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予算委員会第六分科会議事録(お茶、JR奈良線)

166-衆-予算委員会第六分科会-1号 平成19年02月28日

○山井分科員 民主党の山井和則です。これから三十分にわたり質問させていただきます。どうかよろしくお願いいたします。
 私の地元は京都六区、京都南部でありまして、お茶日本一、いや世界一のお茶であります宇治茶の本場であります。そのことを中心に質問をさせていただきます。
 先日二月十日に、私の地元で、社団法人京都府茶業会議所主催で春の大茶会というのがありました。この今の健康ブームの中で、お茶の重要性というのはますます見直されていますし、また、このぎすぎすした競争社会の中で、やはり一家の団らんの中心にはいつでもお茶があった。宇治茶の歴史というのは八百年ぐらいさかのぼるわけであります。鎌倉時代にさかのぼるわけであります。そういう意味では、健康飲料であり、かつ日本の伝統文化の中心、なくてはならないのがこのお茶であります。
 例えば、言葉一つとってみましても、そんなむちゃな話はあるかというように、お茶がないとむちゃだと。あと、めちゃくちゃとか言われるように、これは無意識のうちに私たち使っておりますが、それほど日本文化、そして生活、家族の団らん、また人間関係の和みの中にお茶というのは溶け込んでいるわけであります。

 このようなお茶の本場が私の地元宇治なわけですが、鎌倉時代に宇治に伝えられたお茶は、江戸時代に現代の宇治茶製法が宇治で誕生し、その後、宇治の茶匠たちのたゆまぬ研さんにより、その栽培法や製法は、宇治にとどまらず、滋賀、三重、奈良などの各地に広まりました。現在も、この地で栽培された茶葉は、京都府内に出荷、加工仕上げされ、日本茶の代名詞と言われています。そしてまた、宇治茶となって、日本はもちろん、世界へも届けられて、今ヨーロッパ、アメリカでも、健康ブームに乗じて宇治茶ブームというのも出てきているぐらいであります。
 そこで、最初にペットボトルのことを取り上げさせていただきたいと思います。
 実は、きょうは二月二十八日なんですが、今からちょうど四年前の二〇〇三年の二月二十八日に、私はこの分科会でペットボトルの問題を取り上げさせていただきました。少し読み上げさせていただきますと、「最近ペットボトルのお茶も非常にふえております。その中で、これは日本のお茶なんだろうか、中国のお茶なんだろうかと緑茶に関しても疑問に思ったりするわけであります。そういう外国の緑茶の場合はやはり表示をすべきではないかというようなことを思いますが、そのあたり、いかがでしょうか。」という質問をさせていただきました。二〇〇三年二月二十八日です。
 その当時の答弁は、現在厚生労働省と一緒になって、食品の表示に関する共同会議を設置させていただいております、その場において御議論をいただきたいと思っておりますという答弁であったわけであります。
 あれから年月がたちましたが、このたびペットボトルの原産国表示について制度改正を行われるとお聞きしました。
 それで、例えば、きょう一例を持ってきたんですが、これは実は中国産のお茶なんですね。食品の表示に関する共同会議の議事録、これを見てみても、やはりこういう議論の中で、増田委員という方がこうおっしゃっていられるんですね。「緑茶飲料については、たまたま非常に安い茶飲料を飲んでみたが、中国製と書いてあり、非常に不味かった。それはたぶん抽出まで中国でやって、極めて安い価格で出回っているものだろう。日本茶というのは、日本の食文化を支えてきた飲料だとするならば、茶飲料にはそれなりの責任があり、日本の味覚を育てるという役割もあるのではないか」と。
 それで、大手のメーカーではかなりがこの原産国表示をされているんですが、まだまだ中小のメーカーがされていない。茶の本場に住んでいる議員として、こういう、どこの国でつくられたのかもわからないペットボトルが流布しているというのは非常にゆゆしき問題であると思います。
 この問題について、以前から私何度も国会で取り上げてきましたし、また茶業振興議員連盟の中でも、私の質問の後に、このことを提案として農水省にお願いしたわけであります。
 このペットボトルの原産国表示につきまして、制度改正の趣旨、理由、今後のスケジュール等について、お答えください。

