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2003年6月6日 

厚生労働委員会 会議録 

 

本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 次世代育成支援対策推進法案(内閣提出第一〇九号)
 児童福祉法の一部を改正する法律案(内閣提出第一一〇号)


○山井委員

 三十分の時間でございますが、坂口大臣、途中で参議院の方に抜けられるということで、少し質問の順番が変わるかもしれませんが、坂口大臣に、通告していることをまず最初にさせてもらいたいと思います。

 次世代生活支援ということ、その趣旨は非常にすばらしいわけですが、私は、きょうの三十分の質問の中で、学童保育、特に障害児の受け入れのことと、もう一つは、ある意味で子育てに一番苦労されている母子が暮らしておられます母子生活支援施設のことについて、質問をさせていただきたいと思います。

 これについては、昨年の十一月八日、母子寡婦福祉法のときにも、坂口大臣と鴨下副大臣に質問させていただいたことであります。ちょっとそういう急ぐ事情がありますので、坂口大臣にまずお聞きしていきたいと思うんです。

 まず最初に、障害児の学童保育への受け入れということについてお伺いしたいと思います。

 次世代子育て支援の中で、やはり私は、一番困っておられるのが、障害児の親御さん方あるいは一人親世帯の方々、こういう本当に最もきめ細かな支援が必要な方々をどう支えていけるのかということも今回の法案の重要なポイントだと思います。

 そこで、私は、障害児の親の会の方々に、子育てで今一番御苦労されているのはどういうことですかということを聞きますと、やはり学童保育に受け入れてもらえないという声が非常に強いわけですね。それで、現状では、資料にもあるんですけれども、全国一万二千七百八十二カ所のうち、三千五百十四カ所、約四分の一強しか利用することができない。それで、利用できていない障害児の方々というのは非常に多いわけです。

 私は、これは、親が働きに行くから預かってもらうというそれのみの意味にとどまらず、やはり障害のあるお子さん方と障害のないお子さん方が地域で交流するという意味で、お互いにとって非常に大きな教育効果があるというふうに思っております。

 このことに関しては、厚生労働省さんの御努力で、今まで障害児を四人以上受け入れないと加算がつかなかったのが、二人以上受け入れたら加算がつくというふうに改正されて、私は、これは非常に大きな前進だと思うんです。しかし、現場の声を聞きますと、それは非常にありがたいけれども、まだまだ受け入れてもらえないケースが多いということなんですね。

 そこで、まず坂口大臣に、要望兼お願いしたいことが二つありまして、一つは、やはり、二人以上だったら加算がつくといっても、常識的に考えまして、一人のケースも多いわけですよね。だから、二人まで来たというのは大きな前進だけれども、やはり一人受け入れたら加算をつけるということでないと、実際、なかなか受け入れが進まないのではないかということが一点。

 もう一つは、二人受け入れたら年に七十一万円ぐらい加算がつくということなんですけれども、言葉は悪いですけれども、学童保育をやっておられる方に言わせると、ばかやろうと言いたくなるぐらいの低いお金だと。二人の障害児の方を受け入れたら、やはり二人職員が必要になったりするわけで、これでは到底雇えないという理由で、こういう制度ができても、まだまだ障害児を受け入れられないというケースが多いんですね。

 ですから、一人以上の障害児の受け入れに加算をということと、そもそもこの補助の単価を上げるべきではないか、このことについて、坂口大臣の答弁をお願いいたします。


○坂口国務大臣

 今、お話にございますように、だんだん前進はさせてはいるんですね。今まで四人だったところを二人にしたことによりまして、いわゆる障害児を受け入れられる場所も飛躍的にふえたことも事実でございます。

 今また、山井議員から、二人にしたんだったら一人もあるじゃないかというお話。確かに、それは一人もあるというふうに思いますが。

 全体に見まして、つけております予算というものが非常に低いことも事実でございますが、これは、それぞれの地域も、都道府県やそれぞれの市町村も、大変でしょうけれどもぜひ頑張ってください、国の方も、非常に厳しい中ですけれども、我々も頑張ってやりますというようなことになっているわけでございます。

 その辺は十分にわかっているわけでございますが、財政上の問題もこれありで、一人でも結構です、額もふやしますということをここでお約束するわけにもなかなかいきませんが、しかし、おっしゃる趣旨は私もよくわかっております。少子化対策ということを進めていきます中には、障害児の皆さん方もおみえになること、これはもう当然でございますし、また、これから障害児の皆さん方を地域でお互いに見ていこうという流れになっていることも事実でございますから、できる限り、その流れに沿って我々も努力をしたいというふうに思いますし、また、それぞれの地方自治体にも御努力をいただく、あるいはまた地域も御努力をいただくということにしなければならないんだろうというふうに思っております。よく受けとめさせていただいて、そして、いろいろと検討させていただきたいと存じます。


