衆議院議員 やまのい和則(かずのり)

民主党京都府第6区総支部長、衆議院厚生労働委員会理事、予算委員
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消えた年金について・最低賃金について

166-衆-厚生労働委員会-28号 平成19年06月06日

○山井委員 これから四十五分間、質問をさせていただきます。
 まず最初に、強く抗議をしたいと思います。きょうも職権で、この委員会、強硬に立てられました。その理由は、長妻議員が二月以来要請をされています三千件の特殊台帳とコンピューター記録とのチェック、これの結果がまだ出てこないということであります。
 今まで、再三再四委員会で問題になっておりまして、そして、忘れもしない五月三十日の強行採決の直前に、この三千件のサンプル調査を出してほしいということを柳澤大臣に長妻議員が質問されたら、それは理事会にお任せしているということで、理事会の了承があれば出せるということを柳澤大臣は答弁をされました。しかし、理事会では、まだこのことが出てきておりません。既にこのことは、調査は終わったと聞いております。にもかかわらず、いざ理事会で出してくれと言ったら出てこない。これはまさに情報隠し以外の何物でもありません。そういう一番重要な情報を出さずして、審議は終わりようがないんですよ。
 安倍総理は、五千万件のだれのものかわからない年金記録の名寄せを一年以内にされるということをおっしゃっておられます。しかし、なぜ私たちがこの三千件のサンプル調査にこだわっているのかというと、そもそも五千万件のコンピューターの記録自体が、元となる手書きの台帳と食い違っていたら、大きく前提が狂ってくるんですね。
 だからこそ、長妻議員は四カ月も前から、サンプルでいいから手書き台帳とコンピューター記録のチェックをやって結果を出してくれということを毎回委員会で言い続けてこられました。そして、社会保険庁の現場の方々からは、もう一たん調査が出て、理事会で言ってもらえれば出せるということまで聞いております。にもかかわらず、なぜか理事会マターになったら、急に精査がさらに必要だということになって、先延ばしになっております。
 きのうの理事会でも私は申し上げました。これは一歩間違えると、三年前の出生率の後出しじゃんけんと同じような大問題に発展しますよ。早急に出さずして後でサンプル調査の結果を出して、実は、コンピューターの記録と手書き台帳はかなり違いがあったんです、そんなことを後で出してきたら、今の国会審議の前提が全部狂ってしまうんですよ。
 柳澤大臣に冒頭に、この問題はもう何度も質問をしております、そして理事会では、早急に出すようにということも確認をしております。大臣、出していただきたいと思います。いかがですか。


○柳澤国務大臣 マイクロフィルム化した特殊台帳と言われる被保険者台帳等の記録とコンピューターで管理している記録の突合につきましては、現在、三千件程度のサンプル調査を実施しているということでございます。
 前々から、途中であるということは申し上げておったと思いますけれども、途中で出すべきかどうかというようなことについて、理事会の方で御検討をいただいているというふうに私としては認識しているわけでございます。

○山井委員 理事会では、早急に途中であろうが出してくれということになっています。大臣、いかがですか。理事会では、早急に出すということをもう全会一致で言っています。大臣。

○柳澤国務大臣 理事会の御判断もあり、また、私自身といたしましては、この調査を完了するように、早くするようにということを督促、指示をいたしているわけでございます。

○山井委員 では、督促、指示を出しているんでしたら、いつ出てくるんですか、大臣。

○柳澤国務大臣 今ここで私がめどを申し上げるということは、これは途中であっても、こういう今段階ですというようなことであれば、これはもう出し得ると思うんですが、それだとまた、今度はもうちょっとしっかりしたものを出せということになりますから、とにかく、今、督促の指示を出して、早く処理をするようにということで今やっているところでございます。

○山井委員 柳澤大臣、これは四カ月前に長妻議員が要望されて、そして五月の九日以降、毎週のように、毎回のようにお願いして、そして柳澤大臣は、毎回のように急ぎます急ぎますと言って、全く進んでいないじゃないですか。いつまでに出すというのを明言してくださいよ、大臣。全く答えていないのと一緒じゃないですか。一カ月間答弁は変わっていないじゃないですか。国会審議を何と考えているんですか。

