2006.6.6
【産業廃棄物の不法投棄@城陽】小池百合子環境大臣と議論
164-衆-決算行政監視委員会第一分科会-2号 平成18年6月6日
○伊藤主査 昨日に引き続き環境省所管について審査を行います。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山井和則君。
○山井分科員 民主党の山井和則でございます。
これから三十分間、産業廃棄物の不法投棄の問題、また、私の地元にございます城陽市の非常に広大な山砂利採取跡地の整備の問題、この問題を主に中心にお伺いをしていきたいと思っております。小池百合子環境大臣、そして答弁をしていただく方々、どうかよろしくお願いを申し上げます。
まず、廃棄物事犯の検挙件数というグラフがございます。平成十三年から十七年の間にどんどんふえていっているわけであります。産業廃棄物の不法投棄の問題、これは全国的な規模で今非常に深刻な問題になっております。一方では、環境省の取り組みもございまして、多くの悪質な事例が検挙されているという点もございます。
私の地元は京都南部、京都六区でございますが、ここでも昨年からことしにかけて、三カ所でこのような問題が起こっておりますので、順番にお伺いをしていきたいと思っております。
まず第一問目、小池大臣にお伺いしたいと思っておりますが、加茂町のこと。全国の不法投棄の現状というのはまた後でお伺いするとしまして、まず最初に、具体的な加茂町の事例をお伺いしたいと思います。
昨年十月に発覚をいたしまして、大手化学メーカーの石原産業が土壌埋め戻し材フェロシルトをゴルフ場に五万六千トン埋めておった、そして、その中から有害な六価クロムというものが検出されたわけであります。
問題は何かといいますと、このフェロシルトは、二〇〇三年に三重県で、安全基準を満たしているということでリサイクル製品に認定をされていた。しかし、加茂町の現場では、これはちょっと怪しいんじゃないか、大丈夫なのかという声はあったんですけれども、なかなかこの町だけではチェックする体制もなくて、結局発見が遅くなってしまったわけであります。
そこで、小池大臣にお伺いしたいんですが、こういう環境汚染対策というのは、市町村だけではなかなか難しい部分がございます。また、都道府県にまたがっている事例もふえております。このようなことに関して、国としてもさらに市町村や都道府県を支援していく必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○小池国務大臣 御質問にもあったかと思いますけれども、産業廃棄物は、実際の加茂町の事例をとりましても三重県内の業者からのものでございます。よって、広域的に移動することが多いというのがまず大きな問題かと思います。そのために、適正処理を確保するために都道府県、政令市間の連携が重要であるということは言うまでもないかと存じます。
また、環境省においては、昨年十月に、全国七カ所に地方環境事務所を設置させていただきました。これは、自然の保全という観点と、それからこういったごみの問題、廃棄物などの問題といったことを取り締まる、そういった環境事務所をまとめて各地に七カ所に置かせていただいたということでございます。その地方事務所を活用いたしまして、例えばブロック会議などを開催いたしまして、都道府県、政令市間の情報交換や連携の強化を図っていくというのが、一つ、国として支援につながるのではないか、このように思っております。
○山井分科員 もちろん時代は地方分権の時代ではありますけれども、こういう環境汚染の問題は非常に深刻な後遺症を地域に残しますので、やはり国としての支援、連携の支援ということをお願い申し上げたいと思います。
それとも関連するんですが、その近所の京田辺市でも、昨年の五月に、産廃処理業者ら八人が京都府警に不法投棄で逮捕されたという事件が起こっております。農地に十トンダンプ千二百台分が運び込まれまして、リサイクル処理されていない産業廃棄物の建設汚泥だったとして、京都府警が不法投棄の疑いで逮捕したわけであります。このことに関しましても、建設汚泥などに固化剤を混ぜ処理した混合廃棄物の処理土を農地に搬入した業者が逮捕されているわけで、現在も係争中であります。このことに関しては、業者はリサイクル製品だと主張しておりまして、片や逮捕した側は廃棄物だというふうに争っているわけでございます。この事案について、環境省の認識はいかがでしょうか。
