2001年11月7日 |
衆議院 厚生労働委員会 議事録 |
ヤコブ病訴訟 医療制度改革 やまのい和則 部分掲載 |
午後一時開議 ○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山井和則君。
民主党の山井和則でございます。よろしくお願い申し上げます。 冒頭に、ヤコブ病訴訟の原告団のお一人であります患者の山村桂子さんが一昨日の晩にお亡くなりになりました。この場をおかりしまして、心より御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 まず最初に、このヤコブ病訴訟のことについてお伺い申し上げたいと思いますが、私も薬害ヤコブ病問題を考える議員の会の民主党の世話人をいたしております。御存じのように、今も、もう三日目に入りましたが、厚生労働省の前で、原告団の方々や支持者の方々、そして患者さんの御家族や御遺族の方が座り込みをされておられます。私も昨日も行かせていただきましたが、本当に一日も早く和解をしてほしいということが切なる思いであります。 ヒトの組織を初めて使った乾燥硬膜のライオデュラ、十分な検査もなく承認され、その結果約八十名の方がヤコブ病を発症されまして、これからどんどんふえていこうとしております。 そんな中で、十月五日に山村桂子さんのお見舞いに行かせていただきました。きょうの資料の中にもございますが、私がお見舞いしましたときの山村桂子さんのお姿でございます。この議連の会長でもあります中川昭一先生、中川智子議員、川田悦子議員、参議院の小池議員とともにお伺いをさせていただきました。 この写真を見ていただきましたらわかりますように、五十五歳、そして平成十年に発病されました。三十九歳で脳の手術でライオデュラの移植を受けられたわけであります。楽しみにしておられた娘さんの結婚式を目前に控えてヤコブ病を発病され、そしてこの写真にもございますように、まくら元にはお母さんの写真を置き、そしてまたもう一方のまくら元には、残念ながら出られなかったその娘さんのお子さん、つまりお孫さんである方々の写真に見守られ、病床に伏しておられました。大臣に一日も早くお見舞いに来てほしいということを御主人の伊吹さんもおっしゃっておられました。しかし、待ち切れずに亡くなってしまわれたわけです。 まず、最初にお伺いしたいと思います。 まず、最初に御確認させていただきたいのですが、坂口厚生労働大臣、生きておられる患者の方々に会って、お見舞いに行っていただけるんですね。御答弁をお願いいたします。 ○坂口国務大臣 昨日、参議院におきましても櫻井議員にお答えをさせていただきましたが、お一人お一人の御家庭をお邪魔させていただくことになるのか、それとも、まず患者の御家族の皆さん方にお会いをさせていただくことになるのか、その辺のところはこれからよく御相談を申し上げなければなりませんけれども、この問題が解決しました暁におきましては、お邪魔をさせていただき、そしてごあいさつを申し上げたいというふうに思っております。 しかし、昨日も申し上げましたとおり、私は、個人としての立場でありますならば、それは単にお見舞いを申し上げる、それで済むわけでございますが、しかし、厚生労働大臣としての立場にあります以上、それはただ単に御病気のお見舞いを申し上げるということだけでは済まないだろうというふうに思っている次第でございます。 したがいまして、裁判所の方から、この月半ばというふうにお聞きをいたしておりますけれども、和解の条件をお示しいただくということを聞いております。その段階で、それに対する一つの結論を出させていただいた後にそれはなるのではないかというふうに思っている次第でございます。 ○山井委員 中旬に和解の条件が提示されるとのことでありますが、間違ってもけるということではなく、柔軟に和解に早急に応じていただきたいと思います。 そして、今、会っていただけるということですが、そこで非常に重要なのが、患者の方々は待てないということなんです。来年三月に判決が出ますが、それまでぎりぎりに引き延ばすようなことはあってはならないと思っております。裁判所の和解勧告でも早期の解決ということが勧告されているわけですけれども、この早期というのは、明らかに、今残っておられる患者の方々が生きておられる間にということだと思います。 しかし、一昨日、山村桂子さんは亡くなってしまわれました。そして、きょうまた三人の方が新たに東京訴訟について追加提訴をされました。これで東京訴訟は合計二十八名、そしてきょう三人追加された中で、お二人は残念ながらもうお亡くなりになっておられますが、お一人まだ生きておいでになります。ですから、北海道の十八歳のヒロ君、そして東京の小畑さん、そして本日追加訴訟された方、この三人しか今原告の生存患者さんはいらっしゃらないわけであります。 そして、もうお一人、八十数名のヤコブ病の患者さんの多くは残念ながら亡くなってしまわれましたが、もう一人生存しておられますのが三重の田川貞雄さんでございます。田川さんは現在七十歳で、三重の国立療養所に入院中です。一九八七年にライオデュラの移植を受け、二〇〇〇年、昨年発病、しかし、実は五年前の衆議院選挙の前に坂口大臣本人もこの田川さんの御自宅を訪問され、そのとき、当時元気であった御主人と奥さんと一緒に記念写真も撮られたと伺っております。そして、奥さんは、今でも坂口大臣と御主人と一緒に写した写真を宝物のようにして額に入れて、いつの日か必ず坂口大臣が来てくださるということで、一日千秋の思いで待っておられます。