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2004年2月

2004年 山井和則を囲む会

後援会主催の「山井和則を囲む会」が、下記のとおり開催されます。
ご参加頂ける方は、2月20日(金)までに、メールで(1)お名前・ふりがな、(2)ご住所、(3)電話番号を、やまのい和則京都事務所(kyoto@yamanoi.net)までお知らせください。

日時:2月28日(土) 午後6時~8時30分(開場5時30分)
場所:パルティール京都>>地図

所在地 : 京都府宇治市宇治樋ノ尻88
交通 : 近鉄京都線小倉駅より徒歩15分、JR奈良線宇治駅より徒歩10分、京滋バイパス宇治西ICより車で10分
電話番号 : 0774-25-7777 
FAX : 0774-25-7000
問合せ : 10:00~19:00
駐車場 : 240台(無料)
会費:5,000円(予約制、着席形式。お食事、アルコールをご用意しております)


 日頃から、山井和則に温かいご支援、ご指導を頂き本当に有難うございます。  さて、毎年新春に行っております「山井和則を囲む会」を開催いたします。ご多用のところ甚だ恐縮ですが、是非ともお誘いあわせお越し頂ければ幸いです。  山井和則とともに安心して暮らせる社会をつくるために、今後も皆様のご協力を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。

やまのい和則後援会(やまのいネット)代表 冨田基雄


寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?  不況を吹き飛ばし、平和で安心して暮らせる社会をつくるため、政治を変える熱い思いの集いにしたいと思います。渡し亜藻、皆様への感謝の気持ちを込めて、国会報告と今年の抱負を語らせていただきます。  是非ともお気軽にご参加頂きますよう、心よりお願い申し上げます。

山井和則

Posted at 2004年02月28日 固有リンク | TrackBack

2004年2月

2004年2月

委員会で1日3回の質問(メルマガ513号より抜粋,)

  今は27日(金)晩9時。京都に戻る新幹線の中です。
  今日は、一日3回の委員会質問。生まれて初めてのことです。昨夜は4時間しか寝ていません。

・9時半から12時半まで青少年特別委員会で、参考人質疑。
  4人の学識経験者から意見を聞く。
  私は岸和田の虐待事件の再発防止などについて20分間質問しました。
  すべての参考人が「児童虐待防止法の3年後の見直しをしっかり、委員会で審議してほしい」と要望されました。
  また、虐待担当の児童相談所相談員の数が少なすぎることが問題だと多くの指摘がありました。

 ◆昼食をとる時間もなく、12時40分から代議士会。
  その後、京都の養鶏場でにわとりが一万羽死んだという情報が入り、その件で情報収集につとめました。

 ・午後1時からは衆議院本会議。
  1時50分から、衆議院の青少年特別委員会と厚生労働委員会。私は両方の委員なので、両方を行ったり来たり。

 ・2時30分から25分間、
  青少年特別委員会で、小野清子青少年問題担当大臣に初質問。


小野清子青少年担当大臣 資料を提示しながら質問する山井

  しかし、小野大臣は児童虐待防止法の見直しを審議する委員会の担当大臣でありながら、岸和田事件についても十分ご存知ないようでトンチンカンな答弁。
  委員席からは、「もっと勉強しろ!」と批判が多く飛びました。

  私は基本的な虐待問題の質問をしたつもりですが、十分な答えが得られません。
  そんな中、「日本では一人の相談員がだいたい何人の虐待件数を担当しているのか?」という基本的な質問に、小野大臣が答弁できず、審議がストップ。

  小野大臣のみならず、児童虐待防止法の審議を担当する内閣府のいい加減さが浮き彫りになりました。

 ◆ここで、多少、委員会運営について書きます。
  この大切な児童虐待防止法の改正を、与党は、委員長提案という形で、ほとんど審議なく、法改正を通そうと考えています。
  しかし、私たち野党は、じっくり時間をとって、審議すべきだと主張しています。

  児童虐待をなくすために、どう児童虐待防止法を改正すればよいかということは、非常に大きな問題。
  にもかかわらず、「審議はせずに、さっと法改正をしたい」という与党の考え方はとんでもありません。
  今後は、児童虐待防止法の与党の改正案、私たち民主党の改正案をぶつけあって調整する作業に入ります。
  しかし、それを密室でやるのではなく、オープンな国会で十分議論すべきです。
  児童虐待問題の集中審議行うべきです。

  この改正でいかに虐待を減らすかが問題なのに、とにかく早く法改正を通せばよい、という思いが強い与党のやり方には、納得できません。
  これからは、「しっかり国会で審議しよう!」と、与党と議論せねばなりません。

 ・また、夕方は坂口厚生大臣、谷畑副大臣に、再び児童虐待問題を中心に30分間質問。
  児童養護施設の個室化、グループホームを増やすこと、施設の子どもの就労・進学支援、児童相談所の相談員の専門化と人員増などを訴えました。
  2期目の初質問にたいして、まあまあ前向きな答弁が多かったです。

 ◆今回の質問の続きは、青少年委員会や厚生労働委員会で続けていきます。

<参考>
審議ビデオ
・青少年問題に関する特別委員会(WindowsMediaPlayer)(RealPlayer)

・厚生労働委員会(WindowsMediaPlayer)(Real Player)

Posted at 2004年02月27日 固有リンク | TrackBack

青少年問題に関する特別委員会議事録(山井和則質問部分)