○小池国務大臣 先ほどのフェロシルトのケース、それから今の京田辺のケースなど、これはいわゆるリサイクルのものなんだ、だからここに置いてあるんだと。それから、廃棄物というのは無価値であるからこそ廃棄物という名前がつくわけでありますけれども、そこにあえて何らかの価値をつける例など、いろいろな例がございます。そのために、リサイクルと称して廃棄物処理法の規制を逃れるというような不法投棄などの不適正処理を引き起こす事例は、残念ながら多く見られるわけで、これについてはまことに遺憾ということでございます。
そこで、環境省といたしましても、廃棄物か否かということの判断に当たっての考え方をもう少し明確にすべきではないかということから、また、現場での厳格な対応が可能となるように努める必要性があるということから、幾つかのポイントをまとめたところでございます。例えば、建設汚泥に対して、それから産業廃棄物全般に対してということで、判断の基準となる考え方を示しまして、通知させていただいているところであります。物の性状、排出の状況、市場性があるかないか、取引価値があるかないか、占有者の意思はどうなのかといったようなことがそのポイント、判断の目安でございます。
こうやって判断をより明確にすることによりまして、こういったこれまでのような事案が発生しないように、自治体との連携を密にしながら、厳正に対処してまいりたいと考えております。
○山井分科員 まさに、製品なのか、産業廃棄物なのかリサイクル製品なのかという部分が市町村や都道府県レベルでもなかなか判定がつかないケースが非常にふえているわけでありまして、このことについて、より明確な指針が必要になってくると思っておりますが、次に、その隣の城陽市の大規模な山砂利採取跡地のことについてお伺いをしていきたいと思っております。
実は、今お話しをしました京田辺市の事件の公判の中でその業者が、隣の城陽市の山砂利採取跡地にも同じ製品を、同じ処理土を埋めた、そちらは何も言ってきていないのに、なぜ京田辺だけこんな事件になるんだということを言ったわけでありまして、えっ、この城陽市にも同じものが捨てられているのかということで、また大問題になりました。
そんな中で、先月五月十八日に、十トンダンプ三千台分を京都府が産廃と認定して、委託基準法違反で業者を告発したわけであります。またここでも、業者はリサイクル製品と主張しておりますが、市民としては非常に心配に思っている部分であります。そこで、この点について城陽市は京都府に判断をお伺いし、京都府はまた環境省に相談をしたわけでございます。
そこで、お伺いしますが、京都府から環境省にこの処理土の廃棄物性について意見照会があったわけでございますが、どのように環境省は回答されましたでしょうか。
○由田政府参考人 お答えさせていただきます。
環境省では、平成十七年十二月に、京都府より本案件の廃棄物該当性の解釈につきまして相談を受けております。その後、環境省と京都府は連携を密にいたしまして、京都府は、廃棄物処理法に基づきます報告徴収や立入検査を行いまして状況を明らかにしたわけであります。
京都府におきましては、立入検査などの結果をもとにいたしまして、昨年七月に環境省が示しました廃棄物該当性の判断の考え方に基づきまして、先ほど大臣の方からも御答弁しましたように、物の性状、排出の状況、市場性、取引価値の有無、占有者の意思の各要素に関する検討を行いました。その上で、本事案におけます搬入物につきましては、総合的に勘案して産業廃棄物に該当すると解してよろしいかとの照会を本年三月に行ってまいりました。
環境省は、本年翌四月に、これに対しまして、貴見のとおりという回答をいたしております。
○山井分科員 そのような御回答をいただいたわけなんですけれども、このことが地元でも、地下水は大丈夫なのかとか、非常に大きな波紋を呼んでいるわけであります。
ここに地元新聞、洛南タイムスと城南新報の記事がございます。「山砂利採取場に産廃搬入で業者告発」「搬入現場からpH十一の高アルカリ性」。あるいは「地下水への影響心配する声…」というのは城南新報に。洛南タイムスには、一万六千台のうち立証容易な三千台分を告発したというような記事も出てきておりまして、地元では、今後徹底したチェック体制が必要だというような議論にもなっているわけであります。
