を初期で食いとめる試みが厚生省の高齢者ケア未来モデル事業の助成によって行われ、その成果も報告されているわけであります。その後、介護教室などのさまざまな取り組みが各地で行われているわけでありますが、厚生労働省として、痴呆予防を目的とする取り組みを積極的にどのようにこれから支援していかれるのでしょうか。
○石井(信)政府参考人 先生御指摘ございましたように、いろいろな取り組みがなされておるということは耳にいたしております。ただ、どういう活動をすれば痴呆の発症予防に客観的、科学的に効果があらわれるのか、これは、先ほどの御答弁でも少し触れましたけれども、まだ研究の途上である、こういう認識をいたしております。
ただ、いろいろな活動の中で、絵画、絵をかいたり、書道をしたり、園芸、草花を育てたり、あるいは音楽、こういったいろいろなものを取り入れましたアクティビティー痴呆介護教室、こういったものが、閉じこもりの予防でありますとか、あるいは、初期の痴呆の高齢者の方にとって非常に大切であります社会性の維持、こういった点から、介護予防という点で効果があるということは考えております。
私ども、市町村でいろいろなお取り組みを進めていただくことについて、国庫補助事業ということで、介護予防・生活支援事業というものを従来から進めております。また、十五年度予算案にも四百五十億円という金額を計上させていただいております。こういった補助事業を活用しながら、市町村での取り組みを引き続き支援してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○山井分科員 私も、大体過去十年以上、この痴呆症の問題、世界各地を回って取り組んで、研究してまいりました。例えば、スウェーデンでは、痴呆年という年を、この一年は痴呆年というふうに定めて、痴呆というものに対する取り組み、啓蒙活動を国を挙げてされたりしたこともありました。
今まで、痴呆というと隠してしまう、かつ家族の方も発見がおくれる。家にずっといる奥さんは、親が少し痴呆症になってきたのに気づくのが早かったりするけれども、外に出て働いている男性は半年、一年それに気づかなかったり、そういうふうなことで発見がおくれたり、また隠すというような、そういう風土も残っております。御存じのように、やはり痴呆症も早期発見、早期対応をすれば後の進行が大きく違うわけでありまして、私も経験上、ひとりぼっちで、外にも出なくて、閉じこもりになって話し相手もいない、そういう環境では痴呆が非常に悪化しやすいということもわかっております。
ただ、どのファクターで痴呆が予防できるかというのはわかりにくいわけですし、実証もしにくいわけですけれども、今御答弁くださったようなさまざまなアクティビティー、交流、歌を歌ったり踊ったり、楽しいひとときを暮らす、そういうことがやはり痴呆の進行や発症をおくらせることにかなり効果があることが、さまざまな実証例が出てきておりますので、ぜひとも積極的に支援をしていただきたいと思います。
これからも、茶業の振興、そしてこの痴呆予防の問題、精いっぱい私も頑張りたいと思いますので、農林水産省、厚生労働省におかれましてはよろしくお願いいたします。
以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。