159-衆-青少年問題に関する特別委員会…-3号 平成16年02月27日

○武山委員長 次に、山井和則さん。

○山井委員 これから二十五分間、小野清子特命大臣に質問をさせていただきます。
 今、資料を配らせていただいております。五ページまでございます。
 まず、共生社会調査会の会長としてもこの児童虐待の問題に取り組んでこられた小野清子特命大臣のリーダーシップを、児童虐待防止法、三年後の見直しに向かって、ぜひとも発揮していただきたいと思っております。
 きょうの午前中、四人のすばらしい学識経験者の方々から、参考人の方々の御意見もお伺いしました。そのことも踏まえて質問をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、私のこの青少年特に入らせていただきました思いを少し話させていただきますと、そもそも私がこういう政治に関心を持ったきっかけが、学生時代、母子寮、今の母子生活支援施設でずっとボランティア活動をしておりました。そこで子供たちと遊ぶボランティアをしておったわけなんですけれども、最初、初めて母子寮に行って、私、びっくりしたのは、おまえ何しに来たんやといって怒られたり、つばをかけられたりしまして、子供というのはもっと温かく迎えてくれるものじゃないかなと思ったり、また、けんかっ早い子供が多いなと思ったりもしました。
 しかし、何年かそこでボランティアをしながら感じましたのは、お父さんがお母さんに暴力を振るって家庭が崩壊して、お母さんと子供が逃げてその母子寮に保護されている、そんな中で、お父さんがお母さんを殴るのを見て育った子供というのは、残念ながら、時には当たり前のように友達を殴ってしまう、そういうふうな連鎖の問題もあるわけなんですね。
 そういう意味で、本当にまたそういう家庭的に御苦労した子供たちの進学、就職というのは、非常に厳しい現実があります。そういう問題、やはりこれは、子供に罪はないんだから大人の責任だ、もっと言えば政治の責任じゃないか、そういう思いで、実は私、学生時代にこういう政治に関心を持って、きょう、こうやって青少年特に立たせていただいております。
 そこで、まず何よりも、この今回の岸和田の痛ましい事件、先日も私、現場に行かせていただきました。そんな中で、このマンションの一画にそのお子さんがずっと監禁されていた。(パネルを示す)それで、もう長らく食事もほとんど与えられていなかった。それでまた、地域では割とそのことが、かなりの方も薄々感じていた。しかし、病院に運び込まれるまでわからなかったという、やはりこの問題の再発は何としても防がねばならないということを強く強く思うわけであります。
 まず、この点について、児童虐待防止法、三年後の見直しを今これから議論するわけですけれども、法の不備なのか、あるいは、法律にはそれほど問題はなかったけれども運用に問題があったのかということを含めて、小野大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

○小野国務大臣 お話を伺っていて、改めてまた当時のニュースの思いをめぐらせているところでございます。
 児童虐待の事件につきましては、近年、児童相談所における相談件数は大変多くなっているという、そのこと自身がとにかく憂慮すべき状況にありますけれども、やはり、今先生おっしゃいましたように、核家族になり、あるいは地域社会が弱体化してしまって、大きな声を出してもお隣の方々がそれに何ら対応してもらえなかったというのもその一つかと思います。取り巻く環境というものが大変従前とは変わってしまったというこの現実もあろうかと思います。
 今回の岸和田の事件に関しましては、現時点では、私の知るところでは、児童相談所内の連携というものがどうであったのかという点です。これは、不登校の担当課と虐待の担当課と、二つの担当課があったわけですけれども、その辺の御連絡がとれていなかったようでございます。それから、二点目は、児童相談所と学校との連携がとれていなかったという点でございます。こういう検討すべき課題があったと認識をさせていただいているところですので、そういった意味では運用の面なのかな、そのような感じもなきにしもあらずでございます。
 児童の安全を確保するために、児童のいる場所への立ち入り、これは法的整備の必要性も指摘をされているところでございますし、いろいろ御検討もいただいているところであろうかと思いますけれども、今の法律であっても、実際には、もし児童相談所の方から警察の方が依頼を受けた場合には同行できるわけですので、その辺もやはり残念であったな、そんな認識を持たせていただいております。
 そういった点から考えますと、今回の事案については、大阪府に設置されました検討チームができたそうでございます。この検討チームの状況も踏まえまして、関係省庁と連携をとりながらその背景を十分に検証いたしまして、改善すべきところはきちんと改善を図り、痛ましいこのような事故が二度と起きないようにしていかなければ、そんな気持ちを持たせていただいております。

○山井委員 法の問題というより運用の問題が大きいのではないかというこの岸和田事件についての総括であったわけなんですけれども、やはり、このケースに限らず、こういう児童虐待のおそれがあるときに、なかなか児相の方々が情報収集できない、あるいは本人に会えないという現実があると思うんですね。
 そういう意味では、これは再発を防止していこうということにするには、もうちょっとやはり児相が動きやすくするというような改革が私は必要なんではないかと思います。そういう意味では、今の法だけでは私は弱い面があると思うのですが、そのあたりをもうちょっと、虐待のおそれがあるケース、児相がもっと機敏に動けるようにしていく、そのために、小野大臣としてはどういうふうなことをしていく必要があるとお考えでしょうか。もしかしたら質問通告にきっちり入っていなかったかもしれませんが、お感じになられるところで結構ですので、よろしくお願いします。

○小野国務大臣 この件に関しましては、担任の者が大変心配をされて、自宅の方に行ったりということはあったようでございますけれども、兄弟の方は学校にいらしていた、そういう観点から、深刻さが少々間違った感じの中でとらえられていたのかな、そういう点が一点ございます。
 それから、児童相談所には行きましたけれども動いてもらえなかったという、この点が何とも……(発言する者あり)それは違いますか、失礼いたしました。私が間違っておりましたら訂正いたしますけれども。児童相談所内の不登校担当課と虐待担当課との意思の疎通が欠けていたということは、これは事実のようでございますから、その担当課のどちらかが欠けていたということは、私は、児童相談所に出かけているという認識で今申し上げたわけでございます。
 ですから、そういった意味での連携の不十分さと、そして、家族である弟さんになる方は学校に出ていたということで、そこまで深刻に学校の方も関知できなかった、こういうことでございますけれども、私は、周囲の者と話をしたときに、なぜここまでほっておいたのかと。ですから、学校を休んで長期化した場合に、担任が自分で行き切らない場合には、校長との相談をする、主任との相談をするという、もう一つ上の者との相談をきちんとして、動きを一つ一つステップを踏むようにやっていったら違っていったのではないかな、そういうような気持ちを私自身は持っております。
 何かしら、自分は動いたけれども周囲が動けなかったということで終わってしまったところがどうなのかなという心配もありますけれども、私自身は現場には行っておりませんから恐縮でございますけれども、私の印象としては、いただいている資料では、意思の疎通を欠いているというところがあったということは事実でございますので、余り予見で物を言うとかえって失礼かと思いますので、その辺でお話はやめますけれども。
 とにかく、こういう事件が起こってしまったということに対しての私自身の気持ちといたしましてはざんきにたえないわけでございますから、どこをどうすればよかったのかということは、今回の点を十分に調査していただきまして、そうした結果をもとにしながら、絶対このようなことが今後起きないようにするためにどうすればいいかということを結論を出していかなければならない、そういうことを考えております。

○山井委員 正直言って、ちょっと現状認識が私と違うわけでありますが、そういう連携が悪かっただけで済ませているとこの問題の再発防止はできないと私は思うんですね。
 あと、ちょっと質問中で恐縮ですが、副大臣ですが、ちゃんと私の話を聞いてくださいね。先ほどからずっと目をつぶっておられますが、よろしくお願いいたします。
 それで、この三年後の見直しに向かってどれを変えていくのかということは、やはりこれは担当大臣のリーダーシップにかかっていると思います。やはり、今回の岸和田の事件を、絶対似たようなケースを起こさせてはならない、もうそれは私たち国会議員、この青少年特の委員の最大の使命でありますので、こういう事件を踏まえて、小野大臣としたら、どこをどう変えていったらこの岸和田事件のような問題の再発が防げるのか、大臣の御所見をお聞かせください。

