2002年11月11日 |
特殊法人等改革に関する特別委員会 会議録 |
独立行政法人の役員の高すぎる給与や退職金、 さらに、道路公団の問題 |
○山井委員
民主党の山井和則です。 三十五分間にわたりまして質問をさせていただきます。私は、厚生労働分野の九件の法案を主に担当しておりますが、きょうは初日の総括ということで、特殊法人改革についての象徴的な問題について、主に石原大臣と扇大臣に質問をさせていただきます。 独立行政法人の天下り官僚の役員給与や退職金の異常な高さが、我が民主党の上田清司議員の調査でも明らかになっております。 さらに、私の尊敬する石井紘基衆議院議員が、先日暴漢に襲われて亡くなりましたが、悪を憎み、正義感の塊であった石井議員が最も力を入れて取り組んでおられたのが特殊法人改革であり、道路公団の問題、天下りの問題でありました。先日の告別式でもナターシャ夫人が、民主党の議員の皆さんが紘基さんの遺志を継いでほしいということを涙ながらにおっしゃっておられましたが、私も、この問題、その遺志の一部でも継がせていただくという気持ちで、本日質問をさせていただきます。 まず、石原大臣にお伺いします。 ごく端的に、この特殊法人の独立行政法人化の目的、ごく端的にで結構ですので、お答えください。
これは、午前中の御審議、また、先ほど来の御同僚の御審議の中でお話をさせていただきましたように、やはり公的部門が担っていく行政の実務の仕事はあるだろう。しかし、それをこれまで担ってきた特殊法人という組織形態が、自己増殖をし、あるいは非効率性に陥り、また、透明度が大変低く、さまざまな弊害が指摘され、それを是正するために今般、四十六本の法案を提出させていただいておりますけれども、その中で、特殊法人にかわる独立行政法人という新しいスタイルで行政のアウトソーシングの仕事をしていっていただこう、これが一つでございます。 それと、やはり民間を圧迫している部分があるのではないか。時代の変遷によりまして、官が主体的に行う仕事ではなくなったもの、昔は、端的な例は、やはり、宿を経営したり施設を経営したり、民間が十分でなくて官民の格差があったりしたわけですが、今ほとんどなくなっている。こういう部分に象徴されるような官業ビジネスを是正していく。 それと、さらには、運営している資金ですけれども、これは実は国民の皆様方の郵貯、簡保のお金をお借りしてきて、利子を乗っけてお返しするということで事業が成り立っていたわけですけれども、さらに税金で補てんもされていたわけですけれども、どうも経営が放漫であることによりまして、借りたお金に利子を乗せて返せないおそれが出てきているし、さらには、法人によっては、どうも資産がかなり劣化しているものがある。こういうものを変えていくということで、今回の特殊法人改革がスタートいたしました。 その方法は、組織論に目が行きがちではございますが、これも御議論の中でございましたように、事務事業を徹底的に見直し、同じような仕事をしているものは一つに集約する等々の見直しを行った上で、組織形態に踏み込んで議論をさせていただいているわけでございます。
今の御答弁をまとめますと、行政の肥大化を防ぐ、それで効率化する、スリム化するということであります。 しかし、先行して独行法人、独立行政法人になっておりますものに対して、我が党の上田清司議員が調べました資料が、きょう目の前にお配りをしてございます。 これを見てもらいましたらわかりますように、年収でも、真ん中の、経済産業省の産業技術総合研究所の一番高い理事長さんは二千六百五十万円。また、その二つ上の日本貿易保険に関しては二千四百万円というふうに、年収二千万円以上の理事長職が十一件、また、千九百万円台が十四件。 また、一期二年とか四年の退職金が、例えば物質材料研究機構では二千百三十三万円、二千万円以上が二件、千九百万円以上が七件。 また、人数に関しても、農業工学研究所などは、こういう独行法人化によって十八人ふえ、また、酒類総合研究所は十五人ふえている。全体で、五十七法人で九百人以上ふえている。 今の、非効率をなくす、行政の肥大化をなくす、スリム化するといううたい文句と全然反して、結局は焼け太りをしているんではないですか。このような現実に対して、石原大臣の見解をお伺いします。 ○石原国務大臣 この資料は、御同僚の上田委員がお示しされたというものを私もそのとき拝見しまして、随分高いものだな、大臣の給与よりも高い人がいるのかとびっくりもし、それだけの仕事をしてくださっているならばいいなと思って、特に、一番高い経済産業省の産業技研ですか、これを調べましたら、この理事長は、もう委員も御指摘のとおり、東大の学長さんをされていた吉川先生、こういう方を引っ張ってきまして、給料が安くなって引き受けてくれないということもあって高くなったのかなと、善意に解釈はさせていただいておりますが。 実は、道路公団の初代の総裁も民間人でありました、これも私、調べてびっくりしたんですが。しかしその後は、先ほど同僚の議員がお示しされましたように、全部指定席になっている。これはけしからぬな、高い給料を先につくっておいて、その後、万々が一、自分たちの先輩たちがはめ込まれるようなことをやっちゃいけない、そういう今回の反省に立ちましたし、このRアンドDの理事がふえてしまったということも承知しておりましたので、先ほど桝屋委員の御質問の中でお答えさせていただきましたように、法定数でいえば四割、常勤でいえば二五%、今回は役員の数も減らさせていただいたわけでございます。 ○山井委員 個々の事情はあるにしても、トータルとしてこれだけ焼け太りしているという現状を私は指摘をしているわけです。 もうちょっと、これ、トータルで見てみますと、例えばこの理事長も所轄大臣が決めることにはなっておりますが、ほとんどが官庁OBになっておりまして、具体的に、役員の退職金の算定方法について、先行した独立行政法人の場合どうなっているのかを調べてみました。それがこのパネルになるわけですが、ここでまた石原大臣に一つお伺いしたいと思います。 例えば、本俸が百万円の国家公務員の方が五十五歳から四年間さらに働いた場合の退職金は、四年分ですから五百万円アップとなるわけですけれども、それと同じようなケースで、独行法人で天下りをして本俸百万円で四年間働いた、その場合の退職金は大体幾らになりますか。 ○保利委員長 特殊法人等改革推進本部事務局堀江事務局長。(山井委員「これは大臣にということで通告してあります」と呼ぶ) これは事前の問題がありますので、行革大臣から一応御説明をいただきたいと思います。石原大臣。
私、退職金の算出方法等々、十分に認知しておりませんので、幾らになるということしか申し上げられませんが、単純に計算いたしますと、おおむね千三百万円程度になると考えております。
石原大臣、今非常に問題な発言をされたと思います。自分自身はその算出方法をそれほどよく知っていないということなんですが、そう思って、まさにこのパネルにつくってまいりました。二ページ目も見てみてください。 これ、どういうことになっているかというと、引き続き、例えば五十五歳の役人の方が本俸百万円で五十五歳から五十九歳まで四年間勤め続けたら、退職金は五百万円しかプラスにならないわけですよ。ところが、そこで天下りをして独立行政法人に行ったら、四年間いれば、今御答弁されたように約一千三百万、二・六倍にアップしているわけです。これはふえてしまっているわけですよ。 おまけに、午前中も議論にあった、早期退職加算がつくから、実際には天下った方が、独行法人に行った方が、一千万円以上これまた税金が使われていることになるわけです。そういう意味では、この問題、独行法人化で効率的にやっていくという趣旨に全く反しているわけです。 独行法人の役員は、身分は非公務員といっても給与は国家公務員並み、さらに退職金は国家公務員よりも二倍以上こうやって高くなってしまっている。こんなことでいいんですか。同様のことが起こるんだったら、独行法人化の意味がないと思います。石原大臣、いかがですか。
私が算出方法を明確に認知していないということは、法人によりまして加算方法に幅があるわけであります。ですから一千三百万円程度と申したわけでございまして、このようなことは、もう既に、渡りがあって、短期間しか在職しないのに数千万円の退職金を複数からもらうことはけしからぬと御同僚の委員から出てきておりまして、それに対しまして、そういうものを是正していくために今回の仕組みを仕組ませていただいているともう既に答弁させていただいておりますし、委員の御指摘と私の考え方に相違はないものと承知をしております。
今個々に幅があるという答弁でしたが、実際には、どこを調べてみても、私、今回調べてみましたが、すべてこの計算式に当てはまるんですね。つまり、本俸掛ける百分の二十八、これは十一月一日からこうなっています、掛ける四十八カ月、月で計算するわけですね。国家公務員のもとの場合は年で計算するけれども、特殊法人や独行法人に天下ると月で計算するから、これだけ膨らんでしまうわけです。 幅があるといいますけれども、これがルールになっているわけですよね。このルールでこれから独行法人化されるものもやっていくんですか。そうすると、独行法人に行けば行くほど焼け太っていく、退職金がかさんでいくという今の状況は変わらないですよ。いかがですか、石原大臣。
