活動報告

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山井の活動


156-衆-決算行政監視委員会第四分科会-2号 平成15年5月20日


○山井分科員 民主党の山井和則です。
三十分間、扇大臣、よろしくお願いいたします。
関西では、関西新空港や伊丹空港の問題など、空の問題が議論されがちでありましたが、今回は、関西復権のかぎを握る関西文化学術研究都市周辺や、また、京都南部の地域の鉄道や道路について、地域の個別課題が多うございますが、質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
まず最初に、関西学研都市のことについて扇大臣にお伺いしたいと思います。
私の家から近いところにあるんですが、この関西学研都市の中で、研究施設というのが一つの目玉の施設であったんですね。ところが、この研究施設も、昨年、閉鎖ということに早々となってしまいました。研究施設の整備の伸びというのが非常に鈍っているのが現状であります。肝心の研究施設用地面積が、整備済みが三一・九%、整備中を含めても四七%という現状であります。
また、つい先日の日本経済新聞を見ていただきましても、「学研都市 事業化初の中止 都市公団 木津の宅地二地区」ということで、ここを見てみますと、「研究所を誘致し、住宅地を造成する計画だったが、今後さらに開発を進めて造成工事費を投入しても、分譲できないおそれがあると判断。」というふうにこの中止の理由が書いてあります。
やはり、関西復権の起爆剤、そして国家的なプロジェクトであるわけですから、もっとベンチャー企業の育成などにも力を入れるということも含めて、推進にもっと国土交通省に力を入れていただきたいと思います。この件に関して、扇大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
○扇国務大臣 私は、この計画当初に現地に行きまして、ジープに乗せてもらって全部見て回りました。本当に今おっしゃったように、関西復権の目玉といいますか、そういう意味で、日本の中で一番おくれております文化、学術、研究等々の一つの一番いい場所として選んだつもりですし、また、その当時は、今おっしゃったように、あらゆる面で成功すると思っておりました。
ところが、本年の四月一日の時点で進捗状況、これをちょっと言わせていただきますけれども、立地施設につきましては、十四年度に、国立国会図書館の関西館をつくるということで、それから私のしごと館、民間研究所を合わせまして四施設が本来は開設されるということで、厳しい経済状況は今御本人おっしゃったとおりでございますけれども、民間の四施設が閉鎖されたんです。ですから、そういう意味では、開設七十四施設、建設中のものが二施設でございます。
なお、開設された施設の敷地面積は、文化研究都市の予定面積のおおむね三割しかまだ満たしていないということで、七割が未着工ということになっております。
まだまだこの基礎整備については、計画の面積の三千六百ヘクタール、そのことが、事業終了、事業中の面積が全体のまだ六五%ということは私は悲しい限りで、何か、経済でよく言われますけれども、本当にスパイラルに陥っているんじゃないかと思うぐらい、デフレとは言いませんけれども、この開発が、そういう意味では、開館する、閉鎖する、開館する、閉鎖するというんじゃ本当に情けないと思います。
私は、あそこの交通システム、アクセス、これも、まだバスでとろとろということで不便だなということで、本来なら、あんなところに自転車を置いてぱあっと行けば、あれだけの道ができているんですから、いいななんて個人的には思っておりますけれども、そういう意味では、民間の企業の立地促進のために、我々はもっとこの文化学研都市というものの宣伝と、そして関西の復権のために関西の財界にももっと働きかけて、完成さすまでの努力というものが今後必要であるという実感を持っております。
○山井分科員 今、扇大臣が、まさに私が言いたかったことを言ってくださいましたが、何よりも不便なんですね。国会図書館もできて、私のしごと館もできて、すばらしい施設ができているわけですけれども、扇大臣も御出身が神戸と聞いておりますが、例えば神戸から行くとしても、なかなか、どう行ったらいいのかぴんとこない。