○小野国務大臣 平成十二年の十一月の児童虐待防止法の施行を初めといたしまして、さまざまな取り組みがなされてきたにもかかわらず、今回のような岸和田における事案を含め、児童虐待の状況は極めて憂慮すべき現状であるということ、これをまず一つ置かせていただきます。
 私たちは、いま一度、児童虐待が児童に対する重大な人権侵害であるということと同時に、次代を担う日本の大事な青少年たちの育成という観点からも考えますと重大な課題であると同時に、その認識に立った上で、社会全体が児童虐待を見逃すことがないように、早期発見と児童の保護等が適切に行われるようにすることが重要である、そのように感じております。
 結局、早く見出し、保護をすることによって児童は救われたわけですけれども、その辺がきちんとできるように我々は心していかなければならない、そう思っております。

○山井委員 何か、ちょっと総論で本当によくわからないんですが。
 例えば、これを改正していっても、この資料にもありますように、二人の虐待担当の方が二百数十件もこの岸和田では担当をされているわけなんですね。もっと早くから介入といっても、なかなか人手が足りないというところもありますし、先ほど、児相の中の連携が不十分だったという話がありましたが、私も現場に行って聞きましたが、本当に少ない人員でやっていて、なかなかこれ以上小まめにといっても限界があるということをそこの方はおっしゃっておられました。そういう意味では、この朝日新聞にも出ておりますように、もっと数、質ともふやしていかねばならないというふうに思います。
 小野大臣、午前中の参考人の方もおっしゃっていたんですが、この事件を契機に、岸和田では虐待のおそれがあるという通告の件数が既に三、四倍になっているというんですよね。そうしたら、どんどんどんどん通告が来たら、ただでさえ相談員さんは今でも対応できないのにもっともっと対応できなくなってくるわけですけれども、このあたりの人をふやす、あるいは専門職をふやすということに関してはいかが思われますか。

○小野国務大臣 児童相談所には、児童福祉司、それから精神科医、それから心理判定員等さまざまな専門職の方々が置かれておりまして、困難な問題に対して努力をしていただいていると理解をしております。
 児童虐待の問題に適切に対応していく上で児童相談所の専門的な職員の果たす役割は極めて重要でありまして、この観点から、児童相談所の児童福祉司の皆さんについては毎年増員を図っているところでございます。その数が足らないということであれば、それは今後のまた見直しになろうかと思いますけれども、私も一応数をいただいておりますが。
 そして、先般、国会において出されました児童福祉改正法案におきましては、児童虐待防止対策を充実強化する観点から、児童相談所に関しまして市町村が担います役割、これを法律上明確化すると同時に、児童相談所の役割を要保護性の高い困難な事例への対応や市町村に対する後方支援というところに重点化するということが盛り込まれたところでございまして、このような取り組み、よい取り組みによりまして相談体制を、虐待防止に万全を期していくことが重要であると考えております。
 ですから、市区町村、市町村と、それから県の、児童相談所というのは県の施設でございますから、市町村と県の立場というものを明確にして対応する、事案に応じてきちんと対応していくということで考えております。

○山井委員 今の数では本当に全く足りないわけなんですね。
 小野大臣にお願いしたいのは、小野大臣がこの児童虐待防止法三年後の見直しの責任者であるわけですから、その責任者がもっと、こんなことではだめだ、対応できないということで、私たち以上にしっかりとリードしてもらわなかったら、何か頑張ってはいきますけれどもみたいな、そんなことではどんどんどんどんふえていって仕方ないですよ。それに、これから半年、一年議論する見直しではなくて、もうあとしばらくしたらこの三年後の見直しもこの委員会で決めないとだめなんじゃないかというときに、そういう現状認識では私は余りにも甘過ぎるのではないかと思います。
 二番目の資料を見ていただきたいんですが、これはきのう担当課からもらったんですが、児童虐待に対する相談体制の国際比較なんですね。それで、担当件数、それぞれ外国は一人のソーシャルワーカーが何人かということなんですけれども、これは日本だけ抜けているんです。これはもちろん、厚生省の担当課からもらったんですけれども。
 小野大臣、これは日本では大体、虐待、一人のソーシャルケースワーカーが何人ぐらい担当しているんですか。今ちょっとずつふやしているというお話でしたが。

○小野国務大臣 済みません。今資料を持ち合わせておりませんので、調べさせます。

○山井委員 これは、一人の相談員が何人担当しているかというのは、ある意味で最もベーシックな話ですよ。答えてください。

○小野国務大臣 これは厚生省の話でございます。厚生省の担当内容でございますので、御了解ください。(発言する者あり)

○山井委員 納得できません。それはだめですよ。ちょっと、ちゃんと答えてください。虐待防止法の議論をしているのに、一人担当何人かもわからないようじゃだめですよ、そんなの。

○小野国務大臣 一人の福祉司の担当が七万三千二百三十七人となっております。

○山井委員 いやいや、これを見てくださいよ。
 いや、私が聞いているのは、この図にあります、何ケースぐらいかということで、カナダ五ケースなのに日本は七万三千ケースだったら、大変なことになってしまうじゃないですか。

○武山委員長 小野国務大臣、よく整理してお答えいただきたいと思います。――答えられますか。

○山井委員 いや、でも、僕、政府参考人に指定していないですから、メモを渡すなり何かしてもらったら。――では、ちょっとこれは速記をとめてくださいよ。

○武山委員長 これ、通告してあるわけですよね、きちっと。

○山井委員 いや、そういう次元の問題じゃないでしょう、これ。ちょっと私の時間も限られているわけですから。ちょっと速記だけとめてくださいよ。私もあと五分しかないですから。(発言する者あり)

○武山委員長 はい、それでは調整がつくまで、一たんここで速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○武山委員長 速記を起こしてください。
 小野国務大臣。

○小野国務大臣 平成十五年の児童虐待の件数が二万四千件でございまして、児童福祉司の数が千七百三十三人でございますので、割り算をしていただきますと、一人の担当が十四人ということになります。

○山井委員 ちょっとこれは、虐待に関することですから、そんなのと違うと思いますよ。先ほど言ったように、岸和田では二人の担当者が二百四十件ぐらい虐待の担当をしていたわけですからね。ちょっと、そんないいかげんなことを答弁しないでくださいよ。(発言する者あり)

○武山委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○武山委員長 それでは、速記を起こしてください。
 小野国務大臣。

