検索

yamanoi.net を検索
WWW を検索
最近の記事
過去の記事
連絡先
京都(後援会)事務所 (地図)
〒610-0101
京都府城陽市平川茶屋裏58-1
電話 0774-54-0703
FAX 0774-54-0705
email:kyoto@yamanoi.net

国会事務所
〒100-8981
東京都千代田区永田町2-2-1
  衆議院第一議員会館240号室
電話 03-3508-7240
FAX 03-3508-8882
email:tokyo@yamanoi.net

厚生労働委員会議事録(障害者自立支援法)

165-衆-厚生労働委員会-3号 平成18年10月27日

○山井委員 これから三十分間、柳澤厚生労働大臣に、続きまして自立支援法についてお伺いをさせていただきたいと思っております。
 まず何よりも、柳澤大臣には、これからしばらくこの委員会でお世話になりますが、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 また、この間、先ほど柳澤大臣からもお話がありましたが、障害福祉部の方々におかれましては、全国の実態調査、本当に早急にしていただいたんだと思っております。この間、ここ一、二年になるかもしれませんが、自立支援法の施行に対して一番残業が多い部が障害福祉部ではないかと思っております。そういう中で、いろいろこちらの資料要求にもこたえていただいたことに心より感謝を申し上げたいと思っております。
 また、何よりも、きょうも福島議員からも自立支援法の質問がありましたが、こういう障害者福祉は、特に党派を超えて、やはり障害のある方、もちろん望んで障害を持って生まれておられるわけではございませんわけですから、こういう障害者が社会で、そして望めば地域で暮らせる社会、自立生活をできる社会をつくっていく、これは党派を超えた願いであると思いますし、特に国会議員は、こういう弱い立場の方々の声を真摯に受けとめていかねばならないと思っております。

 私、この三十分間を使ってやりたいのは、柳澤大臣、現状認識なんです。要は、現状認識が間違っていると対策が間違うのは当たり前なんです。もう施行されて半年もたっております。そして、その現状認識として、このたび厚生労働省からペーパーが出てまいりました。私が配付させてもらいました「障害者自立支援法の実施状況について」、一から五ページまででございます。月曜日にこれが発表になりました。
 そして、私、今回お願いをしまして、もとの二十六都道府県の生データというのをいただき、同僚議員とともに読み込ませていただきました。大体、量でいいますとこれだけあったわけですけれども、二十六の原本を読ませていただきました。一言で言いますと、地方自治体からの悲鳴ですね。それとこの五ページの厚生労働省の発表とに、かなり落差があるのではないだろうかというふうに私は感じておりますので、そのことを一つ一つ議論をしていきたいと思っております。
 そして、この資料の中の最後から二ページ目、通し番号でいきますと二十四ページ目に、先ほど園田議員、郡議員からも言及がありました、我が党の障害者自立支援法改正法案というものの要旨についてお配りをさせていただいております。簡単に申し上げますと、応益負担、定率一割負担を緊急事態として今は凍結する、やはりサービスの利用抑制や不安が非常に高まっているから、これを一たん凍結する。
 そしてまた、今、郡議員からも切実な話がありましたが、作業所、グループホーム、そして多くの事業者が、このままではやっていけないという悲鳴を上げておられます。やはりこの方々が存続していけるように、今までのサービスが維持できるように、そういう支援をしていくということ、そして、この六つの緊急提言というものも述べさせていただいております。ぜひとも、この法案の審議、そして集中審議や参考人質疑をお願いしたいと思っております。
 それで、早速入らせていただきますが、まず大臣にお伺いします。
 今回、〇・三九ショックと言われているんですね。この資料の八ページ、新聞に出ております。「負担増で利用中止〇・三九%」「障害者〇・三九%が施設利用中止」、〇・三九、〇・三九と。これを見ると、八ページに新聞のコピーがございますが、ああ、割と低いのかなというふうに、一般の人が見るとそういう印象を受けるわけで、これ自体が、現場からすると、何かちょっと自分たちの現場の実感と違うなという意識があるわけです。
 そこで、柳澤大臣に事実としてお伺いしたいんですが、今回、通所施設、入所施設の利用を中止した人は実数として何人で、それは何%に当たるのか、そのことをお答えください。

○柳澤国務大臣 これは実数を調査したということがなくて、率でもって答えていただくというか、公表されたものを集計したということでございますので、実数は、今ここでというか、我々のところでは把握しておりません。