○柳澤国務大臣 ともかく早くして、きっちりした資料を御提出したいという気持ちでございます。

○山井委員 三千件のサンプル調査、こんな時間がかかるものじゃないんですよ、これは。三百十二の社会保険事務所からサンプルをとって、本当に大臣、今の長妻議員の質問もそうでしたけれども、そういう隠す姿勢をとればとるほど国民の年金不信は高まっていきますよ。きょう初めての質問だったら私も百歩譲りますけれども、一カ月間、急がせます急がせます、いつになるかわかりません、要は隠しているんじゃないですか。そういうのを隠しているというんですよ、事実上。
 少し、最賃の質問をさせていただきます。
 今回、第七条で最低賃金の減額の特例を設け、厚生労働省令で定める率を乗じて得た額を減額した額により最低賃金の効力の規定を適用するとしているが、厚生労働省令とは何を想定しているのか、武見副大臣、お願いします。

○武見副大臣 現行の最低賃金法は、障害により著しく労働能力の低い者等については、個別の許可によって最低賃金の適用を除外することができるというふうにしております。
 実際の運用においては、適用除外の許可を受けたからといって、極端に妥当性を欠く低賃金となることがないよう、例えば精神または身体の障害により著しく労働力の低い者については、支払う賃金額が、最低賃金額から、労働能率が低い割合に対応する金額を減じた額を下回ってはならないといった運用、すなわち減額措置という運用が行われてきております。これは、現行法においても、通達によってこうした運用が今も既に行われているわけであります。
 そして、今般の改正によって法律上もこの減額措置となるものでありますけれども、支払うべき賃金の下限額については、現在の運用における取り扱いを変更するということではございません。現在の運用の実態を踏まえて省令を策定する、こういう考え方でございます。
 なお、厚生労働省令で定める率の具体的内容については、例えば、精神または身体の障害により著しく労働能力の低い者については、当該最低賃金の適用を受ける他の労働者のうち最下層の能力者と比較した被申請者の労働能率の割合とするというふうに考えておるところでございます。

○山井委員 また最賃の議論は後で戻りますが、この最低賃金、そして老後の年金の問題、非常にこれは密接に絡み合った問題であります。
 実は私ども、年金一一〇番というのをやっておりますが、メール、ファクス、数日分でこれだけ、そしてまた手紙も、ここ二、三日で来ているだけでこれだけ、とにかく、自分の納付記録が消えた、見つからない、払ったはずなのにという悲鳴、問い合わせが今殺到しております。読み切れないぐらいたくさん来ております。
 こういう現状において、一つ私は気になりますのが、先ほども長妻議員の質問にありましたが、柳澤大臣、御心配要りません、あなたの年金が消えたわけではありません、こう自民党のホームページに出ておるんですね。御心配要りません、あなたの年金が消えたわけではありません。大臣、これについてコメントを一言いただきたいと思います。この御心配要りません、あなたの年金が消えたわけではありませんという表現は、これで大臣も同意見ですか、大臣。

○柳澤国務大臣 私は、一昨日、国民の皆さんに御心配をおかけしたことを大変責任者として申しわけなく思っておるということで、記者会見を通じておわびを申し上げたところでございます。

○山井委員 質問に答えてください。
 この自民党のホームページの、御心配は要りません、あなたの年金が消えたわけではありません、これと大臣は同意見ですか、同じ意見ですか。

○柳澤国務大臣 これは党の文書でございまして、私の立場でこれについて云々することは、私としては差し控えたいと思います。

○山井委員 わかりました。そうしたら、質問の仕方を変えましょう。
 年金記録が消えた、そういうケースはないわけですか、大臣。

○柳澤国務大臣 領収書などを持たれる、あるいは検印のされた印紙の貼付された帳面をお持ちであるということで、被保険者あるいは受給権者の皆さんが動かぬそうしたものをお持ちであるのに対して、市町村から検印を押されたものが進達されなかったということで、こちらに全く記録が残っていないというケースも生じておるということは、既に判明しているところでございます。

