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厚生労働委員会議事録(大臣所信に対する一般質疑 山井和則質問部分)

159-衆-厚生労働委員会-2号 平成16年02月27日

○衛藤委員長 山井和則君。

○山井委員 これから三十分間、坂口大臣、そして谷畑副大臣に、児童虐待の問題を中心に質問をさせていただきたいと思っております。
 今の障害者福祉のお話とも似ているんですが、来年度は児童虐待関連の予算が三・五倍ということで、本当に厚生労働省さんもすごい御努力をされたというふうには思っております。しかし、残念ながら、もともとが余りにも少な過ぎたということでありまして、この児童虐待に対する取り組み、この三・五倍でまだまだ十分とは全く言えません。
 具体的に言いますと、今回の岸和田で起こった虐待の事件、十五歳のお子さんはまだ意識不明でありますけれども、本当にこれは氷山の一角であって、ある調査によりますと、年間百八十人ぐらいが虐待で死んでいるのではないかという調査もあります。警察の発表は四十二人ですけれども、研究者の調査によると、実際はその四倍ぐらいが虐待死ではないかと。そういう意味では、まず最初に、この岸和田の事件からお伺いをしたいと思っております。

 私も、今までからこの委員会で言いましたように、政治に志した一つの原点が、学生時代、母子寮、母子生活支援施設でボランティアをずっとしておりまして、そこで、親から虐待を受けた子供たち、家庭が崩壊したそういう子供たちの遊び相手をする中で、この子供たちが自立していけるように、もっと社会が、政治が目を向けないとだめだということを本当に痛感したわけであります。
 そういう意味では、今回の虐待の事件、私も現場に行かせていただきまして、その前日には谷畑副大臣が岸和田子ども家庭センターに行かれて、現場にいち早く行かれたということで、まず、谷畑副大臣にお伺いしたいと思います。
 この事件に関して、今の児童虐待防止法の不備なのか、あるいは、法律そのものではなくて、運用というか現場の問題なのか、そのことも含めて、この岸和田の事件に対して御見解をお伺いしたいと思います。

○谷畑副大臣 今、山井先生がおっしゃいましたように、私も、二月の五日、岸和田に行ってまいりました。率直に申し上げまして、実の父親と同じマンションで暮らしながら、しかも実の子供を衰弱死寸前まで虐待ができるものだろうか、人間としてそこまでできるのかという、非常につらい、私自身も、このことが頭から離れないというのか、そういう気持ちでございました。
 それと同時に、もう一つは、子供は親を選ぶことができない、しかも、その子供にとっては、親を頼らないと生きていけない、ここが私、この事件のたまらないところであったのではないかと。私自身も大阪でありますから、ぜひひとつ現場を見、そしてまた、その子供をできましたならばお見舞いもしたい、もう私そういうつもりで行きました。残念ですけれども、お見舞いをすることはできませんでしたが、病院の事務局長にお会いをさせていただきました。願わくはぜひ回復をしていただきたい、私はこういうように実は思っているわけでございます。
 その中で、その周辺の、近所の人々も、薄々虐待ということはわかっておる、学校においてもわかっておる。そして一番、児童相談所というのは法律に基づいて立入調査ができる機関である、そこがその子供を救出できなかったという、これもまたつらいことだと。私は、そこをしっかりと分析をしながら、どうしたら今後こういうことがないようにできるのか。今、年間四十二名の児童が虐待によって死んでいるという、また、先生のお話ではもっと多いんじゃないかと、こういうことでありますから、私どもはもっとしっかりとひとつやっていかなきゃならない、こういうように実は思っているわけでございます。
 その中で、厚生労働省におきましては、この事件を踏まえて直ちに、組織的かつ迅速な対応をすぐやる、また、子供の安全確保の優先という基本に立っていこうということで、各都道府県に通達を出させていただいた。そしてまた、児童相談所内の連携体制の再確認、学校等の地域の関係者との協力、連携の確保、そして遺漏なきを期すようということで、通知をさせていただいたところでございます。
 そしてまた、先日、国会に提出いたしました児童福祉法の改正法案によって、やはり地域の関係者のネットワークをさらに強くする、市町村を含めて、学校あるいは保育所、PTA等を含めて、関係の機関がしっかりと協議会をつくったりして連携を密にしていく、そういうことを可能にしていくということでございます。
 また、保護者指導に関する司法の関与の強化ということが非常に大事だというように思っています。今後とも、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
 最後に、どう言ったらいいんでしょうか、例えばこのことでも、弟さんの不登校について児童相談所が、四十回か、回数は正確にわかりませんけれども、接触はあったわけでありまして、その中で兄貴の状況も少しわかりながら対応できなかったという、ここは私非常に残念でありまして、そこには、意識の改革というのか、一人ではできないことがありますから、全体の、児童相談所を含めての高いレベルを持った人たちと交流をしながら、組織的に対応できるということが非常に今後大事じゃないか、こういうように実は私は思っているわけでございます。
 今後とも、厚生労働省としましても、一人の犠牲者も出さない、こういう決意でさらに取り組んでまいらなきゃならないということを、私自身もそういう決意をいたしております。