そこで、二点御質問させてもらいたいんですが、一つは、神戸から行く場合は、JRの片町線、これは愛称JR学研都市線と呼ばれているんですけれども、これについても、その手前の京田辺の松井山手駅のところで複線がストップしておりまして、ぜひともこれをJR木津駅まで延ばしていかないと、やはり研究施設に勤める人が非常に不便で、私が聞いたある研究者の方は、ここに転勤になると研究者の人が嫌がってしまった、交通の便が悪いというケースもあるわけです。
それともう一つは、京都からのアクセス、また京都と奈良の幹線ということで、JR奈良線の複線化、これもやはり非常に重要になってくると思います。
せっかくこれだけいい関西復権の起爆剤の研究都市をつくっているわけですから、やはりそこにきっちりとアクセスできるということにしないと、国家的プロジェクトとして、ある意味で、トータルで見ると財政のむだ遣いにも逆になりかねないのではないかと思います。その意味で、JR片町線またJR奈良線の完全複線化ということは早急に必要だと考えますが、いかがでしょうか。
○石川政府参考人 JR学研都市線でございますけれども、御承知のとおり、平成十四年三月に、京田辺駅で折り返し施設の整備、新設を行いました。それから、JR三山木駅及び大住駅において、行き違い設備の新設などを行いました。こういうことを行った結果、列車本数を二十五本増発することができました。なおかつ、京橋駅から京田辺駅間の快速列車の所要時間を約四分短縮することができました。
それから、JR奈良線でございますけれども、これにつきましては、平成十三年三月に、京都駅とJR藤森駅間及び宇治駅と新田駅間の複線化、それから宇治駅と山城多賀駅における行き違い設備の整備というふうなものも行いまして、この結果、平成十三年三月時点で六十三本、その後さらに十本、計七十三本増発をされておりますし、所要時間におきましては、京都—奈良間の快速列車の運行ということができまして、約二十分短縮できたということでございます。
したがいまして、こういう中で、今後の路線の整備につきましては、今後の施設整備に伴う需要の動向でありますとか沿線の開発状況、それから事業採算性などを考慮してJR西日本が検討するものと考えております。
○山井分科員 今答弁ございましたように、JR片町線もJR奈良線も一歩一歩複線化に向かって進んできているわけですけれども、先ほども言いましたように、また扇大臣からも答弁がありましたように、残念ながら、今のままでは、一歩間違うと陸の孤島ということになりかねない。そういう意味では、やはり急いで交通のアクセスをアップしてもらう必要があると思います。
また、扇大臣におかれましても、ぜひ再び学研都市を見に来ていただいて、思ったよりはちょっと整備がおくれているなということを実感していただければと思います。
次に、駅のバリアフリーの問題について質問をしたいと思います。
これは京阪八幡市駅の駅舎なわけですが、ここは一日一万五千人が利用している。それで、京阪沿線で、急行が停車して、一万五千人も利用しているにもかかわらず、唯一エレベーターもエスカレーターもないということなわけです。
近所には岩清水八幡宮もあって、歴史、文化あふれる八幡市でありますけれども、その表玄関、しかし、二十八段の階段がありまして、お年寄りの方々とかを見ていると何か痛々しいわけですね。それで、おりるときも後ろ向きでないとおりられない。また、車いすの場合は、人手が足りないから隣の駅からも手伝いに来てもらって、そこでひじを痛めてしまった駅員さんもおられるということであります。
このことに関しては、当然八幡市と京阪電鉄が今協議をしているわけなんですけれども、なかなか、財政的な制約もあって十分に進まないということであります。
そこで、この京阪八幡市駅のバリアフリー化についてとともに、あと二点。
バリアフリー法というのが二〇〇〇年にできたわけですから、国の財政負担をもうちょっとアップさせるとか、あるいは国がもうちょっと強力に指導するということで駅のバリアフリー化を進めていただきたい。そういう必要があるんではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○石川政府参考人 京阪電鉄の八幡市駅について御質問がございましたが、今お話しのように、この鉄道駅は一万三千人から一万五千人ぐらい利用しております。したがいまして、私どもの交通バリアフリー法に基づく一日当たりの平均利用者が五千人以上である鉄道駅、これについては原則としてすべてバリアフリー化するという目標がございまして、それに該当する駅でございます。