○石原国務大臣 その点は、先ほども御質問がございまして御答弁させていただきましたように、早期勧奨退職で出て、そこで退職金を取って、また退職金をもらうというような、二重に退職金を取るような形は是正をさせていただき、御指摘のような問題に対応させていただきたいと考えております。
今まさにこの法案の審議をしているわけですが、御指摘の趣旨に沿って対応していきたいということは、具体的にどうするわけですか。今では、四年前に出たら二・六倍に退職金がふえてしまう、このプラスの部分、そういう部分をこれ以下に下げるということですか。具体的に幾らに、どのようにするかということをはっきり言ってもらわないと、ここで審議ができないじゃないですか。 ○石原国務大臣 もう既に御答弁をさせていただいておりますように、今回御審議をいただいております特殊法人から独法化する法人につきましては、退職金で三割、四月から減額をさせていただいております。
今度新しく独行法人化することに関してはどうするわけですか、石原大臣。 ○石原国務大臣 同様に当てはめていきたいと考えております。 ○山井委員 三割でも十分だとは思いませんが、もっとそこのところをきっちりこれからやっていっていただきたいと思います。 ついては、国民の将来負担の無原則な増加を防ぐ真の改革というのがこの独行法人化の目的なわけですが、その趣旨に反して、現時点で独行法人化されている、先ほども言ったように、職員数がふえたり、こういうふうな高い給与や退職金が野放しになっているわけです。 次に、特殊法人の一つであります阪神高速道路公団の入札妨害の事件についてお伺いしたいと思います。 今回の事件は、大阪管理部が発注した遮音壁工事の入札工事をめぐって、公団OBの天下り業者に入札情報を漏らし、公団関係者ら四人が逮捕されるという、天下りを介した官民癒着構造が明らかになったものであり、極めて問題であると思います。 まず、この事件、両大臣御存じだと思いますが、扇、石原両大臣から、この事件に関する御見解をお伺いしたいと思います。
今山井議員がおっしゃいますように、この今回の阪神道路公団に関します事件、私も公共工事の入札と契約に関する適正化法というのを一昨年の十二月、皆さんの、超党派で、自民党から共産党まで全部賛成していただいて通していただいて、その中にも既に書いてあるわけですけれども、今回このような事件が起こったということを聞きまして、まことに遺憾な話であるし、また、国民の皆さんに、道路公団等公団の話が今まさに論議されている最中にいやしくもこういうことが起こったということは、私はあってはならないことだと思うし、なお一層公団に対する国民の信頼が失われるということに関しては、私は、すぐその日でございましたけれども、四公団の総裁、理事長全部呼びまして、こういうことがあってはならない、しかもほかにはないのかということを全部通達をし、もう一度自分たちで、どうしてこういうことを防げないかという答えを持っていらっしゃいということで、一週間の猶予を与えて、今週末までには各公団から、どういうことでこういうことが起こったか、反省も含めて案が来るものと思っております。
この問題は、阪神道路公団において受注先企業への天下りと談合が表裏一体になっているわけであります。 十月三十一日付の毎日新聞によれば、阪神公団のあるOBは、建設会社への再就職の際、阪神公団から五億円分の工事受注を約束したと証言しておりますし、またOB受け入れ企業も、阪神公団在籍時の給料を保証してやれば数億円の工事がもらえるというのが業界内の常識だと証言をしております。 先ほど扇大臣、今指示をしているということをおっしゃいましたが、再発防止策、もうこれは構造的な問題になっているわけですが、どうされたらいいと扇大臣本人は思われますでしょうか。