○山井委員 本当に、余りにも悲惨なことで、どうしてこの子供を救うことができなかったのか。私も現場に行かせてもらいましたが、この部屋に数カ月、食べ物はほとんど与えられなくて、何か報道によると、もう親も、餓死するのを待っていたとか。それでありながら、救うことができなかったという、本当に余りにもひどい状況だったわけです。
 そのことに関して、きのうの新聞で、児童福祉司の量、質ともに充実をと。いろいろ連携がうまくいっていなかったとか、いろんな議論があるけれども、そもそもこの岸和田の子ども家庭センターでは、二人の虐待担当が年間二百四十件ぐらい担当していた。一人当たり百二十件。それで、これからいろいろ児童福祉法の改正や児童虐待防止法の改正で、もっと児相頑張れというふうに責任を重くされたって、もうこれ以上は無理だと言う声も出てきているわけであります。
 そのことに関して坂口大臣にお伺いしたいと思います。
 この資料とその次の二ページ目の資料をちょっと、坂口大臣、見ていただきたいんですが、私驚きましたのは、日本では児童福祉司さん、ケースワーカー、虐待担当のケースワーカーさんが何人ぐらいケースを担当しているのかという資料を、海外と比べた資料を下さいときのう言ったらこのファクスが送られてきたんですが、坂口大臣、これを見てもらって不思議だなと思われるのは、左が日本の東京なんですよね。あとはほかの海外なんですけれども、国際比較の資料を下さいと言ったら、日本のところだけ、担当ケース数、一人のケースワーカーさんの虐待の担当ケース数の部分は空白になっているわけですよね、坂口大臣。
 それで、私、これはおかしいなと思って、外国が空白で日本はわかっているというんだったら普通ですよね、それは。ところが、外国は一応データを書いていて日本はわかっていないというので、厚生労働省さんに、このデータ、きょう質問したいので下さいと言ったら、このデータがまだよくわからない、こういうことなんですよね。
 やはりこういう基礎的なデータというのはきっちり踏まえておかないと、ケースワーカーの数が少ないのか多いのかという議論も成り立たないと思うんですが、坂口大臣、ちょっと、こういうことに関していかが思われますでしょうか。

○坂口国務大臣 地域によりまして、虐待が起こる数というのも、これは違うんでしょうし、さまざまだというふうに思いますが、この福祉司の数、質、そうしたものをやはり充実しなきゃならぬというのはそのとおりなんだろうと思うんですね。とりわけ、非常に残念ながら、虐待等がたくさん起こるような地域、そうしたところに対しては、やはりそれ相応の人的配置をしなきゃいけないだろう。全国一律ではいけないんだと思うんですね。そうしたこともやっていかなければいけませんし、そして、一人の人がどれだけをやっているのかということも、これはちゃんとやはり責任を持ってやっていかないといけませんね。ちゃんとやるようにいたします。
 児童福祉司だけにお願いをしていいのかという問題もあるわけでありまして、先ほど谷畑副大臣からもありましたとおり、もう少し各職種の人たちが連携を密にしていかないといけない、すべてを児童福祉司にお願いしていたのではいけないというふうに思う次第であります。ですから、その辺のところをやっていかなきゃなりませんし、それから、既にもう大体、虐待数が多い地域少ない地域、それらはかなり浮かび上がってきているわけでありますから、そうしたことも十分勘案をしながら人の配置というものをしていかなければならない、その辺も考えていきたいというふうに思います。

