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2002年11月13日 

特殊法人等改革に関する特別委員会 会議録 

社会福祉・医療事業団そして社会保険診療報酬支払基金、
国立重度知的障害者施設のぞみの園の問題
○山井委員

 民主党の山井和則でございます。

 けさのこの委員会でも我が党の松崎議員から話がございましたが、先日、非常に残念なことに、私の尊敬する石井紘基衆議院議員が暴漢に刺殺をされました。その石井紘基衆議院議員が一番憤りを感じておられたのが、天下りの問題、そしてこの特殊法人改革の問題でありました。そういう意味では、今は亡き石井紘基議員の思いも含めて、この問題に取り組ませていただきたいと思います。

 また、それとともに、本日は、関連しまして、社会福祉・医療事業団そして社会保険診療報酬支払基金、国立重度知的障害者施設のぞみの園、これらのことについても、一時間にわたって質問をさせていただきたいと思います。

 まず、本日は、大変お忙しい中、福田官房長官にもお越しくださいまして、本当にありがとうございます。また、人事院の中島総裁にも、月曜日に続きましてお越しくださいまして、本当にありがとうございます。

 まず冒頭、続きということで、月曜日からの公務員制度改革についての質問をさせていただきたいと思います。これは、まさに今回の特殊法人改革の最大の焦点であります。

 今お配りしました資料の三ページ目をごらんいただきますと、読売新聞社の世論調査がございます。その中で、「あなたは、中央省庁の官僚に対して、どんな印象を持っていますか。」ということのトップが「天下り」四〇・九%。また、一番下の、天下りについて「「官僚と業界の癒着の原因になるので認められない」という意見と、「能力のある人材の活用だから問題はない」という意見があります。あなたは、中央省庁の官僚の天下りについて、認められないと思いますか、やむを得ないと思いますか、」ということに関して、「認められない」が六六・九%、「やむを得ない」二五・六%を大幅に上回っております。

 このような状態の中で、月曜日、私がさせていただきました質問は、公務員制度改革大綱の中で、営利企業への再就職ルールに関して、現行の人事院の事前承認制を廃止して大臣承認制に改めるという点であります。

 まず、中島総裁にお伺いしますが、一昨日御答弁いただいたことと変わりはありませんでしょうか。

○中島政府特別補佐人

 すべての天下りを内閣で直接一括承認するようにすべきであるということを申し上げましたが、その考えに変わりはございません。

○山井委員

 まさにその同じ日の参議院の行政監視委員会におきましても述べておられまして、改革案における営利企業への再就職の大臣承認制については、各方面から厳しい批判が寄せられています、これは中島総裁の述べられた部分であります。公務員制度に対する国民の最大の批判の一つが天下り問題であり、その批判は、営利企業への天下りに限らず、特殊法人、公益法人等への天下りを含めたものに及んでいます、この点を考えますと、今回の改革では、こういった再就職全般について、大臣承認ではなく、内閣が一括管理する方向で検討する必要があると考えますと。今、中島総裁が御答弁いただいたことと一緒でございます。

 そこで、お忙しい中お越しいただきました福田官房長官にお伺いしたいと思いますが、今までから、天下り問題の自民党の勉強会にもたびたび参加されて、福田官房長官はこの天下りの問題、非常に真剣に取り組んでこられた方だとお聞きしております。その長官が、内閣を代表する責任ある立場で御出席をくださったことに本当に感謝をしております。そこで、このことに関して、大臣承認制に改めるというこの公務員制度改革大綱について、内閣のお考えをお伺いしたいと思います。


○福田国務大臣

 天下りにつきましては、これは今委員からお示しいただきましたこの世論調査におきましても大変強い批判がある、そういうことは、かねがね私もいろいろなところで、その世論調査ばかりでなくて聞いておりまして、この問題は真剣に受けとめて、再就職に係る承認制度などについて見直しを行っていく、この必要は絶対にあるというふうに考えております。

 政府は、昨年末に、公務員制度改革大綱、これを閣議決定いたしました。営利企業への再就職については、「内閣の責任において、政府全体の行政の公正な運営等を確保するため、再就職の承認基準については政令で定める」ということも書いてございますし、それから「職員の再就職の承認は、職員の適切な服務管理と行政の公正な運営に一義的な責任を有する人事管理権者が厳格かつ明確な基準の下で行う」というような方針を決定いたしたところでございます。

 また、人事院の方は、昨年夏の報告において、すべての再就職について、当事者である各大臣でなく、内閣が一括管理することを検討する必要がある、こういうふうにしているところであります。

 いずれにしましても、現在、公務員制度改革大綱に沿って、改革の具体化に向けた検討を行っているところでございます。いずれにしても、今後、国民の信頼を確保し得るルールの確立、そのためにこれからも検討作業を進めてまいりたい、このように考えております。