○山井委員 本当にそんな答弁でいいんですか。これは全部実数が書いてありますよ。質問通告もしてありますし。時間もないんですから、質問通告したことぐらいぱんと答えてくださいよ。
 答えられないのなら時計とめてくださいよ。こんなことで、ちょっととめてください、一たん。委員長、とめてくださいよ。これは通告している話ですから、ちょっと一たんとめてください。

○櫻田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○櫻田委員長 速記を起こしてください。
 柳澤厚生労働大臣。

○柳澤国務大臣 今手元に持ち合わせておりませんけれども、原資料に当たって調査をさせていただけば、あるいは実数の把握ができるかもしれません。

○山井委員 いや、ちょっと待ってください。これは通告していることですから、それでは通りません。これでは納得できません。きのう通告したんだから。それはだめですよ、そんなの。そんなんじゃ質疑する意味ないじゃないですか。それはちょっと困りますよ。頼みますよ。
 ちょっととめてください、一たん。まず時計とめてくださいよ。三十分しかないんですから、ちょっととめてくださいよ。

○櫻田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○櫻田委員長 速記を起こしてください。
 柳澤厚生労働大臣。

○柳澤国務大臣 大変失礼しました。
 資料を探しまして、十四府県の単純な合計によりますと、百八十五名の人がこのサービスを中止したということを掌握しまして、今申し上げた〇・三九という計数を計算した、こういうことでございます。

○山井委員 これも質問通告してあるんですが、その入所と通所のパーセンテージはそれぞれ幾らですか。

○柳澤国務大臣 十四府県のうちで、入所施設の退所者数が三十四名、通所施設の中止者数が七十九名、このように掌握しております。

○山井委員 ちょっと、三十四と七十九を足したら、さっきおっしゃった百八十にならないですよ。
 ちょっととめてください。ちょっと待ってくださいよ。委員長、ちょっととめてくださいよ。こんなことをやっている時間はないんですから。ちょっと頼みますよ。

○櫻田委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○櫻田委員長 速記を起こしてください。
 柳澤厚生労働大臣。

○柳澤国務大臣 今回の調査におきまして、県の公表をもとに我々集計をさせていただきましたので、一部の県については入所、通所別の申告がなかったということで、今のは、十四府県のうちデータが明らかな府県における入所、通所別の人数を申し上げたということでございます。

○山井委員 誠実に対応していただきたいです。実数とパーセンテージを質問通告で言っているんですから。
 それで、私の事務所で計算したのがこの半ぺらのページで配っております。そちらと微妙にカウントが違うかもしれませんが、通所の場合は〇・七四%、入所の退所率は〇・一七%となっております。もしかしたら、計算方法で多少違うかもしれませんが。これはまた後で触れますが、次の質問に行きます。
 それで、どういう現状かということで、長野県の調査にはこういうことが書いてございました。
 事例一、サービスをとめた、または減らした例、資料の六ページですね。工賃が一万円だけれども、利用者負担が今回の自立支援法で一万二千六百八十七円に上がった。その結果、工賃を上回る利用料を払うことになったわけですね。ホームヘルプサービスの利用時間を五時間から三時間に減らした、買い物や外出などに利用していたが、自分でできる範囲で頑張ることとし、行事等の参加は我慢する。行事等の参加を我慢するようになってしまったわけですね。
 次の事例二は、工賃が二万五千円だった方が、利用者負担が二万二千円になった。その結果、工賃と同じぐらいの利用者負担金を払わねばならなくなったため、通所をやめた。
 そして、事例三では、工賃より高い負担金を払った例として、一万五千円の工賃だった方が、二万九千円も利用者負担を払うことになってしまった、こういう事例なわけですね。
 柳澤大臣、次の七ページでありますが、次は沖縄の調査であります。こういうサービス利用を中止した方がどうしているかという調査があります。在宅でサービス利用なし十一人、その他・不明六人。就職または就職活動中、これもどうしているかというのがまだめどが立っていないわけですね。過半数の方がサービスを受けていられないなり不明なわけです。
 柳澤大臣、やはりこれは自立支援法の負担増の影響でサービス利用を中止して、そしてどうなっているかわからない、この実態調査というのは早急にしないとだめだと思うんです。
 ことし三月一カ月だけでも、去年は一件だったのに、ことしは六件も障害者あるいは障害児が親から殺されて、親も自分の命を絶つという無理心中が起こっているんですね、六倍も。もしこれが引きこもってしまって、本当にそういう虐待とか事件にでもなったら大変ですから、法律によってサービスも受けずに家にいるようになられたんですから、この実態調査をしていただきたいんですが、大臣、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 今お触れになられたそういうことが起こっては断じてならないんです。
 したがいまして、私ども、こういうように、先ほども民主党の先生方もこの方向性というものについては、一定のとあえて言わせていただきますが、一定の御理解がいただけている。現場がこれをどう受けとめるかということの実態の把握が非常に大事だ、これも全く仰せのとおりだというふうに私も思っておりまして、部内を督励し、また都道府県、場合によっては市町村の方々に大変御負担、御迷惑になるかもしれませんけれども、早急にとにかく実態把握をしたい、このように考えて、その方向で今努力をしているところです。