○山井委員 改めてお伺いしたいんですが、やはりこれからこの児童福祉法の改正、あるいは児童虐待防止法の三年後の見直しで、こういう基礎的なデータというのは非常に重要になると思いますので、今もこれから調査をきっちりしてデータを出しますという趣旨の御発言でしたが、早急にこういうデータをつくって出してもらうというお約束のことが一点と、もう一つは、やはりこの児童福祉司の専門性を高めて数をふやしていくということをセットでやらないと、私はこの岸和田の事件の再発は防止できないと思うんですよ。私も現場に行きましたが、現場としては百件ぐらい抱えて、もうこれ以上は本当に限界だというような、悲鳴に似たものを聞いたんですが、そのことも含めて、坂口大臣、改めて、この岸和田事件の再発防止と、今の資料をきっちりつくるということに関して答弁をお願いします。

○坂口国務大臣 数の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、質がどれだけの高さかというのは、それは今日までのそれぞれの人が積み重ねてまいりました経験にもよりますし、その人の素質にもよるわけであります。とりわけ、この数年でございましょうか、それぞれの児童相談所も倍々ゲームで虐待のお子さんの人数を多く扱ってきているというような状況もございますので、そうしたことも考えていかなければなりませんし、これからの虐待に対する対応の仕方というのは、やはりかなり高度な能力というものが要求されると思うんですね。
 虐待をしている家庭というのは、私のところは虐待していますとは言わないわけで、そこをどう判断するかという、非常に専門性と申しますか難しい判断が求められるわけでありまして、それは児童福祉司の人だけでできないこともございましょう。他の職種の人と連携をとってやらなきゃならないこともございましょうし、しかし、その連携をとらなきゃならないというふうに判断を下すのも、それはその人でございますから、そうしたことも含めて、これから本格的に考えていかなきゃいけないというふうに思います。

○山井委員 まさにそのことをこの赤井子ども家庭センター長も、大体虐待に対応できるようになるには最低七、八年かかる、特に深刻な性的虐待とかだったら、親と子供の両方の指導には、二十年ぐらいやはりかかるということをおっしゃっていますので、法改正も重要ですけれども、やはり児童福祉司の質と量を充実するということをぜひともやっていただきたいと思います。
 それに関連して、次は、きょう、朝、青少年特の参考人質疑の中で多くの方がおっしゃっていられたのは、虐待のケースで子供を保護するのは確かに大事だ、でも問題は、日本では保護した後の施設が余りにも貧し過ぎるということが指摘をされました。昨年の私の質問でも、多くのお子さん、かわいそうですけれども、保護されたら高三ぐらいまでもう十年、十五年ぐらい入っていられるわけなんですよね。その中で、人員が少ないとか、部屋が何人か部屋だということがあるんですけれども。
 ちょっと大臣に聞きづらいことなんですが、大臣、この児童養護施設、虐待された子供たちが入る児童養護施設に行かれたことがあるかと、多分行かれたことがあると思うんですが。それと、行かれたことがあったらその御感想、もし行かれていなかったら行くというお約束をいただければと思いますが。

○坂口国務大臣 ございます。埼玉県の方におじゃまをいたしまして、もう東京に近いところでございますけれども、おじゃまさせていただきました。
 幾つかの写真も拝見させていただきましたし、それから、入所している皆さん方のところも拝見をいたしました。かなり明るくグラウンドでスポーツをしておみえになりましたから、少し安堵したわけですけれども。しかし、今おっしゃいますように、そこも満杯になっている、数がこれ以上はもうはめられないということを言っておみえになりまして、そして、この施設を男性、女性をちゃんと別々にするということは、これ以上もう不可能になってきているというお訴えも聞いたところでございます。
 現場が非常に、今までと違って多くの皆さんが訴えておみえになる、倍々ゲームになってきている、それに対してどう対応するかというので、現場は大変御苦労をしていただいているということを十分に存じておりまして、ぜひそうしたことに対する対応もしなければならない。
 今までは、余り福祉の面の中でも重視されてこなかった側面だというふうに思います。しかし、今後これは重視していかなきゃいけないというので、まだ少ないというふうに御指摘いただきましたけれども、三倍に上る予算をことしは確保したということでございまして、今後もこの分野に対して充実をしていかなきゃいけないというふうに思っている次第でございます。