○山井委員

 福田官房長官にお越しいただいてこの発言をしていただいたということは、今のが政府統一見解ということと理解してよろしいでしょうか。

○福田国務大臣

 ただいまのような方針に基づいて今後検討を進めていく、そういう考えでございます。

○山井委員

 それで、今の御答弁を聞いておりまして、正直言って、わかりにくいという気がいたします。

 といいますのは、途中で、いずれにしましてもという接続語で結ばれたわけですが、たしか最初の方は大臣承認制のようなことをおっしゃっていて、人事院のことに関しては、いや、内閣が一括してということで、いずれにしましてもと言って、違うことを二つぺたっと張ってつけたような印象を受けたんですが、ちょっとそこをもう一度お伺いしたいんですが、はっきり言いまして、この公務員制度改革大綱の大臣承認制ということについて、そういうことですか。今の公務員制度改革大綱に入っている大臣承認制の方針でやるということでしょうか。大臣、お答えください。

○福田国務大臣

 公務員制度改革大綱を閣議決定いたしました。そこで、営利企業への再就職について、内閣は、政令で承認基準を定めるとともに、各府省における承認制度の運用について必要な総合調整、これは内閣が行うのでありますけれども、行うこととしておりまして、内閣の果たすべき役割を強化する、こういう方針でございます。
 いずれにしましても、そういうことも含めまして、この制度の具体化に当たりましては、今後、十分な検討をしてまいりたいと思っております。

○山井委員

 今の福田長官の発言では大臣承認制という方向なのかどうかがいま一つわからないのですが、簡潔に、大臣承認制でやるのか否か、政府の見解をお聞かせください。福田官房長官、お願いします。

○福田国務大臣

 そういうことも含めまして、今後の検討の中で具体化をしてまいりたい、こういうふうに申し上げたところでございます。

○山井委員

 そういうことも含めましてということは、裏返せば、まだこの大臣承認制というのはその方向と決めたわけではない、まだ見直す余地があるというふうに理解してよろしいですか。福田長官、よろしくお願いします。――イエスかノーかでお願いします。ちょっと時計をとめてください。別に簡単な質問ですから。

○保利委員長

 官房長官、いかがですか。

○山井委員

 ちょっと休憩しましょうか、そうしたら。ちょっと質問できません、このことをきょう聞くといってお約束してもらったわけですから。

○保利委員長

 御発言ありませんか。
 福田内閣官房長官。

○福田国務大臣

 これは、具体的に今後ルールの確立をすべく検討作業を進めていく、こういうことなんでありますけれども、職員の再就職の承認、この承認につきましては、「職員の適切な服務管理と行政の公正な運営に一義的な責任を有する人事管理権者が厳格かつ明確な基準の下で行う」、こういう方針をこの公務員制度改革大綱でもって決定をしているところでございますから、そういうことも含めて今後の検討にゆだねる、こういうことです。

○山井委員

 先ほどの答弁と全然変わっていないんです。私は、大臣承認制でいくのか否かという政府の答弁を聞いているわけです。もう一度お答えください。もうそれが出ているんですから、公務員制度改革大綱に。

○福田国務大臣 今現在のところ、大綱に基づいて検討を進める、こういうことでありまして、それ以上のことを私からただいま申し上げるわけにはまいりません。

○山井委員

 今、それ以上のことは私から答えられませんということですが、二日前に石原大臣に聞いて、整合性がとれないから、きょう福田官房長官が責任者としてお越しくださるということで、私は質問しているわけです。

 もう閣議決定は年末にされているわけですから、大臣承認制でやるのかどうかということは、福田官房長官、今お答えください。あるいは、まだ見直す可能性があるというのでしたら、別にそれで結構です、そういう答弁でも。――ちょっと、質問できません、これでは。堂々めぐりじゃないですか。(発言する者あり)

○保利委員長

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

○保利委員長

 それでは、速記を起こしてください。
 山井君、もう一度お願いします。

○山井委員

 その閣議決定に基づいた大臣承認制でやるということでしょうか。福田大臣、お答えください。

○福田国務大臣

 先ほど来答弁しているとおりなんですけれども、これは、公務員制度改革大綱を閣議決定しているわけですよ。その内容を先ほど申し上げました。ですから、その方向で検討するということになるわけでありまして……(山井委員「検討ってどういうことですか」と呼ぶ)そのルール化をするということですね。改革の具体化に向けた検討を行っている、こういうことです。先ほど言っているとおりじゃないですか。

○山井委員

 改めてお伺いします。

 これから細かいことを検討するということで、そうしたら、大臣承認制でやるということなんですね。そう答えてもらったら、もう話は簡単なんですけれども。

○福田国務大臣

 この改革大綱に基づいて、そして検討をする、改革の具体化に向けた検討を行う、こういうことです。

○山井委員

 大臣承認制でやるということですか。長官、お答えください。

○福田国務大臣

 何度も同じような、同じことを申し上げることになるんですけれども、この改革大綱が決まっているんです。この大綱に沿って、改革の具体化に向けて検討を行う、そして今後、国民の信頼を確保し得るルールを確立する、これが目的なんですよ。その検討作業を進めるということです。

○山井委員

 いや、何回聞いてもお答えいただけないけれども、大臣承認制でやるということですね、その御答弁をいただいたらいいんです、その言葉で。官房長官、お願いします。この新聞記事にも大臣承認制が一番問題になっているわけですから。――ちょっとまたとめてください。