私は、その写真の実物も見せていただいたことがあります。 このように、原告の生存患者のお三方、そしてこの田川さん、四人の方にお見舞いに行っていただく、このことを早急にお願いしたいと思います。改めて坂口大臣の御答弁をお願い申し上げます ○坂口国務大臣 この月半ばに出ます和解勧告、それに対しましては、やはり早くこの問題を解決しなければならないという裁判所の御意思によるものだというふうに思っておりますし、そのことにつきましては私たちも尊重をしなければならないというふうに思います。そしてまた、その出ました結果につきましても、その御趣旨を十分に尊重したいと考えているところでございます。 その後におきまして、日を定めて、そしてその皆さん方にもお会いをさせていただくことがあるだろうというふうに思っている次第でございます。 ○山井委員 今、会っていただけるということですが、改めてお聞きしますが、生きているうちに会っていただけるということで確認させてもらってよろしいですか。 ○坂口国務大臣 できるだけ早くその機会が訪れればと私も思っております。 ○山井委員 私がなぜそのようなことを申し上げるかといいますと、十月五日に山村桂子さんのお見舞いに行かせていただいて、今度私も委員会で、一日も早く大臣にお見舞いに来てもらえるように取り上げさせてもらうということを御家族の方にもお約束をさせていただきました。しかし、実際、一昨日亡くなられてしまったわけです。 そういう意味では、本当にこれはスピードが大切だと思います。本当なら、きょうの私のこの質問にも山村桂子さんの御主人が傍聴に来てくださる予定でした。しかし、きょうこの一時から山村桂子さんのお葬式が行われているわけです。山村桂子さんは待ち切れなかった。先ほども、私、御主人と話をさせていただきましたが、本当に悔しいということをおっしゃっておられました。御主人さんいわく、来てもらって謝罪してくれとかいうんじゃない、坂口大臣もお医者さんなんだから、桂子さんに触れてもらったら、きっと感じてくださることがあるだろうということを私も思っております。 何の罪もない方が、ライオデュラを移植したばかりにヤコブ病に感染し、そして、ばたばたと亡くなってしまわれます。どうか、天国の桂子さんのためにも残りの四人の患者の方に一日も早く会いに行っていただきたい。それは、亡くなられた、既に亡くなられた七十数名の患者さんやその御遺族にお見舞いに行くということにもつながると思います。 そこで、一つお願いをしたいんですが、十一月中旬に所見が裁判所から出されるということですが、ここは坂口大臣の政治決断で、何とか年内に会いに行くということをお約束していただけないでしょうか。そうしないと、亡くなってからお見舞いに行くということは無理なわけです。 今まで五年間、この裁判も行われてきて、これからずるずる引き延ばしていって、一年、二年で亡くなるのがこのヤコブ病であるというふうに厚生労働省さんもおっしゃっているじゃないですか。第二、第三の山村桂子さんをつくらないためにも、きょう電話で話した山村桂子さんの御主人も、ヒロ君にもヒロ君の御家族にも同じ思いをさせたくないということをおっしゃっておられました。 少なくとも厚生労働省が認可したライオデュラで、何の罪もない方が亡くなっていっているのですから、生きている間に大臣が会いに行くのはせめてもの誠意というものではないでしょうか。年内にどうかお見舞いに行っていただきたい。そういう政治決断を、坂口大臣、よろしくお願いいたします。答弁をお願いいたします。 ○坂口国務大臣 先ほどからお答えをいたしておりますように、十分に尊重させていただきたいと思っております。本日の委員の御発言、御趣旨も十分に踏まえながら、十分に対応させていただきたいと考えているところでございます。 ○山井委員 先ほどの大臣の、患者さんが生きている間にお見舞いに行きたいという言葉を信じております。中旬に出る裁判所の和解に関する所見に関しては、ぜひとも柔軟に、そして何よりも早急に和解につなげていただきますようにお願い申し上げます。 では、続きまして、医療の問題に移らせていただきます。 国公立病院の医師連盟費の公費支出についてであります。このことについては、資料の二枚目をおめくりいただけますでしょうか。ここにもございますように、「国費から日医連会費」「政治団体費に国費使う」ということが出ております。それでまた、次のページにございますように、「二十三県立病院が政治団体費」ということも新聞で先週報道されております。政治団体への会費を公費で支出するというのは言語道断なことだと思います。 まず、総務省にお伺いしたいと思います。この件についての御見解をお聞かせください。 ○木村政府参考人 自治体病院におきます、いわゆる医師連盟などの政治団体に対する費用を公費で支出することの是非についてでございますけれども、基本的にはそれぞれの地方公共団体の判断によるものであると考えておりますけれども、総務省といたしましては、その性格上公費からの支出は適切を欠くものではないか、このように考えているところでございます。 ○山井委員 では、国立病院の方についてお聞きしたいと思います。 二十二の国立病院が同様に公費で医師連盟の会費を支出しております。これについて厚生労働省の御見解をお願いいたします。 ○桝屋副大臣 国立病院についてお尋ねをいただきました。