そこで、この城陽市の山砂利採取跡地について、少しパネルをお見せしながら、ぜひこの事情を御理解いただきたいと思うんですが、城陽市は、八万一千人の市民が住んでおりますが、そのうち一二%がこの山砂利採取跡地になるわけですね。非常に広大な面積であります。小池大臣にも御理解いただきたいのが、東京ドーム九十個分の広さであります。そしてまた、これは山の砂利をとっただけではなくて、水平からさらに穴をどんどん掘っていって、非常に良質な山砂利がとれたということで、その掘り込んだ、埋めねばならない容積も東京ドーム十三杯分ということになっているわけです。けた外れの広大な土地なわけなんですね。
それで、常識的に考えてみても、当然安全な土で埋め戻さないとだめなわけであります。未来の子供たち、孫たちにとっても非常に重要な緑であり、財産であり、また地下水もあるわけであります。ここをどういうふうに埋め戻していくのかというのが、私も城陽市に事務所を構えておりますが、城陽市民にとって切なる願いであり、また大きな不安となっているわけなんですね。
この山砂利採取跡地は、昭和三十六年に採取が始まりまして、良質の山砂利があるということで、建設骨材として近畿圏にずっと出荷されまして、例えば一九七〇年の万博、そして新幹線、そしてまさに七〇年代、八〇年代の関西圏の公共事業、高度成長を支えてきたわけです。しかし、その一方では、自然環境や景観が破壊されて、ダンプカーがもうびゅんびゅん走って、排気ガス、騒音、振動、また残念ながら交通事故も当然起こってしまっているわけであります。
そういう山砂利採取跡地をこれからどうしていくのか。実際、もう採取が終わった地域に関しては、これから埋め戻しをどんどんどんどんやっていこうというふうになっているわけであります。そして、このことに関しては、昨年七月一日の京都府議会でも、北尾茂議員が、京都府と城陽市と近畿砂利協同組合の三者で構成する公社の連携を強化して、搬入残土の一元管理を厳格に行うべきだというようなことも訴えまして、その方向になっているわけでありますけれども、とにかく、これから埋め戻していっても三十年はかかると言われている。これをどうやって埋め戻していくかというのが地元にとって非常に重要な観点であります。これはまさに環境の問題でもあると私は思っているわけです。
そこで、経済産業省にお伺いをしたいと思います。
このような広大な山砂利採取の跡地というのは、全国で何カ所ぐらい事例があるんでしょうか。このような東京ドーム九十カ所分、四百二十ヘクタールの広さ、また東京ドームで十三杯すっぽり入るようなこの容積ですよね。こういうようなものも含めて、全国でこのような事例というのは幾つぐらいあって、また、この城陽の山砂利採取跡地というのは何番目ぐらいに広大な土地なのか、そのことについてお伺いをしたいと思います。
○塚本政府参考人 お答えさせていただきます。
先生、全国でどのくらいあるのかというお問い合わせでございますけれども、まず、この山砂利の採取につきましては、砂利採取法に基づきまして、都道府県知事が基本的な権限を有しているということで、当省は、毎年、各都道府県知事の方から業務状況報告書というものをいただいておりまして、そういう中で砂利の採取状況を把握させていただいています。
それで、お尋ねの城陽市につきましては、十六年度の報告書によりますと、これは山砂利の採取場の業務状況報告書ということでございまして、現在稼働中のものにつきましては、約二百十ヘクタールということでございます。この中で最大のものが五十八ヘクタールということで、一つで東京ドームの十二個分、合わせて二百十ヘクタールということで、先生お尋ねの採取跡地も含めますとさらに大きく上回るというふうに考えております。
それで、この地域は特に隣接して開発が行われているということで、一カ所が五十八ヘクタールでも、この城陽市で現在十五カ所ぐらいの稼働をやっておりますけれども、それがかなり隣接しておりますので、先生御指摘のように大変広大な土地がこういう砂利採取地あるいは跡地ということでございます。
申しわけございませんけれども、全国でどの程度かということにつきましては、具体的な数字というのをちょっと今把握してございませんけれども、引き続きその辺につきましては集計をしてみたいと思っております。