○小野国務大臣 先ほど申し上げました、平成十五年の福祉司の方が千七百三十三名であるということ、そして、この方々は虐待児だけを取り扱っているのではないということでございます。

○山井委員 ですから、虐待担当の方の一人の担当は何ケースぐらいですかということを聞いているわけですよ。

○小野国務大臣 それは数字をとっておりませんということでございます。

○山井委員 やはりこれは、児童虐待防止法の三年後の見直しをやって、きょう、午前中も参考人質疑で、ケースワーカーさんがもう対応ができないという真剣な議論をしていて、肝心かなめのこの委員会の中で、大臣も、そういう一人のケースワーカーが何人の虐待の子供を担当しているか統計もないと。そんなことで議論できないじゃないですか。(発言する者あり)だからって、それじゃ議論できないわけでしょう。
 それで、これは担当課からもらって、例えば海外では何ケースぐらい担当しているんですかということを、だから私も事前に聞いたわけですよ。そうしたら、この資料にありますように日本だけ空白なんですよ、そのケースの数が。こんなことってありますか。外国のことはわからないけれども日本はわかるんだったらいいけれども、日本がわからないというのは、こういうデータすらないというのは、私は審議の前提が成り立っていないと思うんですよ。
 そこで、ちょっとお願いしたいんですが、せめてこういうデータを、海外と日本ときっちり早急に提出してください、調査して。調査していないじゃ済まないですよ、これ。答弁してください。

○小野国務大臣 厚生労働省とよく相談をさせていただきたいと思います。

○山井委員 そんな答弁じゃだめでしょう。自分が責任者でしょう。厚生労働省に言って責任持ってやるという答弁をしてくださいよ。そんなデータすら出せるか出せないかわからないんだったら、審議できませんよ。
 ちょっと、大臣、ちゃんとそれは責任持って答弁してください。副大臣は指名していない。大臣、それぐらい約束してくださいよ。すぐ調べられますよ、そんなことは。

○小野国務大臣 先ほどお話し申し上げましたように、厚生労働省の方はその数値をとっておらないということでございますので、私も答えようがないわけでございます。

○山井委員 そういうことも、データもとっていないのに、一歩一歩ふやしていったら大丈夫だみたいな答弁をさっきされたわけですよね。
 もう一回ちょっと聞きたいんですが、この児童虐待防止法三年後の見直しの責任者は大臣なわけですね。それで、午前中、参考人の中から出た総意の意見は、やはりこういう大きな問題だから、じっくり審議に時間をとって議論してほしいという声が出ておりました。
 その二点について、この見直しの責任者の大臣、最終責任者は小野大臣であるんですねという確認と、それともう一つは、この審議をしっかりやってほしいということ、二点、お答えください。

○小野国務大臣 所轄は小野大臣なのかという、こういう御質問でよろしゅうございますね。
 国の行政事務というのは、各大臣が主任の大臣としてそれぞれの事務を分担管理することになっているわけでございますが、児童虐待の防止に関することは厚生労働省の所轄事務でございます。

○山井委員 そうしたら、厚生労働委員会で審議したらいいじゃないですか。そんな無責任なことでどうするんですか。これは、責任者は小野大臣じゃないんですか、見直しは。

○小野国務大臣 どこでやるのかということは国会の方で決定することだと思います。

○山井委員 あともう一つ、審議の時間をとってくれということの質問。(発言する者あり)

○武山委員長 では、二番目の質問の方は理事会で諮るということで、山井議員の質問はこれにて終了いたします。

○山井委員 やはり、担当大臣として、しっかりリーダーシップをとっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

Posted at 2004年02月27日 固有リンク | TrackBack

厚生労働委員会議事録(大臣所信に対する一般質疑 山井和則質問部分)

159-衆-厚生労働委員会-2号 平成16年02月27日

○衛藤委員長 山井和則君。

○山井委員 これから三十分間、坂口大臣、そして谷畑副大臣に、児童虐待の問題を中心に質問をさせていただきたいと思っております。
 今の障害者福祉のお話とも似ているんですが、来年度は児童虐待関連の予算が三・五倍ということで、本当に厚生労働省さんもすごい御努力をされたというふうには思っております。しかし、残念ながら、もともとが余りにも少な過ぎたということでありまして、この児童虐待に対する取り組み、この三・五倍でまだまだ十分とは全く言えません。
 具体的に言いますと、今回の岸和田で起こった虐待の事件、十五歳のお子さんはまだ意識不明でありますけれども、本当にこれは氷山の一角であって、ある調査によりますと、年間百八十人ぐらいが虐待で死んでいるのではないかという調査もあります。警察の発表は四十二人ですけれども、研究者の調査によると、実際はその四倍ぐらいが虐待死ではないかと。そういう意味では、まず最初に、この岸和田の事件からお伺いをしたいと思っております。

 私も、今までからこの委員会で言いましたように、政治に志した一つの原点が、学生時代、母子寮、母子生活支援施設でボランティアをずっとしておりまして、そこで、親から虐待を受けた子供たち、家庭が崩壊したそういう子供たちの遊び相手をする中で、この子供たちが自立していけるように、もっと社会が、政治が目を向けないとだめだということを本当に痛感したわけであります。
 そういう意味では、今回の虐待の事件、私も現場に行かせていただきまして、その前日には谷畑副大臣が岸和田子ども家庭センターに行かれて、現場にいち早く行かれたということで、まず、谷畑副大臣にお伺いしたいと思います。
 この事件に関して、今の児童虐待防止法の不備なのか、あるいは、法律そのものではなくて、運用というか現場の問題なのか、そのことも含めて、この岸和田の事件に対して御見解をお伺いしたいと思います。