○山井委員 こういうサービス利用を中止、中断された方の実態調査、ぜひ今のお言葉どおり早急にやってください。
 次に、十ページに行きます。
 厚生労働省からいただいた資料で、宮崎県が、中止をされた方が〇・〇%という回答が返ってきました。でも、〇・〇%というのはおかしいと思われませんか。
 次のページを見てください、十一ページ。それがその宮崎県の中身です。
 確かに、利用者負担増による退所者はゼロであります。しかし、制度そのものに不満がある者、例として、工賃以上に負担したくない、利用者負担をしてまでサービスを受けようと思わない、二人。これは利用者負担増が原因じゃないですか、まさしくこの二人も。だから、これは、例というのはおかしいわけですよ。そういうふうに、このデータにはさまざまな問題点があります。これも指摘にとどめておきます。
 次に行きます。
 十二ページ、千葉県のデータであります。今回の厚生労働省の発表の中でそのことがどうなっているかというと、三ページで、千葉県では通所日数を減らすなどの利用控えは〇・六%と出ているわけですね、利用日数を控えるとかで。ところが、この千葉県のもとのデータ、十二ページを見てみると、身体通所で三・四%、知的通所で一・四%。三・四と一・四の平均が〇・六になるのはおかしいんですね。要は、これは入所をまぜているから、薄まって数字が下がっているだけなんですよ。
 柳澤大臣もこの十二ページを見てもらったら、三・四と一・四の平均が〇・六になるはずないことはすぐわかると思います。これも答弁を求めませんが。ところが、厚生省の発表を見ると、通所日数を減らすなどの利用控えが〇・六%と見ると、これは通所施設で利用控えが平均〇・六%と普通は読めるわけなんですよ。
 こういうふうなデータ一つ一つを見ても、今回の発表というのが極めて、私が一日かかって見ても、明らかに数字がおかしいということが出てきているわけであります。これはもう指摘にさせていただきますが。ですから、この千葉県の例でも、通所だけ考えたら、利用抑制は一・八%なんですよね。〇・六の三倍あるわけですよ、通所施設の控えは。
 次に、グループホームのことに移らせていただきます。
 今回の厚生労働省の発表で、グループホームが、伸びた給付が一六・六%で、着実に伸びているということが書かれています。「「地域移行」を進める上で中核となるサービスとして着実に伸びている。」と。
 しかし、こちらの資料の十三ページを見ていただきたいと思います。朝日新聞の記事でありますが、「減収 伸び悩む自立の家 グループホーム」と書いてありますね。二〇〇三年から毎年十カ所ずつ知的障害者のグループホームを新設してきた川崎市、しかし、国基準の事業収入は、支援費時代の三、四割減、これが、法人がホーム新設に踏み切れない最大の理由だと。現場の声を聞いたら、グループホームをふやせないといって苦しんでいるじゃないですか。でも、厚生省の発表によると、「「地域移行」を進める上で中核となるサービスとして着実に伸びている。」これはどっちが本当なんですか。
 そして、その次の十四ページ。栃木県では、四グループホーム閉鎖、報酬が減って。障害者自立支援法が影響、運営困難に。
 大臣、私は、言い出したら切りがないんですけれども、厚生労働省の今回の発表と現場感覚と、これはかなり開きがあるんですよ。
 大臣にお願いしたいんですが、先ほど郡議員から小規模作業所の話もございました、こういう作業所やグループホーム、四月以降に閉鎖になったところが幾つあるのか、一度調べていただけませんか。