○山井委員 消えているじゃないですか、そうしたら。消えているじゃないですか、大臣もおっしゃっているように。自民党のホームページに書いてあることと大臣が言っていることと違うじゃないですか。ということは、あなたの年金が消えたわけではありませんというのは、うそが書いてあるということですか、大臣。

○柳澤国務大臣 そういう私が申したような例も厳然として存在していまして、これは我々として重く受けとめなければならない、こういうように思っているわけでございますが、他方、コンピューターの中に残っているものについても、最近は、だんだん、メディアの、あるいはいろいろ人々の認識も、正しい表現というか、宙に浮いたとかというような表現になっているわけでございますけれども、やや全体を一括して、消えたというような表現をとられていた時期もありまして、そういうことについては、先ほども長妻委員がいみじくも指摘されたように、非常に事務的に細かい事実でございますので、これはやむを得ないといえばやむを得ないわけですが、できる限り正確な表現を用いていくべきだとは、私、思っております。

○山井委員 この今消えた年金記録の問題、宙に浮いた年金記録の問題というのは、やはり本当に一人一人の人生がかかっている非常に重い問題なんです。私もきのうの夜中までかかってこれを全部一件一件読んでいましたけれども、本当にこれは老後すべてがかかっています。二百四十万円もらえるはずの年金がもらえない、四百九十六万円の時効でもらえなくなった年金、これは戻ってくるんでしょうか、書留で来たり、必ず返事を下さいというものもあります。本当にこれは悲痛な叫びです。
 そういうものに対して、政争の具にしたり、選挙対策とかそういう次元ではなくて、本当にこれは、まじめに、冷静に、落ちついて、そして何よりも、うそのないことを与野党超えて国民に対して発していかないとだめだと私は思っております。そういう意味ではやはり、軽はずみに不正確なこういうメッセージを発するということは、結果的には、逆に、では何を信じていいのかということになってしまうのではないかと私は思っております。
 それで、少し具体例についてお伺いをしたいと思っております。
 きょうは、雇用、労働の議論も行われておりますが、大臣、覚えておられると思いますが、私が三週間前に最初に御紹介させていただいた六十六歳のひとり暮らしの女性の方、六年間の国民年金の納付記録が消えている、二年間交渉しても門前払い。昨夜も電話で話をお聞きしました。その後どうですかと言ったら、国会で取り上げてくださったので対応はちょっとはよくなりましたけれども、その後何の連絡もありませんということであります。おっしゃっていました、毎月遅刻をして、会社を遅刻して払い込んだ、確かに払い込んだ、でも証拠がない、領収書もない、家計簿もないと。そして、この方の場合は、二十年間、平均寿命まで生きるとしたら、二百五十四万円のマイナスになるんですね。
 そこで、柳澤大臣に重要なことをお聞きしたいと思います。
 こういう、物証はないけれども、毎月遅刻をして、会社を遅刻して払った、確かに払ったということをおっしゃっておられる。こういう物証のないケースというのは、今考えておられる政府・与党の救済策では記録訂正を認められるんですか。どうなりますか。

○柳澤国務大臣 多分、委員の今御指摘の案件と思いますけれども、今本庁で調べさせていただいているわけですが、同時に、なおこれから私ども第三者委員会を発足させて、そうした受給権者の方あるいは被保険者の方のお申し立てを、いわば当事者ではなくて第三者の立場で、しかもそうした国民の皆さんの立場に立ってよく聞かせていただくということをお願いしようとしておりますが、そうしたことの中では、いろいろなことを総合判断してということになるであろう、また、そういうことになることを私どもは期待をいたしているところでございます。

○山井委員 そうしたら、本当に一例なんですが、今のようなケースは、第三者委員会はいいんですよ、第三者委員会は、問題は、こういうケースは記録を訂正してもらえる対象になるんですか、ならないんですか、柳澤大臣。