○谷畑副大臣 今、山井先生がおっしゃいましたように、私も、二月の五日、岸和田に行ってまいりました。率直に申し上げまして、実の父親と同じマンションで暮らしながら、しかも実の子供を衰弱死寸前まで虐待ができるものだろうか、人間としてそこまでできるのかという、非常につらい、私自身も、このことが頭から離れないというのか、そういう気持ちでございました。
 それと同時に、もう一つは、子供は親を選ぶことができない、しかも、その子供にとっては、親を頼らないと生きていけない、ここが私、この事件のたまらないところであったのではないかと。私自身も大阪でありますから、ぜひひとつ現場を見、そしてまた、その子供をできましたならばお見舞いもしたい、もう私そういうつもりで行きました。残念ですけれども、お見舞いをすることはできませんでしたが、病院の事務局長にお会いをさせていただきました。願わくはぜひ回復をしていただきたい、私はこういうように実は思っているわけでございます。
 その中で、その周辺の、近所の人々も、薄々虐待ということはわかっておる、学校においてもわかっておる。そして一番、児童相談所というのは法律に基づいて立入調査ができる機関である、そこがその子供を救出できなかったという、これもまたつらいことだと。私は、そこをしっかりと分析をしながら、どうしたら今後こういうことがないようにできるのか。今、年間四十二名の児童が虐待によって死んでいるという、また、先生のお話ではもっと多いんじゃないかと、こういうことでありますから、私どもはもっとしっかりとひとつやっていかなきゃならない、こういうように実は思っているわけでございます。
 その中で、厚生労働省におきましては、この事件を踏まえて直ちに、組織的かつ迅速な対応をすぐやる、また、子供の安全確保の優先という基本に立っていこうということで、各都道府県に通達を出させていただいた。そしてまた、児童相談所内の連携体制の再確認、学校等の地域の関係者との協力、連携の確保、そして遺漏なきを期すようということで、通知をさせていただいたところでございます。
 そしてまた、先日、国会に提出いたしました児童福祉法の改正法案によって、やはり地域の関係者のネットワークをさらに強くする、市町村を含めて、学校あるいは保育所、PTA等を含めて、関係の機関がしっかりと協議会をつくったりして連携を密にしていく、そういうことを可能にしていくということでございます。
 また、保護者指導に関する司法の関与の強化ということが非常に大事だというように思っています。今後とも、しっかりと取り組んでいきたいと思います。
 最後に、どう言ったらいいんでしょうか、例えばこのことでも、弟さんの不登校について児童相談所が、四十回か、回数は正確にわかりませんけれども、接触はあったわけでありまして、その中で兄貴の状況も少しわかりながら対応できなかったという、ここは私非常に残念でありまして、そこには、意識の改革というのか、一人ではできないことがありますから、全体の、児童相談所を含めての高いレベルを持った人たちと交流をしながら、組織的に対応できるということが非常に今後大事じゃないか、こういうように実は私は思っているわけでございます。
 今後とも、厚生労働省としましても、一人の犠牲者も出さない、こういう決意でさらに取り組んでまいらなきゃならないということを、私自身もそういう決意をいたしております。

○山井委員 本当に、余りにも悲惨なことで、どうしてこの子供を救うことができなかったのか。私も現場に行かせてもらいましたが、この部屋に数カ月、食べ物はほとんど与えられなくて、何か報道によると、もう親も、餓死するのを待っていたとか。それでありながら、救うことができなかったという、本当に余りにもひどい状況だったわけです。
 そのことに関して、きのうの新聞で、児童福祉司の量、質ともに充実をと。いろいろ連携がうまくいっていなかったとか、いろんな議論があるけれども、そもそもこの岸和田の子ども家庭センターでは、二人の虐待担当が年間二百四十件ぐらい担当していた。一人当たり百二十件。それで、これからいろいろ児童福祉法の改正や児童虐待防止法の改正で、もっと児相頑張れというふうに責任を重くされたって、もうこれ以上は無理だと言う声も出てきているわけであります。
 そのことに関して坂口大臣にお伺いしたいと思います。
 この資料とその次の二ページ目の資料をちょっと、坂口大臣、見ていただきたいんですが、私驚きましたのは、日本では児童福祉司さん、ケースワーカー、虐待担当のケースワーカーさんが何人ぐらいケースを担当しているのかという資料を、海外と比べた資料を下さいときのう言ったらこのファクスが送られてきたんですが、坂口大臣、これを見てもらって不思議だなと思われるのは、左が日本の東京なんですよね。あとはほかの海外なんですけれども、国際比較の資料を下さいと言ったら、日本のところだけ、担当ケース数、一人のケースワーカーさんの虐待の担当ケース数の部分は空白になっているわけですよね、坂口大臣。
 それで、私、これはおかしいなと思って、外国が空白で日本はわかっているというんだったら普通ですよね、それは。ところが、外国は一応データを書いていて日本はわかっていないというので、厚生労働省さんに、このデータ、きょう質問したいので下さいと言ったら、このデータがまだよくわからない、こういうことなんですよね。
 やはりこういう基礎的なデータというのはきっちり踏まえておかないと、ケースワーカーの数が少ないのか多いのかという議論も成り立たないと思うんですが、坂口大臣、ちょっと、こういうことに関していかが思われますでしょうか。

○坂口国務大臣 地域によりまして、虐待が起こる数というのも、これは違うんでしょうし、さまざまだというふうに思いますが、この福祉司の数、質、そうしたものをやはり充実しなきゃならぬというのはそのとおりなんだろうと思うんですね。とりわけ、非常に残念ながら、虐待等がたくさん起こるような地域、そうしたところに対しては、やはりそれ相応の人的配置をしなきゃいけないだろう。全国一律ではいけないんだと思うんですね。そうしたこともやっていかなければいけませんし、そして、一人の人がどれだけをやっているのかということも、これはちゃんとやはり責任を持ってやっていかないといけませんね。ちゃんとやるようにいたします。
 児童福祉司だけにお願いをしていいのかという問題もあるわけでありまして、先ほど谷畑副大臣からもありましたとおり、もう少し各職種の人たちが連携を密にしていかないといけない、すべてを児童福祉司にお願いしていたのではいけないというふうに思う次第であります。ですから、その辺のところをやっていかなきゃなりませんし、それから、既にもう大体、虐待数が多い地域少ない地域、それらはかなり浮かび上がってきているわけでありますから、そうしたことも十分勘案をしながら人の配置というものをしていかなければならない、その辺も考えていきたいというふうに思います。

○山井委員 改めてお伺いしたいんですが、やはりこれからこの児童福祉法の改正、あるいは児童虐待防止法の三年後の見直しで、こういう基礎的なデータというのは非常に重要になると思いますので、今もこれから調査をきっちりしてデータを出しますという趣旨の御発言でしたが、早急にこういうデータをつくって出してもらうというお約束のことが一点と、もう一つは、やはりこの児童福祉司の専門性を高めて数をふやしていくということをセットでやらないと、私はこの岸和田の事件の再発は防止できないと思うんですよ。私も現場に行きましたが、現場としては百件ぐらい抱えて、もうこれ以上は本当に限界だというような、悲鳴に似たものを聞いたんですが、そのことも含めて、坂口大臣、改めて、この岸和田事件の再発防止と、今の資料をきっちりつくるということに関して答弁をお願いします。