○山井委員

 この続きはまた、鴨下副大臣に後ほど続けたいと思いますが、今、坂口大臣に前向きな御答弁をいただきましたけれども、地方交付税も減らされる中で、自治体任せではなかなか進まないというのが現状なんですね。そういう意味では、障害児を持つ親御さん方の悲鳴だと思いますので、ぜひとも真摯に受けとめていただきたいと思います。

 繰り返しになりますけれども、やはり今までの日本というのは、今文部科学省さんも統合教育ということを進めておられますけれども、余りにも、障害のあるお子さん方を地域から切り離したり、地域の教育現場から切り離していたわけですね。それを統合していくことが必要だと思います。

 次にまた、坂口大臣がおられるうちにお伺いしたいんですが、母子生活支援施設、昔、母子寮と言われていたわけですけれども、虐待を受けたり、あるいは、お子さんを育てる能力がどうしても十分でない、そういう方々が生活しておられるのが母子生活支援施設でありまして、私も学生時代、六年間、この施設でボランティアをしていたわけです。

 これも十一月八日の質問の続きになるんですけれども、そういう中で、障害を持つお母さん、障害を持つお子さんが非常にふえておられるわけです。ある母子生活支援施設では、二十世帯お住まいになっている中で、二十人のお母さんのうち七人が、精神疾患や精神障害、知的障害を持っていられる。それで、三十五人のお子さんのうち十人が、やはり知的障害や身体障害を持っていられる。だからこそ、母子生活支援施設に入居しないと子育てが成り立たないわけなんですよね。

 ところが、問題は、職員の方の数は一緒ですから、そういうハンディキャップのあるお母さんやお子さん方を母子生活支援施設が受け入れることが余りできないわけです。では、今、その結果どうなっているかというと、お母さんが福祉施設へ、お子さんは違う児童福祉施設へといって、離れ離れになるわけです。これはやはり、国際家族年の母子一体という理念に大きく反するわけなんですね。

 やはりお母さんとお子さんが一緒だからこそ子育て支援になると思うんですけれども、このことに関して、障害児者の受け入れに対する加算というものを母子生活支援施設に対して行うべきだと考えますが、坂口大臣、いかがでしょうか。


○坂口国務大臣

 これは先刻委員も御理解いただいていることかもしれませんけれども、母子のいずれかに障害がある場合、処遇が困難な母子が入所している、一定規模以上、三十世帯以上の施設については、非常勤職員を配置するための加算を設けているということでございます。これも、額の問題もありますから、どこまでやっていけるのかということもあろうかというふうに思いますが、なかなかすべてのことを国ができるという状況にないこともまた事実でございますので、こういうことをやりながら、一つ一つ前進させていかなければならないというふうに思っております。

 それぞれの地域の母子寮等につきましては、地域におきますボランティア活動でありますとか、あるいはNPO等にもお願いを申し上げるといったこともしながら、地方自治体ともどもに手を差し伸べていくということにせざるを得ないんだろうというふうに思っております。

 先ほどから御指摘もありますし、以前にもこの母子寮のお話は何度か御質問をいただきまして、私も聞かせていただいたわけでございまして、こういう御家庭に対して、やはり特別な手を差し伸べるということは大事なことだけは大前提でございますが、さてどこまでできるかということになるんだろうというふうに思っております。今、三十世帯以上おみえになりますところにつきましては、そういうことをやらせていただいているということを御理解いただきたいというふうに思います。


○山井委員

 その制度をしっかり拡充していただきたいと思います、これからますますそういうケースがふえてくるわけですから。

 それともう一つ、障害のあるお子さん、お母さんではないわけですけれども、やはり少年指導員兼事務員の増員というものが母子生活支援施設に必要だと私は思います。その理由は、要は、最近、DV防止法の関係あるいは児童虐待防止法などの関係で、虐待の被害のお子さん方を抱えたお母さんが母子生活支援施設に入ってくるケースが非常に多いわけです。

 私も学生時代、そのお子さん方と一緒に遊んだり勉強するボランティア活動をしていたんですけれども、痛感するのは、虐待を受けてしまったお子さん方というのは、人をどうしても信じにくくなってしまうとか、人に対しても暴力を振るってしまうとか、これは本当に大変なんです。障害ではありませんけれども、大きな大きな心の傷、人を信じることができない、愛情というものを感じづらい、そういう本当にかわいそうな心の傷を負っていられるわけですね。