医師会費の公費支出につきましては、地域医療機関との連携を図る、協力体制を構築していくということで、必要性が場合によってはあるだろうということで、医師会費の公費支出については妥当性もあるのではないか。ただ、医師連盟費については、その性格上、公費からの支出は不適切というふうに考えております。 ○山井委員 それでは、改めて総務省さんと厚生労働省にお聞きしたいのですが、これは今までの違法支出分に関しては返還するということですか。総務省と厚生労働省、お願いいたします。 ○木村政府参考人 今御答弁ございましたように、医師会への会費負担につきましては、自治体病院におきます地域医療の連携等を進める等の観点から、従来から公費で負担している例があると聞いておりまして、具体的な経費支出の判断につきましてはそれぞれの実情を踏まえまして各地方公共団体で判断すべきものと考えております。 また、医師連盟の会費負担につきましては、先ほど申し上げましたとおり、総務省として、その性格上、公費からの支出というものが適切を欠くのではないかと考えているところでございまして、その取り扱いにつきましては、国の対応等も踏まえまして地方公共団体の判断によって適切に対応されるもの、このように考えております。 ○桝屋副大臣 お答えをいたします。 そこで、今委員から、今まで支払われたものについてどういう対応をとるのかというお尋ねをいただいたわけであります。これまでの支出分につきましては、医師会費等の内訳を十分確認しないまま現場において支払われたということもあるようであります。実情はさまざまでありますけれども、今後各施設の実態を十分に把握した上で、委員からも御指摘ありました返還も視野に入れて適切に対処してまいりたい、このように考えております。 ○山井委員 桝屋副大臣に改めてお伺いしますが、返還も視野に入れてじゃなくて、これは返還でしょう。政治団体に公費が入るということでいいという論理が成り立つのですか。 ○桝屋副大臣 先ほども御答弁申し上げたように、医師連盟費、政治団体についての支出については適切ではないというふうに考えているわけであります。今回、会計検査院等から指摘も受けたところでございまして、実態を十分把握した上で、委員御指摘のように、不適切なものについては適正に処理をしなければならぬ、このように考えております。 ○山井委員 総務省さんに改めてお伺いしたいのですが、ということは、国が返還することになれば、都道府県の病院に関してもその方向ということでよろしいですか。 ○木村政府参考人 先ほどもお答えいたしましたように、各地方公共団体の判断において適切に対応されるもの、このように理解しております。 ○山井委員 でも、都道府県に任せるということでは非常に無責任だと思うのですが、もう一度お願いいたします。それはもう都道府県に任せてあって、都道府県がオーケーと言えば都道府県のお金で政治団体の会費を払っていいのですか。答弁をお願いします。これは公選法にも関係していることですから。 ○木村政府参考人 御案内のとおり、地方自治法の二百三十二の二というところにおきましては、普通地方公共団体は、公益上必要のある場合には補助することができるというふうなことでございまして、その判断につきましては地方公共団体がおやりになるということでございまして、先ほど来申し上げておりますように、この判断につきましては、国の対応も踏まえまして地方公共団体で適切な判断がされるものと考えているわけでございます。 ○山井委員 そもそもこれは政治連盟なわけですから、公益性というよりは、そういう政治連盟への公費負担というのは絶対に認められないと思います。 それで、次、議論を分けて、医師会費について改めてお伺いしたいと思います。 三月十七日の共同通信の報道でも、ここに資料がございます。もう一ページめくっていただきますと、「医師会費を公費で負担 東京、岩手など三十四都府県で」というこの資料にもありますように、多くの自治体が医師会費を公費で負担しております。 そもそも医師会というのは個人の資格で入るものなのに、それを公費で出すというのはおかしいのではないでしょうか。総務省、いかがでしょうか。 ○木村政府参考人 今御指摘がございましたように、医師会は個人加入が原則であると聞いておりまして、このように個人で加入する会の会費につきましては、原則として個人が負担する性格のものと考えているわけでございます。 ただ、地方公共団体におきまして、地域医療との連携を進める等の観点から、従来から公費で負担している例があると聞いておりまして、具体的な経費支出の判断は、基本的には、医師会への加入が病院の業務に関するものであるかどうかなど、それぞれの事情を踏まえまして各地方公共団体で御判断されるべき問題と考えております。 ○山井委員 同様のことを厚生労働省さんにもお伺いしたいのですが、冒頭の新聞記事にもありましたように、国費から、日医連の会費だけではなくて、都道府県の医師会の会費が支払われているということです。このことについても、同じく個人の資格で入る医師会の会費を公費で出すのはおかしいのではないかと思いますが、厚生労働省の見解をお伺いします。 ○桝屋副大臣 委員も恐らく御理解をされておられると思いますが、今回いろいろ問題になっておりますけれども、国立病院の院長、責任者が地域医師会に入られるということについては、先ほどから総務省からもお話がありますが、地域医療に対応するさまざまな連携ということもあるわけであります。