○保利委員長

 速記をとめてください。
    〔速記中止〕

○保利委員長

 それでは、速記を起こしてください。
 山井君、恐縮ですが、もう一度お願いします。

○山井委員

 そうしたら、ここの大綱にも出ておりますが、いわゆるこの大臣承認制、「職員の再就職の承認は、職員の適切な服務管理と行政の公正な運営に一義的な責任を有する人事管理権者が厳格かつ明確な基準の下で行うものとする。」これが大臣承認制なんですけれども、これでやるということですね。官房長官、お答えください。

○福田国務大臣

 先ほど私が言っているんです、最初に。そのとおりなんですよ。いいですか、それで。

○山井委員

 その大臣承認制ということが問題になっているんですが、ここに、先ほど読みました人事院の総裁の見解では、大臣承認ではなく内閣が一括管理する方向で検討する必要があると考えますと。ということは、官房長官、これは明らかに政府を代表する官房長官の発言と中島人事院総裁の意見が違うということをお認めになられますか。福田長官、お願いします。

○福田国務大臣

 人事院は人事院としての御意見があって当然だと私は思っています。

○山井委員

 でも、きょう、中島総裁は政府参考人として来られているんじゃないんですか。政府じゃないんですか。

○石原国務大臣

 組織法上、内閣の所管のもとに人事院はあります。

○山井委員

 だから、政府参考人じゃないんですかということをお聞きしているんです。

○保利委員長 どなたがお答えになりますか。――山井君、ちょっと。

○山井委員

 政府参考人としてきょうは中島総裁に来ていただいておりますが、政府参考人ですねということを中島総裁に確認したいと思います。

○中島政府特別補佐人 それは、もう既に国会議員の皆さん方御存じのように、独立中立機関でございますので、時々政府の考え方と違う考え方はあると思います。これは許されることだと思います。

 私が国会からいただいたものを読みますと、政府特別補佐人と書いてありますね。

○山井委員

 国家公務員法の中では、人事院は、「内閣の所轄の下に人事院を置く。」と定義されております。それで人事官は、「内閣が、これを任命する。」と。内閣が所轄しておって、内閣が任命する方の意見と内閣の責任者の意見が違う、これはおかしいんじゃないでしょうか、官房長官。

○石原国務大臣

 何度も申しますように、今委員が国家行政組織法を示されたように、内閣のもと、もとという字は下と書いてあるんですけれども、総裁が答弁したように、内閣の考えと違うことはたまにあるそうであります。

○山井委員

 それでは、福田官房長官、この資料をちょっと見ていただきたいんです。今ここで中島総裁の見解と政府の見解が違うということが明らかになったわけですが、この資料の中で、資料の二ページを。この公務員制度改革の大枠が最初に発表されまして、その次に公務員制度改革の基本設計が発表されて、公務員制度改革大綱が発表されました。インターネットで私調べましたら、十九件ありました。

 きょうは、政府を代表して福田官房長官が来てくださったというので、また、この天下り問題に非常に御熱心な方だということで、お伺いしたいんですが、福田官房長官、この十九の社説の中で大体どれぐらいが大臣承認制に賛成で、どれぐらいが反対だと思われますでしょうか。

○福田国務大臣

 社説を全部私も読んでいるわけじゃないけれども……(山井委員「想像で、大体」と呼ぶ)いや、想像というのもちょっとおかしいでしょう。

 ごく一部しか見ていないという限りにおいて、大臣承認制に反対する社説も見たことはあります。

○山井委員

 大臣承認制に反対する社説も見たことがあるということは、賛成する社説も見られたことがあるということですか。官房長官、いかがでしょうか。

○福田国務大臣

 まあ、はっきり言って、忘れました。

○山井委員

 でも、この天下り問題というのは、この委員会の最も重要な問題ですよ。小泉内閣の目玉ですよ。そのことについて社説がどのようなことを言っているか、そういうことについて認識が薄いんではないかなという気が私はいたしますが、実は、この十九、全部反対であります、大臣承認制に対して。一つも賛成しているものはありません。

 先ほどの答弁の中で、国民の意見を踏まえてこういう改革をしていくということですが、国民とマスコミ、それは確かに全く一緒じゃないかもしれませんが、普通、法案で、すべての社説が、十九そろいもそろって反対で、賛成は一つもないというような、そのような転換というのは珍しいんではないかと思います。例えばメディア規制法とかは、マスコミが反対するのは当然ですけれども。

 そのあたり、改めて福田官房長官にお伺いします。十九の社説が全部反対している。これではお手盛りになってしまう、二年間の期間を置かないと、国家公務員が民間企業にすぐ行くということを第三者の独立した人事院ではなくて大臣が決めるようになると、お手盛りになると。すべての論説がそのような方向性であります。例えば、それを見てみますと、天下りが緩和されるだけではないかとか、お手盛りにしてはならぬとか、そういう見出しが躍っているわけですが、福田官房長官、改めて御意見をお伺いしたいと思います。

○福田国務大臣

 何とお答えしていいかわかりませんけれども、社説も、今ちょっと拝見したら、一年以上前の社説もありますね。全部私見ているわけじゃありませんが、社説をもとに云々ということはできないんですけれどもね。

 しかし、この天下り全体についての批判というのが十分あることはよく承知しておりますから、そういうことを踏まえた上で、国民が信頼するような、そういうルールを確立するということが大事だと思っております。