 それに対してどう対応するかというと、それはボランティアも必要なんですけれども、やはり指導員の方々ができるだけきめ細かく相談に乗って、またお母さんの相談にも乗って、生活を立て直していくしかないわけです。ところが、最近は、そういう虐待のお子さんや障害のあるお子さんやお母さんもふえている中で、なかなか一人一人のお子さんやお母さんにゆっくりと、じっくりと接することができなくなってしまっているわけです。

 私は、その方々がいずれ母子生活支援施設を出て地域で暮らしていくためにも、母子生活支援施設にいる間に、人間というのは信じることができるんだ、子供は愛される権利があるんだ、人というのは愛し合うものなんだということをしっかりと感じてほしい。そのためには、残念ながら、今の定員では、人員配置では難しいと思うんですが、坂口大臣、指導員の増員ということ、いかがでしょうか。


○坂口国務大臣

 現在、母子生活支援施設、いわゆる母子が心理療法を必要とする、一定以上の施設でございますが、ここに対しまして八十六カ所分の予算を計上しておるわけでございます。ところが、これは、いろいろ事情があるんでしょうし、あるいはまたこちらのPR不足もあるのかもしれませんが、平成十三年は二十二カ所、平成十四年は三十七カ所でございまして、かなりまだすき間があるということでございます。これは一カ所当たりおおむね二百三十一万五千円ですかね。したがいまして、心理療法を担当している非常勤の職員の人、毎日は雇うことはできませんけれども、週何日間かお見えをいただくということはできるんだろうというふうに思っております。

 こうしたものもやっておりますので、できるだけひとつ御利用をいただくように私たちももう少しPRをしたいというふうに思っておりますが、そうしたことを利用していただきたいというふうに思っている次第でございます。


○山井委員

 そういう制度ももちろんあるんですけれども、やはり指導員の方の増員というのがぜひとも必要だと私は思いますし、そういうことをしないとしっかりと、母子生活支援施設というのが立ち上がりの施設としてなかなか苦しいんじゃないかというふうに思います。

 坂口大臣、ありがとうございました。

 では、引き続き、鴨下副大臣に質問をさせていただきます。

 先ほどの学童保育のことにちょっと話が戻るんですが、障害児の親の方々の話を聞くと、学童保育に受け入れてもらえないということとともに、四年生以上、中学、高校になった障害児のお子さん方も、やはり障害があるがゆえにひとりでお留守番ができなかったりするわけですね。そういう四年生以上の障害のあるお子さん方の受け入れということ、これも余り進んでいないんですが、そういうこともぜひお願いしたいという要望が強いわけです。

 このことについて、鴨下副大臣にお伺いします。


○鴨下副大臣

 実際に、例えば四年生以上でも、障害を持っている方々は、なかなか家庭の中でひとりでいるというわけにいかないわけでありますから。
 放課後児童クラブにおける四年生以上の登録児童は、平成十四年には全登録児童数のうち一四・七%が四年生以上になっているわけでありまして、これは年々少しずつふえているわけであります。その中で、障害児と一般児童を合わせたものでありますので、現在のところ障害児がどれだけいらっしゃるかというようなことについては、正確な把握はないのが今のところ現状であります。

 ただ、放課後の児童クラブへの、特に四年生以上の障害児や、一般の児童も含めてですけれども、受け入れにつきましては、平成十三年の十二月に各自治体に対しまして、より積極的に受け入れてください、こういうようなことについては通知は出してあるわけでありますけれども、さらに、それぞれ地域によって多少事情が違うと思いますので、その地域地域の事情に合わせた形で推進していく、こういうようなことをしていきたいというふうに思います。


○山井委員

 推進していくということなんですけれども、そこでぜひともお願いしたいのは、要は、八万百人、全体の一四%ぐらいが四年生以上なんですけれども、そのうち障害のある方がどれだけかわからないということなんですけれども、ぜひとも一回これは実態を調査してもらって、調査した上で推進していくということにしないとやはり先に進まないと思うんですね。そこで、鴨下副大臣にぜひとも、調査して推進していくということを答弁いただきたいと思うんですが。


○鴨下副大臣

 先生も正確な数字はある程度は把握なさっているわけでしょうけれども、実際に障害を持っている児童の全体像というのがなかなか今のところ厚生労働省でも把握していない部分がございますので、これは十六年度に調査をするわけでありますけれども、そのときにはきちんと把握できるようにやってまいりたい、こういうふうに考えております。