したがいまして、これはできることならバリアフリー化したいということだと思います。今先生お話しのように、地元から鉄道事業者に対して要望もなされているというお話も伺っております。
今写真がございましたけれども、まさにこの駅は構造的にいわゆる盛り土構造ということでございます。土を盛った上に駅があるということでございまして、なおかつ、この入り口でございますが、さらに入り口を入った後に地下道があって、それからホームへ上がっていくというふうな形になってございまして、実際上、エレベーターなりエスカレーターを設置する場合に、どこに設置したらいいかというふうな問題がございます。
具体的に、例えばホームと地下道を結ぶ階段のうち一カ所をつぶしてエレベーターをつくった方がいいのかどうか。それも、人がたくさんいますからなかなかつぶせないな、こういうふうな問題もございます。それから、新たに連絡通路等を整備するということもどうかなというふうな問題もございます。もともと、この八幡市駅はホーム幅が狭くて、エレベーター、エスカレーター等に必要なホーム幅が必ずしも広くないというふうな問題がございます。それから、この駅は昭和三年に構築されたので、全体かなり古いという問題がございます。
したがって、では具体的にどうしたらいいんだということになるわけでございまして、現在、地元の八幡市において、実はこの駅周辺の開発整備というふうなことも検討されている。そういう中で、場合によっては駅舎自体の橋上化ということも考えられるだろう。ただし、それについては相当なお金がかかるというふうなことがあろうかと思います。
問題点ばかり申し上げて申しわけないんですが、そういうことで、基本的に、町当局と鉄道事業者が、この駅とその周辺もあわせた全体の開発計画というものをまず協議していただく。そういうものを協議して、具体的にどうつくったらいいかということが決まりますれば、私どもはそれに対して対応していきたいというふうに考えております。
○山井分科員 ぜひとも、もう年々お年寄りの方々もふえているわけでありますから、せっかく二〇〇〇年に交通バリアフリー法ができたわけですから、急いでいただく必要があると思います。
続きまして、それと似たような、駅の話なんですが、先ほど申し上げましたJR片町線、学研都市線の中にJR同志社前駅というのがあります。この写真を見てもらったらわかりますように、ここもある意味でホームが非常に狭い駅です。
平成八年には一日の利用者が平均二千八百人だったのが、平成十三年には七千七百人と二・七倍にふえまして、私も時々行くんですが、朝の通学のとき、本当にこれは危なくて仕方ないんですね。一気におりるとホームからあふれてしまう。それで、この写真を見てもらったらわかりますように、雨のときは非常に、ホームとの間に落ちるんじゃないかと危険ですし、とにかくこういう通学の時間帯は、お年寄りや体の不自由な方は絶対利用ができないというようなことになっているわけです。もちろん、駅や鉄道の利便性も重要でありますけれども、近いうちにいつ事故が起こるかわからないというせっぱ詰まった状況であります。
こういうことについてもいろいろ地元と協議を今している最中かと思いますが、やはり事故が起こってからでは遅いわけで、一日も早い駅舎の改修というのが必要だと思います。この点についていかがでしょうか。
○石川政府参考人 JR学研都市線の同志社前駅でございます。
今先生、写真がありましたように、これは四両編成の列車に対応するホームでございますが、ホームが二つございまして、ホーム幅が二メートルでございます、もう一つのホームは、ホーム中央部の幅員が三メートルで両端が二メートルということで、ホーム幅が非常に狭いということは事実だろうと思います。
それで、同志社大学の学生の数がどんどんふえております。そういう意味で、ホームが混雑しているということについては鉄道事業者も十分認識をしているところでございまして、早期に解消すべき課題だと考えているところでございます。