○山井委員

 まさに、今官房長官がおっしゃられましたように、先ほどの読売新聞のアンケートにもありますように、国家公務員の批判のトップが四〇・九%で天下りなんですね。その中で、先ほども言いましたように、六七%という高い割合で、天下りは認められないと言っている。

 ところが、大臣承認制になると、これはやはりお手盛りになっていくんじゃないか、そういう危険があって、十九の社説全部が反対しているんですね。今の官房長官の発言でしたら、この大臣承認制によって厳しくなるというふうにお考えでしょうか。福田官房長官、お答えください。

○福田国務大臣

 そこで、私が再三申し上げていますように、本当に国民の信頼を確保し得るルールをつくるということで、今後具体化をしていこうということを申し上げているわけですから、そういうことで、ことしから来年にかけて議論を詰めていくということになろうかと思います。

○山井委員

 国民の信頼し得るルールを確立するということですが、繰り返しになりますが、これだけ全部社説もこぞって反対しているということは、国民の信頼を大臣承認制は得ていないというふうに思われませんか。十九の社説はすべて反対だけれども、この大臣承認制への転換は国民の理解を得ているというふうに大臣は思われますでしょうか。福田官房長官、お願いします。

○福田国務大臣

 私は、社説がすべてだというふうには思っておりません。

 それから、天下りということについて申し上げれば、確かに天下りについて問題がある。これはもう指摘を受けているとおりでありますけれども、しかし、それと同時に、では、すべての天下りを廃止したらそれで済むのかといったようなことも考えなきゃいかぬですね。そういうことを全体的に考えていくということも、そういう視点も必要なのではなかろうかと思います、そこで働く公務員の人たちの一生の問題でありますから。

 ですから、そういうことも兼ね合わせて考えて、そして、本当に国民がこれならというふうな、そういうルールづくりをするということが大事なんじゃなかろうかと思っております。

○山井委員

 これは非常に重要な点なんですが、これによって天下りがふえるのか、減るのかということであります。

 そして、今、福田官房長官は、国民に信頼されるルールづくりということをおっしゃっていて、人事院の承認じゃなくて大臣の承認に変えるということは、人事院の承認では国民に信頼されるルールづくりができないということなんでしょうか。福田官房長官、いかがですか。

 今までは人事院がやっていたわけです。私は正直言いまして、人事院がやっていて、第三者で、独立性があって、国民から見れば、汚職でぞろぞろと辞任する大臣よりも人事院の方が国民の信頼は厚かったんじゃないかと思っているんですけれども、そのあたり、福田官房長官、人事院よりも大臣の方が国民の信頼が得られるというふうに思っていられますでしょうか。福田官房長官、お願いします。

○福田国務大臣

 人事院の考えは人事院に聞いていただきたいと思いますけれども、人事院は人事院としての信頼というのは非常に大事でございますから、それは人事院としても、そういう自覚を持ってやっておられるものと思います。

 いずれにしましても、そういうことも全部含めて、この新しいルールを信頼のできるものにしたいというのが我々の考えであります。

○山井委員

 この五ページ目の資料を、福田官房長官、見ていただきたいと思います。社会福祉事業団の役員名簿です。

 私、この社会福祉事業団がされている内容に関しては、それはそれで必要なことだと思います。ところが、福田官房長官、この役員の名簿を見て、今の天下り問題の深刻さがわかると思うんですね。ここには実名が出ておりますが、本人に御迷惑がかかってもいけませんので実名では呼びませんが、常勤理事六人のうち四人が厚生労働省からの天下り、もう一人が総務庁、そしてもう一人が国民生活金融公庫ということであります。

 次の七ページを見てください。その年収、理事長二千五百八十七万円、副理事長二千二百十七万円、理事四人、二千万円、千九百九十七万円というふうな高額で並んでいるわけです。

 かつ、その次の九ページを見てもらったら、この方々がどういう動きをしているかというのが一目瞭然でわかります。

 ちょっとパネルをつくってきました。例えば理事長さんは、環境事務次官から事業団の副理事長を経て理事長、あるいは平成五年の方は厚生事務次官から、また平成十三年の方も厚生事務次官から。つまり、この理事長というのは、事務次官の天下りポストに事実上なっているということですね。

 それで、私、これを計算してみてびっくりしたんですね。計算してみたら、事務次官の方は退職金を七千万円受け取っておられるわけです。退職金を七千万円。それで、八年間おられたわけですね。それで、一年間の給与が、今言いましたように年収が二千六百万円で、八年間いたということであります。それで計算をしていきますと、全部で、八掛けたら二億なんですね。八年間で二億給料をもらって、また退職するときに四千万円をもらわれて。つまり、事務次官を退官して、この社会福祉事業団に天下って八年間働いて退職するまでに、一人で三億三千万円もらっておられるわけです。

 そして、その下の副理事長あるいは理事のポストは、局長さんのポストになっているわけですね。局長さんはまた、退職金をもらって、四年間、任期二期を務められたら、大体一億六千万円もらえることになっております。

 そして、このグラフにありますように、理事長さんは、そこをやめてからもまた天下りをされておられます。

 大臣承認制の話に戻りますが、この職は厚生大臣がこれを許可するということになっておりますけれども、もし大臣が、国民に信頼できるルールで承認する、きっちり人事をできるということだったら、今までからこんなことになっていなかったんじゃないですか。やはり第三者がきっちりとやる必要があるのではないでしょうか。これと同じことが、大臣承認制にしたら起こらないですか。福田官房長官、いかがでしょうか。