きょう、午前中にもお話があって私も話を聞いておりましたけれども、道路公団等々、いわゆる阪神もすべて含めて、補修とかあらゆる面で、メンテナンスの部分でなるべく地元の業者を雇うべきであるという御意見が今までもございましたし、また、そのようにしております。 ですから、いわゆる遮音壁、これも一つなんですけれども、なるべく地元の業者に公平に仕事が行き渡るようにということでこの制度を取り入れているんですけれども、たくさんの業者を入れれば入れるほどコスト高になっているということもこれあり、私がなぜこういうことになるんですかと言ったら、いざ何かあったときにすぐその仕事が、応急処置に対応できる業者に仕事をさせたいというお話がございました。 だったら、私は、その材料を持って、道路のすぐそばに倉庫をつくって、何かのときにすぐ対応に出られるような、そういうところに契約が落ちるとどうしても一定の業者になってしまうから、そうではなくて、高速道路をつくるのであれば、かさ上げしているんですから、その下がいっぱいあいているんですから、そこに公団としての材料を保管して、その材料を使ってメンテナンスをする業者を選べばいいじゃないですかと。何も民間の業者が道路のそばに倉庫をつくって、すぐ対応できるような整備をしていなくても、公団自体が、空間もあるんですし、道路をつくったときの材料もそこに保管して、あまねく公平な競争をして入札をすればいいんじゃないですかということも私は申し上げましたけれども、四公団に、それぞれ自分たちでみずから考えなさいということで申し渡したというのが現在の状況でございますけれども、私は、単純に考えても、それくらいのことは是正できるのではないかなと思っております。
今の、発注と談合、それと天下りというのが表裏一体をなしているわけですけれども、そこで高値入札になって税金のむだ遣いになっているという構図があるわけです。 そこで、扇大臣に改めてお伺いしたいんですが、受注関係にある民間企業への天下りについて、国家公務員の場合は、御存じのように、退職後二年間はクリーンオフ期間として、直前の五年間に担当した業務と関係が深い企業に再就職することは禁じられていますが、例えば今回の阪神公団のような、公団から受注先企業への天下りには規制はないんですか。
ございません。
それはおかしいのではないでしょうか。今回も、この資料の中身に、三ページ目以降、過去五年間、七十八人、阪神高速道路公団からファミリー企業やいろいろな受注先の企業に天下っているわけですね。 今なぜ私がおかしいと言ったかというと、要は、阪神公団などの公団は、官庁と同様に、いや、それ以上に建設会社などの受注先企業との結びつきが強く、職務権限が強いことも十分考えられます。にもかかわらず、規制がないというのはおかしいのではないでしょうか。だから、今回の事件のように、仕事の発注と引きかえに天下りがふえるんだと思います。この資料にもありますように、毎年十数人、過去五年間で七十八人、また、歴代では三百人ぐらいが、受注関係のある企業や公団のファミリー企業に天下っているわけです。 実は、私の知り合いの建設会社に勤める友人にも聞きましたら、こう言っていました。阪神公団からの天下りを受け入れないと仕事がもらえない、余り仕事をしないのに公団からの天下りの役人には高い給料を払わねばならないと嘆いておりました。結局、談合による高値入札でまたその会社は元を取る。このような税金のむだ遣いは許せないわけであります。 そういう意味では、道路公団から受注先企業への天下りは規制すべきではないでしょうか。扇大臣、そして石原大臣にもお伺いします。
今四公団統合の委員会で御論議をいただいておりますけれども、きょうはたまたま山井議員は阪神道路公団のお話をなさいましたけれども、これは阪神のみならず、道路公団自体にも、私も何度も国土交通委員会で数字を出しておりますけれども、少なくともいわゆる維持管理業務、これは四業務ございますけれども、もう山井議員御承知のとおりでございまして、各公団、すべて道路公団は四業務の分割をしております。 そして、その四業務の中に、例えば道路公団一つとってみましても、道路公団の料金の収受だとか、あるいは交通だとか保全とか補修とか、あらゆる四業務の中でも、道路公団一つとってみましても、少なくとも百六十三社あるんですね。そして、百六十三社あって、その百六十三社のうち公団からの天下りというものも四十六社に天下っているわけですね。 そして、その四業務の、公団から分割されて維持管理しているその業者一つ一つが民間会社になっていまして、そしてそこで、民間会社がほとんど、八五%以上道路公団からの仕事を落としているわけですね。そしてそこでいわゆる受益が起きているという意味では、私は、受益額というものが六百八十五億全部であるんですね。余剰金というものが一社十四億あるんですね。これだけ民間がもうかっていて、普通だったら、普通の民間会社では五、六千万というのが常識です。