では具体的にどうするかということになりますと、二つあるホームのうちの一つの改札口のある方について、ホームを最大五メートルに拡幅するということを検討しているわけでありますが、その際には、民有地の買収というようなこともあります、それから関係者の費用負担というのもございまして、まさに先生御指摘のように、現在、JR西日本それから同志社大学、京田辺市の三者で協議が進められているところでございまして、私どもとしても、できるだけこういう協議が進んで、ホーム幅員の拡幅など必要な施策が図られるように鉄道事業者を指導してまいりたいと考えております。
○山井分科員 やはり今、財政的にも非常に地方自治体も厳しくなっております。そういう中で、国のリーダーシップというのがますます求められると思います。今の京阪八幡市駅のこと、またJR同志社前駅のことについて、一言、ぜひとも扇大臣からも前向きな決意のほどをお聞かせいただければと思います。
○扇国務大臣 これは大事なことだとは思いますけれども、何よりも地方自治体が動いてくれなければならないことであります。地方自治体が話し合っていただいて、駅の場合は同志社大学も入っておりますけれども、地方自治体の皆さんと、ぜひ御要望に即したように、そして、これは費用が三分の一ずつですから、そのときに地方自治体がどう判断するかということですけれども、危険が起こってからでは間に合わないということだけは、国会で取り上げていただくよりも地方自治体にぜひ言っていただいて、地方自治体から国を、もうおしりをひっぱたいていただくというぐらい地方自治体が熱を入れてくださると、今局長が答えましたように、必ず我々はそれに対して対応するということだけは、もう法律が通っているんですから、ぜひバリアフリー法を活用しながら今の話も対応すべきだと私は思っています。
○山井分科員 ぜひとも早急にこういう問題は私自身も取り組んでまいりたいと思います。
次に、過疎地の足ということについてお伺いしたいと思います。
JR関西線、大阪から三重に向かってですが、その中で、一つ写真をお見せしますと、学研都市からさらに東の方に、三重の方面に行くと非常に過疎地域になってくるわけですね、木津川流域で。
そこで、一例なんですが、笠置駅というところ、こういう本当に、観光地で温泉もあるところなんですが、そこで今問題になっているのは、一つは、まだまだ依然として単線、非電化であって、これについては電化促進、そういう取り組みもなされているわけです。
ただ、電化とか複線化以前の問題として、ちょっと見えにくいかと思うんですが、写真を説明しますと、十一時から三時までが赤く縁で囲ってあるんですけれども、毎月第四土曜は電車がストップしてしまうんですね、月一回なんですけれども。せめて一時間に一本は通らないと、ただでさえ過疎化が進んでいるのに、本当に厳しくなってしまう。この駅も、利用者の三割がお年寄り、お子さん、そして体の不自由な方ということで、なかなか代替ができないわけです。だから、こういう過疎地の足をしっかりと確保していただきたいということが一点。
それともう一点は、これでは仕方がないから町営バスを和束町が走らせたり、また、奈良交通に委託するバスを笠置町や南山城村は走らせているわけなんですけれども、その委託したバスも、例えば来年の三月には十の路線が廃止されて、町の直営にせねばならない。そうすると、想像にもかたくないように、高齢化は進む、足はなくなる、地方交付税は減らされて財政は厳しい、働く人はいない、新しい住民はふえてこないという中で、本当にこれは大変に切実な問題になっているわけです。そういう意味では、町営バスを鉄道の代替にする場合にも、もっと今まで以上に国の補助というのが必要ではないか。そうしないと、本当にこの地域というのがますます寂れていってしまうと思うわけです。
このようなJR関西線の本数の増便ということと町営バスへの補助ということについて御見解をお伺いしたいと思います。
○石川政府参考人 それでは、私、鉄道の方について御答弁させていただきます。
御指摘のJR関西線の加茂と伊賀上野間でございます。先生御指摘のとおり、残念ながら、利用者が減少傾向にございます。そういう中で、加茂—亀山間の全体の保守点検を効率的に行うために、週休二日制によって学校が休みであります、なおかつ利用者が少ない第四土曜日、この日中の時間帯、先生御指摘のように、五本列車が運休をしてございます。その間、実は集中的に保守作業をやっているわけでございます。
そういう意味で、保守点検作業は、鉄道の安全を確保するためにどうしても必要な作業でございます。一方で、利用者の利便を確保するということもまた鉄道事業者の責務だろうと考えているわけであります。