○松岡国務大臣 私から最初にお話をさせていただいて、具体的なことは事務方から報告させます。
 山井先生、実は私、全く同じ考えでありまして、今、食品の原産地表示というのがありますが、これを実は一番最初に取り組んだのは、私が自民党の農業基本政策委員長でこれに取り組んできたわけであります。
 ちょうどウルグアイ・ラウンドで、平成五年の末にああいう形でウルグアイ・ラウンドが妥結をいたしました。そしてマラケシュ協定ということで、これが発効した。で、どっと自由化になってどんどん入ってきた。そこで、やはり消費者の方にどうしても選択してもらう。消費者の方に情報をちゃんと与える、そしてその選択ができるような表示をする、こういうことから、最初は平成八年に、ブロッコリーと里芋とニンニクとショウガと生シイタケ、これをやりまして、そしてまた十年には、ゴボウとアスパラとサヤエンドウとタマネギ、それがまずスタートでして、それからずっと私は議論してきました。それから今日に至って、この歴史があるわけでありますけれども。
 今のお茶につきましても、私も飛行機で行くときに、今カナダで物すごく日本茶がはやっているんですね。それは何でだというと、やっぱり健康なんですね。そして料理屋さんに行くと、よく日本茶が出る。必ず最初に出る。私もこれはNHKのテレビで見たんですけれども、あれを飲んでおくと、お酒を飲んだ後、二割方お酒が、人によって個人差があるんでしょうけれども、消化というか、アルコールを分解するのが二割方早いと。だから、まさにアルコールに対しても健康なんだと。だからお茶を飲むんだ、日本は。これは経験則なんですね。
 中国にも行ってきましても、向こうも、出ると緑のものが出てきますから、ウーロン茶、ウーロン茶というけれども、やはりこっちももとは緑なんだなと。
 私は今、これは必ずヨーロッパでも、世界じゅうで、日本のお茶というのは、健康だし、いい、またその飲み方も含めて、これを出していけば絶対売れると思っているわけです。だから、私は、このお茶の輸出ということも今非常に強く言っているわけです。
 したがいまして、先生と全く一緒でして、だからこの原料原産地にいたしましても、梅干しとラッキョウ漬けなんかも、最初は加工地が原産地になっちゃう。だから、例えば紀州の梅でも、木を持っていって植えるんですよ。木も同じだから、もう全く同じものなんですね。しかしプロセスは違う。例えば鳥取のラッキョウでも、中国のラッキョウを持ってきてそこで加工すれば、そこが原産地になっちゃう。だから、我々はそのときも、原料原産地をつけようということで、ずっと議論して、つけてきたんです。そして、消費者の方に本当に、正しい、選択の情報を与えようと。どっちを買うかは消費者の選択だ、こういうことなんです。
 この表示制度というのはこういう形で私も取り組んできた経過がありますから、先生の考えと、今お聞きしていて全く一緒だ、こう思っております。
 そこで、具体的なことは、私が言うより、今の先生の御指摘を受けて、緑茶のどういうふうな表示を今考えているか、ちょっとこれは事務方から答えさせます。
 では、改めまして。
 これは、今先生からのものにつきましては、私ども、これを加工食品については義務づけてきたわけでありますが、緑茶飲料、これにつきましても近々追加の予定で、ちょっと具体的な日程は私ここに持ってきていないんですけれども、追加の予定で、きちんとこれを措置すべく、そういう形で今予定をいたしております。
 三月下旬に第三十二回の共同会議をやります。そして、加工食品品質表示基準、これを改正案ということでやりまして、三―四月にかけまして、一カ月間パブリックコメントをやります。そして、五月から七月の間にWTOに通報いたします。これは二カ月かかります。そして、夏から秋にかけまして、JASの調査会の総会、そこで改正案を決定いたします。そして、秋を目途に官報告示をいたします。こういうことで予定をいたしておりまして、それから、移行期間が二年間ございますので、二十一年の秋には完全義務化、それまでの間は、義務ではありませんが、そういった方向を目指してやらせる、こういうことであります。

