山井和則 衆議院議員(京都6区7期)| やまのい和則 オフィシャルサイト

 

アニメの殿堂より、母子加算復活を!(メルマガ1265号より抜粋)

2009 年 6 月 24 日

党首討論で、鳩山代表が「アニメの殿堂より、母子加算復活を!」
    ~来週、母子加算復活法案が参議院で審議・採決へ~
        自民党・公明党はぜひ、賛成を!

 
 今日の党首討論を委員会室で目の前で傍聴しました。
 少し目頭が熱くなりました。

 「日に100人も自殺している日本はおかしい。
 若者の死因のトップが自殺である日本はおかしい。
 アニメの殿堂(国立メディア芸術センター)に
 百数十億を使うのをやめて、
 生活保護の母子加算を復活させるべき。

 高校に行きたくても行けない。
 修学旅行に行きたくても行けないという子どもを放置できない。

 民主党はコンクリートではなく、ヒトに投資する」などと、
 鳩山代表は麻生総理に迫りました。

 しかし、麻生総理は
 「母子家庭には高校就学費などを新たに出している」
 「財源が必要。消費税アップが必要」などと、
 逃げの答弁に終始。

 強く世直しを訴える鳩山代表に対して、麻生総理は、
 官僚が準備したメモを読み上げ、
 天下りや無駄遣いを正当化するばかりで、
 一国の総理としては見苦しい答弁でした。

 日ごろから「政治は愛だ」と、鳩山代表は言っておられます。

 その友愛社会のイメージが少しずつ明確になった
 今日の党首討論でした。

 大げさかもしれませんが、
 日本の歴史上、党首討論で母子家庭問題や生活保護の問題が、
 真正面から大きく論じられたのは、
 史上初ではないかと思います。

 それも政権交代を目前とした最後かもしれない党首討論で、
 議論されたことに大きな意味があります。

 格差社会が広がり、
 自己責任だけでは片付けられない
 「子どもの貧困」「貧困の連鎖」が深刻な問題になっています。

 国会もこの「子どもの貧困」「貧困の連鎖」の問題から
 目をそらすことは、これ以上、できません。

 生活保護制度には問題も確かにあります。

 しかし、子どもには罪はありません。

 過去5回、民主党では母子加算復活チーム会合を開き、
 毎回、当事者のお母さんから切実な話を聞いてきました。

 「私は貧しくてもいい。我慢できる。しかし、
 子どもには高校に行かせたい。
 子どもにはちゃんとした教育を受けさせたい。

 長女が家計に気を使って、中学の修学旅行を断念した。
 そのお姉ちゃんの姿を見て、
 妹も『私だけ修学旅行に行くわけにはいかない』と言って、
 修学旅行をあきらめた」。
 
 こんな言葉を聞きながら、永田町という恵まれた、
 比較的裕福な世界にいる国会議員は、心を動かされる。

 想像すらできないような話もお聞きします。
 うつ病、DV、児童虐待、不登校、多重債務、
 子どもの障がい、若くして乳がんを発症・・・・。

 これらのハンディキャップを
 二重に三重に抱えている母子家庭も多い。

 もちろん、生活保護を受けていない母子家庭でも同様の、
 いやもっと厳しい生活を強いられている方々がいると思います。

 しかし、母子加算復活は、貧困問題、
 ひとり親家庭の問題に取り組む突破口。
 一丁目一番地だと思うのです。

 最近、連日、政府・与党は、「低所得者対策」
 「子どもの貧困対策」などを選挙目当てに発表しています。

 私は腹が立ちます。そんな対策を今さらするなら、
 そもそもなぜ一番貧しい子どもたちの母子加算を廃止したのか。

 たとえは悪いかもしれませんが、政府・与党のやっていることは、
 「子どもをぶん殴ってケガをさせおいて、
 痛そうで苦しんでいるから薬を塗ってあげようか」と、
 言っているようなものです。