○山井委員 本当に、まさにその現場で坂口大臣がお感じになったとおりでありまして、本来心傷ついた子供たちが安らぎを感じないとだめなところで、逆に、なかなか安らぎを感じられない状況というのがあるわけです。現場の方々は精いっぱい頑張っておられます。そして、その人員配置をもっとふやさねばならないという、六対一というのが二十数年変わっていない、これはもちろん大前提としてあります。
 それとともに、私がきょう取り上げたいのが小規模グループホームのことなんですね。
 一つは、中学、高校生になっても部屋が二人部屋、三人部屋なんですね。そのお子さんの生の声を聞くと、大学進学のことや将来のことや親のことを考えるために一人になりたいことがあるというわけですよ。ところが、一人になる空間がない。もちろん普通のお子さんとはまた話が違うんですよね。本当にそういう、悩んで心傷ついているお子さんたちが、一人になれる空間がない。
 また、ある女の子に聞いたら、同室の女の子と仲が悪いから、もう一人の子供が部屋に入ってきたら私外に出るんだ、口もきかないんだと言っているわけなんですよね。繰り返しになりますが、施設に入っている子供の半分以上が虐待経験で、本当は一番心安らがないとだめな子供たちがそういう状況に置かれているということ。
 それと、時間に限りがありますので続けて質問しますと、やはり大規模な施設よりもこういうグループホームの方がはるかにいいということは現場の方がおっしゃっておられるわけです。私も、この一週間で四カ所グループホームも行ってまいりました。グループホームになると、多くの場合、個室とかもできるわけですね。やはり中学、高校生、いろいろなことを考えたりする、プライバシーの問題もあるからこういう個室も必要だと思っておりますし、やはりグループホームになると、雰囲気も普通の家ですから、家庭的な環境なんです。
 私、一番ショックを受けた話は、ある大規模施設で十五年暮らした女の子が結婚した、ところが、残念ながらまた家庭崩壊しちゃったと。その理由は、物心ついたころからずっと大規模な施設にいて、家庭というものがどんなものかわからなかった、だから結婚生活がうまくいかなかったというわけですね。
 では、欧米でも、大規模な施設にそういう子供たちが住んでいるかというと、前回の私の質問に対して岩田局長さんが答弁されたように、実は欧米では虐待された子供たちが大規模に長期間入っているというケースはほとんどないんです。
 きょうも資料にも入れましたが、今の日本では、九二%が施設、里親が七%、グループホームに入っているのはたった一%にすぎないんですね。また、もう一つの次のページの資料を見れば、イギリスと日本を比べてみたら、イギリスでは、九割が里親やグループホームに住んでいるわけです。こういう家庭に住んでいるわけです。ところが日本は、九割が大規模施設、一割が里親やグループホームなんですね。確かに来年度には百カ所になりますけれども、正直言って、私は、千カ所ぐらいにならないとだめだと思うんです。
 そのことについて、坂口大臣、やはりこれは急速にやっていかないと、保護した子供たちがきっちりと自立していけるようにしないとだめなんです。この個室の問題、グループホームの問題、大臣、ぜひとも推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○坂口国務大臣 部屋の問題は御指摘のとおりでありまして、やはり年齢に応じた部屋を与えなきゃいけない。小さなときには、一人で置いておくということはかえって悪いかもしれませんけれども、大きくなってくれば、やはり一人の人格形成がされてくるわけでありますから、ふさわしいお部屋を用意しなきゃいけないというふうに思います。それは努力をしたいというふうに思います。
 それから、もう一つのグループホームの方は、お年寄りのグループホームについて、山井議員、いつも御指摘をいただいているところでございますが、ここのお子さん方につきましても、グループホームというのは大きな役割を果たすんだと思うんですね。余り大きな施設でたくさんいるということは、かえって家庭的な雰囲気を失うということがございますから、グループホームというのは非常に大きな役割を果たすんだと思う、大事だというふうに思っております。
 里親制度も、本当はもう少しこれを推進できるようにしなきゃいけないんですけれども、日本におきまして里親制度というのがありますけれども、なかなか数がふえていかないということがあって、ここをどうするかという問題があるというふうに思います。しかし、これは皆さん方にお願いをして、少しでも里親制度というのを充実させていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
 もう少しその辺のところを、分析もしっかりして、なぜ日本で里親制度がもう少し拡大できないのかといったようなことも十分に議論しながら進めていきたいというふうに思っております。