○柳澤国務大臣 これは、いろいろと厚生労働省としても工夫をしていまして、一つ一つのグループホームではなくて、一つのグループホームのネットワーク化というか、そういうもので一つの事業体としてとらえて、いろいろ条件を満たしていただくということの中で、今我々の提示している報酬でもって運営していただくというような、ある程度工夫をしていただくということを前提に私どものスキームをつくらせていただいている、こういう事情もございます。
 ただ、今先生おっしゃったように、報道等にそういうことがあるということもよくわかりますし、それからまた、なお我々として実態を把握していかなきゃいけない、その努力はさせていただくつもりでございます。

○山井委員 ぜひ、その実態を、グループホーム、作業所、どれぐらいつぶれてしまったのかというのも調べてほしいと思います。
 それで、今回の厚生労働省の発表で不思議なのが、施設の中止、通所の中止のことは書かれているんですが、その通所以外の在宅サービスの抑制などについては全く書かれていないんですね。利用控えに関しては〇・六%から二%だと。本当にこれは〇・六%から二%なんですか、利用控えは。在宅サービスはどうなっているんですか、大臣。
 それで、実際、事例で説明します。十五ページを見てください。熊本県はどう書いているか。熊本は非常に知事さんも熱心なところです。退所または利用中止は一%、そして利用減少は回答総数の六%、こうなっていますよ。実際にも書いてありますように、利用者負担増による退所または利用減少の傾向が見られ、いろいろな国の措置があっても、利用を継続できないケースがあらわれている。次に、家族の負担感が大きくなった。そして最後に、今後も退所や利用控えを考えざるを得ないケースが潜在しているものと思われる。また、事業者も収入減少による事業運営の困難性を感じている。
 このような施設、通所だけじゃなくて、ほかのサービスについてもどうなっているか。次のページに行きます。十六ページ、長野県の例。一つ二つだとそんなところばかり取り上げているのかと思われますから、大臣、十六ページを見てくださいね。長野県では、自立支援法によるサービスをやめた、または減らした人が十七人、ホームヘルプ、デイサービス、通所授産、タイムケア、そして下に、七人の方は外出や旅行の費用を削減した、六人の人は趣味の費用を削減した。
 そして十七ページ、次にこれは沖縄です。「障害者孤立支援法? 施行後に負担急増 居宅サービス県内六十四人中止」、ホームヘルプでは三十二人、デイサービスでは三十人、ショートステイ二人、そのうちホームヘルプでは子供が十七人、子供のデイサービスが十人利用中止。本当にこれは、大人も大変ですけれども、お子さん、障害児がこういうサービスを利用中止せねばならないというのは、本当に私は涙が出るぐらいかわいそうだというふうに思います。
 大臣、こういう在宅のサービス中止や利用抑制、ここは一切、今回発表されていないんですけれども、こういうことは調査してやはり発表していただくべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 都道府県の調査では、居宅サービスの利用についてデータをとっているものもあるが、この調査の方法と指標がさまざまでございますので取りまとめることが困難であった、こういうことでございます。そして、私どもが活用、利用可能なデータとしては、定点市町村、百四市町村における居宅サービスの費用の動向であったということで、それが前年同月比八・五%だということから、私どもとしては、全体としてサービスの利用量が増加しているものと、この数字を酌み取る限りではそのように理解をした、受けとめた、こういうことでございます。
 なお、我々として、今こうした問題についても実態調査をすべく努めているというのが現状でございます。