この二点をどう調和させるかということになるわけでございますが、私どもとしては、関係地方公共団体等の意見を尊重して、利用者利便をできるだけ確保するようにというふうに鉄道事業者を指導してきたわけでございます。
そういう中で、今御指摘のJR関西本線でございますが、毎第四土曜日の日中の運休ということでございます。先ほど申し上げましたように、学校が休みでありますが、これから夏休みにもなります。そういう意味で、この六月から、六月、七月、八月につきましては第四土曜日についても列車を運行するということにしたところでございます。
○丸山政府参考人 過疎地におきますバスの補助についてお尋ねがございました。
国土交通省といたしましては、平成十三年から、過疎地のバスの制度を大幅に新しい枠組みにしたところでございます。
具体的に申し上げますと、地方のうち広域的、幹線的なバス路線につきましては、都道府県と協調しまして国が補助をする、こういう制度にいたしました。その他の路線、多分この町営バスもそれに当たると思うんですけれども、その他の路線につきましては、地方公共団体がどう判断してこれを維持していくかということを決めるということでございます。ただ、財政的な措置が必要でございますので、それにつきましては地方財政措置を充実するという形で制度を新しく構築いたしました。
御指摘の路線につきましては、この判断基準からいたしますと、地域の実情に応じまして、地域で都道府県あるいは市町村が主体的に判断して維持確保を図るべき路線ということになるわけでございます。
ただ、私どもとしましても、市町村に任せておけばいいということではございませんで、国といたしましても、都道府県、市町村との密接な連絡をとりまして、地域が必要といたします生活路線の確保に努めていく所存でございます。
○山井分科員 今、線路の保守という話がありましたが、地元でもその話は出ております。ただし、地元の方が心配しているのは、線路の保守という名目で、結局、どんどん便数を減らしていくんじゃないかというような心配があります。
さらに、この笠置や南山城村というのは観光地でもありまして、土曜日の午後、観光地であるのに列車が走らないというのは、もう観光地として存続し得ないわけですね。温泉に入ろうと思って行ったら、第四土曜だったから電車がなかったといったら、やはり話にならないわけであります。
国土交通省さんの大きな目的は、国土の均衡ある発展ということだと思います。そういう意味では、きょうも成田空港の開港二十五周年でありましたけれども、国際線のこととかそういう面とともに、やはりこういう過疎地の足をどう確保していくのか。足がなかったら、もう過疎地はどんどん衰退せざるを得ないわけです。このようなことに関して、扇大臣、一言また御見解をお聞かせ願えればと思います。
○扇国務大臣 今お話しになりました区間でございますけれども、加茂と伊賀上野、この区間のみならず、全国に過疎と言われるところで、地方自治体に、私たちはJR等々を民営化いたしますときに、民営化すればするほど過疎を切り捨てるのではないか、採算のとれないところは切っていくんじゃないか、そういうことを大変心配いたしました。また、そのことも、地方自治体の皆さん方で、この加茂と伊賀上野の区間のみならず、全国にそういうところがいっぱいございまして、何度も私、委員会で言われております。
ある地方では、町じゅうが全部総力を挙げて、何回も乗ってみようなんといって、乗車数の水増しですか、それまでやってでも存続を図ろうという運動をしているところもあります。ですから、そういう意味では、今おっしゃったように、年寄りになる、就職は来ない、若者は出ていく、そういうところで、ただ、温泉があって個性がある。そういうところは、私は、均衡ある国土の発展ではなくて個性ある地域の発展というのに変えたのもそこなんです。ですから、本来なれば町で考えていただいて、本当に電車の率が悪いのであれば、いっそバスに変えてしまうとか、やはり町としての存続と、そして自分たちの個性をどうするか。温泉バスを走らすのも私はいいと思うんですよ。
そういう将来に向けた、今あるものをいかに存続するかという財政的な維持ができなければ、発想の転換をして、そして、ある駅から温泉バスを運行しようではないかというような、新たな二十一世紀型というのに変えれば、地域のお年寄りも、バスによって自分も温泉に入れるというようなこともまたあるやもしれません。これはもう、それぞれの町の発想によって変えていくべきである。しがみついていて、ただ過疎だ過疎だというのではなくて、その過疎を逆手にとって発展している町がたくさんございます。例を挙げれば切りがありませんけれども、それを私は国土交通大臣賞というので表彰しているんです、全国。