そうした協力体制を確保するという観点で、院長というお立場で、責任者というお立場で地域の医師会に加入をしていくということは、もちろん委員がおっしゃるように医師会の入会そのものは任意でありますけれども、院長というお立場でそうした業務の一環として地域医療の連携体制をとっていくというようなこともあって、院長が地域医師会にお入りになるその医師会費について公費で負担をするということについては、これは以前から行われてきたようでありまして、あながち妥当性がないとは言えないというふうに考えております。 もちろん、これは責任者のお立場でということでありまして、ただ委員御指摘のように、医師会費の支払いについて、政治団体等の会費と一緒に集められていたというようなこともあって、そこは皆様に誤解を与えるところもあったということでありまして、そうした点については、今改めて実態を把握の上適正に処理をしたいというふうに考えているところでございます。 ○山井委員 今地域医療との連携において必要ということでしたが、実際二百七ある公立病院のうち百七十七程度が公費支出しているわけですから、三十の国立の医療機関は公費支出していないわけですね。 ○桝屋副大臣 お答えいたします。 委員お尋ねのように、地域との連携に支障を生じているということがあるのかということでありますが、そういうことが現に、ただいまの国立病院であるとすればそれは問題であろうというふうに思います。したがって、そういうことはないというふうに思っているわけであります。 そうした前提に立って、委員御指摘のように、地域の医師会に院長が全部入っているのかというと、必ずしもそうでない。では入っていないがゆえに連携に問題が出ているのかというと、それはそうではない。地域医師会に入っておられること、入られていないことが地域の連携に問題が出ているということではもちろんない。医師会に入っておられるかどうかということがすべての条件ではないだろうというふうに思います。ただ、個人の御判断で、院長先生が地域医師会に私は職務として入った方がいいと御判断をされて入られて活動されるということは、それはあってしかるべきではないかというふうに考えております。 ○山井委員 個人の判断で必要と思ったら入ったらいいじゃないですかというんだったら、公費で出す必要がないじゃないですか。何でそれを公費で出すんですか。 今、これほど財政が厳しくて、不況が深刻で、みんながどうやって財政を切り詰めようか、まさに医療制度改革で患者さんの自己負担をアップさせようというときなわけですよ。そういうときに、今みたいなあいまいな、支障が出るかどうかはわからないけれどもというようなことで公費支出するというのはやはりおかしいんじゃないでしょうか。具体的にどういう支障が出るということを想定されているんですか。お答えください。 ○桝屋副大臣 先ほども申し上げたように、具体的に現実の国立病院で地域医療との連携に問題があるということ、そういうことがもしあるとすればそれが問題でありまして、ただ、今お答えを申し上げているのは、地域の医療機関との連携を図り協力関係を構築する上で、国立病院等が地域において適切な医療を提供するために必要な医療情報などを容易に把握するということができる、そうしたことを踏まえて地域医師会に責任者がお入りになる、それをまさに公務の一環としておやりになるということ、これはあってもしかるべきだろうということでございまして、私は公費を充当することは妥当性はあるというふうに考えております。 ○山井委員 改めてお伺いしますが、この三十の施設は公費で出していないわけです。ここで支障が出ているんですか。 ○桝屋副大臣 先ほどから何度もお答えしておりますが、国立病院として地域の医療機関と地域の医療ということでもし連携に問題があるとすればそれは許されないことでありまして、それは医師会に入っている、入っていないは、私は直接、それだけが要素ではないだろうというふうに思っているところであります。十分連携はとれているということでございます。 ○山井委員 そうしたら今の論理が一貫していないじゃないですか。三十の施設は医師会に公費で入らなくても支障が出ていない、にもかかわらず公費で支出する必要があるというのと、全然論理が一貫していないじゃないですか。 改めてお伺いしますが、三十の医療施設では何か問題があるんですか、公費で入っていないことによって。問題がないのに公費で支出せねばならないという理由をお願いします。根拠はないんですか。 ○坂口国務大臣 平成十三年の十月の十二日、厚生労働省の健康局の国立病院部が出しました文書がございます。この文書は一応、「当該代表者の医師会費に限り国費を以て充てることができることとする。」という文書を出しているわけですね。 それで、この文書がいいか悪いかの問題は別途あるというふうに思いますが、それで、いわゆるこういう文書を出しているものですから、各個々の公的病院の方が院長の方はいいんだなという解釈を多分しているだろうと思うんですね。 今までの病院の中で、院長だけではなくてほかの先生方の分を出していたというケースがあるのかどうか、ちょっと私はわかりませんけれども、院長に限ってはそれはいいということを認めているわけです。そのことが、院長も要らないじゃないかという御意見は、多分それはあるだろうというふうに思いますけれども、そういう意思決定を厚生労働省としては今までしてきたということだというふうに思います。 ○山井委員 これは県立病院の話ですが、例えば富山県立中央病院は一九九六年から医師会費の公費支出をやめましたが、支障は一切ないと言っております。