けれども、そういう天下りといいますか、天下りしているからたくさんあるというわけじゃないですけれども、そういう民間という名に隠れて道路公団の仕事を一手引き受けにして、そして余剰金を一社で十四億も持っているということ自体が、一般の民間の皆さんから見れば、どういうことなんだという声が起こるのは当然なものですから、私はどうしてもそういうことを、先ほどから焼け太りという言葉をお使いになりましたけれども、私はそうではなくて、こういう、道路からの下請を四業務見ただけでもこれだけの民間らしくないものがある。 一定のものが大変もうかって、しかも道路公団は赤字で困っているということでは、私は民間の賛意が得られないということで、その体質を改善しようというのが今の論議の最中でございまして、ですから私は、特に上下分離して、下は一生懸命つくって、上でそういうもうかる業務というもので、私は、民間が、焼け太りではなくて、食い逃げしてはいけないな、そう思って是正していこうというのが今の論議の大事なところだと思っています。 ○石原国務大臣 ただいまの点は、道路民営化推進委員会でも重要なポイントということで、実は、これも一般入札で、調査会社に依頼いたしまして、千二百社の会社にファクスアンケートを実施いたしまして、そのうちの内容を精査して、六百五十社、行政コスト子会社が百三十六社、アンケート回答企業が二百八十社、アンケート辞退企業が二百四十社、ここに訪問調査をしまして、実態を詳細に検証していこうと道路民営化委員会で検討させていただいている最中でございます。 そして、先ほどちょっと退職金の支給率のお話がございまして、正確なお話ができませんでしたので、補足をさせていただきますと、退職時俸給月額掛ける在職月数、これは委員の御指摘でございます、掛ける支給率が、これまで〇・三六でございましたのを〇・二八に削減することによりまして、委員は三割で少ないと申しますが、三割の削減を図らせていただいていることと相まちまして、現在、公務員制度改革の中で検討中でございますが、在職者と途中で他の特殊法人、独立行政法人に行った人間との給与、退職金の差が出ないように、役員出向制という形で一度だけ六十歳に退職金を取るという形に改めるべく準備をさせていただいております。
もうちょっと扇大臣からも具体的な答弁をいただきたいわけですけれども、具体的に言いますと、公団から受注先の民間企業に天下るときに、公務員の方が天下るのと同じように、二年間のクリーンオフ期間というものをやはりとるべきじゃないかと思うんです。 このことについて、扇大臣にお伺いします。
むしろそのことよりも、民間の皆さん方が、公団の職員を天下りで採ったら仕事がふえると思っていらっしゃること自体が私はおかしいと思いますので、そういうことをさせないという基本的なことを、何年たったらいいというのではなくて、基本的なものを我々はもっと、そして、天下ったから受注できるということを思っていること自体が封鎖できるということが、私が入札と契約に関する適正化法をつくった大原則でございますので、法律ができているんですから、私はそういうものを市町村まで徹底さすべきであるというふうに思っております ○山井委員 今のようなマインドの問題にしてしまうから、いつまでたっても天下りの問題はなくならないんではないかと思います。やはりきっちりと制限していくということが必要だと思います。 午前中も質問がありましたが、中島人事院総裁にも来ていただいておりますが、この大綱は、これまで不十分とはいえ、第三者機関である人事院が天下りの審査を行ってきたのを、各省の担当大臣の権限にしようとするものであります。これではますます各省の省益を背負った天下りを助長して、現在の問題を解決するどころか、さらに事態を深刻化させるのではないかと思います。 天下りを助長して、改正ではなく改悪だ。要は、今までは人事院さんがきっちりチェックしていたのを、これからは独行法人の中での天下りというものは各省庁に任せてしまうということでは、結局、後退しているんじゃないかと思います。 このような公務員制度改革大綱について、石原大臣、そして中島総裁の御意見をお伺いします。 ○石原国務大臣 ただいまの点は、内閣委員会等々でこれまでもかなり御論議をさせていただいた点でございます。 天下りの基準が甘くなるという御指摘でございますが、もう既に、人事院の事前チェックにおきましても、十二年と十三年を見ますと、三十人近く天下りの数がふえるわけであります。