○山井分科員 もう一言お伺いしますが、集計はぜひとも引き続きやっていただきたいんですけれども、そんなたくさんあるんですか、こういう大規模なものというのは。
○塚本政府参考人 かなりございまして、例えば、こういう砂利の採取が一番多いと言われております千葉県の君津市あたりで、一つで二百二十ヘクタールというようなものもございます。百二十ヘクタールのものもございますけれども、城陽市のものは、一番大きいものが五十八ヘクタール、それで、跡地という意味ではさらに大きなものがあるということで、全国規模でも相当な大きなものだというふうに承知しております。
○山井分科員 全国規模でも相当に大きなものであるということでありまして、何を言いたいかというと、これだけ大きなものになると、一城陽市あるいは京都府の対応の限界をかなり超えているんじゃないかということであります。このことについては本当に、城陽市、京都府一丸となって今まで取り組んでいるわけですけれども、やはりこの地域の良質な山砂利が、近畿の、関西の公共事業を支えてきたという、ある意味で自負もあるわけですね。
そこで、経済産業省にあわせてお伺いしたいんですけれども、では、ほかの山砂利採取のこういう大規模な跡地というのはどのような形で修復をやっているのか、そのような事例がございましたら答弁をお願いいたします。
○塚本政府参考人 埋め戻しでございますけれども、具体的には、各都道府県知事が実際の採取計画というものを個別に認可しておりますけれども、その際に、個別にその土地土地の事情に合わせて、跡地をどうするかということを、措置の方法も定めております。個別の採取計画ごとにそれなりに異なってはいるわけですけれども、土砂崩れ等の災害防止の観点等から、一般的にはやはり埋め戻しということが多いというふうに我々承知をしております。
○山井分科員 埋め戻し、まさに今この城陽の跡地でもやっているわけですけれども、繰り返しになりますが、東京ドーム十三杯分、そして三十年ぐらい今後かかるんではないか。安全な土をどう入れていくのかというのは、逆に今公共事業が減っている面もございますから、なかなかこれは大変な部分がありまして、その中に万が一でも有害物質や産業廃棄物が紛れ込んでは、本当に大変なことになるという危機感を持っているわけであります。
そこで、続けて経済産業省にお伺いしたいんですが、城陽市民の気持ちとしたら、まさに七〇年代、八〇年代の、万博、新幹線、公共事業、関西を自分たちが支えてきたんだ、それで、先ほども言ったような、景観の破壊、ダンプ、そして排気ガスの問題、振動、いろいろなものでやはりそれに貢献してきたんだ、関西のために自分たちがという思いがあるわけなんですね。まさに産業の発展に寄与してきた。
そういう意味では、経済産業省としても、ぜひともこれからの跡地整備にやはり何らかの応援をしていただきたいというのが、もう後は京都府と城陽市でやってよということではなくて、応援をしていただきたいというのが、やはり市民としての思いなんですね。その点について、経済産業省、いかがでしょうか。
〔主査退席、前田主査代理着席〕
○塚本政府参考人 先生のお尋ねの、跡地利用等について経済産業省としての何か手助けはないかということでございます。
先生もおっしゃいましたように、一義的には事業者と都道府県の方でどうお考えになるかというところでございますけれども、足元ではちょうど告発中ということもあるので、我々、この事案につきまして注視をしているということですけれども、先生の御指摘のように、京都府、それから城陽市、事業者が力を合わせて、自然環境と調和した町づくりということで、跡地の修復や有効利用に取り組んでおられるということですので、当省といたしましても、このような取り組みを注視しております。
当省が担当しております分野で都道府県等からの具体的な御相談があれば真摯に対応をしてまいりたい、かように考えております。
○山井分科員 これは本当に一年、二年の問題じゃなくて、五年かかろうが十年かかろうが、やはりいい跡地整備というのをやっていきたいと思いますので、ぜひともお力をおかりしたいと思います。
同時に、国土交通省にもお伺いをしたいと思います。