○石原国務大臣

 ただいま御指摘をされておりました問題は現行制度の中で起こった問題であって、大変けしからぬことだと思います。ですから、営利企業への再就職を厳しくするために、人事院がこのようなことをやっていましたので、これだけ批判が出るのに何ら有効な手だてを打てませんので、政府として腰を上げたということでございます。

○山井委員

 違いますよ。これは営利企業の例じゃないんです。営利企業じゃない、これは特殊法人……(石原国務大臣「それはわかっていますよ。わかっていますよ」と呼ぶ)いやいや、今、営利企業の例とおっしゃったから。 だから、大臣が承認するんだ、承認して公平なことができる、天下りが減るというのならば、既にそれはなくなっているんじゃないんですか。福田官房長官、いかがでしょうか。

○福田国務大臣

 今までのことについていろいろ批判があるわけです。そしてまた、おっしゃるとおり、御指摘のとおり、目に余るものもあると私どもは見ています。ですから、そういうものは改善していくということなんですよ。そういうことのために、今後、鋭意努力するということであります。

○山井委員

 そこで、坂口大臣にお伺いします。

 これから独立行政法人になったら、これと同じようなことが続くんですか。今、官房長官もお話がありましたが、やはりこういうのがだめだから改革ということになっているんですが、いかがでしょうか、坂口大臣。

○坂口国務大臣

 ですから、今、官房長官からお話ありましたように、新しいルールをつくってこういうことにならないようにする、こういう話でございますから、私はそれでいいというふうに思っております。

○山井委員

 そこの、まさに新しいルールが問題なんです。新しいルールというのをもうちょっと具体的に言ってください、どうこれを変えていくのか。それを審議するのがこの場ですから、新しいルールというのは、どうすればこういう天下りが減るんですか。坂口大臣、お願いします。

○石原国務大臣

 誤解があるといけないんですが、私が申し上げましたのは、営利企業への再就職でいろいろな批判があるのに対して有効な手だてが打たれてこなかったという話をさっきはしたかっただけです。

 委員がされております話は、特殊法人の天下りについては、人事院はこれまでアンタッチャブルであった、そういう話でございます。

 そういう整理のもとで政府が今取り組んでおりますのは、何で天下るのか。六十歳まで役所にいないからであります。ですから、六十歳に限りなく役所にいられるように。また、急にということになりましたらどういうことが起こるかというと、ポストが、就任年齢が遅くなります。それによって、五十歳になっても課長になれない。民間では三十代で部長だ、社長だという世の中に、それで公務員に優秀な人が集まるのか、集まらないのか。そういう問題も全部含めて、公務員制度改革の中で改革案を現在取りまとめていると御理解をいただきたいと思います。

○山井委員

 これは、例えば、私驚きましたのは、非常勤の方がおられるわけですね。この資料の八ページに、非常勤でBさんという方がおられます。Bさんですね。この方は、二年間で二十四万円給料をもらっていられるわけです。ところが、役員会に二回しか出ていられない。ということは、一回の役員会で十二万円、非常勤の監事でもらっていられるんですね。一回十二万円。それであとは全部欠席なんです、ほぼ毎月役員会が行われているわけですけれども。ということは、一時間半ということは、これは時給八万円にも上るわけなんですね。

 こういうことというのは、一般の感覚では考えられないことだと思います。坂口大臣、いかがでしょうか。こういうのをどう変えていくのでしょうか、今後。

○坂口国務大臣

 これは、先ほど申しましたとおり、ルールづくりというのが一番大事でありまして、そのルールは、今御指摘になったような批判を受けないようにどうしていくかということを中心にして考えていく、そういうことでしょう。したがいまして、これは厚生労働省だけの話ではございませんけれども、これは全体で決めなきゃならない問題でございますが、あまねく批判を受けないようにしていかなければならない。

 それは、先ほど石原大臣もおっしゃいましたように、公務員制度そのものとのかかわりもあるわけでございますから、車の両輪でそれは進めていかなければならない。しかし、それをいつまでも余り長くかかっていてはいけませんから、これは早く決着をつけるという方向でやっていかなければいけないというふうに思っております。

○山井委員

 先ほど石原大臣から、今まではこういう特殊法人には人事院もタッチしていなかった、だからこういう野方図になっていたんじゃないかという御指摘がありました。私も実はそのとおりだと……(発言する者あり)そうおっしゃっていました。

 それで、私が思いますのは、そういう意味では、これからこういう独行法人への天下り、そういうことに関してもやはり人事院がチェックするということにすべきではないかと思います。中島総裁、いかがでしょうか、御所見をお聞かせください。

○中島政府特別補佐人

 特殊法人とか認可法人に対する天下りというのは、特殊法人、認可法人の行っている業務その他につきまして、主務官庁とどういう関係にあるかというような、いろいろな多角的な観点からこれは審査していくというか考察していく必要がございますので、人事院が今やるということについてはいかがかなというふうに、少しやはり頭をかしげざるを得ないというふうに思いますね。