○坂口国務大臣 数の問題につきましては、先ほど申し上げたとおりでありますけれども、質がどれだけの高さかというのは、それは今日までのそれぞれの人が積み重ねてまいりました経験にもよりますし、その人の素質にもよるわけであります。とりわけ、この数年でございましょうか、それぞれの児童相談所も倍々ゲームで虐待のお子さんの人数を多く扱ってきているというような状況もございますので、そうしたことも考えていかなければなりませんし、これからの虐待に対する対応の仕方というのは、やはりかなり高度な能力というものが要求されると思うんですね。
 虐待をしている家庭というのは、私のところは虐待していますとは言わないわけで、そこをどう判断するかという、非常に専門性と申しますか難しい判断が求められるわけでありまして、それは児童福祉司の人だけでできないこともございましょう。他の職種の人と連携をとってやらなきゃならないこともございましょうし、しかし、その連携をとらなきゃならないというふうに判断を下すのも、それはその人でございますから、そうしたことも含めて、これから本格的に考えていかなきゃいけないというふうに思います。

○山井委員 まさにそのことをこの赤井子ども家庭センター長も、大体虐待に対応できるようになるには最低七、八年かかる、特に深刻な性的虐待とかだったら、親と子供の両方の指導には、二十年ぐらいやはりかかるということをおっしゃっていますので、法改正も重要ですけれども、やはり児童福祉司の質と量を充実するということをぜひともやっていただきたいと思います。
 それに関連して、次は、きょう、朝、青少年特の参考人質疑の中で多くの方がおっしゃっていられたのは、虐待のケースで子供を保護するのは確かに大事だ、でも問題は、日本では保護した後の施設が余りにも貧し過ぎるということが指摘をされました。昨年の私の質問でも、多くのお子さん、かわいそうですけれども、保護されたら高三ぐらいまでもう十年、十五年ぐらい入っていられるわけなんですよね。その中で、人員が少ないとか、部屋が何人か部屋だということがあるんですけれども。
 ちょっと大臣に聞きづらいことなんですが、大臣、この児童養護施設、虐待された子供たちが入る児童養護施設に行かれたことがあるかと、多分行かれたことがあると思うんですが。それと、行かれたことがあったらその御感想、もし行かれていなかったら行くというお約束をいただければと思いますが。

○坂口国務大臣 ございます。埼玉県の方におじゃまをいたしまして、もう東京に近いところでございますけれども、おじゃまさせていただきました。
 幾つかの写真も拝見させていただきましたし、それから、入所している皆さん方のところも拝見をいたしました。かなり明るくグラウンドでスポーツをしておみえになりましたから、少し安堵したわけですけれども。しかし、今おっしゃいますように、そこも満杯になっている、数がこれ以上はもうはめられないということを言っておみえになりまして、そして、この施設を男性、女性をちゃんと別々にするということは、これ以上もう不可能になってきているというお訴えも聞いたところでございます。
 現場が非常に、今までと違って多くの皆さんが訴えておみえになる、倍々ゲームになってきている、それに対してどう対応するかというので、現場は大変御苦労をしていただいているということを十分に存じておりまして、ぜひそうしたことに対する対応もしなければならない。
 今までは、余り福祉の面の中でも重視されてこなかった側面だというふうに思います。しかし、今後これは重視していかなきゃいけないというので、まだ少ないというふうに御指摘いただきましたけれども、三倍に上る予算をことしは確保したということでございまして、今後もこの分野に対して充実をしていかなきゃいけないというふうに思っている次第でございます。

○山井委員 本当に、まさにその現場で坂口大臣がお感じになったとおりでありまして、本来心傷ついた子供たちが安らぎを感じないとだめなところで、逆に、なかなか安らぎを感じられない状況というのがあるわけです。現場の方々は精いっぱい頑張っておられます。そして、その人員配置をもっとふやさねばならないという、六対一というのが二十数年変わっていない、これはもちろん大前提としてあります。
 それとともに、私がきょう取り上げたいのが小規模グループホームのことなんですね。
 一つは、中学、高校生になっても部屋が二人部屋、三人部屋なんですね。そのお子さんの生の声を聞くと、大学進学のことや将来のことや親のことを考えるために一人になりたいことがあるというわけですよ。ところが、一人になる空間がない。もちろん普通のお子さんとはまた話が違うんですよね。本当にそういう、悩んで心傷ついているお子さんたちが、一人になれる空間がない。
 また、ある女の子に聞いたら、同室の女の子と仲が悪いから、もう一人の子供が部屋に入ってきたら私外に出るんだ、口もきかないんだと言っているわけなんですよね。繰り返しになりますが、施設に入っている子供の半分以上が虐待経験で、本当は一番心安らがないとだめな子供たちがそういう状況に置かれているということ。
 それと、時間に限りがありますので続けて質問しますと、やはり大規模な施設よりもこういうグループホームの方がはるかにいいということは現場の方がおっしゃっておられるわけです。私も、この一週間で四カ所グループホームも行ってまいりました。グループホームになると、多くの場合、個室とかもできるわけですね。やはり中学、高校生、いろいろなことを考えたりする、プライバシーの問題もあるからこういう個室も必要だと思っておりますし、やはりグループホームになると、雰囲気も普通の家ですから、家庭的な環境なんです。
 私、一番ショックを受けた話は、ある大規模施設で十五年暮らした女の子が結婚した、ところが、残念ながらまた家庭崩壊しちゃったと。その理由は、物心ついたころからずっと大規模な施設にいて、家庭というものがどんなものかわからなかった、だから結婚生活がうまくいかなかったというわけですね。
 では、欧米でも、大規模な施設にそういう子供たちが住んでいるかというと、前回の私の質問に対して岩田局長さんが答弁されたように、実は欧米では虐待された子供たちが大規模に長期間入っているというケースはほとんどないんです。
 きょうも資料にも入れましたが、今の日本では、九二%が施設、里親が七%、グループホームに入っているのはたった一%にすぎないんですね。また、もう一つの次のページの資料を見れば、イギリスと日本を比べてみたら、イギリスでは、九割が里親やグループホームに住んでいるわけです。こういう家庭に住んでいるわけです。ところが日本は、九割が大規模施設、一割が里親やグループホームなんですね。確かに来年度には百カ所になりますけれども、正直言って、私は、千カ所ぐらいにならないとだめだと思うんです。
 そのことについて、坂口大臣、やはりこれは急速にやっていかないと、保護した子供たちがきっちりと自立していけるようにしないとだめなんです。この個室の問題、グループホームの問題、大臣、ぜひとも推進していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○坂口国務大臣 部屋の問題は御指摘のとおりでありまして、やはり年齢に応じた部屋を与えなきゃいけない。小さなときには、一人で置いておくということはかえって悪いかもしれませんけれども、大きくなってくれば、やはり一人の人格形成がされてくるわけでありますから、ふさわしいお部屋を用意しなきゃいけないというふうに思います。それは努力をしたいというふうに思います。
 それから、もう一つのグループホームの方は、お年寄りのグループホームについて、山井議員、いつも御指摘をいただいているところでございますが、ここのお子さん方につきましても、グループホームというのは大きな役割を果たすんだと思うんですね。余り大きな施設でたくさんいるということは、かえって家庭的な雰囲気を失うということがございますから、グループホームというのは非常に大きな役割を果たすんだと思う、大事だというふうに思っております。
 里親制度も、本当はもう少しこれを推進できるようにしなきゃいけないんですけれども、日本におきまして里親制度というのがありますけれども、なかなか数がふえていかないということがあって、ここをどうするかという問題があるというふうに思います。しかし、これは皆さん方にお願いをして、少しでも里親制度というのを充実させていかなければいけないんだろうというふうに思っております。
 もう少しその辺のところを、分析もしっかりして、なぜ日本で里親制度がもう少し拡大できないのかといったようなことも十分に議論しながら進めていきたいというふうに思っております。