 その前に、「ケガさせてごめんね」
 「母子加算を削ってごめんね」と謝り、
 まずは、年200億円の母子加算を復活させるのが先決でしょう。

 定額給付金2兆円、その自治体の事務費が1000億円、
 補正予算14兆円。

 その一方で、
 子どもの高校進学や修学旅行をさまたげる
 母子加算廃止を強行するのは理解できない。

 非人道的です。

 そこで、いよいよ中村哲治参議院議員を中心に
 母子加算復活法案が、
 来週、参議院厚生労働委員会で審議ができそうです。

 衆議院厚生労働委員会での審議は、
 与党は拒否をしましたが、
 参議院では民主党が多数ですから、
 与党は審議拒否ができません。

 早ければ、来週、参議院で審議と採決が行われます。

 そこで、自民党と公明党にお願いがあります。

 この法案が可決されたら、
 10月から母子加算が復活されます。
 総選挙の結果は関係ありません。

 政争の具ではなく、総選挙の前に、
 この母子加算復活法は成立させるべきと思います。

 与党には言い分や反論は山ほどあるでしょう。

 しかし、母子加算廃止によって、高校進学を断念したり、
 修学旅行を断念する子どもが続出していることは、
 まぎれもない事実なのです。

 子どもに罪はありません。

 いま、遅まきながら、
 厚生労働省は実態調査を計画しています。

 しかし、遅い。遅すぎる。その調査で、
 厳しい結果が出るに決まっていますが、
 その場合、「では、母子加算廃止はやりすぎだったので、
 少し戻します」と言っても手遅れなのです。

 すでに、高校進学を断念した子ども、
 人生最高の思い出である修学旅行を断念した子どもにとっては、
 遅れて母子加算が復活しても意味はないのです。

 子どもたちは待ってくれません。

 この法案に賛成してもらえるように、
 多くの与党議員に対して、私は頭を下げ続けています。

 しかし、ある与党議員は言いました。
 「山井さん、あんまりいじめないでよ。
 こんな法案を選挙前に出されたら、
 賛成もできないし、反対もできないし、困るよ。
 あまりいじめないでよ」とのこと。

 その議員は、軽く言ったのでしょうが、
 私には納得できないのです。

 なぜなら、この問題でいじめられているのは、
 与党議員ではないのです。

 貧しい子どもたちこそ、未来を奪われているのです。

 「いじめないでほしい!」と、叫びたいのは、子どもたちです。

 子どもには幸せになる権利があります。

 生まれたくて貧しい家に生まれたわけではありません。

 こんなことを書いていると、私はどうしても、
 学生時代にボランティア活動をしていた
 母子寮(児童福祉施設)を思い出すのです。

 高校時代に勉強、勉強に追いまくられ、
 大学入学後に、「もう勉強は嫌だ!」と思い、
 「子どもたちと遊びませんか」という一枚の貼り紙につられて、
 訪問した母子寮。

 そこで、私が見た現実は、足の踏み場もなく散らかった部屋。
 学校から帰宅しても、勉強したくてもできない荒れた家庭。
 
 DV、児童虐待、別れた父親がアル中。
 母親が障がい者、サラ金被害など。

 母子寮に入る前には、
 食事はカップヌードルやインスタント食品ばかりだった子どもたち。

 「勉強するのが嫌だ!」などという贅沢な悩みの世界ではなく、
 勉強したくてもできない世界がそこにはありました。

 大学時代その母子寮での毎週水曜日、土曜日の夕方、
 ドッヂボールをしたり、野球をしたり、工作をしたり、
 鬼ごっこをしたり、いろんなことをする中で、
 「子どもには罪はない」と痛感しました。

 父親から虐待の後遺症で、
 男性におびえる女の子もいました。

 「この女の子は、どのような人生を送るのだろうか。
 幸せになれるのだろうか。
 大人の一人として、自分も何かできないだろうか」。

 そんなことを学生ながら、私も考えざるを得ませんでした。

 この頃から、私は「自助努力」「自己責任」という言葉に
 違和感を感じるようになりました。

 なぜなら、「自助努力」「自己責任」の前提は、
 同じスタートラインに立っていることだと思うのです。

 しかし、母子寮の子どもたちの接するうちに、
 生まれた時から、大きな大きなハンディキャップを背負わされ、
 スタートラインから大きく後退さされた場所からのスタートを
 強いられている子どもたちが多くいることを
 目の当たりにしたからです。

 もちろん、自助努力、自己責任は大事です。

 しかし、そんなきれいごとが通用しない世界があると
 私は感じました。

 私は今回の母子加算を復活させて、
 一生、その世帯が生活保護を受ければよいと
 思っているわけではありません。

 そうではなく、母子加算を復活させ、
 願わくば希望する子どもは高校は
 少なくとも卒業できるようにして、その子どもが定職に就き、
 貧困や生活保護から脱出できるようにしたいのです。

 しかし、高校にも行けず、中学卒業であれば、
 安定した仕事を得るのは困難です。

 そうすれば、その子どもが将来、
 また生活保護に頼ってしまう危険性が高まるのです。

 この「貧困の連鎖」を断ち切るのは政治の責任です。

 山井和則