また、沖縄県も同じように公費支出をしておりませんが、運営に全く支障はない、公費負担は筋違いと言っているわけですよね。 やはりこのあたりのことをきっちりとしていただきたいと思いますし、今一人に限りということがありましたが、実はこの資料の次にも入っておりますが、「医師会加入及び会費支弁に関する件」で、昭和二十三年に実は通知が出ているんですね。 その二として、「療養所運営上入会を必要とする施設に於いては所長が療養所を代表する意味に於いて国費を以つて入会することは差支えない。」このことを今回踏襲したんだと思いますが、今回のこの調査結果によると、一人以上国立病院から入会して医師会費が払われているわけですが、ということは、過去の一人以上の分はこの通知違反ということになるんですが、その部分に関しては当然公に返還するということになるんですね。 ○桝屋副大臣 先ほどもお答えしましたように、今まで不正に支出されていたものについては、改めて整理の上適正に処理をしたいというふうにお答えを申し上げました。その中で整理をしたいと思います。 ○山井委員 このことについて、会計検査院さんの現時点での御見解をお伺いしたいと思います。 昭和二十三年に一人分しか医師会費は認めないということになっていながら、それ以上の医師会費もずっと長年出されていた。こういうことが放置されているようだったら、本当に税金や医療費の自己負担を上げていくという議論は成り立たなくなってくるわけなんです。 会計検査院さん、この件に関して今の御見解をお聞かせください。 ○増田会計検査院当局者 お答え申し上げます。 そういう観点から検査を実施してきておりますけれども、現在その取りまとめ中だということで、最終的な本院としての判断はまだ出ていない段階でございますので、その点、内容につきましての御答弁は差し控えさせていただくということで御理解を賜りたいというふうに思います。 ○山井委員 十一月末ごろにこの結果が出るというようなことを聞いておるんですけれども、本来個人で支払うべきものを公費で支払っているというような不適切な結果報告が出ないことを望みます。何ら支障が出た事例もないのに個人で支払うべき一人分が公費で支払われるのはおかしいわけですし、返還についても厳しい結果を出していただきたい、それが会計検査院の任務だと思っております。 今の答弁を聞いておりましても、いかに医師会費の公費支出というのが説得力のないものかというものを私は痛感いたしました。ぜひ今後、もうちょっとはっきりした理由というものを出していただけないと、繰り返しになりますが、やはりこういうことでは国民感情からしては許されないというふうに思います。 次に、医師会と医師連盟とのつながり、政治活動についてお伺いしたいと思います。 今も申し上げましたように、ただでさえ財政が厳しい今日、公費で医師会費を支払う必要は私はないと思います。しかし、医師会は、御存じのように公益法人でありまして、専門医療研修費や看護職員確保対策費などの公の補助金も受けております。また、母体保護法に基づいて、人工中絶できる医師の指定の役割も医師会が持っているというように、公的な役割を医師会は担っております。 このような医師会が直接政治活動をすることは好ましくないというふうに思いますが、厚生労働省、見解いかがでしょうか。あるいは総務省でも結構です。 ○桝屋副大臣 委員がお話しになりましたように、公益法人であります医師会と、それから政治団体との関係ということについては、これは誤解があるようなことがあってはならないというふうに思っております。 ○山井委員 何かその、誤解があるようなことがあってはならないというのはどういうことですか。はっきり、公益法人である医師会の政治活動は私は好ましくないと思うんですが、そこのことについて明確な答弁をお願いいたします。何が誤解なんですか。 ○桝屋副大臣 公益法人である医師会と政治団体である医師連盟とが一体であるかのような、そうした誤解を与える行為ということが随分今まで国会でも指摘をされてきたところでありまして、そういう指摘を受けたこともありまして、そうしたことについては好ましくない、こうお答えをしたところでございます。 ○山井委員 この次の資料の中にありますが、これはことしの八月二十一日の事務連絡です。厚生労働省の医政局から各都道府県の衛生主管部局に出されております。「公益法人の活動と政治団体の活動の峻別について」 この中で、「補助金等を受けた公益法人の活動と政治活動に関する寄付を行う政治団体」これは医師連盟などのことだと思いますが、「の活動が一体であるかのような誤解を与える行為は適切ではなく、政治団体の活動との峻別が図られることが望ましいと考えます。」というふうなことが書いてありまして、「公益法人と政治団体の活動が一体であるかのような誤解を与える別紙の事例等を参考に、不適切な事例の有無を調査し、」十二月二十八日までに回答するようにということで、別紙に不適切な事例が書いてあります。 改めて桝屋副大臣にお伺いしますが、「政治団体の活動との峻別が図られることが望ましい」、これはなぜなんですか。医師会がそのまま政治活動をやったらだめということですか。なぜ峻別が必要なのか、なぜこういう通知を出したのか、お聞かせください。 ○桝屋副大臣 先ほど、これはまさに委員がお尋ねになりましたように、医師会については、公益法人としてさまざまな補助金等も支給を受けているということもあり、公金が支出をされているというようなこともあるわけでありますから、政治活動を行う政治団体である医師連盟と一体であるというようなことがあってはならないということでございます。 