○山井委員 次に、谷畑副大臣にまたお伺いしたいと思います。実は、進学、就労支援のことなんです。時間に限りがありますので、簡単にお答えいただければと思うんですが。
 要は、私も施設を訪問してお子さんたちの悩みを聞くと、まず一つは、就職したいと思っても住む家がない。寮がついているところしか就職できない。そうしたら、もう職業選択の自由というのが大幅に狭められる。それと、進学したいと思っても、また住む家もないし、お金もかかる。十八歳になったら施設を出ないとだめなわけですよね。
 そういう意味では、大学進学の準備をしながらアルバイトをして、五十万ぐらいためないと大学へ行けないとか、もしひとり暮らししながら仕事をするなら、やはり五十万ぐらいアルバイトでためないとだめだとか、そういうことになっているんですね。そのプレッシャーに打ちかてないで挫折する子供もいるわけです。
 ある施設の先生は、家なし親なし学歴なしと施設の子供は言われる、でも、これをもうちょっと温かく支援してくれないか、そうしないと、幾ら十八歳まで面倒見ても、社会にうまく自立していけなかったら意味がないんだということをおっしゃっておられました。
 谷畑副大臣、このあたりの進学、就労支援について一言、お願いいたします。

○谷畑副大臣 子供はやはり社会の宝でもありますし、また、先ほど言いましたように、子供は親を選択できない、しかし、親にすがりたい、そういう愛情が欲しい、そういうにもかかわらず、最終的に、児童虐待という形の中で、親と、あるいは家族と切り離されてしまう。そして、言葉は悪いですけれども、また逆に言えば、生涯孤独というのか、一人で生きていかなきゃならないという、こういう状況の中で、私どもそういう施設があるわけですから、今先生がおっしゃいますように、ぜひその点については、就労の支援、進学の支援についても私も少し勉強させていただいて、さらにいい政策についてしっかりと前向きに取り組んでまいりたい、このように思っております。

○山井委員 坂口大臣からもぜひともこのことについて一言お考えを。

○坂口国務大臣 これは副大臣のおっしゃったとおりでございまして、私も同感でございます。

○山井委員 この児童虐待防止のことは、本当にこれは子供に罪は全くないわけです。それで、こういう岸和田の事件も起こったわけですから、そしてまた、ことし、児童福祉法の改正、児童虐待防止法三年後の見直しもあるわけですから、これをやっても、来年以降もどんどん虐待死がふえ続けたということになったら、国会議員は何をやっているんだということに本当になるわけです。ぜひとも、これからこの真摯な議論をやっていきたいと思います。
 時間に限りがありますので、最後に一つ、坂口大臣に、ソロクト問題、このことを質問させてもらいたいと思います。
 お聞き及びかと思いますが、先日も、韓国のハンセン病の元患者の方々が日本にお見えになりました。それで、二年前にハンセン病の補償の議員立法の法律ができたわけですけれども、実際、日韓併合のときに日本が韓国につくったソロクトの療養所の人たち八十五人が、自分たちにも補償してほしいということで、補償請求が出ているわけです。これは坂口大臣も御存じのことだと思います。
 このことに関して、坂口大臣は、国内を想定しているんであって、外国の人まではこの法律というのは想定していなかったんではないかというようなことを記者会見ではおっしゃっていたわけなんです。ただ、これは議員立法の法律で、調べたら、当時の委員長提案で、鈴木俊一衆議院議員のときの委員長提案なわけで、これは正直言って議員立法なわけですから、どういう立法府の意思だったのかということは確認しないと、はっきり言いまして、厚生労働省だけで判断できる問題ではないと思うんですね。そういう意味では、その当時の関係者も含め、議員が審議をして、そのことを通した上で、ぜひとも前向きな結論を出してほしいと思います。
 坂口大臣の答弁をお願いいたします。

○坂口国務大臣 これはまさしく議員立法でおつくりをいただいたものでございます。
 その当時の皆さん方の御意思というものがどういうものであったかということを私たちも今聞いているところでございますが、当時の皆さん方がひとつお集まりをいただいて、どういう趣旨でこれをつくったか、その中に海外の問題も含まれていたかどうかといったようなことを御論議をいただくことは大事なことだというふうに思っております。その皆さん方の御趣旨、そのときの立法の意思というのがどの辺にあったかということもお聞きをさせていただいて、最終結論を出したいと思っております。

○山井委員 この補償法で、国内では、昭和三十何年以前の入所者の方も補償の対象になっているわけですから、やはりこれは日本に責任がある問題ですので、ぜひとも坂口大臣の政治的な決断を、議員で議論した上で、補償をするという方向で決断をいただきたいと思います。
 時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。

Posted at 2004年02月27日 固有リンク | TrackBack

2004年2月

2004年2月

介護保険WT・障害者政策WT合同会議

介護保険WTと障害者政策WT合同で、身体・障害者福祉制度・施策の沿革・流れと、身体・知的精神障害者の現況についてヒアリングを行いました。

介護保険WT厚生労働省資料
・身体・障害者福祉制度・施策の沿革・流れ(pdf 713KB)
・身体・知的精神障害者の現況(pdf 385KB)

Posted at 2004年02月24日 固有リンク | TrackBack

2004年2月

2004年2月

スウェーデンに学ぶ 安心して年をとれる地域づくり

山井がスウェーデンに留学した際の恩師が来日し、スウェーデンの福祉の最新情報を語ります(通訳つき、スライドあり)。入場無料、予約不要です。
日時:2月21日(土) 午後2時~4時
場所:パルティール京都>>地図