○山井分科員 平成二十一年の秋から完全義務化という答弁をいただきました。ありがとうございます。
 ことしは二〇〇七年で、四年前にちょうど私も国会で取り上げさせていただきまして、時間がかかるなとは思いながらも、こういう、茶の大切さを認識していただいて原産国表示をしていただくのは非常にありがたいと思っております。松岡大臣の答弁を聞いていても、非常にお茶に思い入れを持っていただいて、私も感謝をしております。
 昨年、私が園遊会に行きましたときに、天皇陛下と服部先生という料理の専門家が私の前でお話をしておられまして、日本人はなぜこんなに健康なのか、食べ物がいいのですかという質問を天皇陛下が服部先生にされたら、服部先生が、食べ物よりもやはり飲み物だ、緑茶が非常に健康にいいんだというお話をされていまして、私も非常に意を強くしたわけであります。
 そこで、厚生労働省に次にお伺いしたいと思いますが、このようなお茶の健康への効果、また、世界三大のお茶として、紅茶、ウーロン茶そして緑茶と言われておりますが、こういうものと比較しての栄養効果についてお答えをいただきたいと思います。

○中林政府参考人 お答えいたします。
 独立行政法人国立健康・栄養研究所というところがございますけれども、そこのホームページにおきまして、健康食品の安全性あるいは有効性に関する情報を公開しているところでございます。これによりますと、お茶にはカフェインやビタミンCが多く含まれている。中でも、緑茶にはアミノ酸が非常に多く含まれているという記載がございます。
 また、近年、緑茶に関しまして研究等が行われてございまして、その効用につきましても多くの知見が得られつつあるところでございます。例えば、平成十六年度の厚生労働科学研究でございますけれども、その中で、高齢者における緑茶摂取と認知機能との関連を検討した研究がございます。その中では、緑茶摂取による認知機能障害の発生抑制効果が示唆された。あるいは、同じ独立行政法人でございますけれども、国立健康・栄養研究所におきましては、バイオ細胞を用いた試験によりまして、緑茶ポリフェノールの一種でございますけれども、それが過酸化水素等の活性酸素種により誘発した染色体損傷を抑制する作用がある、こうした結果も得られているところでございます。
 なお、厚生労働大臣が審査を行いまして保健機能の表示の許可を行う、これを特定保健栄養用食品と申してございますけれども、この制度におきましては、茶の成分を利用した食品といたしまして、例えば、虫歯の原因にならない茶ポリフェノールを利用した菓子であるとか、あるいは緑茶弗素を利用したチューインガム等が、既に許可、そして販売されているところでございます。
 以上でございます。

○山井分科員 認知症というのは二十一世紀最大の病とも言われているわけでありまして、そういうものに対する抑制効果がある、あるいは虫歯の予防にもつながる、これは言い出せば切りがありませんが、やはり八百年の歴史があるだけに、すばらしい飲み物だと思います。
 しかし、一つ重要なのは、ペットボトルのお茶になると、そういう栄養効果というのは非常に少なくなるわけでありまして、やはり地元としては、急須でお茶を飲む、そうしないと栄養価が落ちてしまうということを私たちは言っているところであります。
 実際、私の自宅の近所におきましても、茶業会議所が宇治茶道場「匠の館」というものをつくって、やはり急須で入れて飲んでもらうと。確かに今緑茶ブームなんですが、大部分はペットボトルなんですよね。今御答弁いただいたような、重要な健康効果は、やはり急須でお茶を入れねばならない。そういう意味では、急須でお茶を入れるという文化を二十一世紀に守り育てていかねばならないと思っております。
 そこで、私の地元では、京都山城「宇治茶の郷づくり」構想というものを今考えておりまして、八百年の歴史を有し、日本を代表する緑茶ブランドの商品は、山城地域の重要な宝であり、その振興は地域の活性化を図る上においても非常に重要だということで、宇治茶を通した和みの文化の継承とお茶する生活の実現ということで、京都南部を挙げて今この構想の実現に取り組んでおります。
 そこで、経済産業省にお伺いしたいと思いますが、その一環として、この宇治茶を地域団体商標、地域ブランドに認定をしていただきたいというふうに思っておりまして、今出願登録をしているところであります。ぜひ一日も早くこの登録をお願いしたいと思います。そして、その上で、宇治茶のような伝統ある地域の特産品を地域団体商標として適切に保護し、地域の活性化につなげていくことが重要だと考えますが、経済産業省の見解はいかがでしょうか。

