■2月6日(金)
岸和田の児童虐待事件の視察。
朝5時すぎに起きて、早朝の飛行機で羽田から関西空港へ。
実は、衆議院青少年特別委員会の正規の視察は、12時から3時までなのですが、その前に民主党の6人の議員は、現地である岸和田に視察に行きました。
少し事情を説明します。
岸和田の児童虐待事件の現地調査なのに、与党が提案してきた案は、新幹線の新大阪駅近所のホテルで、3時間だけ、大阪府や教育委員会、岸和田の子ども家庭センター職員の話を聞くというものでした。
しかし、私たち民主党議員は、「新大阪駅前のホテルでのヒヤリングでは現地調査とは言えない。岸和田に行かないと現地調査の意味がない」と反発。
与党と交渉しましたが、与党は新大阪駅近所でのホテルでの開催を譲りませんでした。
与党は、「岸和田に行くと時間がかかる。現地に行くと、現地の受け入れに迷惑がかかる。対応が大変」などと言いました。
「時間がかかるなら現場に行かないのか。このような調査こそ国会議員の最優先の仕事ではないか。『中学の中には入らない』など、現地に迷惑をかけない視察方法はいくらでも工夫できるではないか」と、民主党は反論。
結局は、武山百合子青少年委員会委員長、中川浩、水島広子、泉健太、須藤浩、私、6人の民主党の青少年委員会所属の議員は、9時から11時まで岸和田に現地入りし、現場を見た上で、午後のヒヤリングをすることになりました。
児童虐待防止法の改正の議論を間近に控え、せっかくの現地調査にもかかわらず、岸和田に行かないということでは、議員としての職務を果たせません。
「そんないい加減な視察で、児童虐待防止法の改正の議論がしっかりできるのか。税金泥棒ではないか。国会議員の視察は形だけではないか」と批判されると思いました。
朝9時に岸和田の子ども家庭センター到着。
現場の方々から事件の概要を改めて聞き、児童虐待防止法の改正を含め、再発防止のための国への要望を聞きました。
ポイントは2点。
半年以上、学校の教師は、虐待された中3児童と会えていませんでした。何度訪問しても、親に断られ、会わせてもらえなかったのです。
このような場合、強制的に立ち入り調査をすると、一歩間違うと学校と親との信頼関係が崩れることがある。その点が、難しい点。
しかし、私は不登校児童の安否確認が再発防止の重要な鍵と感じました。
もう1点は、子ども家庭センターで昨年は年間236件の虐待件数がありましたが、担当の相談員はたった2人。一人が100件以上の担当。
「これでは、一件、一件きっちり対応するのは難しい」という声も聞きました。
その後、児童が通っていた中学の正門まで行き、学校の外観を見て、さらに、児童の住んでいた(監禁されていた)マンションの前に行き、外から部屋の外観を見ました。
中学校やマンションを外から見ても仕方ないと思われるかもしれませんが、しかし、このような事件の背景を正しく知るのは、「現場」に足を運び、雰囲気を肌で知ることは非常に重要です。
また、岸和田子ども家庭センターでは、現場の苦悩に満ちた本音もお聞きすることができました。
その後、新大阪駅の近くのホテルまで車で移動。
その間、車中でも、岸和田を地元とし、児童虐待問題に非常に詳しい中川浩議員や泉健太議員、水島広子議員と、再発防止や児童虐待防止法改正の議論を重ねました。
正午から3時まで、正規の会議。他の党の議員も合流。
中身は午前と似た議論でしたが、やはり、岸和田とは離れた豪華なホテルでの議論であり、うわべ(建前)の議論になりがちでした。
私たち民主党の議員は、現場を見て、現場の声も聞いた上でしたが、他の党の議員にとっては、わかりにくい面も多かったと思います。
会議が終わってから、帰りのバスの中で、自民党の河野太郎議員(河野洋平衆議院議長の息子さん)が、「ホテルでの会議だけではわかりにくい。現地の岸和田に行くべきだ」
と言ったので、私たち民主党議員は、「だから、民主党は午前中に現場に行ったんだ」と言うと、河野議員は、一連の民主党と与党との視察方法をめぐる議論を知らなかったようで、「俺も一緒に岸和田に行きたかった」と言っておられました。
この事件については、もっと書きたいですがキリがありません。
ただ、3月か4月までに、児童虐待防止法の改正法案が青少年委員会で議論されますので、これから2.3ヶ月は、このメルマガでも児童虐待の問題について書いていきます。
ご意見やご要望があればお聞かせください。すべてのメールに返事はできませんが、必ず読ませていただきます。
中学校では平均して、各クラスに一人は不登校がいるのが現状です。
それが今回の事件のように虐待とつながっていないか。また、引きこもりの問題なども含め、真剣が議論が国会で必要です。