○柳澤国務大臣 これは、もとよりその方の御意思によるわけですけれども、どうしてもこれまでの調査に納得ができないということであれば、お申し出をいただいて、そして第三者委員会の方々がよくお聞きをする、そういう対象になるということでありまして、それの後の問題というのは、我々としては第三者委員会というものをせっかくつくって有識者の方々にお取り組みをいただくわけでございますから、そういう方々におゆだねをいたしたい、このように考えます。

○山井委員 柳澤大臣、結局何も答弁したことになっていないんですよ。何の解決にもなっていないんですよ。安倍総理も大臣も、第三者機関第三者機関と、第三者機関がそんな何でもできるというんじゃないんです。要は原則なんですよ、原則。私たち民主党は、社会保険庁も立証責任を持っていく、本人の立証責任を本人だけには負わせないという原則を打ち立てているんですよ。そういう原則の変更もない。つまり、今困っておられる被害者の方々が補償されるかどうかがさっぱりわからないということではないですか。
 そして、先ほど消えた年金の議論がありましたが、宙に浮いた年金とか消えた年金とかいろいろな議論がありますが、一つ申し上げたいのは、それは消えていないとか消えたとか論争はありますが、本人にとって、今その加入、納付記録と結びついていなくてその分の年金がもらえないのであれば、消えたも同然なんですよ、どこかにあるといってもその分の年金をもらえないわけですから。
 では、もう一つ具体例ですが、これも今までここで取り上げさせていただいた中村さん御夫妻。十万円近いお金を、一括納付で国民年金を払われた。夫婦で一緒に払いに行かれた。奥様は四年、御主人は十一年、合計約十五年分、十万円近いお金を一括納付で、二歳の子供を連れていって払った。でも、その記録が見つからない。これも物証がないというわけであります。
 そして、加えますと、もうお一方、先日も傍聴にお見えになった隅田さん、夫婦そろって一括で納付した。そして、御夫婦連番になっている。にもかかわらず、御主人は加入、納付記録があって、奥様はない。十一年間消えている。この隅田さんの場合は、十一年間消えたら、老後平均寿命まで生きれば、何と四百九十五万円受け取れない。そして、中村さん御夫妻も四百七十五万円もらえるはずの年金が受け取れない。
 このようなケースも、今回の政府・与党案で、記録訂正そして救済される対象になるんですか、大臣。

○柳澤国務大臣 これについても第三者委員会の方々が、本当にお申し出をよく聞いていただく、そして国民の立場に立って総合的な御判断をいただく、そういう対象にしていただくということが、これはもちろん御本人の御意思によりますけれども、そういう手はずを我々として整えようとさせていただいているということでございます。

○山井委員 ということは、まさに象徴的、典型的な、最初取り上げた六十六歳のひとり暮らしの女性、中村さん御夫妻そして隅田さんですらまだわからないということですね。要は救うと言えないわけですね。
 そうしたら、柳澤大臣にお伺いしますが、では、こういう方が第三者委員会で救われるかどうかというのは、その基準はいつ出るんですか。いつわかるんですか、大臣。

○柳澤国務大臣 これは、第三者委員会が発足したときにいろいろと検討されるということになろうと思います。そしてそのときに、私どもとしてはもうできる限りの、今までのそうした審査請求であるとかあるいは窓口での調査であるとかということの経験を、たくさん事例として御報告する、そういうようなことで、そうした基準の、あるいは考え方のまとめというものに御協力をさせていただきたい、こう思っているところでございます。