こうしたことがあるわけでありまして、今委員がお示しになりました八月二十一日の文書につきましては、所管の医師会に対して適切な改善指導を行っていただくように、各都道府県に対してお願いをしたという資料でございます。 ○山井委員 まさに今桝屋副大臣おっしゃってくださいましたように、医師連盟と医師会が一体として政治活動をすることがあってはならないということですよね。先ほど、公費で一人分は支出するということになっておりましたが、その部分も政治活動をやっていないというような前提に基づいているんだろうと思います。 それで、医師会と医師連盟を峻別するようにと指導しているわけですが、これについていろいろ資料を調べてみましたが、例えば日本医師連盟規約というものを見てみました。 それで、「本連盟は、日本医師連盟と称し、日本医師会会員相互の全国的連絡協調の下に、日本医師会の目的を達成するために必要な政治活動を行うことを目的とする。」ということになっているんですが、私がおかしいと思ったのがこの役員なんですね。この政治連盟の委員長は、日本医師会会長をもってこれに当たる。それで、副委員長は次に挙げる者の中から委員長が委嘱する。一つ、日本医師会副会長、二つ、日本医師会代議員会議長、三つ、日本医師会代議員副議長、日本医学会会長というふうになっております。 私は、またほかの地域の医師会の名簿もたくさん取り寄せたんですけれども、このように、医師会の役員名簿と医師連盟の役員名簿、これはほとんど一緒なんですね。ほとんど同じ人がやっている。これで、厚生労働省さんがおっしゃっているように峻別はできていると言えるんでしょうか、御見解をお聞かせください。 ○篠崎政府参考人 今先生の御指摘でございますが、公益法人である日本医師会につきましては、これは公益法人でありますから私どもの指導監督の対象でございますが、今御指摘の日本医師連盟につきましては、これは任意団体ということでございます。 それで、人が同じだからその峻別ができるかどうかという御指摘だと思いますが、先ほどの事務連絡のときにも私ども都道府県にお願いをいたしましたのは、例えば、会費の徴収の仕方、事務所の問題、預金口座の問題、あるいは事務所の建物の賃貸の関係ですとか、そういうところで峻別をすべきなのではないかというふうに考えているわけでございます。 ○山井委員 人が同じだったらこれは活動も混同する、そして周りからも混同されるというのが普通じゃないかと思います。 そして、この役員のことに次いで次にお伺いしたいのが、ホームページもいろいろと調べてみました。 例えば、石川県医師会のホームページがここにございます。その一番大きなメーンテーマ、これは手持ちの資料、そちらには入っておりませんが、石川県医師連盟、こうなっているわけですね。石川県医師会のホームページの一番大きな見出しが石川県医師連盟というふうになっております。こういう事例は峻別されていると言うんですか。いかがですか。 ○桝屋副大臣 今初めてお示しをいただいた資料でありまして、私もホームページはよく見ますけれども、そのホームページはまだ見たことがありません。 ちょっと私、目が悪いのでよく見えないのでありますが、先ほどお答えをしましたように、やはり峻別をするように取り組みをしていただかなければならぬだろうというふうに思いますが、誤解があるものについては、著しく誤解を与えるというものについては、それは是正をしていただく必要があろうかと思いますが、実際に内容を見ない限り、私も詳細にはお答えできません。 ○山井委員 八月二十一日にこういう通知が出てからも、まだまだホームページはこういうふうに全く峻別がされていないわけですね。 そして、例えば山梨県の医師会では、医師会の事務局職員の分担業務として、総務課長、医師連盟、主事、医師連盟、こう出ているわけですね。これは許されることなんですか。いかがですか。医師会の事務局職員が医師連盟の仕事をする、これは許されるんですか。 ○篠崎政府参考人 今の事例で、公益法人の医師会の事務局員としてその時間内での作業であるということならば、不適切ということだと思います。 ○山井委員 時間内も何も、ホームページに正々堂々とその仕事内容が書いてあるわけですよね、公式に。 次に、愛知県医師会では、医師会の副理事の分担業務に、医師連盟ニュースの発行となっているわけです。 岩手県医師会のホームページ、開催行事のお知らせ、報告、これをちょっと読み上げさせていただきたいと思います。 二〇〇〇年十月十四日、地域医療情報研究会、十一月二十五日、全国医療情報システム協議会、十二月二日、朝日医学セミナー、これは岩手県医師会の行事ですよ。そして、二〇〇一年一月二十六日、参議院議員選挙全国医師総決起大会、キャピトル東急ホテル、五月十三日、参議院選挙総決起集会、六月十七日、参議院選挙全国医師・支援団体総決起大会、八月十一日、岩手県医師連盟執行委員会、これが岩手県医師会のホームページの内容です。 そして、別のページでは、平成十三年十月二十四日の岩手県医師会の第三回の監事会の報告として、岩手県医師会一般会計、医師連盟会計、自由民主党医療会支部会計につき監査を受けた結果、適正であったと報告されていますと出ているじゃないですか。これでも峻別されているんですか。答弁をお願いします。 ○坂口国務大臣 ことしの一月早々でございましたけれども、例のKSD問題がございまして、そして親会社とその出先との間が、もう場所も同じ、人も同じ、そして経理も同じで一体どうするんだと随分おしかりを受けたわけで、我々もそこは明確に峻別をしなければならないというので、そのようにしているところでございます。 