9/22朝の報道2001は、
子どもの貧困の連鎖を止めるにはどうすれば良いか、というテーマの素晴らしい番組でした。ただ、番組では議論になりませんでしたが、
「生活保護基準の切り下げ」という違った視点から私が感じたことを少し書かせて頂きます。
番組で取り上げられたひとり親家庭は、
母親、21歳の長男、19歳の長女、中学3年の次男の四人家族。
母親は夫からの暴力が理由で離婚。45歳で正社員の仕事が見つからず、
毎日、暑いなか、チラシのポスティングのアルバイトを朝から晩までしていますが、
収入が足りず、足りない分を一部生活保護を受けています。
長女が高校を出て、就職し、家にお金を入れてそのひとり親家庭が生活保護から脱出する話です。
主人公の中学3年の次男は勉強が出来なかったが、
埼玉県が先駆的に行う生活保護家庭向けの無料学習支援教室に毎週通い始めてから成績が上向き、
来春の高校合格に向け、頑張っています。
しかし、この夏に行われた無料学習支援教室の合宿に次男は行きたかった、勉強したかったが、
参加できませんでした。参加費の5000円が払えなかったからです。
ここが問題だと思うのです。
生活保護は、この8月から月数千円引き下げられています。
史上最大の下げ幅で、引き下げは来年も再来年も続きます。
もし、生活保護が8月から引き下げられていなかったら、
もしかしたら次男は行きたかった無料学習支援教室の合宿に行けたかもしれません。
更に、長女も高校を出たあと、専門学校に進学して医療事務を勉強したかったが、
進学費用がなくて断念し、すぐに就職。
長男もより良い仕事に就くために、専門学校に行きたかったが、
同じく進学費用がなく、高校を出てすぐに就職。
やはり貧困から脱出するために、望めば専門学校に進めるべきではないでしょうか。
今までもこの生活保護家庭は長男も長女も貧困なために専門学校進学をあきらめ、
次男は学習支援教室の合宿も断念。にもかかわらず、
この8月から3年連続、更に生活保護基準は引き下げられます。
それでは、ますます子どもの貧困は深刻化するのではないでしょうか?
昨日、社会保障調査会を開催し、
生活困窮者支援のためのセーフティネット補助金が年度途中に、
急に3割カットを厚生労働省が自治体に9月11日に通知した件について、
撤回を要望しました。自治体や補助金を受けている団体は大混乱です。 |