○山井委員 私たち民主党は、小沢代表が党首討論でもはっきり言ったように、基本的には本人の言い分を最大限尊重する、そして、立証責任を本人だけに負わせるのではなくて社会保険庁にも負わせる、そして、本人が払っていないというのならば、社会保険庁がそのことを立証していく、そういうふうなスタンスにしっかりと立っております。
 そして、肝心の第三者委員会、政府のこの時効撤廃法案には、第三者委員会のダの字も入っていないじゃないですか、法的根拠も全くないじゃないですか、一番大事なところが。
 もうお一方、これも以前お伺いしたケースです。十六年間、六十歳で申し込んだけれども、十一年分が発見されなくて、十六年おくれで見つかった。しかし、五年間の時効の関係で、四百九十三万円、もらえるはずの年金がもらえなかった、五年間の時効で。しかし、この方の場合は、七十六歳のときにたまたま資料が見つかったから年金をもらえるようになったんです、たまたまです。
 そこで、柳澤大臣にお伺いしたいと思います。
 もし、たまたま社会保険事務所がこの方の資料を見つけることがなかったら、いまだにその方は、払ったはずだ払ったはずだということで、闘っておられることになるわけですね。このように、物証がない、そして本人が払ったと言っている状況では、与党の時効撤廃法案の前提となる記録訂正は行われるんですか、物証がなくても。

○柳澤国務大臣 さきの、委員がもう御指摘になられたケースの場合には、そうした記録があったということというふうに今お伺いしたんですけれども、そうした記録がない場合にどうするかということについて、私どもとしては、今までは当事者としての社会保険庁で調査をさせていただいたわけですが、こういうことではなくて、中立的な第三者の方の御判断を参考にさせていただこう、こういうことで、今度、第三者委員会を設立して、こういった問題の解決に当たろう、こういうふうにしているということでございます。

○山井委員 これは、与党の方々も、この委員会室におられる方、皆さんも、聞いていてわかると思います。だからみんな国民は不安なんですよ。肝心なことを聞いても、結局、対象になるのかならないのかさっぱりわからないじゃないですか、全部第三者機関というブラックボックスの中に行って。それで何か、「ご安心ください!!あなたの年金は大丈夫です!!」、また、自民党のこのホームページ。
 安心してくださいといっても、第三者機関でどこまで対象になるかもわからない。また時効撤廃法案も、たまたま証拠があって記録訂正ができた方はいいけれども、今の方のケースのように、記録訂正が証拠がなくてできなかったら、対象になるかどうかもわからない。安心しようがないじゃないですか、こういうことでは。そういう状況で強行採決したから今問題になっているわけですよ。
 それで、お伺いしたいと思います。
 これは、二十五万人推定ということですが、時効撤廃法案の対象者二十五万人推定で、これは名前は把握しているんですか。もし把握していないとしたら、いつまでに把握できるんですか。この時効の方に当然払うべき年金を払うんですね。どれぐらい把握できているんですか、二十五万人のうちの。

○柳澤国務大臣 委員も理事としてこの委員会で御審議をしていただきましたので、そのときに提案者からも申し上げましたように、これは、一定の前提のもとで推計した人数であるということを申させていただいておるわけでございます。
 したがいまして、今それを、人物を特定しろと申されても、これは推計として挙げた数字でございますので、当然にそういうものには結びつかないわけでございます。

○山井委員 ということは、対象者二十五万人とおっしゃる割には特定はできない。では、どうやってこれを払うんですか、払うべき年金。私のところにも、これはいっぱい来ていますよ。時効で二百万円、私、戻ってくるんですか、四百九十万円戻ってくるんですかと、いっぱいこれは手紙が来ているんですが、これはいつになったら、柳澤大臣、それを特定できるんですか。
 それで、私の知り合いの方も、いつか年金記録が見つかるかもしれないけれども、もうそれまでは長生きできない、見つかる前に亡くなってしまうかもしれないということを、私の知り合いの被害者の方もおっしゃっておられました。これは、特定はいつまでにされるんですか。これは非常に重要ですよ。亡くなってしまわれたら、これはだめですからね。いかがですか、柳澤大臣。

○柳澤国務大臣 具体的には、氏名、生年月日、住所等があらかじめ記載されました請求書を対象となる方に計画的に送付いたしまして、郵送等によって御返送いただくことによりまして、対象となる方の利便に資する仕組みを検討いたしております。できる限り早い時期に開始できるよう、これはもう機械で、コンピューターの中で調べることができますので、そういうことで検討を進めてまいる所存でございます。
 もっと、一刻も早く、社会保険事務所を訪問してでも回復措置を受けたいという方は、施行の日から社会保険事務所において申し出を受け付けて早急に優先処理をすることになろう、このように考えております。