○山井委員 ですから、柳澤大臣、重要なのは、こういう調査結果が既に厚生労働省に入っているわけですよ。施設も厳しい、ホームヘルプの利用中断、抑制が数%あると。にもかかわらず、公表されているのは、〇・六%とか二%とか低い数字ばかり公表されているわけですよ。これは明らかに誤解を招くんじゃないですか。もしトータルな調査ができていないんだったら、それができるまでその部分に関しては控えて、低いところもあるけれどもこんな高いところもあるとちゃんと書かないとだめじゃないですか。今、サービス量はトータルとしてはふえているという話でしたが、一人一人が大事なんですよ。
 例えば、十八ページを見てください。これも今回の調査に入っているものです。大阪府、全体のサービス量はふえていると厚生労働省は大本営で発表しています。しかし、大阪の資料、十八ページを見たらどうなんですか。一人当たりの利用時間数、日数、大臣、十八ページを見てくださいね。利用時間、居宅介護一・四時間減、身体介護二・七時間減、家事援助一・四時間減、デイサービス〇・五日減、施設通所支援二・三日減というふうに、軒並みこれは、ほぼ全部マイナスになっているじゃないですか、一人一人の利用時間も利用量も。これで利用抑制が、〇・六%とか二%とかと違うでしょう。軒並み一人当たりが、みんなこれはサービスが減っているじゃないですか。
 次の十九ページ。大阪だけじゃないですよ。大分県でも、利用人員は三月から六月で十人だけふえています。でも、居宅介護の平均利用時間数の推移は、三十三時間から二十九時間に減って、トータルで六千四百時間もホームヘルプの時間は減っているんですよ、この大分県も。
 そういうことが何で今回の実態報告書で、こういう報告が届いていながら、なぜ表に出していないんですか。これは、やはりおかしいんじゃないですか、入っているんですから。
 次に、施設のことにも行きたいと思います。
 これは、京都新聞のきのうの朝刊一面記事であります。二十ページ。「障害者施設 年収一割減」、一施設につき千四百万円の減額というのが出ております、京都新聞。府南部の運営者は次のように語っています。「利用者負担の増加で、通所をやめたり、退所する障害者が出ている。これが施設経営を圧迫してサービス低下を招き、家に閉じこもる障害者を増やしている。これでは自立支援とはとても呼べない」、京都府の保健福祉部は「「国の想定と施設の実態に隔たりがある」とみて、国に改善を求めている。」というふうになっているわけです。
 これは、柳澤大臣、先ほど申し上げた、トータルだけじゃなくて、一人当たりの在宅サービスが減っているのかふえているのか、それと施設の年収が減っているのかふえているのか、このことを早急に調査していただきたいんですが、いかがですか。

○柳澤国務大臣 いろいろ山井先生、非常に広範に資料を収集され、また、実際に非常に膨大な資料を分析されたということからいろいろ御質疑を、御指摘をいただいているわけですけれども、私どもとしては、このサービスの趨勢を給付費の趨勢でもって推しはかることができるだろう、こういうことで、そういう指標でもって一応の趨勢をつかむ、こういう努力をしたということでございます。
 今先生から、そんなことだったらもうちょっと、全部悉皆の調査ができ上がった後で結果を公表すべきでなかったかということもございますが……(山井委員「いや、既に入っているということですよ、調査に」と呼ぶ)既に入っているんですけれども、それが全部集計できる同じような様式のものでないと、なかなかそれを集計することは難しい、こういうこともございまして、もともとが、こちらから全部様式を決めて、それに基づいてその実態の調査結果を申告してもらうというようなことではなくて、むしろ都道府県側の自主的な調査の結果を我々収集させていただいた、こういうようなことがありまして、集計についてはやや限界があったということでございます。
 したがいまして、個々に当たりますとまたいろいろな事例が出てくることは当然でございますが、今申したように、こういう福祉の制度というのは個々のケースが大事だということも御指摘のとおりですので、我々としてはさらに実態の把握に努めて、必要な、もし欠くるところがあればそれを補っていく、そういう措置をとってまいりたい、このように考えております。

○山井委員 二十三ページにきょうされんの調査があります。きょうされんのデータについては厚生労働省も今回の発表で引用されていますが、例えば、きょうされんの調査では、四月から七月の通所施設の利用断念、抑制、そして断念を考えている、食費や利用料を払えない、そういう方が、身体に関しては七%、知的に関しては五%、精神に関しては九%なんですよ。
 繰り返しますが、これは断念だけじゃないですよ。断念予備軍と言われる、断念を検討している人、利用料や食費を払えなくなった人、抑制をしている人、多少これは重なりがあるかもしれません、もしかしたらちょっと高く出ているかもしれません。しかし、〇・三九やそういう数字ではなくて七%、五%、九%。特に精神は十月から新しく制度に入ってきますから、ますます深刻な問題もあるわけですね。そう考えてみると、現状認識、かなり今回の発表と違うのではないか。
 それと、最後のページ、佐賀県です。
 佐賀県も、下線を引きましたが、利用中止が一・六%、デイサービスでは利用中止及び利用を減らしたのが三・七%というふうに非常に深刻な問題になっているわけです。
 ですから、大臣にお願いしたいのは、確かに今回はフォーマットを決めてお願いをしたのではなかった、これは仕方ないんです。しかし、事ここに至った以上は、やはり二十六だけじゃなくて四十七都道府県に、最低限これだけは調べてくれ、そうしないと、どう見直していいのか、見直さなくていいのかわからないから早急にやってくれということをぜひ言ってほしいんですよ。
 もちろん都道府県も大変ですよ。でも、これは当事者と親御さんが本当に一番切実なんですよ。本当に困っておられます。悲鳴が上がっているんです。ぜひその調査を早急にやっていただきたい。これはぜひお願いしたいんです。
 柳澤大臣、お願いいたします。答弁をお願いします。

