平成13年8月29日
老発第318号
各 都道府県知事
指定都市市長
中核市市長 殿
厚生労働省老健局長
NPO法人等に対する痴呆性高齢者グルーブホーム
の施設整備に係る助成について
標記については、平成13年度予算よリ、平成16年度までの緊急措置として、痴呆性高齢者グループホームを整備するNPO法人等に対して市区町村が施設整備費を助成する場合に、当該市区町村に対して一定の国庫補助を行うこととしたところであるが、当該補助に当たって、「社会福祉施設等施設整備費及び社会福祉施設等設備整備費の国庫負担(補助)について」(以下「交付要綱」という。)に定めるもののほか、市区町村の助成対象とするために必要な具体的要件について定めるものである。
第1 対象となる法人
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NPO法人(特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号。以下「NPO法」という。)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人をいう。)
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民法法人(民法(昭和29年法律第89号)第34条により設立さ れた社団法人及び財団法人をいう。)
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組合(農業協同組合法(昭和22年法律132号)により設立され た農業協同組合及び農業協同組合連合会並びに消費生活協同組合法(昭和23年法律第200号)により設立された消費生活協同組合及ぴ消費生活協同組合連合会をいう。)
第2 各法人について助成対象とするために必要な要件
各法人は、痴呆性高齢者ゲループホームの運営に関して、老人福祉法(昭和38年法律第133号)及び介護保険法(平成9年法律第123号)に基づく規制を受けることとなることに加え、それぞれの類型に応じた設置根拠法の趣旨に沿って、それら法律の諸規定、指導基準等に基づき適正な事業運営が行われるよう所轄庁の指導監督を受けるが、間接的にではあるにせよ国庫補助に基づき当該法人の施設整備が行われるという観点にかんがみ、その適切な実施を担保するために一定の追加的な要件等を次のとおり課すこととする。市町村においては、それらの要件を助成要綱に明記することとする。
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運営組織の適切性に係る要件
各対象法人の類型に応じた法律の規定、指導基準等に基づき適切な構成の運営組織による事業運営が行われること。例えば、NPO法人の場合には、それぞれの役目について、その配偶者若しくは3親等以内の親族が1人を超えて含まれ、又は当該役員並びにその配偶者及び3親等以内の親族が役員の総数の3分の1を超えて含まれることになってはならないこととされている(NPO法弟21条)。
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経理の適切性に係る要件
それぞれの法人類型に対応して策定されている会計基準(民法法人の場合の「公益法人会計基準」等)に基づき適正に会計処理が行われること、又は外部監査を受けること若しくは青色申告法人と同等の記帳及ぴ帳簿書類の保存が行われること。
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事業の公益性等に係る要件
(1)
NPO法人については、NPO法に基づく特定非営利活動に係る事業費の総事業費のうちに占める割合が80%以上であること。民法法人については、主務官庁に認可された定款若しくは寄附行為に定められた事業であって収益事業でないものに係る事業費の総事業費のうちに占める割合が50%以上であること。組合については、痴呆性高齢者グループホームの運営に関する部分について区分経理を行い、その部分については出資者に対して配当を行わないこと。
(2)
法人の役員、社員、従業員、寄附者又はこれらの者の親族等その他特別の関係のある者仁対して特別の利益を与えないこと。
(3)
NPO法弟2条第2項第2号に規定する宗教活動等を行わないこと。
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その他の要件
(1)
助成の申請先の市区町村が行う痴呆介護相談や家族介護教室等の事業を受託して実施すること。
(2)
申請を行った法人が解散する場合、残余財産のうち助成対象であった部分について、グループホームを運営する他の法人に帰属するようにされており、また、そのような法人が無い場合には、最終的には地方公共団体又は国庫に帰属するようにされていること。さらに、その旨が、NPO法人及び民法法人の場合には定款又は寄付行為に明記されていること、又は組合の場合にば総会の議決が行われていること。
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事業の継続性に係る要件
上記(1)〜(4)の要件を満たした形で相当の期間事業の持続可能性が認められること。
第3 各法人に係る要件確認上の留意点
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市区町村においては、申請を行う法人の定款、役員履歴、収支予算書等の法人運営関係書類の提出を求めるとともに、必要に応当該法人の所轄庁に対して当該法人の運営状況等について照会するなどして、要件に合致していることを確認するものとすること。
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市区町村においては、事業の継続性について判断するため、申請を行う法人に対して、原則として1年を超える事業実績を記した書面(事業報告書、収支決算書等)の提出を求めるものとすること。
なお、事業実績が1年以下又は新設法人の場合には、当該法人の資産の状況等を総合的に判断した上で、各市区町村の責任において事業の継続性について判断することとは差し支えないものとすること。
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NPO法人については租税特別措置法第66条の11の2第2項に基づく国税庁長官の認定を、民法法人については所得税法第78条第2項第3号、法人税法第37条第3項又は租税特別措置法第70条第1項に基づく財務大臣の認定を受けている場合には、その旨を市区町村に対して示すことにより上記第2(1)〜(3)の要件を満たすものとすること。
第4 その他の要件等
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申請を行った法人は、市区町村より施設整備費について助成を受けた場合には、その助成の目的が有効に達せられることを確保するため、次の義務を課せられるものとし、助成を行う市区町村は、その旨を助成要綱に明記するものとする。
(1)
各法人の設置根拠法の諸規定又は所轄庁の望める規則に基づき当該所轄庁に提出した書類の写しを、提出の都度、助成を行った市区町村長に併せて提出すること。
なお、市区町村及ぴ当該法人は、上記書類及び施設整備費の申請に係る書類について、求めに応じて閲覧させ、または開示しなければならない。
(2)
施設の運営等に関し、指定居宅サービス等の事業の員、設備及び運営に関する基準(平成11年厚生労働省令第37号)第172条の2に定める調査への協力等に係る義務を遵守するとともに、市区町村が必要に応じて行う立ち入り調査についても協力すること。
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助成を行う市区町村は、助成を受けた法人の予算及び事業運営に関して指導監督を行い、必要に応じて予算の変更勧告及ぴ当該事業に係る役員の解職勧告を行うことができる旨を、また、当該勧告に対して当該法人が正当な理由なく従わない場合には、適化法に準して助成の決定の全部又ば一部を取り消すこと及び返還を命ずることができる旨を、助成要綱に明記するものとする。
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助成を行う市区町村は、上記に定めるものの他、適化法及ぴ交付要綱に定める補助事業者の義務や各省各庁の長の権限等と同等の内容の規定を助成要綱に明記するものとする。
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