○関政府参考人 お答えします。
 今先生から、伝統のある地域の特産品を地域団体商標として保護し、地域の活性化につなげていくことが重要との御指摘がありましたが、まさにこの地域団体商標はそれを目的として設立された制度であり、昨年の四月から運用を開始しております。
 この目的のために幾つか主要な要件がございます。その一つは、商標の中に入っている地域がその当該産品の生産地である、あるいは主たる加工を行っている土地であるなど、その地域と産品との間に深い関係があるということ、それからもう一つまた大事なものとしては、その使われている商標が、出願された方がつくっているあるいは販売なりをしているものとして需要家が認識していること、そのような需要家が隣接都道府県程度には広がっているということでございます。
 このほかにも出願団体の資格等の要件がございますが、現在、宇治茶を初めとしまして、六百七十余りの出願がございます。これらにつきましては、今申し上げましたような要件に照らして、出願案件を迅速かつ適切に審査してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。(発言する者あり)

○山井分科員 今、中井先生も、うじうじ言わずにさっさとやるようにという話が出ましたので、ぜひとも急いでいただきたいと思います。
 先ほどの松岡大臣の答弁にもありましたように、お茶というのは非常に重要な日本の文化でありまして、お茶なしには日本人の生活は成り立たない、日本人の家族の団らんも成り立たないと思います。
 例えば、おすしを食べた後にも必ずお茶が出てくるわけですが、あれはやはり生ものを食べた後にお茶を飲むと殺菌作用があるという。こういうのは本当にあらゆるところに行き渡っている日本の文化、日本人の食生活の知恵でありますので、ぜひとも京都ブランドとして宇治茶というものを早急に認めていただきたいと思っております。
 それでは、改めまして松岡大臣に、茶業の振興、そしてお茶や茶業の重要性についてお伺いしたいと思います。
 といいますのは、最近、過労死とか、ぎすぎすした人間関係、あるいは行き過ぎた競争社会ということが言われているんですね。私も、国会事務所にお越しになられた方には、時間があれば時々お抹茶をたてさせていただいたり、あるいは自分で急須でお茶を入れさせていただいたり、京都南部では男性が急須で客人にお茶を入れるという文化がありますので、もちろん時間があればですが、そういうことを私もさせてもらっていますし、また地元宇治田原町の茶の線香を立てて、お茶の香りというのは心を和ませる効果があります。
 そう考えてみると、単に健康的な効果だけではなくて、急須でお茶を入れてお茶を飲む、そしてよもやま話をする、そういうゆったりとした語らい、空間、人間関係、スローライフとも言うんでしょうか、そういうものこそが、私は、今の失われた日本のよさを取り戻す一つのキーではないかというふうに思っております。
 そういう意味では、茶文化の、和みの社会というものを、やはりお茶の普及を通して実現していく必要があるのではないかと私は思います。このような点に関して、お茶、そして茶業の振興について、松岡農林水産大臣の御決意、思いを改めてお伺いしたいと思います。