○山井委員

 ここをいかに透明感と信頼感のある形にするか。少なくとも今のような現状では、決してこの独行法人化というものに関して国民の信頼というのは得られないと思います。

 今回、私、この社会福祉・医療事業団一つだけを調べてこれなんですけれども、今回の四十六本の法律すべてに同じようなことがあるわけですね。坂口大臣、こういう役員に民間人を入れていくということを、小泉総理も月曜日に発言をされました。坂口大臣のお考えをお聞かせください。

○坂口国務大臣

 それは、適切な人があれば民間の方も結構だというふうに思いますから、そこはよく吟味をして決めていかなければならないと思います。

○山井委員

 福田官房長官、改めてお伺いしますが、大臣承認制に変えていくということで、今までからこの天下り問題に熱心だった大臣だからお伺いをするんですが、本当に天下りは減りますか。減りますか、このおびただしい天下りの現状。福田官房長官、いかがでしょうか。

○福田国務大臣

 天下り問題は、これは、ただ役人が天下っちゃいかぬというだけで済む問題じゃないんですね。やはり、天下りしないで済む公務員のあり方というものを考えていかなければいけない。ですから、両面考えて何が一番いいのかという視点というものも忘れてはいけないと思います。

 今現在、この問題につきまして、早期退職慣行の是正、それからまた再就職状況の公表による透明化、これも推進しようと考えているわけであります。そしてまた、退職金の二重取りというような批判もよくあることでありますけれども、そういうのであれば、退職しないで出向する、こういう制度もあるのではなかろうかと思います。

 いずれにしても、役人の方でも、天下りしちゃいかぬ、しかし、ある年になったらどうしようかということで思い悩むようなことで満足な仕事ができないということでは、これはいかぬと思いますから、そっちの面も考えて、本当に国民が安心して公務員の仕事に精励してもらえるような環境づくりをするということが大事だと思っております。

○山井委員

 改めてお伺いしますが、今私が質問しましたのは、こういう大臣承認制に変える、民間企業の点について大臣承認制に変えるということに関して、天下りは減ると思われますか。

○福田国務大臣

 これはやはり、今申しましたようなこともあわせ考えながら、内閣としてどういう方針をとるかということにかかっていると思います。内閣は、内閣の総合調整機能というものを発揮して、その問題についてどのように対処すべきかという方針を出すべきだと思います。

○山井委員

 福田官房長官、やはり、政府を代表して来ていただいているんですから、こういうことに、この公務員制度改革大綱によって民間企業への天下りは減るんだということをここで言ってもらわないと、天下りを減らすために今回のこの法案審議をやっているわけですから、それも明言できないんだったら、困るじゃないですか。いかがですか、減るんですか。

○石原国務大臣

 先ほどちょっと議論を整理させていただいたんですけれども、委員が御指摘の件は、官僚の方が特殊法人並びに今度の独立行政法人に移るということでございまして、この件につきましては、人事院はアンタッチャブルでありますし、これからも関与したくないと総裁が申しておりました。

 その理由は簡単でございまして、人事院も天下っているんですね。例えばどういうところに天下っているかと申しますと、平成十二年でいきますと、例えば港湾空港技術センターとか新エネルギー・産業技術開発機構、有名なところだけ申しますと、それとかユニセフとか。十三年ですと、大変私は困ったんですが、道路保全技術センターとか日本下水道事業団とか、今まさに議論の最中のところに天下っているわけですね。ただ、これは天下りとは言わないんですね。

 今議論されているのは、営利企業に公務員の方が行くものを天下りとして議論をして、大臣承認制の議論というものは、先ほど来官房長官がお話ししておりますように、営利企業への再就職にかかわる承認制度を大臣が認めるというものにして、承認基準については高いものを内閣でつくるわけですから、これまで、この間もお話をさせていただきましたけれども、人事院の制度のもとで、客観的事実として、十二年、十三年で見れば三十人ふえたと。総裁は多く申請してきたからふえたとおっしゃっておりましたけれども、それであるならば、承認基準を高く置いておけば、高い承認基準に届かなければ、今委員御指摘のような営利企業への天下りは減る。そういうものを目指して、内閣が責任を持って高い高い承認基準を設けて、しかも申請するときは大臣の責任でやる、こちらの方が私は合理的だと思います。

○山井委員

 今の趣旨の答弁は、月曜日にも石原大臣からいただきました。そう思って、私、この一枚目のグラフをつくってきたんですが、中島総裁、今の石原大臣の話を聞いていると、人事院のチェックでは天下りはふえるという、そんなような話だったんですが、中島総裁にも言い分はあると思います。中島総裁、いかがでしょうか。

○中島政府特別補佐人

 退職して再就職をしていく公務員の数というのは、それぞれの省庁における幹部公務員の在職実態とか退職管理のあり方というものと深くかかわっておりますので、ある年にふえた、ある年に減ったということについて、余り厳しい評価をするというのはいかがかなと思います。やはり、傾向としてどういうふうになっているかというところを見ていただければというふうに思います。

○山井委員

 まさに、グラフをつくってみるとそのとおりになるんですね。

 石原大臣、去年はこれは四十一人から七十人にふえたとおっしゃいますが、一九八五年からの十五年間のトレンドを見たら、減っているんですね。だから、そういう意味では、一年間だけを見て人事院ではなかなか減らせないんじゃないかというのは、ちょっと現状認識が違うんじゃないかと思いますが、石原大臣、いかがでしょうか。