○山井委員

 ぜひとも、前倒しをしてでもそういうことを早急にやっていただきたいと思います。

 といいますのは、こういう大きな次世代生活支援という法案が出てきているわけですよね。にもかかわらず、一歩間違うと、そういう障害児の子育てのことというのは、ある意味で網の目からこぼれているじゃないかということではやはりだめだと思います。ノーマライゼーションという理念でも、障害のあるお子さんとないお子さんが一緒に交流して育てる、やはりそれが健全な社会だと思います。

 次に、また母子生活支援施設の話に戻るわけですが、この母子生活支援施設、DV防止法の施行の関係などでどんどん駆け込んでこられる方がふえて、かなり足りなくなっているということを聞いているんですけれども、その現状について、鴨下副大臣、お願いします。


○鴨下副大臣

 特に児童虐待防止法やDV防止法の施行後は、いろいろな意味で社会的な意識も高まってきたわけでありまして、それに伴ってさまざまな入所に対するニーズ、こういうようなものが顕在化してきている、これは事実だろうというふうに思います。

 今回の入所待機の状況に関する調査というようなことで明確なところは実際には行っていないわけでありますけれども、特に都市部において高い充足率を示すなど、ある意味で、その充足率から見ますと入所ニーズが高くなっているだろうというふうに思います。

 ちなみに、これは全国平均でいいますと、充足率は七六・三%でありますけれども、都市部においては、これは東京だとか指定都市等でありますが、八三・五%、こういうようなことで、特に都市部でそういうような状況があるだろうということは推察されるわけであります。


○山井委員

 当然これは入れかわりもあるわけなので、その部分の、あいている部分もあるかと思うんですけれども、やはり都市部では、困って相談してもなかなか入れないというケースもあるわけで、その中で厚生労働省さんも、小規模分園型、サテライト型の母子生活支援施設の普及ということに取り組んでいられると聞いているんですね。確かに大きな母子生活支援施設もいいですけれども、やはり小さな、五世帯から九世帯ぐらいのそういうサテライト型もこれからの時代の流れだというふうに思っております。

 しかし、これは今年度でも十六カ所というふうに、非常に少な過ぎると思うんですね。それが証拠に、多くの民間のシェルターがどんどんでき上がっていっているわけですよね。ニーズにちゃんと行政が対応できているんだったらそんなたくさん民間のシェルターもできないわけでありまして、そういう意味ではこの十六カ所をもっとふやすべきではないかということと、そのためには、やはり補助単価、ちょっと低過ぎるんではないかという声も聞きますので、ある意味、しっかりした経営を、経営というか、事業者がやっていける補助単価にすべきだと思うんですが、その二点、鴨下副大臣、お願いします。


○鴨下副大臣

 民間のシェルターと、それからいわゆる母子生活支援施設のサテライト型施設とのすみ分けというのは、これは先生よく御存じだろうと思いますが、私は、民間は民間の役割というのは極めて重要なものもあると思いますので、それぞれ役割分担をしていただきたいというのが基本的な考えでありますが、ただ、公的な部分でもまだまだ手薄だ、こういうような御指摘であります。

 サテライト型施設そのものにつきましては、特に早期の自立が見込まれる、こういうような方につきまして、できるだけ、ある意味で地域社会にまじって生活をしていただくことによって、特に早く自立をしていただける、こういうような趣旨でありますから、補助額について単価が少ない、こういうようなことでありますけれども、その意義そのものは我々も極めて重要だというふうに思っておりますので、その趣旨に即して推進してまいりたい、こういうふうに考えております。

 また、金銭や時間管理ができないような場合に、勤労意欲に欠けるような方々、さらに、言ってみれば施設内での日常生活ルールを守れないような方々については、そういうサテライト型施設ではなかなか難しい、こういうようなこともありますので、現在の段階でもこういうような方々に対しては本体施設での支援が適切だ、こういうようなことでありますので、十六施設では足りないということもありますけれども、これは本体施設との間の連携をとりながら、さらに冒頭申し上げましたように、民間のシェルターもやはり熱心にやっていらっしゃる方もたくさんおありでありますので、そういう方々の役割を重んじつつやってまいりたい、こういうふうに考えております。


○山井委員

 高齢者福祉でも同じ流れですけれども、大規模施設から小規模施設へ、そして地域密着へと、やはり大きな施設に住むよりは、アパートを借り上げたりして、できるだけ一般の社会と違わない形の方が当然社会復帰しやすいわけだと思いますので、ぜひとも推進をお願いしたいと思います。

