痴呆性高齢者グループホームの

適正な普及について


<趣旨> 
                  
 介護保険法に導入された痴呆性高齢者グループホームは、本年4月以降急速に増加しており、今後とも地域のニーズを踏まえた整備の推進が期待されている。

しかし、一方ではグループホームにおける密室性の問題や専門スタッフの確保など「ケアの質」をめぐる問題も提起されている。 

 こうしたことから、介護保険施行後のグループホームの現状を踏まえ、適正な普及を図る観点から、次のような対策を講じるものである。

1.地域に密着した整備の促進

(1)単独型グループホームの整備

  • 地域への開放性や介護保険施設等との連携等を条件として、単独型グループホームについて施設整備責補助を行う。

     <平成12年度補正予算で要求>

(2)住宅地への建設促進

  • グループホームの住宅地における建設を促進するため、立地を重視した取り扱いを行う。

    具体的には、介護保険法上の指定及び施設整備責補助において、
    グループホームの立地は、地域との交流を確保する観点から、次の区域を基本とする。

     @ 都市計画法貨8条第1項第1号の用途地域が定められた地域(工業地域及び工業専用地域が定められた地域を除く。)

     A 用途地域が定められていない地域の中で、幹線道路沿いや駅前、又は農山村等の集落地域内である場合等、地域の住宅地の中にあるのと同程度に家族や地域との交流が確保されていると認められる地域

     B 併設型グループホームについては、当分の間、上記の条件によらないことができることとする。

     <施設整費補助条件 :上記(1)に併せて実施>

     <介護保険法上の指定条件:平成13年度より実施>

(3)複数設置の上限

  • グループホームの特長を確保するため、

    介護保険法上の指定において、

    複数のグループホームを併設する場合に

    3ユニットを超えることは望ましくないものとする。

     * 施設整備責補助においては、既に上記の条件を実施。

    <平成13年度より実施>
2.専門的なケアの充実

(1)管理者・スタッフの研修義務づけ

  • グループホームの管理者及び計画作成担当者について、

    都道府県が実施する「痴呆介護実務者研修(基礎課程)」を受講することを義務づける。

    また、@平成13年度中に開設されるグループホームについては、

    管理者等は開設後できる限りすみやかに研修を受けるものとし、
    A平成14年度以降に開設するものについては、

    管理者等が開設前に研修を受けていることを指定の条件とする。
  • さらに、グループホームの計画作成担当者については、

    「痴呆介護実務者研修(専門課程)」を受講するよう努めるものとする(専門課程修了の有無は利用者に情報提供)。

    * 上記研修について、都道府県等は、地域の実情に応じ、適切な事業運営が確保できると認められる介護保険施設・事業者等に事業の一部を委託することができる。

     <平成13年度より実施>

(2)サービス評価の義務づけ

  • グループホームにおいて提供しているサービス内容について、

    適切な基準による評価を行い、

    その結果を公表することを義務づけるものとする。

     なお、サービス評価体制の整備の状況を勘案し、

    @平成13年度中は、
    都道府県が定めた基準に基づく自己評価を、

    Aまた、平成14年度以降は、
    グループホームの評価について
    実績と能力のある機関として都道府県が認めた機関による
    第三者評価を義務づけるものとする。

    <平成13年度より実施>
3.情報公開の推進


(1)情報公開の義務づけ

  • グループホームの事業者は、

    運営規程の槻要や勤務体制、

    管理者・スタッフの資格・研修の履修状況、

    入所者が負担する利用料、住居責等、

    さらにサービス評価の結果などを公表するとともに、

    都道府県及び市町村に対して情報提供することを義務づける。

     <平成13年度より実施>

(2)都道府県、市町村による情報提供

  • 都道府県及び市町村は、

    グループホームから提供された情報を、

    グループホームを利用しようとする高齢者や家族が活用できるよう、

    閲覧資料の整備、社会福祉・医療事業団のインターネットホームページヘの掲載等の対応を行うものとする。
        
     <平成13年度より実施>
4.市町村との連携

(1)市町村の関与

  • 市町村は、グループホームの適切な運営を確保する観点から、

    開設後においても常時情報収集を行い、

    都道府県と連携しながら必要な指導・助言を行うものであること、

    また、グループホームと家族や地域との交流を促進する観点から、

    家族介護教室などの市町村事業においてグループホームを活用するように配慮するものであることを通知等により明示する。

    <本年度中に実施>

(2)市町村の意見書

  •  グループホームの開設に当たって、介護保険法上の指定申請及び施設整備費補助の申請の際に、申請書に市町村長の意見書を添付するよう義務づける。

    * 市町村の意見書は、グループホームの運営体制や家族・地域との交流機会の確保状況、建設区域、市町村への情報提供・連携体制の状況等に係るものを内容とする。

     <施設整備費補助の場合 :上記1.(1)に併せて実施>

     <介護保険法上の指定の場合:平成13年度より実施>