○山井委員 そういう申請主義がだめだということに、この間の議論でなったわけでしょう。法律はつくったのに対象者がわからない、いつまでに対象者も、時効で二百万とか四百万を払うべき人もわからない。それではだめでしょう。
 例えば、私どものところに来ているこのはがきでも、昭和三十七年生まれですから私と同い年の方ですが、大学の二年間の保険料が、払ったはずなのに未納になっているということで、ここに納付記録も送られてきました。それで、地元の市役所に行ったら、市役所は、平成九年に年金は電算化されたため、過去の手書き台帳類はすべて破棄されているので、いかなる調査も不可能であると回答があったと言っているわけですね。考えられるのは、電算化の時点での投入データの投入の漏れであったのではないかと思われると。つまり、手書き台帳が処分されれば全く確認の道がなくなる、したがって救済の道は断たれるというふうに書かれています。これは、台帳がなくてコンピューターの記録にも入っていない、そういう問題も出てきているわけです。
 また、去年まで社会保険事務局にお勤めであった方からも来ております。
 自分の経験でいうと、国民年金の記録の場合、あろうことか、年金の納付記録の欠如しているものが幾つか存在します、また、付加納付の月数がコンピューターの方が少ないものや、果ては、台帳上には納付記録があるのにコンピューターの記録には納付記録がなかったなどというものもありましたと。また、厚生年金の記録の場合、戦災により消失しているものや、水害等により中身がにじんで見えなくなっているもの等、完全に資料として役立たなくなっているものもあります。
 そこで大臣、こういう現場からの報告で、やはり台帳とコンピューターの記録がこれはかなり食い違っているのではないかということが言われているわけですね。
 そこで最初の要望に戻るんですが、だからこそこの三千件のサンプル調査の結果を早急に出さないと、五千万件の名寄せというものもその前提が崩れてしまうと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。

○柳澤国務大臣 ですから、この五千万件については、二千八百八十と二千百二十とに分けまして、コンピューター上のオンライン記録との突合をやる。他方でまた、このオンラインの記録と、今委員も御指摘になられたような、いろいろ、手書きの台帳であるとか、あるいはそれを写真に撮ったマイクロフィルムであるとかというようなものの突合というか、そういうことの調査も行うということを申し上げて、できるだけ国民の年金の記録が正しいものになるということを実現しようというふうに申し上げているところでございます。

○山井委員 先ほど、二十五万人の対象者の名前なりは全く把握していないということですが、では、そのうちお亡くなりになられた方が何人ぐらいおられるかということも全くわからないんですか、時効で本来もらえるべき年金がもらえなかった方で。柳澤大臣、いかがですか。

○柳澤国務大臣 二十五万人の推計というのは、委員も理事としてお聞き取りいただいたかと思いますけれども、最近における二十二万人くらいの累積の裁定、修正、訂正という事跡から、一年に三万七千件程度があるということから推計したものでございまして、そのうち死亡者の数はどのくらいか、それはわかるかと言われても、これは片っ方は全く計算上のものでございますので、そのうちというようなことにはなり得ません。
 したがって、私どもは、そうではなくて、今度コンピューターの中で時効消滅したケースというものを何らかのプログラムによりまして抽出して、そしてこれに対して対処をしていこう。それから、亡くなられた方については、遺族年金ということに結びついている方については、その遺族年金の基礎になった年金記録というものを再現して、その遺族年金の支給を受けている方にそのことをお知らせしよう、こういうような取り組みをいたそうとしているところでございます。

○山井委員 ということは、申請をした人は先ほど優先的にということをおっしゃいましたが、これは本人が気づかなかったりしたら、時効になった人でもらうべき年金がもらえないというケースもあるわけで、ということは、二十五万人が対象者とおっしゃっていますが、この時効撤廃法案でその時効分の年金を受け取れる人は、本当に受け取れるのは五万人なのか十万人なのか十五万人なのか、はたまた三万人なのか、要はわからないということですか、大臣。