 それともう一つ、母子生活支援施設に関して非常に今問題になっているのが、広域保護、広域入所のことであります。

 これはどういうことをいいますかといいますと、DVを受けてお母さんがお子さんを抱えて逃げ込んでこられるわけですね。それでその逃げ込む先が、例えば私は京都ですけれども、京都で虐待を夫から受けたら、近所の母子生活支援施設には行かないわけですよ。すると、夫はすぐわかるわけですね、あそこに行ったんちゃうかといって。だから、大阪とか滋賀とか、ちょっと離れたところに逃げるのが普通なわけですよね。
 ところが、現在は、いや住民票があるところに戻ってくれということとか、特に生活保護の場合とかは、何でうちに来るんだ、そんな生活保護がふえたら困るから戻ってくれと言われたりして、ごたごたやっている。そのうちに夫につかまってしまったりしたら本末転倒なわけなんですね。

 だから、そういう意味では、広域保護、広域入所というものをスムーズにしていかないとだめだと思います。この点について、鴨下副大臣、お願いします。


○鴨下副大臣

 実際、先生おっしゃるように、特にDVの加害者の方が、極めて執拗に配偶者の居場所を突きとめて、そして夜だとか何かに不法に施設内に入ってくる、こういうようなことも間々あるようでありますので、先生おっしゃっているように、広域保護、こういうような観点というのはある意味で極めて重要な観点なんだろうというふうに思います。

 これは、従来からも婦人相談所においては、特にその都道府県で解決できないようなケースについては、他の都道府県と連絡をとって広域での受け入れを図ってきた、こういうことはあるわけであります。それを今度は、母子生活支援施設においても、それこそ先生おっしゃっていたようなケースについては、これは所管の区域外に所属する施設への受け入れも活用できるように周知徹底を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。

 また、婦人相談所や母子生活支援施設における広域での受け入れを促進していくために、例えば被害者が移動するための旅費、そういうようなことにつきましても必要な予算措置を講じているところでありますので、できるだけ被害をこうむっている方々の立場に立って広域保護というようなことを推進していきたいというふうに思います。


○山井委員

 これは本当に切実な問題で、私も母子寮でボランティアをしていたときにあったんですけれども、実際、包丁を持った夫が追いかけてくるというケース、あるいは母子寮の外から、酔っぱらったDVをしたお父さんがその母子のいる部屋に向かって石を投げてくる、それで子供が泣いている、そういうケースというのが本当にあるわけですね。

 やはり、そういう意味では、これは本当に、半端な話じゃなくて、母子の命にかかわる問題ですから、しっかりと受けとめていただきたいと思います。

 これは最後の質問になりますが、今回の次世代育成支援法案の中で行動計画策定指針というものが策定されるわけなんですけれども、今、原案を見させていただいて、この中でぜひお願いしたいのが、きょうの質問をしましたように、最も子育てに、ある意味で御苦労され、きめ細かな援助を必要とされているというのが、やはり障害児の御家庭あるいは一人親世帯の支援だと思います。

 ところが、この項目を見ると、そういう視点、障害児ということや一人親世帯の支援という言葉が入っていないんですけれども、ぜひとも行動計画策定指針の中に、障害児の支援、障害児の学童保育への受け入れとか、四年生以上の障害のあるお子さん方の学童保育への受け入れの推進とか、一人親世帯の子育て支援というような項目をしっかり入れてもらったら、特に市町村とかは、やらなあかんなという気になると思うんですね。その点について、鴨下副大臣、お願いいたします。


○鴨下副大臣

 今まで委員がいろいろとお話しになっていた趣旨というのは、まさにそのことだろうというふうに思います。

 こういう意味で、子育てというのは、単に健常者だけではありません、むしろよりきめ細かい対処をする必要のあるのは、障害を持ったお子さん、それからそのお母さん、お父さん方、保護者の方々だろうというふうに思います。

 こういうような意味で、今回の法案そのものは、社会全体でそういう取り組みをしていこう、こういうようなことでありますので、特に地域における子育て支援のサービスの一環として、学童保育の整備それから充実を進める、こういうようなこと、さらに障害のあるお子さんのいる家庭や一人親家庭など、より子育てに困難な状況を抱える家庭に対しては、御指摘のようにきめ細かい支援を行っていく、こういうようなことが重要だというふうなことは、もちろん十分に考えているところであります。

 これは、市町村や都道府県の行動計画をつくっていただく段階で適切に盛り込んでいただけるように、この指針を定めるときには十分に配慮してまいりたい、かように考えております。


○山井委員

 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

○中山委員長

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時四十二分休憩
     ――――◇―――――


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