したがいまして、医師会の方も、これも前にも問題になったわけでございますが、住所等も医師会の住所と政治連盟の住所が全く同じであり、そして経理が全く同じであるというのは、それはおかしいではないかという御指摘が以前にもあったというふうに記憶をいたしております。そこはやはり明確に区別をしていかなければならないというふうに私も思います。 医師会は、これは厚生労働省もかかわるわけでございますから、医師会に対しまして、政治連盟と医師会とはやはり明確に峻別をしてもらいたいということを申し上げなければならないというふうに思っておりますので、そこは責任を持ってそのように医師会に申し上げたいと思います。 ○山井委員 まさに今坂口大臣もおっしゃられましたように、これは明確に峻別しないとだめだと思います。 お配りした資料の中で、どういう例が不適切な事例かということで、「公益法人が、政治団体の会費を特別会費の名目で、同法人の会費と一緒に徴収していた事例」「公益法人の事務所が政党の入党申し込み書の送付先となっていた事例」「公益法人の会費と政治団体の会費が同一の預金口座で管理されていた事例」、四つ目、「公益法人が地方公共団体から減額された賃料で借りた建物の一部に政治団体の事務所が置かれていた事例等」となっています。 ここで提案したいんですが、これ以外に二つ、公益法人の会合で政治活動や選挙の話をすること、あるいは政治団体の活動の話をすることということを不適切な事例に加えるべきではないでしょうか。もう一点、公益法人の事務局が政治団体の仕事をすること、これも不適切な事例だと考えます。この四点の不適切事例だけでは、表向きのことで、実体の峻別にはならないと思います。 繰り返しますが、公益法人の会合では政治や選挙活動の話や政治団体の活動の話を公式にはしないということと、公益法人の事務局が政治団体の仕事をしない、当たり前のことだと思いますが、この二点をここに加えるべきだと思うんですが、御見解をお聞かせください。 ○桝屋副大臣 委員も恐らくこの辺のきちっとした整理をされた上でお尋ねになっているんだろうと思います。 一番悩ましいところでありまして、公益法人が政治活動をできないのかというと、これはなかなか議論があるところだと思います。ただ、やはり、先ほど大臣がお答えを申し上げましたように、公益法人である医師会、先ほどから委員がお挙げになったようなさまざまな、例えば公の補助金が出ているというようなこともこれあり、政治団体である医師連盟と一体であるような、そういう誤解を与えることは厳に慎まなきゃならぬ、峻別をしなきゃならぬということで、八月二十一日に文書を出しまして各都道府県に指導方をお願いしたところでございます。 今、委員から、その事例の中で、四つの事例プラス、例えば公益法人の会合で政治活動の話を一切しない、あるいは公益法人の事務局、これが政治団体の仕事をしないと二つお挙げになりましたが、特に前者の、会合でどういう話をするか。特に政治活動、どこまでが政治活動かというのは、委員もバッジをつけている人間でありますから、非常に難しいお話だろうと思うんですね。峻別をしなきゃいかぬ、この考え方で私どもは指導をお願いしているわけで、今の政治活動等については、にわかに、それはそういたしますとはちょっと答えられない難しさもあるのではないか、こう感じております。 ○山井委員 もしそういうふうに明確に峻別できないんでしたら、さっきおっしゃった公費支出の、一人分の医師会費を公に出すというのは撤回すべきじゃないですか。峻別できてからの話でしょう。峻別できないんだったら、今みたいなうやむやな答弁しかできないんだったら、公費を入れるのはおかしいじゃないですか。答弁をお願いします。 ○桝屋副大臣 お答えを申し上げます。 その根拠がないと盛んに先ほどから言われるわけでありますが、地域医師会のあり方、あるいは置かれた国立病院の経営実態といいますか、地域との状況ということを考えますときに、例えば病診連携であったり病病連携、あるいは地域医療研修センターの運営とか、あるいは医療機器等の共同利用というようなことを含めて地域医師会に参画をして、そして公務としてそういう活動をしなければならぬということも、これは私はあっておかしくはないというふうに感じておりまして、そこはぜひ御理解をいただきたい。 では、それがなければ協力体制ができないのかといいますと、私は、それは地域によっては、医師会にお入りになっている、入っていないということは抜きにして連携は十分とれているというところもあるのだろうというふうに理解しております。 ○山井委員 私は全く納得できませんので、このあたり、会計検査院に厳密にチェックをしていただきたいと思います。 最後に、医師連盟と政治献金と医療制度改革についてお伺いしたいと思うんですが、坂口大臣は、医師会の会員であって、医師連盟にも入っていられるというふうに聞いているんですが、医師連盟に入っておられますか。 ○坂口国務大臣 多分入っていると思います。 ○山井委員 ということは、医師連盟からの献金の多くは自民党に行っているわけですけれども、坂口大臣は今までから自民党も応援をしておられたんですか。 ○坂口国務大臣 医師連盟は一党を応援するというものではなくて、その地域地域、いろいろの人を応援していると思います。例えば、民主党の方でありましても、医師出身の人でありましたら、その地域の医師会は応援をしておみえになるのではないかと私は思います。