ですから、そういう意味では、ぜひ、過疎だ過疎だと言わないで、新たな町の発展のために発想の転換をしていただいて、より特性のあるまちづくりというものに私は挑戦していただきたい。そして、特に山井先生など、お若いんですから、先頭に立って、新しい発想をしようじゃないかということを町の皆さん方等御指導していただければ明るさが出てくるのではないか。土曜日は電車がとまっていれば、逆に、土曜日は温泉バスにしようなんという発想も私はいいと思いますので、ぜひそのように、地元と協力して新たな第一歩を踏み出す、また、新たな発想をするということをぜひ頑張っていただきたいと思います。
○山井分科員 本当に、そういうアドバイスも受けながら、財政が非常に弱いですので、国からの個性ある発展への御支援もぜひともお願いしたいと思います。
最後の質問になりますが、そういうことで鉄道も非常に本数も減ってきているということで、そこで国道の話になるわけですけれども、時間がないですので、二つの質問をまとめて行います。
木津町というところに、国道二十四号と百六十三号の併用区間というのがあるわけですね。そこをきっちりと解消して、渋滞を解消する必要があると考えます。
この地域は、全国的にも珍しい国道二十四号線と百六十三号線の併用区間で、渋滞が激しいもので倒産街道とさえ言われて、渋滞が慢性化しておりまして、その周りの商店もかなりシャッターが閉まっているという部分があります。これについて、バイパス整備、そして木津川新橋の架橋をつくるということも含めて、急ぐ必要があるのではないかと思います。
もう一点は、まさに今のJR関西本線の横を走っております国道百六十三号線、これは近畿と中部を結ぶ幹線でありまして、ダンプなどの大型車両が非常に多く通行しております。路面の傷みも非常に激しいですし、交通事故も多発している。全国的にもこういうところはほかにももちろんあるかとは思いますが、通学路であるにもかかわらずダンプカーがびゅんびゅん通って、歩道もない、そういう危険な箇所、狭隘な箇所も非常に多いわけです。それについて、拡幅工事、そしてまたバイパスというものも含めて早急に整備をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 二点のお尋ねがございました。
最初に、国道二十四号と百六十三号の重複区間、これにつきまして申し上げます。
ここは二車線でございますが、一日当たり二万二千台走っている、大変交通渋滞が発生しているということでございます。
そこで、三カ所で右折レーンの設置あるいは交差点の緊急改良という形で拡幅などをやっておるところでございますが、大事なことは、さらに、そうした緊急措置とともに、実は平成十三年の三月に、学識経験者と関係行政機関から成ります京都府南部地域道路網検討委員会を立ち上げまして、二十四号、百六十三号、こうした幹線道路のネットワークとしての整備のあり方、地域高規格道路等としての役割とか、そうしたことを実は整理し始めているところでございまして、ネットワークとしてのきっちりとした計画を立てながら整備の推進を図ってまいりたい、そういうふうに思っております。
それから、百六十三号でございます。
ここは、山城町と南山城村が、大変狭隘な道路で、また線形も悪い。それから、歩道の未設置区間が残っている。しかしながら、そこで一万七千台から一万一千台、これも交通量としては大変多い交通が走っております。
そこで、現在、この幅員の狭小という問題をバイパスしようということで、平成十四年度から、加茂町の井平尾から銭司間、短いバイパスでございますが、〇・九キロの事業に着手しまして、今年度は用地買収と工事を行う予定であります。
さらに、このほか、南山城村の今山地区、北大河原地区、それから笠置町切山地区、これらについて、約一キロずつ歩道の設置を今整備を進めているところでございまして、厳しい予算の状況ではございますが、府とも一緒になって路線全体の整備を進めてまいりたい、そんなふうに思っております。
○山井分科員 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。