○石原国務大臣

 七十人が十人になるならば信用いたします。

○山井委員

 今、七十人が十人になるなら信用いたしますということは、石原大臣が進めておられる大臣承認制にするとそれぐらいの効果が出る、あるいはそれぐらいの効果を目指しているというふうに理解してよろしいですか、石原大臣。

○石原国務大臣

 国民の批判にこたえられるものにしていかなければならないものを制度設計させていただいております。

 結果については、まだ制度が具体化しておりませんので、数値的なことを言う段階にはございません。

○山井委員

 結果について具体的なと。数字はもちろん言えないとは思いますが、大幅に減らすということをこの場で石原大臣に明言していただきたいと思います。

○石原国務大臣

 公務員制度改革の中でそちらの方向を目指していることは、言うまでもございません。

○山井委員

 今の話の中で、本当にこれだけ天下りが多くの批判を浴びている、にもかかわらず、具体的にどうしていくのかというのがまだまだ見えてこない。これは、来年の通常国会にこの公務員制度改革の法案も出ると言われているんですけれども、それと関連して、この独行法人化の中でも天下りが大きな問題になっているわけです。そこはやはりしっかりと受けとめていただきたいと思っております。

 官房長官、長くなりましたので、本当にありがとうございました。ぜひともこの天下りの問題、きっちりとやっていただきたいと思いますし、きょうおっしゃってくださったことは責任を持って、間違ってもふえるということがないようにしていただきたいと思いますが、最後にそれだけ。今回の大臣承認制でふえたといったら、これはもう大変な責任になりますよ。

○福田国務大臣

 再三繰り返しますが、よい制度をつくらなければいけない。そして、天下りは減るのかといえば、私は間違いなく減ると思いますよ。

 ただし、では、天下りが減ったら民間人を入れるというのであれば、それにふさわしい、よい民間人が来てくれるかどうか。待遇とかそれから任期の問題とかいろいろありますので、そういうことも考えていく必要がありますね。ということを申し上げて、失礼させていただきます。

○山井委員

 いや、本当はもっといろいろと質問をしたいわけですけれども。

 坂口大臣、時間も迫ってまいりましたが、国立重度知的障害者総合施設のぞみの園、このことについてお伺いしたいんですが、これはなぜ今回独行法人なのでしょうか。同じような障害者の施設というのは社会福祉法人でやっているわけですよね。それとともに、約五百人が一カ所に住むというようなこのコロニー方式というものを、やはりこれは見直していく必要があるのではないかと思います。坂口大臣、このことについてお答えください。

○坂口国務大臣

 コロニーの考え方につきましては、これは時代の変遷とともに大分変わってきたというふうに思っております。

 これができましたころは、一カ所に集まっていただいて、そして、それぞれの地域よりも、やはり一カ所でよりよい生活をしていただけるようにした方がいいのではないかというので、初めはこのコロニー制度というのができ上がったというふうに聞いております。しかし、だんだん時代が変わってまいりまして、そして、そうではなくて、それぞれの地域で生活をしていただく、あるいはまたそれぞれの御家庭に戻っていただくということが最もいいのだという考え方に変わってきているというふうに思っております。

 そういう中で、今回これをどう位置づけるかということだったんだろうというふうに思っておりますが、多くのコロニーがほかにもございますけれども、いわゆる国立のものというのは一カ所でございます。それで、これを今後どうしていくか。ここを中心にして、そして、いわゆる在宅で生活をしていただけるような一つの中間的な施設、いわゆる中間施設と言われますような、そういう考え方のもとに、これを国として積極的にやっていくということが可能であれば、これは、国がまず率先してそういうことをやるというその理由は私は十分に成り立つというふうに思っております。

 したがいまして、これから国立のコロニーが、そうした全体の先頭に立って、やはり、いつまでもこのコロニーの中におっていただくのではない、それぞれの地域や御家庭に帰っていただけるようにするプログラムをどう組んで、それを実施していくかということにかかっているだろうというふうに思います。それができなければもう、ほかの法人であろうと民間であろうと、それは御指摘のとおりに私もならざるを得ないというふうに思っておりまして、そこが今回のポイントだというふうに私は理解をしているわけでございます。

○山井委員

 ぜひとも、これからはノーマライゼーションということで、脱施設、地域で普通の暮らしをするという方向に向かっておりますので、その先端となるように、こういう独行法人化を機に変えていっていただきたいと思います。

 石原大臣、前回の続きになるんですが、前回、私がこのパネルを示しながら、要は、高い独行法人の退職金をどうするのかということに際しては、三割減らすという御答弁をいただきました。

 ところが、例えば、先ほど言いましたような事業団の理事長さんでしたら、結局、退職金とか年収を入れると大体二億円以上なんですね。もし二割、三割、年収や退職金を減らしても、八年間勤めたら二億円以上のお金になるというのは、三割減らしても一億五千万円ぐらいなわけですから、それでも、国民感覚からすると、この不況のときにそれでいいのかという思いがあると思うんですね。そういう意味では、二割、三割減らして、これでも行革やりましたということにはならないと思います。この退職金、そして年収、そういうことについて、石原大臣、いかがでしょうか。