私も自民党に所属はいたしておりませんけれども、私は医師出身ということもありまして地域の医療機関からは支援をしてもらっている、そういうことはあるわけでありますから、医師連盟の会費を払っているからそれはおかしいということにはならないというふうに思っております。 ○山井委員 日本医師連盟は、二〇〇〇年には十六億五千万円を集めて百五十人を超す政治家の団体に寄附しています。小泉首相の団体にも七百万円が献金されていますし、また、製薬産業政治連盟も二〇〇〇年にはトータル一億一千四百万円、健保政治連盟も一億三千万円を献金しています。 私も、医師会の政治的主張が悪いと言っているわけではなく、営利企業の病院経営への参入の反対のこととか、あるいは、日本ではまだまだ十分に医療にお金がかけられていない、欧米先進諸国に比べて医療費の割合も少ないというような主張も非常に私は賛同するわけでありますが、しかし、この多額の政治献金を行う意図というのは何かというふうに思うわけです。 例えば、二年前の診療報酬の議論のとき、十二月十九日に〇・二%診療報酬の引き上げが決着しましたが、その決定直前の一九九九年の十一月二十六日に自民党に日本医師連盟から三千万円、十二月一日に三千万円、十二月九日に一千万円、十五日に二百万円が献金されて、その後、十九日に〇・二%の診療報酬の引き上げが決着しました。 医療制度改革というものがこのような政治献金に影響されることがあってはならないと思いますが、坂口大臣の御見解をお聞かせください。 ○坂口国務大臣 いろいろ政治連盟があるわけでありますけれども、政治連盟が、それぞれの自分の支援をするところに対しまして政治献金をするということは、それは多分あるんだろうというふうに思います。しかし、そのことはそのことでありまして、そして政策問題は政策問題、これはまた別の話でございます。 一九九九年の十二月というふうにおっしゃったと思いますけれども、このときの医療費の改正につきましては、医師会はその額に対しまして大変な反対でございまして、それは非常に大きな衝撃を受けたというふうに記憶をいたしております。決して医師会の言うような結論にはなっていない結論であったというふうに思っております。 ○山井委員 だからこそ、この献金というのがその時期に多く行われたのではないか。今まさに自己負担アップという厳しい選択をある意味で国民にも迫ろうとしているときに、片や関係団体が多くの政治献金を政治家や政党に出すということは、これで本当に国民の目から見て納得できるものなのか。 提案ですが、李下に冠を正さずという言葉もありますが、献金で医療制度改革がゆがめられたというふうな疑いを受けてはなりませんので、これから、医療制度改革に向かって一段落するまでの間、与党も野党も、関係議員は医師会からの政治献金の受け取りを自粛するというようなことについて、坂口大臣、いかが思われますか。 ただ、これはそれぞれの議員の話でありまして、私がそれを一律にどうこうということはなかなか言いにくい話でございますけれども、御趣旨につきましては私個人は賛成でございます。 ○山井委員 政治献金そのものは合法だとしても、今回のまさにこれから議論が始まる医療制度改革というのは、非常に厳しいことを国民に強いるものであるわけですね。そのときに、議員や政党だけは多くの献金を受け取る、そのことが国民の目にどのように映るのか。 公明党は、英語ではクリーンパーティーというふうに聞いております。そこで、ぜひとも私が心配するのは、これから診療報酬の改定も年末に向かってあります。それに向かって、多くの関係団体が、また国民の声とは違った次元で献金攻勢をかけるということがあっては、国民の人たちも自己負担アップに納得できないと思うのですね。 そのあたり、これからあと一カ月、そのようなことが起こるやもしれません。そのような政治献金と医療制度改革ということに関して、先ほど政治家個人の問題とおっしゃいましたけれども、私は、これは個人の問題とは言い切れないと思います。医療制度改革が、みんなが痛みを分かち合う公平なものにする以上は、しっかりと政党や政治家が先頭を切って襟を正さねばならないのではないですか。そういうことができなかったら、出てきた政治改革の案も献金をたくさんに受け取った上であったら国民に納得されないのではないでしょうか。 改めて最後に、坂口大臣の、このことに対する思い切った御意見をお伺いしたいと思います。 ○坂口国務大臣 それは、私個人はそのとおりというふうに思っております。 今回の医療制度改革は、国民の皆さん方にもお願いするところはしなければなりませんが、医療機関に対しましても、ひとつ十分な御理解をいただいて、そしてお願いするところはしなければならないというふうに思っております。医療機関に対しましても、これはかなり痛みをやはり分かち合ってもらわなければならない問題だというふうに思っております。 いわゆる政治連盟からの献金につきましては、少なくとも私は、この大臣に就任中はどんな形であれ受けないということを決定しているところでございます。 ○山井委員 私も、医師の方々の声が政策決定に生かされるということは非常に重要なことだとは思っております。しかし、そういう献金やお金というものであって公平な医療制度改革にえこひいきが起こるような、そんな疑いが持たれては決してならないと思いますので、私自身も含めて襟を正して、これから医療制度改革の議論にも突き進んでまいりたいと思います。 |