まさに、ここを埋め戻していくためには、品質のよい土というものも必要になってくるわけであります。そして、この四百二十ヘクタールという広大な土地から考えても、都市計画上も非常に重要でありますし、景観という面もございます。
そういう意味で、まさにこの城陽の山砂利採取跡地が過去、関西の公共事業を支えてきて、そのためにこういう大きな跡地になってしまったんだということにもかんがみ、例えば国の公共事業で出てきた土を優先的に城陽に持ってきてもらうというようなことも含めて、ぜひとも今後、山砂利採取跡地の整備、埋め戻しということについて御支援をいただきたいと思いますが、国土交通省、いかがでしょうか。
○川本政府参考人 公共事業において発生します建設発生土につきましては、これを有効に利用するということが大変重要だというふうに考えております。そのことが新しい土砂の採取というものを抑止することにもなりますし、発生した土というのをうまく使って、先生が御指摘のように、新しい町づくりという可能性も開けてくるというふうに考えております。
私ども、平成十五年十月に建設発生土等の有効利用に関する行動計画というものをつくりました。これによりまして、現在、各地域ごとに建設副産物対策の連絡協議会というのをつくっております。これは、私ども国土交通省の地方支分部局、さらには農水省さんの地方支分部局、あるいは県、政令指定市、関係団体の方にも入っていただいておりまして、これによって、毎年度、各発注者の間で、発生土がどれくらい出るのか、どういう利用が可能なのかという調整を進めさせていただいているわけでございます。
御指摘のような山砂の採取跡地の修復につきましても、事業の中身によって当然そうした土が使えるようになるというふうに考えておりまして、私ども、この協議会なんかを通じまして発生土の利用調整をやりまして、それによって、新しく出てきた土というものをこの地でうまく使っていただくということについて御支援をしてまいりたいと考えております。
○山井分科員 ぜひこの跡地修復について国土交通省としても御援助をいただきたいと思っております。
ここに城陽市の都市計画のマスタープランもございますが、ここに出ております黄色い地域がまさに山砂利採取跡地の地域でありまして、こういう第二名神の予定もなっておりますけれども、やはりここを何としても、五年かかろうが十年かかろうが、もう一度きっちりとここで町づくりをしていきたい、今の本当に荒れた形の跡地を子供や孫のためにもう一度すばらしい地域に変えていきたいという思いを持っております。
そこで、また小池大臣にお伺いをしたいと思います。
このように、私たち城陽に住む者の悲願として、この地域をもう一度修復していきたい、五年、十年かけてでもやっていきたいという思いを持っております。そのときに何が一番心配かというと、計画が決まって、では、公園にしよう、あるいは町づくりをしようとなったときに、いざ整備してみたら産業廃棄物が出てきた、有害物質が出てきたということでは、これは取り返しがつかないことになってしまうわけですね。この部分はこれだけ広大な土地であるわけですから、城陽市、京都府だけではなかなか力の及ばない部分もございます。
そこで、お伺いしたいのですが、このような広大な土地の埋め戻しにおいて、間違っても産業廃棄物などが紛れ込まないようにしていく、そのために環境省からも援助、御指導をいただきたいと思いますが、環境省として、いかがでしょうか。
○小池国務大臣 そのために、廃掃法、廃棄物処理法があるわけでございまして、その改正もそれぞれの国会でさせていただきました。その結果、罰則であるとか処理業者の許可要件、排出事業者の責任などをどんどんと強化させていただいているわけでございます。
不法投棄対策というのは、不法投棄というのはそもそもイリーガルで、だからこそ不法投棄なわけでありますけれども、責任を逃れるために、わざわざ自分で会社をつぶしちゃったりして、どこかに肝心な人は逃げちゃったりするケースなどもございます。ですから、これからまた埋め戻しなど、これからのことであるならば、廃棄物処理法をよりしっかりと運用、活用していただいて、またそういったことのないように、ある意味では市民の目といいましょうか、そういったことを光らせていただいて、もちろん京都府、そして城陽市などにそういった点もお届けになっていただく。