○松岡国務大臣 きょう山井先生からお茶の話をこうやってしていただきまして、非常に、何といいますか、心が豊かになったような、そんな思いがいたします。
 といいますのは、やはり何といっても、お茶というのは確かに、おっしゃいましたように、日本としては大変な文化でありますし、これによっていろいろな人たちが精神を修養したり、また、人間関係の上でいろいろな役割を果たしてきたんだろうと思います。そういう意味で、本当にこれは日本が誇る大きな文化だ、こう思いますし、そういったことを支えていくお茶の生産、茶業というもの、これを我々はもう一遍改めて見直して、そしてこれをどうやってしっかりと発展させていくか、そういう観点で、今先生のお話をお聞きしながら思っておったところでございます。
 そこで、私は今、輸出、輸出とこうやって言っておりますが、実は、日本の食文化、料理文化、こういったことが世界に伝わっていく、そして日本が理解されていく。非常に重要だと思っています。
 反対、賛成、いろいろあるんですが、日本食の認証制度という言葉があったら、では私が何か排除するのかどうかと。そんな気持ちはさらさらなくて、これだけ世界が日本食ブームになってきた。それはやはり健康だから、おいしいからといろいろあると思うんですが、その中で、これが本当の日本ですよという形のものを、押しつけじゃなくて、そういったものを示していく。そのことによって、ああ、これが日本の本来か、本当の日本の料理というのはこういうものなのかということで、さらなる理解が深まれば、日本に対する理解とか日本に対する思いも持っていただけるんじゃないか、こう思って、世界において日本食のすぐれたものを推奨する。認証というと何か許認可みたいになるので、言葉を優良店の推奨制度に変えてやろうということで、今実は有識者にいろいろな検討をしてもらって、やろうとしているんです。
 いろいろな国がいろいろなことをやっています。そういう中で、例えば先ほど先生から服部先生の話が出ましたね。あの方はフランス政府から一つの何かを認定された、表彰をもらっておるわけですね。フランスの政府というのは、外国人がフランスのことを広げてくれる、その人に対してそういった一つの資格を与えるような認証制度をやっている。よそはそういうことをやっている。
 だから、そういった意味でも、私は、世界に羽ばたく日本のすぐれた、お茶も含めた農産物、そういう観点があってもいいと思っていますから。
 そして、やはり日本人の胃袋、これが日本の農業の言ってみればお得意さんになるわけですけれども、消費者。日本だけで見ていますと、人口も減っていくし、胃袋も小さくなっていくし、消費拡大、需要拡大といっても、胃袋に限りがありますから、そうするとどうしても、やはりほかの胃袋や消費の対象を求めていく、こういう観点も必要だと思っています。そうすると、そこでまた大きな発展が国内的にもできるわけです。
 そういうことも含めて、私は、今先生がお茶ということをおっしゃいましたが、私ども農林水産省といたしましては、お茶は、これはもう先生おっしゃったように一つの大変重要な産品でございまして、地域の重要な基幹作物だ、このような位置づけをいたしております。
 そこで、高品質なお茶の生産を目指した地域の取り組みを支援していくということで、特に十九年度予算におきましても、強い農業づくり交付金、これらを活用いたしまして、高品質な品種の導入を含む茶園の改植や小規模な土地基盤整備、こういったこともやっていこう、こういうことでございまして、荒茶の加工施設の整備もやっていこう、霜の被害を防ぐための施設の整備もやっていこう、それから、お茶の機能性に着目した、健康食品という、新食品や新素材の開発もやっていこう、こういうことでございまして。
 私も熊本に随分お茶の関係者がいるんですよ。こういった方々と、宇治茶とか八女茶とかいうほどまで、熊本は何とか茶というふうには、まだ有名じゃないんですけれども、しかし、おいしいお茶だと言われておりますので、よくその生産者の人たちの話も聞くんですが、こういった施策を通じまして、なお振興を図ってまいりたい。
 私は、これからは大きな戦略作物としての、輸出という面も含めた、そういうやはり価値のあるこれは作物だ、品種だ、そう思っておりますので、我々も全力を尽くして取り組んでいきたい、このように考えております。

