城南新報(地元紙) 2002年10月8日 |
若者4人が白熱の論戦 |
南部の市町村合併考える |
|
宇城久・綴喜7市町村の合併の是非を検討する任意組織「宇城久地域合併・将来構想策定協議会」の発足総会が今月10日に迫り、地元でも話題が高まる中、衆議院議員・山井和則事務所のインターン(実習生)として活動してきた若者4人が6日、宇治市生涯学習センターで南部の市町村合併を考える政策シンポジウムを開いた。 | ||||
地元の市町村合併を巡る動きは先月9日に京都南部地域行政改革推進会議「宇城久・綴喜地域合同分科会」の久保田勇座長(宇治市長)が構成7市町村の首長らに任意の協議会の結成呼びかけを行ったのを受け、各市町すべての首長が『参加』の意思を表明。
また、各市町とも府が示した合併パターンに基づく財政シュミレーションや現時点で考えられる合併によるメリット、デメリットを示した広報紙を全戸配布したことにより、住民レベルでの合併論議は日増しに高まっている。 そんな中、この夏、山井事務所でインターンとして活動してきた若い世代の河野孝匡さん(立命館大学4回生)、山下恵理子さん(同大学3回生)、山雄慎吾さん(帝塚山学院大学3回生)、降旗仁美さん(社会人)の4人が6日、しっかりとした持論をまとめた上で、政策シンポジウムを開き、約100人の市民が白熱した論戦に聞き入った。
|
宇治以南・14市町村2市にまとめる論が最多 |
会場で模擬住民投票 |
▽宇治市以南14市町村の合併を主張した河野さん
▽宇城久・綴喜の7市町と相楽7市町村・・・いわゆる府のパターンどおりの合併を提案した山下さん ▽相楽7市町のみの合併を勧める山雄さん ▽市町村合併反対の降旗さん。 この4人の意見を聞き、会場では参加者による模擬住民投票(有効投票53票)が行われ、その結果は、 ▼14市町すべて合併(河野案)=8票 ▼2市にまとめる(山下案)=23票 ▼相楽のみ合併(山雄案)=12票 ▼合併しない(降旗案)=10票となった。 このほか、若者の対論に熱心に聞き入った山本正府議、松峯茂・長谷川雅也・田中美貴子各宇治市議。北村久御山町議それに松井孝治参院議員らからも、それぞれの意見が寄せられた。 さらに山井衆院議員からは14市町村の各首長らと会って合併に対する思いを聴取した結果が報告された。 それによると、南山城、笠置、和束、加茂の相楽東部の町村は財源的な問題から「どうしても合併させてくれ」という考えを持っており、綴喜郡の宇治田原、井手町も「どこかと合併したい」と同じく積極的。 しかし、人口が増加し大阪への利便性が高い京田辺や財政的に豊かな久御山町は合併には消極的で、とくに合併により住民の自己負担が増え、行政サービスが低下することが懸念される久御山町は「(合併は)住民に説明しづらい」と頭を悩ませているという。 最後に山井衆院議員は「(私は)合併推進論者でなく分権推進論者」と前置きしながら「基本的には何らかの合併は必要と考えるが、原点は住民がどう考えているかだ。 十分な議論のうえ、結論を出すべき」と述べ、政策シンポを締めくくった。 |