そして、それでも、もっとやってほしい、国に対してもより厳しくということであるならば、不法投棄一一〇番というのを私どもはつくっております。これは、全国各地から、そういった不法投棄のおそれのあるところについて、市民の皆さんが直接国に対しても物を言える、そういった受け皿をつくらせていただいたわけでございます。
そういったこともございますし、それから、最初に御質問がございましたように、何が廃棄物なのかということでしょっちゅうもめるわけでございます。そういったことで、中間のすき間をつくろうというのが悪徳の処理業者ではないかと思いますけれども、その際に、判断の基準というのをより明確にするということで、先ほどもお答えさせていただきましたように、幾つかの明確な判断基準ということもつくらせていただきました。
これからのそういった町の景観の取り戻し、自然の取り戻しというのは、大いなる市民の意思も必要でございましょうし、また、これまでの法律などもしっかり活用していただければ、このように思っている次第でございます。
○山井分科員 引き続きお伺いしたいんですが、環境省としても、まさにそういうバックアップをしていただきたいと思います。
その中で、城陽市民の一番切実な点は、やはり地下水の問題なんですね。
今回の事件でも、地下水は大丈夫なのかと。城陽市民八万一千人の水道水の八割がここの地下水から来ているわけでありますね。
恐ろしいのは、十年後、二十年後になって、地下水が毒されていることにもしなったとしたら、私たち議員としても、また大人としても、一体何をやっていたんだ、何でもっときっちりと取り締まらなかったのかと、本当に後世からの鋭い批判を浴びるわけであります。そういう意味では、後になって、有害物質が入っていたということで、万が一でも地下水が侵されるということになったら、私たちは子供の世代に対して申しわけなくて、これは本当に通らないわけでございます。
そこで、小池大臣に改めてお願い申し上げたいのは、安定的に環境省が京都府や城陽市と協力をしながら、地下水については安全基準が今後もしっかりと守られるように指導をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小池国務大臣 水の問題というのは毎日のことでございますので、大変御不安なことだろうと思います。
そこで、京都府によりますと、城陽市の不適正処分現場の周辺におきまして地下水の水質には異常は認められていない、このように京都府から聞いております。
また、現場に投棄されました廃棄物でございますが、土壌の環境基準に定めます二十六項目の有害物質すべてについて環境基準に適合しているということでございますけれども、しかしながら、投棄されました廃棄物のpHが高いということから、周辺地下水への影響の防止には万全を期しまして、事業者に覆土などの措置を実施させるという旨のことも、あわせて京都府から聞いているところでございます。
いずれにいたしましても、京都府、城陽市が周辺地下水への影響について継続的な監視を行われるということと同時に、京都府並びに城陽市に対しまして、環境省といたしまして、国として適切に助言をしてまいりたいと考えております。
○山井分科員 ぜひとも、これからも安全な水を守るために、環境省としても応援をお願いしたいと思います。
最後になりますが、今述べましたように、特にこの城陽のケースは、繰り返しになりますが、関西の公共事業をずっと支えてきた、本当に近畿のために貢献してきたわけであります。四百二十ヘクタール、東京ドーム九十カ所という広大な土地が、かつ京都南部という関西のへそに当たる地域にあるわけであります。
そういう意味では、きょうも、国土交通省、経済産業省、環境省にお伺いしましたが、ぜひとも国家的なプロジェクトとして、国を挙げて、こういう地域の跡地整備というものについても、これからも長い目で応援をしていただきたいと思っております。
最後に一言、小池大臣からコメントをいただいて、終わらせていただきます。
○小池国務大臣 今、循環型社会の構築ということは環境問題の二本柱のうちの主要なものの一つでございます。各地で、不法投棄の問題、これらの不安がより軽減、ベストはなくなることでございますけれども、それらの対策に対しまして必要な施策を国とそれから地方自治体とがしっかり連携をして行ってまいりたい、このように考えております。
○山井分科員 どうもありがとうございました。