○柳澤国務大臣 我々も、制度の改善、あるいは私どもが想定したとおりに円滑に運営されていないというようなところがあれば、これは早急に手を打っていかなきゃいけない、こういうように思っております。
 そのための実態調査がどういうことが有効であるか、どういう調査をしたら一番負担が少なく、また時間もかからず、また我々に有用な情報を与えてもらえるか、こういう観点で、調査方法についてもよく工夫をしてこれから取り組んでまいりたい、このように思います。

○山井委員 これは本当にせっぱ詰まっていますので、早急にやっていただきたい。
 それで、二十二ページには、今度、自己負担への軽減策が全国の自治体で行われている。今回の自立支援法は、市町村の格差をなくするというのが目的だったはずです。でも、柳澤大臣、逆に、軽減策をやっている自治体とやっていない自治体でどんどん格差は開いているんですよ。それに対して厚生労働省はまだ調査もやっていないんですが、柳澤大臣、どの都道府県、どの市町村が自己負担に対してどういう軽減策をやっているか、この調査をやはりやるべきじゃないですか。
 柳澤大臣、お願いいたします。

○櫻田委員長 申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力願います。
 答弁は簡潔にお願いします。

○柳澤国務大臣 これは、市町村として現実にいろいろな工夫をする、その工夫は、単に利用者の負担軽減ということだけではなくて、それぞれの地域の実情に応じて、やはり市町村も一つの財政団体でありますから、効率というようなことも考え、また利用者にとって温かいものである、そういうようなことを総合的に考えて、恐らくいろいろな支援策を講じていっていただいているんだろう、このように思います。
 そういうものを、単に一つの次元である利用者負担をどれだけ軽減しているかということ、そういう角度だけから見て調査を進めるということについては、我々は極めてちゅうちょを感ずるわけでありまして、市町村の取り組みはいろいろバラエティーがあってしかるべきで、それを一つの観点から調査結果に結びつけるというのはやはり難しいというふうに考えているわけでございます。(山井委員「委員長」と呼ぶ)

○櫻田委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了していただきたいと思います。

○山井委員 もうそろそろ終わりますが。
 それで、最後に申し上げますが、二十一ページの滋賀県の報告書に、大臣、どう書いてあるか申し上げます。「制度の変更が、利用者にも事業者にも急激な変化として実際に影響が及んでおり、何らかの対策を講じないと、地域の福祉資源が衰退するなど「入所施設から地域生活への移行」という滋賀が進めてきた施策の目標が実現できなくなる懸念があります。」
 自立支援法によって、滋賀も大阪も全国で最先端を走って、障害者が地域で暮らせる運動を進めてきたわけですよ。そういう運動がこの法律によって頓挫しかねない。また、十年、二十年、親や地域の方々がお金を出して、バザーをしたりして、小規模の作業所をつくってこられた。そういう作業所が今つぶれたりもしている。利用抑制になっている……

○櫻田委員長 山井和則君に申し上げます。
 申し合わせの時間が経過しておりますので、ぜひ御協力をお願いします。

○山井委員 そういうことですので、ぜひともこれは集中審議や法案審議、参考人質疑をやっていただきたいと思います。
 最後に申し上げますが、もし時間のことをおっしゃるのでしたら、今後、通告したことにはちゃんと答えていただきたい。そういうことをやっていただかないと、こちらも計算しているんですよ、三十分ということで。通告したことぐらいちゃんと答えてくださいよ、今後。そうしないとこういうことになってしまうでしょう。
 ということで、最後に……

○櫻田委員長 山井和則君に申し上げます。
 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了していただきたいと思います。

○山井委員 最後に、法案審議、参考人質疑、集中審議を理事会で諮っていただきたいと思います、委員長。

○櫻田委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議させていただきます。

○山井委員 これにて質問を終わらせていただきます。

Posted at 2006年10月27日 12:00 | TrackBack
« 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会議事録(テロ特措法期限延長) | Main | 外務委員会議事録(日比EPA協定、麻生大臣核発言) »
Comments
コメントする









名前、アドレスを登録しますか?