○山井分科員 松岡大臣から、これからはお茶の輸出も重要である、そういう御答弁もいただきました。私は、まさに世界の飲み物の中で最もすばらしいのがお茶だというふうに確信しておりますし、私の地元でいいますと、そのお茶のまさに本場が宇治なのであると思っております。そういう意味では、先ほどの地域ブランドの宇治茶の認証をぜひとも早急にお願いをしたいと思います。
 それに関連して、この京都南部の交通、JRの、鉄道問題について最後に一問お伺いをしたいと思っております。
 京都南部では、古都京都と奈良を結ぶJR奈良線は、列車の増発等によりまして利用者も増加しております。沿線地域は、関西発展の起爆剤と言われる関西文化学術研究都市の建設及び木津川右岸運動公園の建設等により、これから大きな発展が期待され、今後も人口の増加、通勤通学、そして観光の乗客の増加が見込まれて、将来的にも非常に有望な線であると思っております。そして、沿線の自治体も、駅前整備等を図って利用者の利便の向上に努めております。そして、奈良の手前にあります木津のあたりも、今回四月から、木津町、加茂町、山城町の合併によりまして新しく木津川市が誕生しまして、大きく発展が見込まれるわけです。
 そんな中で、地元の要望としては、何としてもこのJR奈良線の複線化を急いでほしいと。考えてみれば、京都と奈良という千年の都を結ぶ非常に重要な幹線でありまして、まさに、先ほどの質疑でも申し上げましたように、宇治茶の本場という、非常に歴史的にも文化的にも、農業的にもすばらしい地域であります。この全線の複線化について、これも今までから国会で質問して、要望してきているんですが、現状と今後のめどをお聞きしたいと思います。

○大口政府参考人 先生の御質問にお答え申し上げます。
 JR奈良線は、近鉄京都・奈良線とともに、京都駅と奈良駅を結ぶ大変重要な鉄道だというふうに認識しております。特に、地元にお住まいの方々を含めた通学通勤の足として、これまでもその機能は相当重視されておりまして、平成十三年三月の時点でございますけれども、このJR奈良線の複線化につきましては、京都駅とJR藤森駅の間、それから宇治駅と新田駅との間の複線化、それから、宇治駅及び山城多賀という駅がございますが、その駅において列車が行き違いができるようにするという事業が平成十三年に完成したところでございます。これは総事業費が百六十三億円かかっておりまして、そのうち、地元自治体にもまさに合力をお願いしまして、約半額ほどその事業費を持っていただいているところでございます。
 さて、その結果でございますけれども、一日の列車の運転本数は、平成十三年の三月に六十三本ふえまして、その後、さらに十四本ふえ、現時点では、事業前に比べて、事業を完成する前に比べてでございますけれども、合計七十七本増発されているという状況にございます。
 こうしたことから、朝夕の通勤時間帯における京都と奈良の所要時間も、まさに快速列車の運行などによりまして、それまでは一時間を若干超えていたわけでございますけれども、二十分短縮されまして、約四十分前後で運行がなされているところでございます。
 こうしたことから、奈良線の一日当たりの輸送人員も、これは年度によって凹凸はございます、しかし、毎年の平均にならしますと、大体一千五百人程度ずつ着実に増加してきているのが現状でございます。
 さて、先生の御質問のポイントは、JR奈良線のまさに残る単線区間の複線化の問題ではなかろうかな、こう思うわけでありまして、確かに、現在、単線区間として、JR藤森駅と宇治駅の間、それから新田駅と今度市に昇格されます木津駅の間、その間につきまして今後どういうふうにしていくのかというところが問題かと思っております。
 現在、JR西において、これまでの線増をやった効果がどういうものであったのか、それから、関西文化学術研究都市を含む沿線の自治体さんの面の開発状況というんでしょうか、そういうものの開発状況の進捗状況、それから事業の採算性、さらには、地元の自治体とのまさに協力の度合いの進捗化の状況、そうしたことを全部勘案しながら、事業主体でございますJR西において、現在、鉄道という公共サービスを提供する役割をどういうふうにしていくのか、そういうことも含めまして検討されているというふうに承知しております。
 以上でございます。

○山井分科員 時間が来ましたので終わらせていただきますが、最後になりますが、かねてからの私の要望は、委員会では水が出てくるわけですが、委員長、ぜひこれは、お茶を入れたらもっと穏やかな和みのある審議になるのではないかと思いますので、最後にそのことも要望しておきたいと思います。
 ありがとうございました。

Posted at 2007年02月28日 12:00 | TrackBack
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