○山井委員 次に、谷畑副大臣にまたお伺いしたいと思います。実は、進学、就労支援のことなんです。時間に限りがありますので、簡単にお答えいただければと思うんですが。
 要は、私も施設を訪問してお子さんたちの悩みを聞くと、まず一つは、就職したいと思っても住む家がない。寮がついているところしか就職できない。そうしたら、もう職業選択の自由というのが大幅に狭められる。それと、進学したいと思っても、また住む家もないし、お金もかかる。十八歳になったら施設を出ないとだめなわけですよね。
 そういう意味では、大学進学の準備をしながらアルバイトをして、五十万ぐらいためないと大学へ行けないとか、もしひとり暮らししながら仕事をするなら、やはり五十万ぐらいアルバイトでためないとだめだとか、そういうことになっているんですね。そのプレッシャーに打ちかてないで挫折する子供もいるわけです。
 ある施設の先生は、家なし親なし学歴なしと施設の子供は言われる、でも、これをもうちょっと温かく支援してくれないか、そうしないと、幾ら十八歳まで面倒見ても、社会にうまく自立していけなかったら意味がないんだということをおっしゃっておられました。
 谷畑副大臣、このあたりの進学、就労支援について一言、お願いいたします。

○谷畑副大臣 子供はやはり社会の宝でもありますし、また、先ほど言いましたように、子供は親を選択できない、しかし、親にすがりたい、そういう愛情が欲しい、そういうにもかかわらず、最終的に、児童虐待という形の中で、親と、あるいは家族と切り離されてしまう。そして、言葉は悪いですけれども、また逆に言えば、生涯孤独というのか、一人で生きていかなきゃならないという、こういう状況の中で、私どもそういう施設があるわけですから、今先生がおっしゃいますように、ぜひその点については、就労の支援、進学の支援についても私も少し勉強させていただいて、さらにいい政策についてしっかりと前向きに取り組んでまいりたい、このように思っております。

○山井委員 坂口大臣からもぜひともこのことについて一言お考えを。

○坂口国務大臣 これは副大臣のおっしゃったとおりでございまして、私も同感でございます。

○山井委員 この児童虐待防止のことは、本当にこれは子供に罪は全くないわけです。それで、こういう岸和田の事件も起こったわけですから、そしてまた、ことし、児童福祉法の改正、児童虐待防止法三年後の見直しもあるわけですから、これをやっても、来年以降もどんどん虐待死がふえ続けたということになったら、国会議員は何をやっているんだということに本当になるわけです。ぜひとも、これからこの真摯な議論をやっていきたいと思います。
 時間に限りがありますので、最後に一つ、坂口大臣に、ソロクト問題、このことを質問させてもらいたいと思います。
 お聞き及びかと思いますが、先日も、韓国のハンセン病の元患者の方々が日本にお見えになりました。それで、二年前にハンセン病の補償の議員立法の法律ができたわけですけれども、実際、日韓併合のときに日本が韓国につくったソロクトの療養所の人たち八十五人が、自分たちにも補償してほしいということで、補償請求が出ているわけです。これは坂口大臣も御存じのことだと思います。
 このことに関して、坂口大臣は、国内を想定しているんであって、外国の人まではこの法律というのは想定していなかったんではないかというようなことを記者会見ではおっしゃっていたわけなんです。ただ、これは議員立法の法律で、調べたら、当時の委員長提案で、鈴木俊一衆議院議員のときの委員長提案なわけで、これは正直言って議員立法なわけですから、どういう立法府の意思だったのかということは確認しないと、はっきり言いまして、厚生労働省だけで判断できる問題ではないと思うんですね。そういう意味では、その当時の関係者も含め、議員が審議をして、そのことを通した上で、ぜひとも前向きな結論を出してほしいと思います。
 坂口大臣の答弁をお願いいたします。

○坂口国務大臣 これはまさしく議員立法でおつくりをいただいたものでございます。
 その当時の皆さん方の御意思というものがどういうものであったかということを私たちも今聞いているところでございますが、当時の皆さん方がひとつお集まりをいただいて、どういう趣旨でこれをつくったか、その中に海外の問題も含まれていたかどうかといったようなことを御論議をいただくことは大事なことだというふうに思っております。その皆さん方の御趣旨、そのときの立法の意思というのがどの辺にあったかということもお聞きをさせていただいて、最終結論を出したいと思っております。

○山井委員 この補償法で、国内では、昭和三十何年以前の入所者の方も補償の対象になっているわけですから、やはりこれは日本に責任がある問題ですので、ぜひとも坂口大臣の政治的な決断を、議員で議論した上で、補償をするという方向で決断をいただきたいと思います。
 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

Posted at 2004年02月27日 12:00 | TrackBack
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