人事院の基準をクリアしたら、人事院が、その基準をクリアしているものを、人数がふえるから減らしますということはできないわけでございますので、内閣が、承認基準を政令で定めて、承認制度の運用について総合調整を行い、所管大臣は、内閣が定めた承認基準に基づいて、内閣の総合調整のもとに再就職の承認を行う。各大臣がリスクを背負うことによりまして、野方図な天下りというものを是正しようというように、二重にも三重にも厳しくした内容でございます。 ○中島政府特別補佐人 ちょっと石原大臣の御答弁には誤解があると思います。 現在の天下りの法律を読んでいただきますと、各大臣が申請してこられて人事院が審査をしているということでございますので、それぞれの大臣が申請する前にきちんとチェックをなさればふえることはない、そこのところをしっかり認識していただきたいというふうに思います。 なお、天下り一般につきましては、民間企業に対する天下り、あるいは特殊法人、認可法人等に対する天下り、非常に国民的な関心が高くなっております。そして、この問題は多方面にわたる議論が必要だということで、我々は当初から、内閣、官邸自身が直接この問題を所管すべきである、すべてを一括して所管すべきであるということを申し上げております。 ○山井委員 今の中島総裁の答弁と石原大臣の公務員制度改革大綱の趣旨、違っているんじゃないですか。石原大臣、いかがですか。
中島総裁は、大変お言葉を選ばれて御発言をされております。申請をするのが大臣で、申請を大臣が控えたら承認が少なくなるというお話をされました。これはまさに予算と一緒でありまして、今度の予算を見ていただければわかりますように、二割アップまで申請をすることはできるんです。しかし、承認を小さくすることによりまして絶対の数を減らす、そういう予算の組み方をやっている。これと全く同じ理屈であって、私は、不一致はないものだと承認しております。
全く不一致であります。 中島総裁にもう一度お伺いしますが、今回の公務員制度改革大綱によって天下りは減っていくと思われますか。各省に任せてきっちりできると思われますか。いかがでしょうか。 ○中島政府特別補佐人 この大綱というものが発表されましてから、いろいろな方面から御意見が出ております。その御意見はほとんどが、やはりお手盛り天下りになるだろうという御意見でございます。そのこと自身をやはりよく考えて、どういう制度にするかを御議論いただかなきゃならないんじゃないかというふうに思います。
人事院総裁の言っていらっしゃることと石原大臣のお考えと違うんですけれども、ここを統一してもらえませんか。どっちの言っていることが本当なんですか。 ○石原国務大臣 内閣が責任を持って物事を決めているのが日本の民主主義だと考えております。
人事院総裁のおっしゃることは、石原大臣、どう思われますか、先ほどの御意見は。 ○石原国務大臣 言葉を選んで御発言されていると考えております。
今回のことでまた天下りのことが逆行するのではないかということでは、私、非常に危惧を感じております。 もう一つ石原大臣にお伺いしますが、先ほど三割削減するとおっしゃって後で訂正されましたが、要は、百分の三十六から二十八に減らした、それでもう三割削減したという、それだけですか。その時点でも既に二・六倍高いという質問を私はしているわけで、これからどうするのかということを聞いているわけです。石原大臣、いかがですか。 ○石原国務大臣 三割もう既に四月一日から退職金は減額になっておりますし、独法も同じでございます。 また、政府の見解に統一的なものが見られるということは、もう既に内閣委員会でも答弁をさせていただいているとおりでございます。
先ほどの中島人事院総裁と石原大臣の御見解と正反対だと思うんですけれども、もう一回整理していただきたいと思うんです。中島人事院総裁、お願いします。 ○中島政府特別補佐人 日本の天下りというのは、組織対組織のもとで行われておるということでございます。したがいまして、そこに癒着が生ずるということでございます。アメリカとかイギリスのように、個人が就職先を探して民間企業に就職するという体制ではないということでございますので、この天下りを承認するのがだれであるかということは非常に重要な問題だというふうに思います。
質問時間が来ましたので終わりますが、これはきっちりとちょっと整理をしてもらいたいと思います。全く正反対のことをおっしゃっておられます。委員長、これ、ちょっと統一をしてもらいたい。
後刻、理事会で協議をいたします。 ○山井委員 本当は労災病院のことも質問したかったんですが、またそれはあすさせていただきます。どうもありがとうございました。 |