21日(金)の障害者自立支援法と対案の審議の報告。
さて、21日は大村議員、桝屋議員、阿部議員、笠井議員が民主党の対案について質問をしてくださり、私と園田議員が答弁しました。
大村議員と桝屋議員は、「介護保険の年齢拡大を民主党はどう考えるのか? 民主党案とどう整合性をとるのか?」というのが主な質問。
私は
あくまでも「障害者福祉をよくするために」、介護保険の一部を障害者に活用する、つまり、介護保険の「いいとこどり」が民主党の考え。
間違っても、介護保険を障害者福祉に活用することによって、障害者福祉が後退するものにはしない。保険方式が活用できない介護以外の障害者サービスは今まで通り、税方式で行う。
そもそも障害者のニーズと高齢者のニーズは大きく異なる(社会参加、就労支援など)ので、高齢者向けの介護保険に障害者を飲み込むのは無理がある。
さらに、障害者福祉の主人公や障害者の方々なのだから、障害者の方々が主張しておられるように、じっくり障害者の方々の声を聞いて、時間を十分にかけて、障害者の方々の納得を概ね得ながら、制度改正をすべき。今回の政府のやり方のように、障害者の大多数が不安と反対の意思表示をしているのに、無理やり、拙速に、強引に制度改正しようとするのはおかしい。
また、民主党案は「精神障害者を切り捨てている」という批判に対しては、
「私の聞く限り、大多数の精神障害者は、政府案に反対している。3障害一元化という言葉は美しく、理念に反対する人は少ないが、一方では、精神通院公費制度(32条)をなくし、1割負担導入でホームヘルプサービスや作業所などのサービスを受けにくくし、おまけに、障害程度区分でも精神障害者は軽く出る傾向があり、大多数の精神障害者はこの拙速な改革に反対している」
などと答弁しました。
野党席からは大きな拍手を得ました(当然か?)が、「山井議員は、現場に引っ張られすぎている」というような批判も与党議員から受けました。
社民党、共産党議員からは、民主党案を評価する質問がありました。
まあ、与党議員とは激しい議論になりましたが、民主党案の障害者福祉の考え方はきっちり言えたと思いますし、質問という形ではなく、答弁で明確に党の主張が示せたことは、目指すべき国会論戦のあり方だったと思います。
さて、今週ですが、25日(火)午前中は、障害者自立支援法についての参考人質疑を衆議院厚生労働委員会で行います。また、26日(水)は、5~6時間、この法案の審議を行う予定。
そして問題の採決ですが、26日(水)の夕方か、28日(金)の午前中を与党は目指しているようです。
私個人の感触としては、26日の委員会採決はないように思いますが、しかし、与党が最終的にどう判断するかはわかりません。
この法案の審議を半年していますが、問題点が多く、また、肝心の個々人の障害者が利用できるサービスが現状維持されるのか減るのかが全くわかりません。そして、大幅にカットされる面もあります。
このような状況で、法案を成立させることは議員として非常に無責任と私は思います。
自立支援法による負担増は、単に負担が増えるわけでなく、障害を持つかたが、障害を持ちながらも、健康かつ文化的な生活を送る権利を制限するものです。金がないと言っても、無理をしても減らして良いものと、何がどうあっても減らしてはいけないものがあります。今回の負担増は、してはいけないものです。
Posted by: 杉山 英俊 at 2005年11月24日 21:40