○石原国務大臣

 この点につきましては、先ほど、午前中でございますか、同僚議員との議論の中で、片山大臣と話をした、郵政公社の副総裁の話をさせていただきましたけれども、あれだけ大きな組織をコントロールする副総裁、それの賃金、民間から来ていただくには、三十万人近い大企業というのは何をイメージすればいいのか、今ぴんときませんけれども、そういうところの副社長になる方の賃金が一千万だったら、私は来る人はいないと思いますね。二千万でも来るかどうかわからない。大企業であるならば、まあ、GEとかそういうところの副社長がきっとその規模だと思いますが、そうすると一億、二億は当たり前ですね。

 世の中、頭にくる話はたくさんございまして、あれだけめちゃくちゃな経営をやっている銀行の頭取の方の退職金というのは、今委員が御指摘された金額の十倍以上であります。

 そういうことを考えて、その法人に合った適正な退職金は一体幾ら程度なのか。先ほど、これもお話をさせていただきましたけれども、特殊法人でも、小法人、中法人、大法人、公社、公庫、銀行ですか、上に行けば行くほど高いんですね。それが本当に適切なのか、その仕事量に見合った退職金、給与というものが適切なのかという議論もやはりしないと、安くすればいいといって、一律五百万円だ、一千万円だといったら、私は、役所をやめられた人も来ていただけないんじゃないか、使命感だけで来ていただける奇特な方がいらっしゃればいいですけれども。

 今回の特殊法人の議論というものは、民間企業になれなくて、やはり行政のアウトソーシングとしてやっていかなければならないものがあるという共通の認識のもとに議論が始まっているということも頭の片隅に置いていただければと思います。

○山井委員

 仕事内容と、年収、退職金、当然その両面は議論せねばならないと思いますが、要は、退職金も一カ月単位になっているんですね。普通、退職金を一カ月単位で、要は百万円の本俸としたら、百分の二十八を掛けて、それに四年だったら四十八カ月と、何カ月単位になっています。こういうところも本当に一般の企業ではあり得ないと思います。そういうことも是正する必要があると思います。

 それでは、木村副大臣にお伺いしたいと思います。

 社会保険診療報酬支払基金、これは先ほども質問が出ておりましたが、これを民間法人化するということですね。先ほどIT化の質問がありましたけれども、やはりこれは、これからしっかり合理化して、この手数料、一枚百十八円から百十六円に最近下がったそうでありますが、民間法人化する以上はもっとやはり下げる必要があると思いますが、副大臣、いかがでしょうか。

○木村副大臣

 支払基金のレセプトの支払いにつきましては、保険診療でございますから、適正な審査を行うために、事務職員による事前のチェックを経まして、審査委員によりまして適正に審査を実施しているところでございます。そして、膨大な医療機関、先ほどもお話ししたんですが、二十万の医療機関と、それから一万三千の保険者との間に立って、支払いに要するコストの手数料の約半分を占めているところでございます。そこで、レセプトの電算処理を通じまして、委員御指摘の、手数料の低減に努めることは大変重要な課題である、このように思っているような次第でございます。

 そこで、平成十四年度には、二円引き下げまして百十六円二十銭としたところでございますが、今後とも事務処理全般にわたります見直しを行いまして、手数料の低減に努めてまいる所存でございます。

○山井委員

 本当はもっと質問をしたい点が多々あるんですが、時間も迫ってまいりました。

 そこで、坂口大臣にお伺いしたいと思います。ちょっと聞きづらいことなんですが、事前通告もしておりませんが、これは十一月十日の読売新聞の記事なんですね。今、坂口大臣も、ああ、あれかということをおっしゃっておられました。

 簡単に言いますと、あってはならないことでありますが、全家連という障害者団体の家族の連合会に、結局、厚生省側がお金を要求したことがあると。例えば、どう書いてあるかというと、全家連は九六年、精神保健福祉施設ハートピアきつれ川建設計画にかかわった元精神保健課の職員を全家連幹部として迎え入れた。その際、元職員側から年収一千万円を求められたという。しかし、全家連が理事会で決めた年収は八百万円だったため、全家連の元専務理事は差額の二百万円を裏金から用意、元職員が当時の旧厚生省在任中に着任準備費などという名目で手渡した、こういうことですね。ここに報道されているわけです。

 本当にあってはならないことだと思っているわけですが、十一月十日の読売新聞の第一面に出ておりました。坂口大臣、この件について御意見をお伺いしたいと思います。

○坂口国務大臣

 全家連の問題につきましては、私も新聞で初めて知ったわけでございまして、これはあってはならないことでございますから、それが事実かどうか、至急に調査するように今命じているところでございます。

○山井委員

 ありがとうございます。

 私も、精神障害者の福祉の問題に非常に力を入れております。そして、御家族の方にとっては、本当にすごい切実な思いで、人生かけて精神障害者福祉の向上のために頑張っておられるわけで、間違っても、そのことによって、厚生省との関係においてこういうことがあってはならないと思います。今、坂口厚生大臣が調査をするということをおっしゃってくださったので、よろしくお願いしたいと思います。

 時間が参りました。これで終わらせていただきます。


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