○柳澤国務大臣 もらえる方を推計したのが二十五万人ということでございます。そして、この二十五万人と推計したということでございます。そういうことについては、コンピューターでプログラムをつくりまして時効消滅で裁定をされたということを抽出いたしまして、その資料をただいたずらに待っているというのではなくて、その方にこういうことになりましたということでお送り申し上げるわけでございます。そして、それをまた郵送で返戻していただいて、それで確認をこちらができますのでそれでお支払いをする、こういうことでございます。
 先ほど申した申し出というのは、それよりも、そんなに待っていられないから自分の方で申し出て早く受給したいという方のケースについて申し上げたということでございます。

○山井委員 今長々と答弁されましたが、要は、二十五万人の対象者が全員もらえるのか、五万人なのか十万人なのかわからないということですね。
 それでは、ちょっと最賃の話をしたいんですが、武見副大臣、地域別最低賃金の不払いに係る罰金額が五十万円に引き上げられましたが、これは労働者一人当たりに対する罰金額ですか、武見副大臣。

○武見副大臣 御指摘のとおりでございます。

○山井委員 特定最低賃金については今回の最賃法の罰則の適用ではないが、これはなぜですか。どのように労働者の保護を図るんですか。

○武見副大臣 最低賃金の一義的な役割ですね。
 これは、すべての労働者について賃金の最低限を保障するセーフティーネットということでございます。その役割は、地域別の最低賃金が果たすべきものであるというふうに私どもは考えておりまして、あくまでも一番基本的なセーフティーネット、これは地域別の最低賃金という確認をまずしておきたいと思います。
 このため、今般の見直しにおきましては、地域別最低賃金について各地域ごとに決定することを義務づけるとともに、労働契約の内容を規制する強行的、直律的効力を付与した上で、地域別最低賃金額以上の賃金を支払わなかった場合には最低賃金法の罰則を科す、このことによってこの履行を確保するということで五十万円ということが決められてきているわけです。
 他方で、一定の事業または職業に適用される特定最低賃金については、関係労使のイニシアチブにより設定をされており、企業内における賃金水準を設定する際の労使の取り組みを補完して、公正な賃金設定に資するものとしてセーフティーネットとは別の役割を果たすというふうに、私どもはこちらについては考えているわけです。その不払いにつきましては最低賃金法の罰則は適用しないというふうにそこで考えました。
 ただ、他方で、特定最低賃金不払い、これは賃金の全額払い違反となることで、実際、賃金の全額払い違反に係る罰則として上限で三十万円、それが適用されるということになりますので、こういった観点からの労働者の保護というものはきちんと行われていると考えます。

○山井委員 また大臣に質問を戻りますが、一年間で五千万件の照合をするということですが、工程表をお出しいただきたい。そして、予算と人手はどうかということを御答弁ください。

○柳澤国務大臣 先ほども申し上げましたことでございますが、繰り返しになりますが、今後一年間でプログラムを開発しまして、年金受給者及び被保険者の記録と五千万件の記録を名寄せを実施する、こういうことでございます。
 その結果を受けまして、まず、年金受給者で同一人の可能性のある方には、平成二十年六月から八月まで三月をかけまして、その旨、つまり、名寄せの結果、ほかに年金の記号番号をお持ちである可能性がございますという旨と、また御本人の加入履歴をお知らせする。それから、被保険者で同一人の可能性のある方には、九月からその旨と御本人の年金加入履歴をお知らせして年金記録を確認していただく。それからまた、名寄せによって一致するものが見出せなかった年金受給者に対しましても、九月から御本人の年金加入履歴をお知らせし、年金記録を確認していただく、こういうことでございまして、そのことによって私どもとしては記録の統合が進められるものと考えております。

○櫻田委員長 既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

○山井委員 はい。以上で終わります。
 ありがとうございました。

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