所在地 : 京都府宇治市宇治樋ノ尻88
交通 : 近鉄京都線小倉駅より徒歩15分、JR奈良線宇治駅より徒歩10分、京滋バイパス宇治西ICより車で10分
電話番号 : 0774-25-7777 
FAX : 0774-25-7000
問合せ : 10:00~19:00
駐車場 : 240台(無料)

[講師]
オリアン・モスベリーさん
スウェーデン・ヴェクショー市市会議員、前厚生委員会委員長

ブリット・モスベリーさん
スウェーデン・シグフリッド国民高等学校教員

Posted at 2004年02月21日 固有リンク | TrackBack

2004年2月

2004年2月

介護保険WT・障害者政策WT合同会議

介護保険WTと障害者政策WT合同で、介護保険導入時の議論について、厚生労働省の当時の担当者からヒアリングを行いました。
被保険者の年齢が、なぜ40歳以上ということになったのか、当時の議論を踏まえないと、見直しの中で同じ議論になってしまう可能性があります。

介護保険WT厚生労働省資料(pdf 365KB)
介護保険WT厚生労働省資料(参考資料編)(pdf 797KB)

Posted at 2004年02月17日 固有リンク | TrackBack

2004年2月

2004年2月

厚生労働省のパブリックコメント募集

厚生労働省が、e-gov で下記のパブリックコメントを募集しています。
・措置費の弾力運用の見直しに関するご意見募集について
・介護輸送に係る法的取扱い対する意見の募集について

ただ、掲載されているのが一太郎形式のファイルのため、一太郎をお持ちでない場合は、一太郎ビューアー(無料)等を手にいれないと、見ることができません。

Posted at 2004年02月13日 固有リンク | TrackBack

2004年2月

2004年2月

岸和田児童虐待事件現地調査(メールマガジン506号より抜粋)

■2月6日(金)
 岸和田の児童虐待事件の視察。
 朝5時すぎに起きて、早朝の飛行機で羽田から関西空港へ。
 実は、衆議院青少年特別委員会の正規の視察は、12時から3時までなのですが、その前に民主党の6人の議員は、現地である岸和田に視察に行きました。

少し事情を説明します。
 岸和田の児童虐待事件の現地調査なのに、与党が提案してきた案は、新幹線の新大阪駅近所のホテルで、3時間だけ、大阪府や教育委員会、岸和田の子ども家庭センター職員の話を聞くというものでした。

 しかし、私たち民主党議員は、「新大阪駅前のホテルでのヒヤリングでは現地調査とは言えない。岸和田に行かないと現地調査の意味がない」と反発。
 与党と交渉しましたが、与党は新大阪駅近所でのホテルでの開催を譲りませんでした。

 与党は、「岸和田に行くと時間がかかる。現地に行くと、現地の受け入れに迷惑がかかる。対応が大変」などと言いました。

 「時間がかかるなら現場に行かないのか。このような調査こそ国会議員の最優先の仕事ではないか。『中学の中には入らない』など、現地に迷惑をかけない視察方法はいくらでも工夫できるではないか」と、民主党は反論。

 結局は、武山百合子青少年委員会委員長、中川浩、水島広子、泉健太、須藤浩、私、6人の民主党の青少年委員会所属の議員は、9時から11時まで岸和田に現地入りし、現場を見た上で、午後のヒヤリングをすることになりました。

 児童虐待防止法の改正の議論を間近に控え、せっかくの現地調査にもかかわらず、岸和田に行かないということでは、議員としての職務を果たせません。
 「そんないい加減な視察で、児童虐待防止法の改正の議論がしっかりできるのか。税金泥棒ではないか。国会議員の視察は形だけではないか」と批判されると思いました。

 朝9時に岸和田の子ども家庭センター到着。
 現場の方々から事件の概要を改めて聞き、児童虐待防止法の改正を含め、再発防止のための国への要望を聞きました。

 ポイントは2点。
 半年以上、学校の教師は、虐待された中3児童と会えていませんでした。何度訪問しても、親に断られ、会わせてもらえなかったのです。
 このような場合、強制的に立ち入り調査をすると、一歩間違うと学校と親との信頼関係が崩れることがある。その点が、難しい点。
 しかし、私は不登校児童の安否確認が再発防止の重要な鍵と感じました。

 もう1点は、子ども家庭センターで昨年は年間236件の虐待件数がありましたが、担当の相談員はたった2人。一人が100件以上の担当。
 「これでは、一件、一件きっちり対応するのは難しい」という声も聞きました。

 その後、児童が通っていた中学の正門まで行き、学校の外観を見て、さらに、児童の住んでいた(監禁されていた)マンションの前に行き、外から部屋の外観を見ました。

 中学校やマンションを外から見ても仕方ないと思われるかもしれませんが、しかし、このような事件の背景を正しく知るのは、「現場」に足を運び、雰囲気を肌で知ることは非常に重要です。

 また、岸和田子ども家庭センターでは、現場の苦悩に満ちた本音もお聞きすることができました。

 その後、新大阪駅の近くのホテルまで車で移動。
 その間、車中でも、岸和田を地元とし、児童虐待問題に非常に詳しい中川浩議員や泉健太議員、水島広子議員と、再発防止や児童虐待防止法改正の議論を重ねました。

 正午から3時まで、正規の会議。他の党の議員も合流。
 中身は午前と似た議論でしたが、やはり、岸和田とは離れた豪華なホテルでの議論であり、うわべ(建前)の議論になりがちでした。
 私たち民主党の議員は、現場を見て、現場の声も聞いた上でしたが、他の党の議員にとっては、わかりにくい面も多かったと思います。

 会議が終わってから、帰りのバスの中で、自民党の河野太郎議員(河野洋平衆議院議長の息子さん)が、「ホテルでの会議だけではわかりにくい。現地の岸和田に行くべきだ」
と言ったので、私たち民主党議員は、「だから、民主党は午前中に現場に行ったんだ」と言うと、河野議員は、一連の民主党と与党との視察方法をめぐる議論を知らなかったようで、「俺も一緒に岸和田に行きたかった」と言っておられました。

 この事件については、もっと書きたいですがキリがありません。
 ただ、3月か4月までに、児童虐待防止法の改正法案が青少年委員会で議論されますので、これから2.3ヶ月は、このメルマガでも児童虐待の問題について書いていきます。

 ご意見やご要望があればお聞かせください。すべてのメールに返事はできませんが、必ず読ませていただきます。

 中学校では平均して、各クラスに一人は不登校がいるのが現状です。
 それが今回の事件のように虐待とつながっていないか。また、引きこもりの問題なども含め、真剣が議論が国会で必要です。

Posted at 2004年02月08日 固有リンク | TrackBack

2004年2月